「投資をするとお金を増やせるらしい」と聞いて興味を持っても、「自分にはできなさそう」と諦めていませんか?
確かに、少し前までは投資はお金持ちのためのものでしたが、最近はそうでもありません。
100円から投資できる方法も充実してきており、お金が少ない若い人にも投資が広がってきています。
この記事では、少額でできるおすすめの投資方法を紹介していきます。その前に、少額でも良いから投資を始めた方が良い理由や、少額投資のデメリットも見ていきましょう。
目次
筆者プロフィール
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つ、金融機関出身のフリーライターです。
投資歴は4年、運用資産は1,000万円に突入し、毎月約2万円以上の不労所得が入ってくるようになりました。
読者の方々の老後の豊かな暮らしや早期リタイアをサポートするため、金融や投資の記事を多く執筆しています。
この記事では投資に興味がある方のために、100円など少額で取り組める投資方法を紹介していきます。
筆者も最初は少額から始めて投資の魅力を知ったので、これから投資を始める方の参考になればと思います。
少額投資のメリット
少額投資を始めるべき理由を解説するため、3つのメリットを紹介していきます。
- お試しとして利用できる
- 大損するリスクが低い
- 分散投資しやすい
お試しとして利用できる
今回紹介する投資は、100円から始めることができます。
100円だったら、お試しで投資してみよう、と思えませんか?
初めから大金が必要になる投資方法だと、尻込みしてしまう人が多いと思います。
その点、少額で始められる投資方法なら「初めてだから少し試してみたい」と思う方にぴったりです。
大損するリスクが低い
少額投資であれば、大損するリスクが低いです。
一部の投資方法を除き、投資では使った金額を超える損失を被ることはありません。
100円の投資なら最大100円の損失で、それ以上を失うことはないのです。
FXなど一部の方法では投資額以上の損失を被るリスクがありますが、今回紹介する方法では、投資額以上の損失は被らない仕組みです。
よって、少額投資なら大損せずに運用できます。
分散投資しやすい
少額投資には、分散投資しやすいメリットがあります。
1口あたりの投資額が少なくて済むので、少ない予算でもさまざまな商品に分散投資できるのです。
分散投資をすると、一つの投資先が破綻して元本割れしてしまっても、他の商品の利益が補ってくれる可能性が高いです。
集中投資よりも大損するリスクを下げられるので、低リスクな運用ができます。
少額投資のデメリット
少額投資ならではのデメリットもあるので、2つ見ていきましょう。
注意点として理解した上で、少額での投資を始めるようにしてください。
- 手数料が割高になりやすい
- 利益が小さくなりがち
手数料が割高になりやすい
投資をするときに手数料がかかる場合があり、少額投資では手数料の方が割高になる「手数料負け」を起こす可能性があります。
特に、月額利用料がかかるサービスを利用すると、手数料負けしやすくなります。
月額300円のサービスを利用している場合、1ヶ月で300円以上の利益が出ないと損になりますよね。
つまり、1年で3,600円の利益を出せる投資方法でなければなりません。
しかし、利回り3パーセントで運用する場合、年間3,600円の利益を得るためには12万円の投資が必要です。
100円など少額の投資だと、このように手数料負けする可能性があります。
サービスの利用を始める前に、手数料が高くないか確認しましょう。
利益が小さくなりがち
少額投資だと、利益も小さくなりやすいです。
メリットで紹介したように少額投資は大損しにくいですが、利益も小さくなりがちというデメリットがあります。
利益の大小も投資金額の大小に左右されるので、大きな利益を狙うならまとまった資金を用意した方が良いでしょう。
ただ、少額で投資を試せるのは大きなメリットなので、小さな利益を狙ってコツコツとお金を貯めていっても良いでしょう。
少額投資で資産形成するコツ
少額投資でも、利益をコツコツ貯めて資産を形成することができます。
お金の増やし方にはコツがあるので、次の2つの方法を実践していきましょう。
- 積立投資で資産を大きくする
- ドルコスト平均法で積み立てる
積立投資で資産を大きくする
少額の投資でも良いので、定期的に積み立てて行くことで大きな資産を形成することができます。
毎月100円の投資でも1年続ければ1,200円を、毎月1,000円なら1年で1万2,000円を積み立てることができます。
今回は100円でも投資できる方法を紹介していきますが、100円しか投資せず積み立てをしなかったら、元本が小さすぎるので利益もほとんど出ません。
しかし、少額でも良いので積み立てをすれば、元本が大きくなるので利益も大きくなっていきます。
少額で投資を始める方は、1回だけ投資をして終わりにするのではなく、「毎月〇〇円」など自分のルールを決めて積み立てていきましょう。
積立投資をすれば、少額でもいつの間にか大きな資産になっているかもしれません。
ドルコスト平均法で積み立てる
積み立て投資を行うときは、「ドルコスト平均法」で積み立てるのがおすすめです。
ドルコスト平均法とは、定期的に決まった金額分だけ同じ商品に投資をすることです。
「毎月〇〇円ずつ投資信託に投資をする」のような簡単なルールです。
ドルコスト平均法で投資をすると、高値掴みを避けられるメリットがあります。
投資を始めるとき、最も嫌なのは「自分が株式などの商品を買ったあと、どんどん値段が下がっていく」という現象です。
残念ながら、相場観が身についていない初心者ほど投資のタイミングで失敗しやすく、高値掴みしがちです。
ドルコスト平均法は購入するタイミングを分散させることができ、しかも一定の金額での買い付けなので、価格が高いときは少なく、安いときはたくさん買い付けすることができます。
高値掴みを避けられる仕組みなので、初心者におすすめです。
少額投資の方は、決まった金額を毎月投資するといった積立投資をしていくのが一般的だと言えます。
そのまま続けていけばドルコスト平均法での買い付けになるので、自分なりのルールを守って投資をしましょう。
おすすめの少額投資方法:100円~1,000円の場合
はじめに、100円から1,000円と小額で投資を始めた人向けの投資方法を解説していきます。
100円から始められますが、これは最低投資金額なので、1万円や10万円などたくさん投資したい人も使える投資方法です。
- 投資信託
- おつり投資
- ポイント投資
- 単元未満株
投資信託
投資信託は、投資会社にお金を預け、代わりに運用してもらう商品です。
銀行や証券会社で1000円や1万円から投資することができる商品で、インターネット証券会社なら100円からでも投資できます。
投資信託の利回りは1パーセントから3パーセントほどなので、100円の投資だと1年で101円から103円に増えるイメージです。
少額投資なので利益が小さく感じられますが、1,000円の投資なら1,010円から1,030円、1万円の投資なら1万0,100円~1万0,300円に増えると考えれば、投資でお金が増える実感が湧くのではないでしょうか?
投資信託は手数料無料で購入できる商品も多く、低コストであることが魅力です。
利回りが低く利益を実感しにくいデメリットはありますが、手数料が低く手数料負けしにくいメリットは重要と言えるでしょう。
おつり投資
おつり投資は、クレジットカードや電子マネーの買い物で生じた端数を1ヶ月分まとめ、自動で投資してくれるサービスです。
100円から投資することができます。
運用する商品は投資信託なので、利回りは投資信託と同じ1パーセントから3パーセントが期待できます。
おつり投資はおつり貯金と似ており、強制的に投資をする効果があります。
投資をするためにお金をとっておくのが苦手な人でも、取り組めるメリットがあります。
一方で、サービスを利用するのにお金がかかるデメリットがあります。
月額利用料として300円ほどかかるサービスもあり、手数料負けするリスクが高いです。
ポイント投資
ポイント投資は、買い物やクレジットカードの使用などで貯めたポイントで、投資商品を買うサービスです。
100ポイント(100円相当)から投資することができます。
ポイント投資で投資できるのは、主に投資信託です。
サービスによっては、株式を購入することができます。
利回りは投資信託と同様、1パーセントから3パーセントほどを見込んでおきましょう。
ポイント投資のメリットは、自分のお金を使わなくても投資ができることです。
投資は元本割れのリスクがあるので、怖いと感じている人もいるかもしれませんが、ポイントなら自分のお金を失う怖さがなく投資を試すことができます。
買い物でポイントを使いたい人にとっては使いにくいサービスかもしれませんが、その他には特に大きなデメリットはありません。
月額利用料がかかるサービスもほとんどないですし、自分のお金を使わずに投資できるので、投資を試したい人におすすめです。
単元未満株
「単元未満株」とは、1株など小さな単位で購入する株式のことです。
一般的に、株式は100株を1単元としてまとめて購入するため、100株より少ない株数で買う場合は「単元未満株」と呼びます。
企業によって株価は異なるので、1株の価格は異なります。
よって投資したい銘柄によって必要な資金が異なりますが、500円~1,000円ほど用意しておけば、さまざまな銘柄の中から選ぶことができます。
株式投資なので、利回りは3パーセントから7パーセントほどが期待できます。
単元未満株のメリットは、100株単位で購入するためお金のかかる株式投資が、数百円と少額から投資できることです。
一方で、月額利用料がなかったり売買にかかる手数料が高かったりするため、手数料負けするリスクも大きいサービスです。
おすすめの少額投資方法:1,000円~1万円の場合
1,000円~1万円の予算がある人向けに、少額でできる投資方法を紹介していきます。
上述した投資信託よりも利回りが高めなので、少額で投資したいけれど利益もしっかり取りたいという方におすすめです。
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
- 米国株式
- 金・プラチナ
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、お金を借りたい企業と投資家をインターネット上で結びつけるサービスです。
「融資型クラウドファンディング」と呼ばれているように、投資家は企業に融資をすることで、金利を収入として得られます。
ソーシャルレンディングは、1万円から始められるサービスが多いです。
中には1円から始められるものもあるため、より少額で投資を始めたい人にもおすすめできます。
ソーシャルレンディングの利回りは、2パーセントから10パーセントほどです。
1万円を投資した場合、1年で1万0,200円~1万1,000円に増やせると期待できます。
ソーシャルレンディングのメリットは、この利回りの高さです。
信用できる会社を選ぶことがソーシャルレンディングにおけるポイントだと言えるでしょう。
詳しくはこちらをチェックするようにしてください。
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産の運用を行う会社が資金調達するために使うサービスです。
投資家は、1万円と少額で不動産に投資することができます。
不動産投資型クラウドファンディングの利回りは、5パーセント前後が一般的です。
中には、10パーセント近い利回りの案件もあります。
不動産投資型クラウドファンディングのメリットは、不動産投資を小口でできることです。
一般的な不動産投資だと物件を所有しなければならないため、数千万円といった購入費用がかかります。
しかし、不動産クラウドファンディングは小口で投資ができるので、小額で不動産投資を始めた人にぴったりです。
不動産投資型クラウドファンディングのデメリットは、サービスを運用する会社が資金調達する企業の審査を適切に行えていないと、元本割れのリスクが大きくなる点です。
ソーシャルレンディングと同様に、運営会社の信頼性が重要な投資方法です。
詳しくはこちらを読んでおくと良いでしょう。
米国株式
日本に住んでいる人でも、アメリカの株式を購入することができます。
米国株式は1株ずつ購入できるので、1万円以下の予算でも投資ができます。
銘柄によって利回りは大きく異なりますが、主な米国株式の平均的な利回りは約7パーセントです。
1万円を投資すると、1年で1万0,700円に増やせると期待できます。
米国株式のメリットは、少額でも利回りが高い投資ができることです。
ただし、手数料が国内株式に比べると高くなるデメリットがあります。
証券会社が手数料引き下げ競争を行っているので、今後はもっと手数料が下がったり、手数料無料の範囲が増える可能性があります。
金・プラチナ
金やプラチナといった貴金属も、投資対象になります。
「純金積立」と呼ばれる投資方法で、1,000円から積み立てることができます。
金やプラチナは資産を守るための投資方法と位置づけられるため、今回解説する他の投資方法をやっている人におすすめです。
貴金属は有事の際に価格が上がり景気が良いときは下火になるので、多くの金融商品と逆の値動きをします。
したがって、貴金属にも投資をすると景気の良し悪しに関係なく、資産が大きく減ったり増えたりしにくくなります。
言い換えれば、金やプラチナには景気が悪いときに投資家の資産全体を支えるメリットがある反面、利益を追求してガンガン稼げる商品ではないというデメリットがあります。
投資する金額が増えてきたら、値動きをマイルドにするために貴金属への投資も検討しましょう。
おすすめの少額投資方法:1万円~10万円の場合
続いて、1万円から10万円ほどの資金があれば投資できる商品を解説していきます。
これまでに解説した少額投資の方法も使えるので、予算に余裕がある方は組み合わせて投資をしていきましょう。
- ETF(上場投資信託)
- 株式投資
- ロボアドバイザー
ETF(上場投資信託)
ETFは「上場投資信託」のことで、投資信託と同様にプロに運用を任せられる商品です。
投資信託と異なり、最低投資額は数万円となります。
ETFのメリットは、投資信託よりもコストが低く抑えられることです。
よって利回りもやや高く、2パーセントから4パーセントほどを狙うことができます。
デメリットは、証券取引所に上場しているため証券会社を通して売買注文を出す必要があり、やり方が若干難しく感じられるかもしれないことです。
慣れれば簡単ですが、最初はハードルが高く感じるかもしれない点がデメリットだと言えるでしょう。
株式投資
株式投資は、株式を買って株主になり、企業の出資者の一人になることです。
企業が利益を出したら利益の一部を「配当金」としてもらうことができます(インカムゲイン)。
また、株価が値上がりしたら売却し、差額を利益として得ることもできます(キャピタルゲイン)。
単元未満株の項目でも触れたように、一般的には株式は100株を1単元として購入します。
そのため、数万円から10万円といったある程度まとまった資金が必要になります。
利回りは3パーセントから7パーセントを期待することができます。
加えて、株主優待をもらえるメリットがあります。
一部の企業では株主優待の制度を導入しており、株主に自社製品やサービスの割引券を配布しています。
これも実物での利益と言えるでしょう。
デメリットとしては、ETFと同じで証券取引所に売買注文を出すため、投資方法が少し難しいことです。
株価は日々変動しているので、高い価格で買ってしまいその後株価が下がって損をしてしまうというリスクがあります。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、投資を自動で行ってくれるサービスです。
投資家のリスク許容度を診断し投資家に合った商品を選んでくれるため、投資の知識がない人でも始めやすいと人気があります。
ロボアドバイザーは、最初は10万円、その後は毎月1万円ずつ積み立てるといった仕組みが一般的です。
投資する商品は国内・海外のETFで、利回りは2パーセントから7パーセントからほどが期待できます。
自動で投資が行われるので手間がかからないメリットがありますが、 手数料として運用資産の1%が差し引かれるデメリットがあります。
利回りが1%下がるイメージなので、手数料負けする可能性があります。
おすすめの少額投資方法:10万円以上の場合
10万円以上を投資できる場合、投資方法の選択肢はもっと広がります。少額とは言えないかもしれませんが、資金に余裕が出てきたら試したい投資方法として覚えておきましょう。
- REIT(不動産投資信託)
- 不動産投資
REIT(不動産投資信託)
REITは「不動産投資信託」のことで、投資信託の仲間です。
投資家はお金を預け、投資会社が不動産で運用し利益を投資家に還元します。
REITは1口10万円から20万円の商品が多いです。
利回りは4パーセントから6パーセントほどで、10万円を投資すると1年で104万円から106万円に増えることが期待できます。
REITのメリットは、いつでも売却できることです。
少額の不動産投資信託なら不動産投資型クラウドファンディングでも可能ですが、原則として途中で解約できません。
REITはいつでも売却できるので、現金化ができます。
一方、値動きがある点がデメリットと言えます。
ETFや株式と同様に証券取引所で売買されるので、日々価格が変わります。
値下がりしてしまうリスクもある点はデメリットと言えるでしょう。
不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートを買って貸し出し、家賃収入をもらう投資方法です。
物件を購入するので数千万円のお金がかかり、不動産投資ローンを組んで始めるのが一般的です。
そのため、少額投資ではない点がデメリットになりますが、投資額が大きいので大きな利益が狙えるメリットもあります。
サラリーマンの副業のようなイメージで人気のある投資方法です。
まとめ
少額投資の具体的な方法やメリット・デメリットを中心に解説しました。
100円から始められる投資方法も、意外と多いと感じられたのではないでしょうか?
少額投資は損失が大きくなりにくいので、初心者にも自信を持っておすすめすることができます。
手数料負けに気を付ければ、働かなくてもお金を増やせる手段になるので、少額から投資を始めてみてはいかがでしょうか?