2019年1月の複数の返済遅延の発生から、ついには扱う案件のほとんどが返済遅延状態に陥っているクラウドリース。
2019年5月24日(金)には、クラウドリースの武谷社長が、自身のブログに返済の意思を示す内容の記事を掲載しました(こちらに関する記事は、この記事の一番下にリンクがあります)。
その後、2019年5月31日(金)にはmaneoマーケットからクラウドリースとの協議に関するメールが投資家に送信されています。
そのメール内容を確認してみましょう。
目次
2019年5月31日付maneoマーケットからのクラウドリースに関するメール
まずは、2019年5月31日(金)に、maneoマーケットから投資家に送信されたクラウドリースに関するメールの内容を紹介しましょう。
以下、引用。
2019年4月19日付けのご報告でもお伝えいたしましたように、弊社は、CL社に対し、ファンドに係る案件の状況、回収計画などを把握したうえで投資家の皆様へのご報告を実施するため、ファンドの状況等についての説明及び当該説明の裏付けとなる資料の提出を速やかに実行するよう要請しているところでございます。
弊社は、CL社からの説明等を受けるべく、CL社や同社の代理人弁護士と折衝しておりますが、現状、案件の状況など具体的な事実関係を確認できておらず、こうした点について、投資家の皆様へのご報告を行うことができておりませんことをお詫び申し上げます。
先般のCL社及び同社代理人弁護士との面談において、CL社は、6月上旬を目途に弊社宛の説明等を実施する意向であることを確認しております。
弊社といたしまして、CL社からの説明等の内容を確認のうえ、あらためて投資家の皆様へのご報告を実施させていただく予定です。
また、弊社は、迅速な回収の促進に資する対応を検討しております。
CL社からの説明等の内容も踏まえ、今後、弊社として実行できる対応を行っていく所存です。
今後の投資家の皆様へのご報告につきましては、引き続きメールならびにホームページにてご報告いたします。
引用終わり。
結論を言ってしまえば、いつもどおり具体的な進展が見られません。
2019年6月上旬に、クラウドリースが代理人弁護士を通じてmaneoマーケットに対して説明を行うとの記載があるのみです。
2019年5月24日(金)に更新された武谷社長のブログでは、クラドリースは返済の意志はあるので、弁護士を通してのやり取りを行っているとしています。
しかし、maneoマーケットと武谷社長が直接やりとりを行っている様子はないようです。
maneoマーケットは、武谷社長に会うことができないのか、それともお互いに弁護士を通じてのやり取りで良いと感じているのか、その点についてmaneoマーケットからは回答が得られません。
投資家に対して迷惑をかけていると自覚しながら、速やかな解決方法を取らないのは、誠意のある態度とはとても言えないでしょう。
文中で、maneoマーケットは迅速な回収の促進に資する対応を行うと記載しています。
その内容については、またmaneoマーケットに内容を確認したいと思っています。
maneoマーケットで2019年5月31日に新たに発生した3件の返済遅延
2019年に入ってから、多数の返済遅延案件が発生しているmaneoマーケット。
2019年5月7日(火)には、石垣島や宝塚市の案件で返済遅延が発生してしまいました。
そして、いくつかの案件が運用終了を迎える2019年5月31日(金)、この日にも3件の案件で返済遅延が発生しました。
返済遅延①:京都市内の案件
出典:マネオ
こちらの報告にあるのは、京都市内の案件(不動産担保付きローンファンド1646号(案件1:C社、案件2:AN社))で6億円の募集になっています。
詳細はこちらです。
出典:マネオ
この案件は、ホテル用地の取得のための資金融資でした。
しかし、ホテルを建てたいという事業者から声が掛かったものの、その事業者に対して売却を行うことができませんでした。
そのため、資金を返済ができないという状況になってしまっているのです。
回収の見込み
気になる回収の見込みですが、maneoマーケットでは次のように記載しています。
以下、引用。
最終返済期日には元金の返済はございませんでしたが、利息の支払はございました。
事業者C社は不動産事業者DUから、早期解決に向けてより一層の売却活動への注力とともに、新たな資金調達を試みているとの報告を受けております。
今後、不動産事業者DUの売却活動に進捗が見られない場合には、事業者C社が主体となり不動産事業者DUとは別ルートでの売却活動を進めていく予定です。
引用終わり。
利息は返済されているということで、きちんと土地が売れれば売却回収の見込みはあると考えられます。
ただし、売却活動がスムーズにいかない場合は時間がかかる可能性もありますし、想定通りの資金が回収できる見込みもなくなってしまいます。
出典:マネオ
9億2000万円を極度額とした担保を設定しているため、6億円を回収できる見込みはその9億2000万円という表記が正しければ問題ないと言えます。
しかし、maneo(マネオ)の査定に信頼感を持っている人は少ないでしょう。
それでも少なくても8割は回収できるとは思われますが、その動向は見守っておきたいものです。
返済遅延②:兵庫県内のマンション用地取得案件
出典:マネオ
こちらに報告がありますが、次の案件(不動産担保付きローンファンド1605号(案件1:C社、案件2:AN社))で返済遅延が発生しています。
こちらも、総額6億円の案件となっています。
出典:マネオ
こちらは、兵庫県内のマンション用地を取得する事業者への融資です。
記載されている返済遅延発生の理由は、土地が売れる見込みがあったためリファイナンスをしていたものの、最終的には売却の話がまとまらず。
なおかつ、土地の用途がマンション用地に限られるため、なかなか買い手が見つからずに売却が難航しているという状態です。
回収の見込み
maneoマーケットでは回収の見込みを以下のように説明しています。
以下、引用。
上記「2.」で述べましたとおり、現時点での購入候補者への対応が一巡した状況でございます。
引き続き、対象者を広げ販売活動を継続するとともに、共同事業者の探索にあたるなど、多方面に可能性を探りつつ回収活動を行って参ります。
引用終わり。
頼りないことに、現時点の購入候補者への対応は一段落してしまい、新たに購入してくれる業者を見つけるまでは時間がかかりそうな状況です。
こちらの案件に関する担保は次のようになっています。
7億円の土地に対して抵当権を設定、6億円の融資を行っています。
しかし、購入者が見つからず、たとえ購入してくれる業者が現れたとしても7億円で購入してくれるケースは稀でしょう。
返済遅延の状況のための売却だと知られてしまうと、とても7億円で売却することはできません。
5億円や4億5000万円程度で買い叩かれる可能性もあります。
返済遅延③:千葉県内アパート建築費案件
出典:マネオ
こちらの案件は、不動産担保付きローンファンド1384号です。
融資金額の希望はやや小さく、7,000万円強の案件です。
出典:マネオ
7,000万円の融資を行い、債務者がアパートを購入。
運用を行って家賃収入を得つつ売却を図ることで収益を獲得するというプランが想定されていました。
しかし、建物に問題が発覚。
そして、建物の場所が郊外ということから、なかなか売却することができず、さらにアパートに関する建築不具合の問題なども発生。
それらの影響で家賃収入も少なくなり、返済資金が途絶えてしまったとされています。
つまり、レオパレス21のアパートを融資を受け購入したいたのだと考えられます。
2018年、レオパレスの建築基準法違反問題が明らかになったことから、家賃収入が減少。
債務の返済が不可能になり、債務整理に現在陥っているのでしょう。
回収の見込み
この案件に会する回収の見込みは、次のように記載されています。
以下、引用
当社及び事業者C社は、引き続き不動産事業者Jの売却による返済を誘導していきますが、上記のように債務整理を目的として弁護士が介入したことにより不動産事業者J社の法的整理も見据えた対応となる可能性が高い状況です。
本物件の購入検討者にとって、金融機関からの融資による資金調達の可能性は低下している状況でもあり、必然的に現金での購入客に頼る販売活動になっております。
一方で、本物件は毎月の家賃収入が得られる賃貸物件ですので、根抵当権に基づく収益執行による回収が可能でございます。
元本から見ると少額ではありますが、一定期間の賃料収入を回収に充当することも可能ですので、執行手続きを進めるべく、賃貸管理を委託している不動産賃貸管理会社との契約内容の精査等に着手しております。
引用終わり。
千葉県の郊外にあるレオパレスのアパートを売却し、また同時に少額ずつですが家賃収入による返済を行っていくとしています。
ただし、いまレオパレスのアパートを現金でわざわざ買ってくれる人は、相当の金額を買い叩くことを前提としているでしょう。
また、レオパレスの建築基準法の問題は、レオパレス側で修繕工事を行うとしていますが、何といってもその対象の物件数が膨大であるため、いつ完了するのかわかったものではありません。
おそらく売却価格は相場の半分以下、3,000万円ほどになると予想されます。
まとめ
投資家に送信された、maneoマーケットからクラウドリースとの協議に関するメールを紹介しましたが、連絡は結局ほとんど進展が見られません。
2019年6月上旬に、maneoマーケットとクラウドリースの竹田弁護士で話し合いを行い、またmaneoマーケットから回収に関する提案を行うということです。
maneo(マネオ)の案件は、新たに3件もの返済遅延が2019年5月末に発生しており、今後もこの傾向はまだまだ続くことが予想されます。
maneoの案件に新規で投資するのは非常にリスクが高いので、「SBIソーシャルレンディング」や「オーナーズブック」といった信頼できるソーシャルレンディングサイトに投資すると良いでしょう。
なお、クラウドリースの武谷勝法社長のブログに関してはこちらで紹介しています。