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2019年1月から開始のソーシャルレンディングサービスFunds
引用:Funds(ファンズ)
Funds(ファンズ)新興のソーシャルレンディングサイトながら、早くも1万人以上の会員を獲得するなど、その人気はうなぎ登りと言えます。
Fundsを運営しているのは、これまでソーシャルレンディングメディアを運営していたクラウドポートです。
クラウドポートはクラウドバンク出身の藤田雄一郎氏が社長を務めており、メディア事業を売却し、その資金で新たにソーシャルレンディングサービスに乗り出しました。
このFundsに投資するメリットや、注意するべき点などを投資家視点でまとめてみました。
Fundsへ投資するメリット
まず、Fundsが掲げているメリット、そして投資家として大きい感じられるメリットをまとめてみました。
メリット①:1円から投資できる
Fundsは、1円から投資することが可能です。
元々、ソーシャルレンディングサービスは不動産投資や不動産投資クラウドファンディングと比べても、少ない金額からの投資が可能という魅力がありました。
ただし、それでも2万円や5万円、10万円といったお金が必要であり、毎月の給料から余った分だけを投資していくことには向いていませんでした。
Fundsであれば1円から投資が可能なので、本当にそのときの余ったお金だけを投資に回す事が可能になっています。
一方で、もちろん1円や10円、数千円のお金に対して付与される金額はわずかなので、収益性が高いわけではない点に注意しましょう。
ある程度まとまったお金を運用できる余裕のある投資家にとっては、それほど大きなメリットにはなりません。
メリット②:融資先の名前が明記されている
Fundsは第二種金融商品取引業免許を取得していますが、貸金業登録は行っていません。
あくまで投資案件の資金募集のみ行なっています。
実際に貸金を行うのは、Fundsを使って資金を集める会社です。
Fundsの案件スキームを見ると、お金を必要としている会社と、その会社に融資をする会社の名前が明らかにされています。
ソーシャルレンディングというと、融資先の名前の開示が行われず、それゆえのリスクが非常に大きいことが問題の発生源となっていました。
しかし、Fundsであれば融資先の名前がわかっているため、融資先の企業が有名か、財務がどういった状況なのかなどについてある程度調べることができます。
そのため、投資先の事業者リスクを判断しながら投資することができるのです。
ただし、集めた資金の最終的な融資先の法人名については明記されていないことが多いため、その点にはよく注意をしておきましょう。
ソーシャルレンディングでも徐々に匿名化を解除する企業が増えているので、この点はソーシャルレンディング会社と、そこまで条件は変わらなくなってきています。
メリット③:融資先に有名企業が多い
Fundsの融資先を見ると、上場企業といったようにある一定の規模を持った会社を持ち、収益をしっかりと上げている会社が多いことがわかります。
Fundsが第1号案件として募集した会社といえば、テレビCMなどもよく放送しているアイフルです。
アイフルが関連会社に融資を行い、その関連会社がお金を必要としている個人などに融資を行うスキームになっていました。
個人への融資段階で返済が行えなかったとしても、返済義務はアイフルの関連会社にあります。
投資家へ返済する義務はこの会社が負っています。
最終貸付先からの返済の有無にかかわらず、実際に融資を受けているアイフル関連企業が返済の義務を負っているので、投資家のリスクは大きくないと言えます。
そして、アイフルの他にもインテリックスなど、不動産を取り扱う有名企業への融資が多いため、無名な企業に投資をするよりも安全性が高くなっています。
メリット④:様々な分野に分散投資できる
Fundsでは、基本的には不動産関連事業への融資が中心ですが、アイフルのような貸金業企業や、IT関連のベンチャー企業などへの融資案件を扱っています。
不動産関連事業ばかりに投資していると、不動産業界の市況が悪化したときに一気にリスクが拡大する可能性があります。
さまざまな業界への分散投資を行っておけば、そのリスクを軽減することが可能です。
メリット⑤:リコースローンである
Fundsは融資スキームを見ていると、すべてリコースローン(※)であると明記されています。
リコースローンであるため、実際の返済義務を持つ会社が融資先の企業から資金を回収できなかったときも、返済義務を持つ会社は資産を処分してまで返済を行わなくてはなりません。
つまり、投資家にとっては資金を回収できる可能性が高いのです。
(※)借り手の信用に基づいて融資を行い、返済の原資は借り手の全財産が返済責任を負うことになるローンのこと。
Fundsに投資するデメリット
もちろん、Fundsにはメリットばかりあるわけではありません。
デメリットにもしっかりと目を向けましょう。
デメリット①:担保や保証なし案件が多い
Fundsの案件を見ると、ほとんどが担保や保証がない案件となっています。
ソーシャルレンディングでは、案件に担保や連帯保証などが基本的に設定されていました。
しかし、Fundsに関しては一切そのような表記がありません。
貸し倒れした際には融資先の企業が返済義務を負いますが、担保や保証がないと処分する資産がない可能性もあります。
リコースローンでも、十分に資金を回収できない可能性があります。
デメリット②:利回りはやや物足りない
Fundsの利回りは広告などにも記載されているように1.5パーセントから6パーセントになっています。
ソーシャルレンディングの一般的な利回りが5パーセントから10パーセントだということを考えると、あまり高い利回りが獲得できるとは言えません。
ただし、2.5パーセントの獲得金利のアイフル案件は、あっという間に募集金額上限に達しました。
また、実際には4.5パーセントや6パーセントといった案件が中心であるため、不動産投資型クラウドファンディングと同等の利回りと言えます。
デメリット③:再投資が頻繁にはできない
他のソーシャルレンディング会社では、毎月分配金は投資家口座に振り込まれる会社が多いです。
しかし、Fundsの場合は四半期(3ヶ月)に1回になっています。
そのため、投資できるチャンスがそれほど多いわけではありません。
毎月まとまった金額が入ってくれば、再投資して複利運用で収益性を高めることができます。
Fundsの場合は分配が3ヶ月に1回のみとなっているので、複利運用していきたい人にとっては、物足りなさを感じるでしょう。
まとめ
Funds(ファンズ)で注目すべきところは、保証と担保がない点です。
また、それでありながらリコースローンだという点です。
リコースローンであるため最終融資先の事業が失敗しても、分配金は投資家に3ヶ月に1回分配される段取りになっています。
これがどういうことを意味するのかというと、Fundsでは実際に融資先の会社の事業内容までしっかりと審査をきちんと行なっているということです。
そこまでチェックしているので、担保なしでも資金未回収になることがないと判断できるのです。
融資先に保証や担保を用意させないことで、融資先の開拓を積極的に行なえます。
それと同時に、リコースローンにすることで、融資先に返済の責任自体はしっかりと負わせています。
有名企業が数多くして利用していることもあり、徐々にその認知度が高まっているFunds。
決して利回りが高いとは言えませんが、5パーセントほどの利回りで着実に余った資金を運用していきたいと人にとっては、とても向いているソーシャルレンディングサイトだと言えるでしょう。