安全に投資できるソーシャルレンディング会社を選ぶためのポイントのひとつに、ソーシャルレンディング会社の決算情報のチェックがあります。
黒字化を毎年達成している会社であれば倒産リスクは低くなりますし、ソーシャルレンディング事業が軌道に乗っていることがわかります。
ソーシャルレンディング事業がうまくいっていない会社の場合、ソーシャルレンディング事業から撤退したり赤字で倒産する可能性も出てくるのです。
今回は、決算情報を公開しているソーシャルレンディング会社をチェックすることで、適当な投資先なのかを確認していきましょう。
ここでは、3月上旬に2018年12月期の決算情報を発表した「レンデックス」(LENDEX)の決算情報を確認してきます。
目次
2018年12月期のレンデックスの決算は1,400万円の赤字
レンデックス(LENDEX)の2018年12月期の決算情報は、下記リンクから確認することができます。
この決算情報を確認してみると、残念ながらレンデックスの2018年12月期の決算は約1,400万円の赤字だったということです。
2018年の売上高などはまだ公表されておらず、貸借対照表のみを確認することができる状況です。
そのため、どれくらいの売上があり、どれくらいの経費がかかっているかといったの細部は確認することができません。
2017年はレンデックスの決算は黒字であった
レンデックス(LENDEX)の2017年12月期の決算情報は下記のリンクから確認することができます。
こちらの決算情報を確認してみると、レンデックスは2017年12月期は黒字を達成していました。
しかし、社長インタビューのコメントを見ていると、実質ソーシャルレンディング事業に参入したこの2017年12月期。
いきなり黒字化を達成できたのは、社長の資産などを売却したことによる売却益が主な収入源になっていたとされています。
つまり、2017年12月期でもソーシャルレンディング事業のみでは黒字化は達成できていなかったと推測できるのです。
レンデックスの売上は小さい
レンテックス(LENDEX)の売上がどれくらいだったかを推測するためには、レンデックスがどれくらいの金額を2018年に融資していたかで判断することができます。
レンデックスの2019年3月現在の総融資額は、約15億円。
これまでの募集情報や実績を確認していると、2017年内には3億円ほどの募集しか行なっていません。
となると、2018年のみでは10億円ほどの募集だったことがわかってきます。
また、レンデックスは貸付けの際の金利も公開しています。
例えば、投資家に対して8パーセントの利益を提供する案件では、10パーセントでの貸付。
投資家の金利収入が7パーセントの案件では、9.5パーセントでの貸付を行っているものが多くあります。
つまり、貸付の際に同社が利益として得ている利回りは2パーセントから2.5パーセントとしているのです。
1年間で10億円ほどの募集を行っていたことを顧みると、2018年のソーシャルレンディング事業の金利による収入は、2,000万円から2,500万円といったところでしょう。
同社の社員数は現在6名となっていますが、この6名の人件費そして会社の賃料を含めたその他の運用コストなどを考えると、2,500万円の売上ではとても足りない売上だと考えられます。
一方で、レンデックスは貸金業登録も行っているため、ソーシャルレンディング以外にも自社で抱えている顧客に対して貸付など行い、貸金業での利益を得ていることも十分に考えられます。
ただし、そういった点を含めても、想定できる同社の売上は3,000万円から4,000万円ほどであり、売上規模はかなり小さいと言わざるを得ません。
会社の維持コストは小さいので売上をどれだけ増やせるかに注目が集まる
現在、レンデックス(LENDEX)が入っているオフィスは、九段下にある九段セントラルビルです。
その九段下セントラルビルの賃料を調べてみると、毎月の賃料は約13万円ほどと決して大きな金額ではありません。
年間の家賃も150万円ほどであり、会社の維持費はそれほど大きくないものと考えられます。
社員6名を維持するための人件費が3,000万円から3,500万円ほどと仮定すると、会社の総合的な維持コストは4,000万円ほどになるのではないでしょうか。
レンデックスがしっかりと利益を出し、ソーシャルレンディング事業継続していくためには年間15億円程度を年利3パーセントで活動すれば、売上が4,500万円になります。
ここが同社がしっかりと利益が確保できるラインだと考えられます。
その売上を確保するためには、毎月1億2000万円以上の募集を行わなければいけません。
定期的に、投資家に向けたソーシャルレンディング案件提供を行っていく必要があるでしょう。
2019年4月の頭には、3月末に募集が失敗した1億2500万円の案件を再募集し、そちらの方は順調に資金が集まっている様子です。
しかし、同時に販促キャンペーンなども実施しているため、レンデックスでは今後も常時投資家の募集を行わなければならない状況であることには変わりありません。
投資家からの信頼を裏切らずに、きちんと募集と返済を定期的に繰り返していく体制の構築ができれば、レンデックスは投資するに値するソーシャルレンディング会社のひとつといえるようになるのではないでしょうか。
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