2019年現在、投資家から訴訟を受けているmaneoマーケット、グリーンインフラレンディング、そしてJCサービス。第2陣の投資家訴訟も始まるなど、この3社はソーシャルレンディング各社、そして投資家から注目を集めています。
2019年3月と4月に一部返済を行ったものの、まだまだ数10億円以上の返済遅延が発生しているグリーンインフラレンディング。
2019年6月26日(水)に、maneoマーケットからグリーンインフラレンディングの返済に関するメールが送信されてきました。
グリーンインフラレンディングの資金返済は、どのような計画になっているのでしょうか?
水力発電所を売却したお金をJCサービスにまた融資していた
結論から先にお伝えすると、グリーンインフラレンディングは投資家に返済するべき金を手に入れたのに、その金をまたJCサービスに送金をするという行為を行っていました。
maneoマーケットからの報告のメールを以下に引用します。
以下、引用。
「株式会社グリーンインフラレンディングを営業者とするファンドにかかる資金の分配・償還に向けて」
株式会社グリーンインフラレンディング(以下「GIL社」といいます。)を営業者とする
ファンドにかかる投資家の皆様への資金の償還・分配に向けた株式会社JCサービス(以下「JCS社」といいます。)及びGIL社との協議の状況をご報告いたします。
5月17日に報告したとおり、JCS社及びGIL社は、4月26日、JCS社のホームページにおいて、「海外水力発電所1案件(募集金額約2.5億円)につきまして、同発電所を売却する契約が締結され、かかる契約に基づく売買代金の入金によって、関係会社を通じてGIL社に元本返済が完了している」旨を公表し、また、弊社においても、GIL社借り手資金口口座を確認したことにより、GIL社への2億5000万円の着金を確認したことをご報告いたしました。
しかしながら、弊社において、従前からご報告しております分配方針に沿い対象ファンドの出資者への分配であるか否かについて、本件契約における売却代金であることを確認するため、確認すべき事項に対する回答をGIL社に求め、その際、GIL社から上記案件に係る資金を管理している口座の入出金明細を入手したところ、GIL社から投資家の皆様に分配されるべき2億5000万円について、投資家の皆様への分配に充てられるのではなく、GIL社からJCS社あてに上記2億5000万円全額が送金されていることが判明しました。
引用終わり。
JCサービスが水力発電所を2億5,000万円で売却、そしてそのお金がグリーンインフラレンディングに着金していたことはmaneoマーケットも確認しています。
そして、maneoマーケットがそのお金を投資家にどのように分配する予定であるのか調査したところ、グリーンインフラレンディングはこの2億5,000万円をJCサービス宛に送金していました。
投資家に返済する資金をグリーンフラレンディングは親会社であるJCサービスに再度送金していました。
合計10億円がJCサービスに送金された
引き続き、maneoマーケットからのグリーンインフラレンディングに関するメールを引用します
以下、引用。
また、弊社において、上記2億5000万円のJCS宛ての送金の事実を踏まえ、GIL社が、投資家への皆様への分配を行うため2018年7月6日に供託していた約7億5000万円(以下「本件供託金」といいます。)の状況についての調査を実施したところ、GIL社は、同年11月22日、その取戻しを行っていたことが判明いたしました。
さらに、弊社は、上記事実の発覚を踏まえ、GIL社及びJCS社に対して、事実関係の詳細の説明を求めていたところ、両社から、両社名義の2019年6月21日付書面により、「GIL社は、本件供託金の取戻しにあたり、JCS社との間で合意書を締結し、投資家への償還方法が決定するまで、JCS社への本件供託金の貸付けを実施することとした」旨の回答がありました。
上記金額の合計約10億円は、投資家の皆様に分配するべき資金であり、GIL社の保有する他の資金と分別した上で適切に保管されていて然るべきところ、上記案件との関連性なく、JCS社あてに合計約10億円全額の送金が行われていたことは、弊社として到底許容できるものではなく、JCS社に対しては、一刻も早く全額をGIL社に返金するよう要請する所存です。
引用終わり。
昨年2018年にグリーンインフラレンディングが供託をしていた7億5,000万円と、今回の2億5,000万円、合わせて10億円がJCサービスに送金されていたことがmaneoマーケットの調査でわかりました。
10億円というのはグリーンインフラレンディングが返済するべきお金の20パーセント以上を占めるかなり大きな金額です。
早期返済が望まれます。
2019年4月末にJCサービスが売却したと発表した案件は
以下、引用。
なお、4月26日付のJCS社のホームページにおいて「バイオマス発電所1案件(募集額約7.5億円)」、「太陽光発電所3案件(募集額合計約15.6億円)」、「バイオマス発電所1案件(募集額約10.0億円)」を売却した旨公表されましたが、投資家への皆様への資金の分配を適切に行える状況にあるかを確認するため、現在、弊社は、JCS社に対し、これらの案件に係るファンドの具体的な償還計画等(ファンドに対応する案件の売買金額・売買時期、売却の相手先、契約履行状況、契約履行の完遂に至るJCS社らの課題と対応方法、これらを裏付ける資料)を開示するよう要請しております。
2019年6月26日
maneoマーケット株式会社
引用終わり。
JCサービスでは、2019年4月末に複数案件の売却を行ったとの発表を行っています。
しかし、その結果は到底信用できるものではなく、maneoマーケットで再度調査を行っているとしています。
JCサービス側からの反論
一方、2019年6月27日(木)の深夜に、JCサービスもウェブサイト上でmaneoマーケットに対する反論を行いました。
出典:JCサービス
以下、引用。
なお、MM社は、本年 6 月 26 日、MM社が管理するグリーンインフラレンディングのウェブサイトにおきまして、上記②及び③の案件に関し、「投資家への皆様への資金の分配を適切に行える状況にあるかを確認するため、現在、弊社は、JCS社に対し、これらの案件に係るファンドの具体的な償還計画等(ファンドに対応する案件の売買金額・売買時期、売却の相手先、契約履行状況、契約履行の完遂に至るJCS社らの課題と対応方法、これらを裏付ける資料)を開示するよう要請しております。」とのメッセージを掲載しましたが、当社及びGIL社は、MM社の要請に係る情報については既に開示済みであり、かかるメッセージは投資家の皆様に誤解を与えるものとして、大変遺憾に思っております。
当社及びGIL社としては、今後もMM社との協議を進め、投資家の皆さまへの一刻も早い分配・償還を目指していきます。
引用終わり。
一方maneoの報告です。
以下、引用。
(1)海外水力発電案件に係る返済資金のGIL社から当社への送金の経緯について GIL社が関係会社を通じて返済を受けた資金については、本来であれば、匿名投資組合契 約に基づき、速やかに投資家に償還しなければなりません。
しかしながら、従前より当社及びGIL社とMM社との間で投資家への償還方法につき見解 の相違が生じており、償還の実現までには、相当の時間を要することが明らかでした。
MM社との間で締結したファンド管理システムの利用・提供に関する業務提携合意書によれ ば、投資家への償還が実現できない現状においてすらも、ファンド募集に係る高額な取扱手 数料が発生し続けております。そのため、MM社が投資家への償還を行わないことから、投 資家からの投資資金の元本が毀損してしまう虞があります。
このような状況は、投資家保護の観点から、到底看過できるものではありません。 そこで、GIL社は、投資家の利益保護の責務を負う匿名組合契約の営業者として、上記資 金を1か月程度運用することとし、かかる運用により得た利益で投資家からの元本の毀損を 防ぐとともに、可能な限り募集時に表示した運用利回りに近い配当を実現できるようにする こととした次第です。
引用終わり。
- 資金を預けていてもなかなか返済されない。
- しかし、maneoマーケットにシステム利用料が相変わらず発生している。
- そこで自分たちで運用し、システム利用料を捻出した。
このように伝えています。
供託金については、次のように説明しています。
以下、引用。
また、本件供託金につきましては、MM社との協議が整っていないことから、未だ投資家の 皆さまへの分配・償還が実現していない状況にありますが、他の元本回収済みのファンドも 含め、一刻も早い償還を行うべく、今後も ММ 社や、ММ 社を通じて当局を含む関係各所 に対して、「投資家間の公平性、投資家保護」に向けてご理解が得られるように働きかけを 行うとともに、その一刻も早い実現のための調整を進めてまいります。
引用終わり。
こちらも同様であり、結局maneo側とJC側の交渉は難航の状態にあります。
まとめ
当サイトでも取材記事を作成していますが、maneoマーケット、JCサービス及びグリーンインフラレンディングは、投資家からの訴訟に対してmaneoマーケットJCサービスおよびグリーンフラレンディングはお互いに自分達は主導の立場ではないという、答申書を用意しています。
記事はこちらをご覧ください。
解決まではまだ時間を要する模様です。