※当記事は、2023年10月5日(木)時点の公開情報に基づき執筆しています。
2020年8月、ソーシャルレンディングの「COOL(クール)」が案件の募集を再開しました。
この記事では、COOL(クール)の特徴や信頼性、過去の貸し倒れや遅延の実績などをまとめました。
COOL(クール)に投資して良いかどうかを判断するための材料を揃えたので、投資する前にこの記事でメリット・デメリットを把握しましょう。
目次
ソーシャルレンディングの「COOL(クール)」とは
ソーシャルレンディングのCOOL(クール)は、2019年にスタートしたサービスです。
1件の案件を成立させた後、サービス停止状態になっていました。
しかし、2020年に再開され、8月から新規の案件の募集が始まりました。
新規の口座開設もできるようになっており、今までCOOL(クール)を使ったことがない人も始められるようになりました。
2019年のサービス開始当初は、在日外国人が運営する会社への融資に特化したソーシャルレンディングというユニークさで注目を集めていました。
サービス再開後は民泊事業や不動産事業への融資を募集しており、毛色が変わってきているようです。
COOL(クール)の募集実績
ソーシャルレンディングのCOOL(クール)は始まったばかりのサービスのため、まだ実績はさほど多くありません。
2023年10月5日(木)時点では次のとおりです。
- 運用が終了した案件:28件
- 運用中の案件:11件
募集案件実績は39件と少ないですが、成立ローン総額と遅延・貸し倒れがあるかどうかを見ていきましょう。
成立ローン総額
2023年10月5日(木)現在、すでに募集が終わった案件の成立ローン総額は10億1,600万円です。
遅延・貸し倒れ実績
2023年10月5日(木)時点で、COOL(クール)では遅延や貸し倒れは発生していません。
すでに運用が終了したのは3件で、その「アジア貿易ファンド#1」は早期償還されました。
当初は3ヶ月間の予定でしたが、2019年7月29日〜8月30日の約1ヶ月間の運用となりました。
元本の返済と、期間中の利息は問題なく投資家に入金されています。
早期償還の理由は、借入人が別の資金調達を行うため、期限前の償還を希望したためです。
不祥事や破綻などの大きなトラブルがあったわけではなさそうです。
この後特徴をお伝えしていくので、そちらで信頼性を考えていきましょう。
COOL(クール)の総評
では、クラウドアンサー独自にソーシャルレンディングCOOL(クール)を評価してみます。
利回り、実績、安全性、信用度、情報開示の5つの項目と総合評価を5段階で評価します。
利回り:3
COOL(クール)の過去の案件の予定年利率は4.0パーセントから4.5パーセントです(税引前)。
ソーシャルレンディングの利回りは概ね2パーセントから10パーセントに入るので、COOL(クール)は中間あたりの利回りと言えます。
実績:3
2023年8月現在、新規の案件を入れても36件の取り扱いであるため、実績を判断することは難しいです。
今のところ特にトラブルは起きていないため、評価は3としました。
安全性:4
今のところ貸し倒れや遅延は起きていないので、安全性の評価は4としました。
しかし、実績はまだ10億円ほどと少なく、運用案件数も少ないため、安全性については「低くはなさそうだが高いと言える根拠はない」のが正しい評価だと言えるでしょう。
今後実績が溜まって来れば、より正確な評価をつけられるようになるでしょう。
募集案件に株式会社日本保証の保証付きを増やし、投資家への保証体制を整備しようとする意向は見えてきています。
信用度:4
信用度も、少ない実績から判断するのは難しいです。
ですが、金融メディアとしての実績があるZUUグループの運営であり、ずさんな運営はされにくいと考えられます。
例えば、COOL(クール)で不祥事があったら、金融メディア「ZUU online」の信用性も下がります。
「ソーシャルレンディングで不祥事を起こしたのだから、メディアの運営も適当なのでは?」と思われてしまうためです。
失うものがない会社とは違うため、COOL(クール)の運営にも大きな不安材料はないです。
情報開示:5
メリットでも解説したように、COOL(クール)は情報開示の幅が広く、透明性が高いソーシャルレンディングサービスです。
そのため、情報開示の評価は満点の5としました。
他社のサービスだと、投資先の情報を詳しく公開せず、ぼんやりとしか伝えていないケースがあります。
このようなサービスに比べると、COOL(クール)は情報開示の範囲が広く、投資家が正しい情報をもとに融資するか否か検討できます。
総合評価:4
COOL(クール)は情報の透明性が高く、ZUUが運営するという信頼性もあるため、投資に値するサービスと考えられます。
ただし実績がまだ少なく、貸し倒れや遅延が起きたときの対応力を評価できないため、満点ではなく総合4の評価としました。
COOL(クール)の案件の特徴
新しいサービスのためまだ実績がないCOOL(クール)ですが、ユニークな特徴を持っています。
他の大手のソーシャルレンディングサービスにも引けを取らない特徴について解説していきましょう。
案件の特徴
- ZUUグループが提供するサービス
- 預かり金方式が導入された
- 情報の透明性が高い
特徴①:ZUUグループが提供するサービス
COOL(クール)は2019年10月から、株式会社ZUUの運営になっています。
ZUUが株式会社COOLの株式を取得し、子会社化したためです。
ZUUは金融メディア「ZUU online」を運営する会社なので、聞いたことがあるというかは少なくないでしょう。
月間400万人が閲覧する大手金融メディアで、質の高い専門的な記事を読むことができます。
ZUUは金融事業も手がけており、その一つがソーシャルレンディングです。
COOL(クール)は金融メディアとしての実績がある大手のグループが運営しているため、信頼性は高いと考えられます。
COOL(クール)で問題が起きたら、ZUU onlineの信頼性にも傷がつくからです。
コンプライアンス的に、ずさんな運営はされにくいと考えられます。
特徴②:預かり金方式が導入された
当初は取引ごとに口座を指定して入金する方式でしたが、2020年6月からは預かり金方式が導入されました。
銀行口座と同じようなイメージで自分の専用口座にCOOL(クール)側にお金を預けておけるため、投資や再投資がしやすくなります。
預かり金方式が導入されるということは、COOL(クール)での案件募集も活発になることが予想されます。
また、COOL(クール)は短期の案件が中心なので、預かり金方式との相性が良いです。
毎回入金する従来の方式だと、数ヶ月ごとに入金と出金を繰り返すので投資家もCOOL(クール)側も手間や手数料がかかります。
預かり金方式なら、短期で運用が終わってもそのまま資金を預けておいて、次の案件に備えることができます。
入出金の手間や手数料を省くことができ、使いやすいサービスになったと言えます。
特徴③:情報の透明性が高い
COOL(クール)は他のソーシャルレンディングと比べて情報の透明性が高いです。
最終的な貸付先の企業名やリコースローンのリスクの概要など、投資家が知りたい情報が開示されています。
金融メディア運営の経験が活かされているのか、情報の透明性の高さでは信頼できるソーシャルレンディングサービスです。
COOL(クール)の2023年7月~9月の案件募集実績
出典:COOL(クール)
では、COOL(クール)の直近3ヶ月(2023年7月~9月)の募集実績を紹介しましょう。
2023年9月の募集実績
2023年9月のCOOL(クール)の募集実績は以下の通りです。
- 募集案件数:1件
- 募集金額:3,000万円
2ヶ月続いての募集です。
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | ピーアイコーポレーション不動産事業ファンド#1 | 9ヶ月 | 3,000万円 | 4.5% |
2023年8月の募集実績
2023年8月はCOOL(クール)の募集は以下のとおりです。
- 募集案件数:1件
- 募集金額:4,400万円
3ヶ月連続の募集です。
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | THE CITYダイニング事業ファンド#9【特典付】 | 10ヶ月 | 4,400万円 | 4.7% |
2023年7月の募集実績
2023年7月のCOOL(クール)の募集実績は以下の通りです。
- 募集案件数:1件
- 募集金額:3,000万円
2ヶ月連続の募集です。
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | Dear Reiciousファンド#1 | 12ヶ月 | 3,000万円 | 4.3% |
COOL(クール)に投資するメリット
ソーシャルレンディングCOOL(クール)の概要がわかったら、実際に投資をする際のメリット・デメリットを確認しましょう。
メリットとしては、1万円から投資でき、数ヶ月の短期の案件が多いことが挙げられます。
メリット
- 1万円から投資できる
- 運用期間が短く気軽に投資できる
メリット①:1万円から投資できる
2020年以降の募集案件は、1万円から投資をすることができます。
少額で始めたい人や、COOL(クール)の実績がなくて大金を運用するのは不安という人でも、気軽に試せる金額だと言えるでしょう。
ソーシャルレンディング業界では、1万円から投資できることが標準的となっています。
中には5万円や10万円からでないと投資できないサービスもあるので、COOL(クール)はそれに比べるとかなり少額で投資を始められる良心的なサービスです。
メリット②:運用期間が短く気軽に投資できる
COOL(クール)で募集された案件の運用期間は、3ヶ月から6ヶ月ととても短いです。
他のソーシャルレンディングは1年かそれ以上のことが多いため、運用期間の短さは群を抜いています。
運用期間が短いことは、投資家にとって大きなメリットです。
ソーシャルレンディングは途中で解約できないため、運用期間が長いと他に魅力的な案件があったときに資金を動かせず、チャンスを逃すことになるからです。
また、期間が短い方が貸し倒れしにくい傾向もあります。
運用中に破綻などの万が一のことが発生しにくいからです。
COOL(クール)に投資するデメリット
メリットに続いて、COOL(クール)のデメリットについて解説します。
実績が少なく、信頼性を判断しにくいことなどがデメリットとして挙げられるでしょう。
デメリット
- 実績が少なく信頼性を判断できない
- COOL側の破綻リスクがある
デメリット①:実績が少なく信頼性を判断できない
今後募集予定の案件を含めても、COOL(クール)ではまだ7件の実績しかありません。
今のところ貸し倒れや遅延は起きていませんが、案件が少ないから当然とも言えます。
したがって、現段階で実績だけで信頼性を判断するのは難しいです。
メリットや案件に魅力を感じたら、少額で試していくと良いでしょう。
デメリット②:COOL側の破綻リスクがある
COOL(クール)のソーシャルレンディングの仕組みは、次の3つのステップに分けられます。
COOLのソーシャルレンディングの仕組み
- 投資家のお金を株式会社COOLが集める
- COOLから株式会社COOL SERVICESに投資を行う
- COOL SERVICESから貸付先の企業にお金を貸す
そのため、貸付先だけでなくCOOL、COOL SERVICESの破綻リスクもあります。
投資家の資金は分別管理されているとは思いますが、もし管理が甘かった場合、COOL側の倒産によって預け金が戻って来なくなるリスクがあります。
とはいえ、これはCOOL(クール)に特有のリスクではなく、ソーシャルレンディングならどの会社にもあるリスクです。
ソーシャルレンディングで投資をするなら理解しておきたいリスクです。
COOLのリスクに対する対策
ソーシャルレンディングサイトを運営する会社は、どの会社も投資家の資産保全のためにさまざまな対策を行っています。
もちろんCOOL(クール)も例外ではありません。
COOLのリスク対策の主な内容は次の2点が特に目立っています。
リスク対策
- 日本保証の保証付き案件を扱う
- 上場企業への融資案件を扱っている
リスク対策①:日本保証の保証付き案件を扱う
COOL(クール)は、2020年12月に株式会社日本保証との業務提携を発表しました。
その内容は、今後募集される案件に対し日本保証の保証を設定するというものです。
株式会社日本保証は、SAMURAI FUNDなど複数のソーシャルレンディングサイトで保証付き案件の提供を行っています。
ソーシャルレンディング案件の融資時に保証がついていれば、融資先から貸付金の満額が返済されなかった場合でも、株式会社日本保証が代位弁済してくれます。
そのため、日本保証が倒産しない限りは投資家に貸付資金満額の返済が行われる可能性が高いのです。
また、保証付案件の提供を行う際には、株式会社日本保証が融資先の財務状況などを厳正に審査します。
それゆえ、返済力のない会社への融資はまず行われません。
実際に他のソーシャルレンディングサイトを見ても、株式会社日本保証の保証付き案件で返済遅延や貸し倒れが発生したことはありません。
COOL(クール)は、保証付き案件の提供により投資家の資産保全性を大きく高めていこうとしているのです。
リスク対策②:上場企業への融資案件を扱っている
もう一つのCOOLのリスク対策が、上場企業への融資案件の提供です。
COOL(クール)の第3号案件である「民泊・マンスリーファンド事業融資ファンド #1」は、JASDAQ上場の不動産会社、株式会社ファンドクリエーショングループの100%連結子会社である株式会社ファンドクリエーションへの融資案件です。
融資先は上場企業の子会社であり、企業名も公開されているので、投資家は融資先の詳しい情報を調べることができます。
特に、上場企業はIR情報の開示義務があります。
決算情報を詳しく確認できるため、投資先として妥当なのかどうかをチェックしてから投資判断できます。
また、上場企業やその子会社がソーシャルレンディングで融資を受けたお金を返済できないと、株主からの評判は下がり株価下落が起こり得ます。
そのリスクがあるため、上場企業とその関連会社は返済をきちんと行おうとするのです。
上場企業への融資案件であれば、貸付した資金の満額が返済される可能性は高いでしょう。
COOL(クール)の口コミ・評判
COOL(クール)は、ソーシャルレンディング投資家からどのような評判を獲得しているのでしょうか?
SNSなどから、ポジティブな評判とネガティブな評判の両方を拾ってみました。
ポジティブな口コミ・評判
COOL(クール)のポジティブな評判として挙がっているのが、大手金融メディア「ZUU ONLINE」を運営する株式会社ZUUが運営会社の親会社であるという点です。
上場企業が運営に関与しているため、投資家への不正行為を行うリスクが小さく、また今後大きな成長を遂げることに期待しているという声が聞かれます。
まだ案件の募集回数は6件ですが、2021年は大きな飛躍の年として注目されています。
また、リスク対策を入念に行っている点も、投資家から良い評判が聞かれます。
株式会社日本保証の保証がついているため、投資家の損失が発生する可能性が低いです。
上場企業への融資を扱うことで、損失リスクを下げようとしている取り組みも評価されています。
ネガティブな口コミ・評判
一方で、ネガティブな評判も聞かれます。
それは、募集案件数が少ないことです。
2019年のサイト開設時に1案件、そして2020年に案件募集を再開した後にも、まだ2件の募集しか行われていません。
COOL(クール)がおすすめの人
では、COOL(クール)はどういった考えを持つ投資家の方におすすめできるでしょうか?
不動産案件を中心に取り扱っていること、そして保証付きという資産保全対策が入念な案件に投資したいという人におすすめできるでしょう。
おすすめの人
- 保証付き案件に投資したい人
- 不動産案件に投資したい人
おすすめ①:保証付き案件に投資したい人
COOL(クール)が評価を受けているポイントの一つに、株式会社日本保証の保証付き案件を提供していることが挙げられます。
保証が設定されていれば、仮に融資を受けた会社が満額を返済できなくても、株式会社日本保証が損失分を代わりに返済してくれます。
そのため、投資家の資産が減少する可能性は低いのです。
元本の損失を極力避け、着実に投資して増やしていけるソーシャルレンディングサイトを探している方におすすめだと言えます。
おすすめ②:不動産案件に投資したい人
2020年にCOOL(クール)が募集した案件は、2つとも不動産案件です。
他のソーシャルレンディングサイトを見ても、不動産案件で貸し倒れや返済遅延が起きたという事例はなく、第2号案件も無事償還を迎えました。
不動産案件は比較的損失が起こりにくいため、手堅い投資先を探している方に向けと言えます。
不動産案件を探している方は、COOL(クール)を利用してみると良いでしょう。
COOL(クール)で投資を始める手順
デメリットもありますが、中程度の利回りで短期の機動的な投資ができることは魅力的です。
早速COOL(クール)で投資を始める手順をお伝えしていきましょう。
メールアドレスの仮登録
COOL(クール)のホームページで「口座開設」をクリックし、メールアドレスとパスワードを入力します。
同意事項も読んで、納得してから進みましょう。
これで仮登録は完了です。
COOL(クール)からのメールが届くので、認証URLをクリックしてください。
氏名や住所などの本登録
認証URLから飛んだページで、氏名や住所などの投資家の情報を登録します。
ミスがないように入力してください。
住所はCOOL(クール)からのはがきの送り先にもなります。
特に間違いのないように注意して入力しましょう。
身分証明書などのアップロード
身分証明書はスマホで写真を撮影してアップロードします。
本人確認は免許証やパスポート、マイナンバー登録はマイナンバーカードや通知カードを使うのが一般的です。
ここまで終わったら、COOL(クール)側で審査が始まります。
住所確認はがきを受け取る
審査が無事に終わったら、登録した住所に「住所確認はがき」が送られてきます。
はがきには「本人確認コード」が書かれているので、COOL(クール)の画面でこれを入力すれば、本人確認が完了します。
ここまでで口座開設が完了し、投資を始めることができます。
入金・投資を行う
COOL(クール)で投資をするには、入金をしましょう。
まず、COOL(クール)にログインした後、メニューの「入出金」から「入金口座情」を見ます。
ここに書かれている銀行口座が、ご自身専用の入金口座となります。
この口座に振り込みで入金すれば、その資金が預かり金となって投資ができるようになります。
投資したい案件を選んで申し込みをしてみましょう。
振り込み後の預かり金への反映は、原則として翌営業日中です。
COOL(クール)は先着方式での申し込みとなるため、募集が始まってからの入金だと申し込みに間に合わない可能性があります。
新規の募集が告知された時点で投資する資金を入金しておくと良いでしょう。
まとめ
ソーシャルレンディングのCOOL(クール)は2020年8月から案件募集を再開したサービスです。
2020年10月には再開後2件目の募集も予定されています。
まだ実績は少ないですが、短期で中程度の利回りを狙える魅力的な運用先です。
情報開示の範囲が広く株式会社ZUUが運営している信頼感もあるので、投資に値するソーシャルレンディングサービスと言えるでしょう。
口座開設はお伝えした手順で、無料で行うことができます。
良い案件が登場してから口座開設していると間に合わない可能性があるため、今のうちから登録しておくことをおすすめします。
下の「サービスサイト」から行うことができますよ。