※当記事は、2023年10月9日(月)時点の公開情報に基づき執筆しています。
新規サイトが続々と登場している、不動産投資型クラウドファンディング。
2020年11月には、愛知県名古屋市にある不動産会社の株式会社TSONが運営する新規不動産投資型クラウドファンディングサイト「TSON FUNDING」が登場しました。
そこで、新しい不動産投資型クラウドファンディングサイトを探している方のために、TSON FUNDINGの特徴や投資することのメリット、そしてどういった考えを持つ投資家の方におすすめなのかについてお伝えしていきます。
目次
不動産投資型クラウドファンディング「TSON FUNDING」とは
出典:TSON FUNDING
「TSON FUNDING」の運営元は、愛知県名古屋市に本社を構える不動産会社、株式会社TSONです。
東京証券取引所TOKYO PRO Marketへの上場を果たしていましたが、2023年末で上場廃止予定です。
運営会社
事業を見ると、不動産投資事業のみならず住宅事業、コンサルティング事業、広告代理店事業など不動案を取り巻く周辺事業に従事しています。
社名 | 株式会社TSON(カブシキガイシャ ティーソン) |
---|---|
設立 | 平成20年8月20日 |
本社 | 愛知県名古屋市中村区名駅三丁目22-8 大東海ビル2F |
代表取締役社長 | 荒木 健次 |
資本金 | 1億円 |
登録 | 宅地建物取引業免許:愛知県知事(3)第21490号 |
建設業許可 | 愛知県知事免許(般-31)第107176号 |
不動産特定共同事業許可 | 愛知県知事第6号 |
上場証券市場 | 東京証券取引所TOKYO PRO Market 銘柄コード3456 |
TSON FUNDINGの特徴
TSON FUNDINGとは、どのような特徴を持った不動産投資型クラウドファンディングサイトなのでしょうか?
大きく分けて、AIを利用した案件組成を行っている点、また想定利回りが高い点という2つの特徴に集約できます。
特徴
- 「キャピタル重視型」「インカム重視型」のファンドがある
- 利回りは6.7%と高め
- AIで物件の価値を算出し運用利回りを定めている
- 東京・愛知の不動産に投資できる
特徴①:「キャピタル重視型」「インカム重視型」のファンドがある
TSON FUNDINGではキャピタル重視型ファンドとインカム重視型ファンドの2つの案件を取り扱っています。
2つのファンドにどういった違いがあるのでしょうか?
それは、キャピタル重視ファンドは、1年未満という短期間の運用を前提とし売却益を投資家に対して配分していくファンドであり、インカム重視ファンドは、1年~3年などの長期運用を前提として、家賃収入を投資家に配分していく点となっています。
長期間の運用を行いたい方、短期的な運用で利益をすぐに得たい方両方のニーズに対応しています。
特徴②:利回りは6.7%と高め
投資である以上利益をどの程度得られるのかが、気になるという人も多いでしょう。
TSON FUNDINGに関しては、キャピタル重視ファンド・インカム重視ファンドのいずれも想定利回りは6.7パーセントとなっています。
あくまでも計画の数字ですが6.7パーセントという利回りは、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと比較しても決して引けを取る数字ではないどころか、平均的な水準以上だと言えるでしょう。
特徴③:AIで物件の価値を算出し運用利回りを定めている
TSON FUNDINGの大きな特徴として、AIで物件の価値を算出し運用シミュレーションを行い、利回りを決めている点が挙げられます。
豊富な物件取扱い実績を持っている不動産会社だからこそ、収集した300万件以上のビッグデータを活用し、案件運用やシミュレーションが可能となっているのです。
特徴④:東京・愛知の不動産に投資できる
TSON FUNDINGが扱う不動産の立地は、東京と愛知県内の2つに分けられます。
東京都内の物件に投資できる不動産投資型クラウドファンディングサイトは多いですが、愛知県の物件に投資できるものはそう多くはありません。
さまざまな場所へ分散投資を行いたい人に向いていると言えます。
TSON FUNDINGの2023年7月~9月の募集実績
案件の特徴がわかったところで、TSON FUNDINGの募集案件の概要を紹介しましょう。
直近の2023年7月~9月に募集が行われた実績を紹介していきます。
2023年9月の募集実績
TSON FUNDINGで2023年9月に募集が行われた案件は以下のとおりです。
- 募集案件数:4件
- 募集金額:3億3,480万円
一定の募集ペースを維持しています。
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | SMART FUND50号(埼玉県さいたま市緑区Ⅰ) | 152日 | 4,320万円 | 6.0% |
2 | 森林再生52号(半田市白山町・津島市神守町) | 1年1日 | 9,540万円 | 5.8% |
2023年8月の募集実績
TSON FUNDINGで2023年8月に募集が行われた案件は以下のとおりです。
- 募集案件数:2件
- 募集金額:2億5,290万円
愛知県以外の案件です。
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | SMART FUND48号(埼玉県春日部市II〔B棟〕) | 1年1日 | 8,820万円 | 5.5% |
2 | SMART FUND47号(東京都府中市) | 1年1日 | 1億6,470万円 | 5.5% |
2023年7月の募集実績
TSON FUNDINGで2023年7月に募集が行われた案件は次のとおりです。
愛知県内の森林再生ファンド中心です。
- 募集案件数:5件
- 募集金額:3億7,260万円
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
---|---|---|---|---|
1 | 森林再生48号(愛知県知多市巽が丘) | 1年1日 | 5,130万円 | 5.5% |
2 | SMART FUND45号(愛知県豊田市III・稲沢市III) | 1年1日 | 1億1,970万円 | 5.5% |
TSON FUNDINGに投資するメリット
では、TSON FUNDINGに投資するメリットとしては具体的にどのようなポイントが挙げられるでしょうか?
総じて、収益面でのメリットが大きいと言えるでしょう。
メリット
- 高利回りのファンドに投資できる
- 1万円から投資できる
- 短期・中長期運用ファンド両方に投資できる
- 運用途中でも解約できる
メリット①:高利回りのファンドに投資できる
TSON FUNDINGの案件の利回りは、2020年12月時点の公開ファンドを見ると、全て想定利回りが6.7パーセントです。
他社の不動産投資型クラウドファンディング案件と比べると、高利回りといえる水準です。
高い収益性を求める人にとって、利用の価値の高いサイトでしょう。
メリット②:1万円から投資できる
TSON FUNDINGの最低投資可能金額は1万円です。
そのため、多額の自己資金を用意できない人や、まとまったお金が用意できない人でも、比較的手軽に不動産投資型クラウドファンディング投資を始めることができます。
コツコツと積み立てるように投資したい方に、利用しやすい不動産投資型クラウドファンディングサイトと言えるでしょう。
最低投資金額が小さいので、運用によって生まれた利益をすぐに再投資に回してさらに利益を増やすといういわゆる複利運用もしやすくなっています。
メリット③:短期・中長期運用ファンド両方に投資できる
TSON FUNDINGでは、キャピタル重視ファンドとインカム重視ファンドの2種類の案件を運営しています。
キャピタル重視ファンドの運用期間を見ると、総じて1年以内となっており早期売却も起こり得ると記載があります。
長期間保有というリスクを避けたい人はキャピタルゲイン案件を利用すると良いでしょう。
一方で、インカム重視ファンドは1年から3年と長期間運用が行われます。
一度投資した後は、自分で作業をすることなく毎月一定の配当金を受け取れます。
副業はしたいけれども手間をかけたくない、本業に差し支えのない範囲で利用したいという人にとってはインカム重視ファンドの利用価値も高いでしょう。
メリット④:運用途中でも解約できる
TSON FUNDINGの大きな特徴の一つに、運用途中でも解約できる点があります。
手数料は、投資金額の3パーセント+消費税です。
ソーシャルレンディングは運用中の解約はできませんし、大半の不動産投資型クラウドファンディングサイトでもファンド運用中のキャンセルは不可です。
運用途中の解約が可能であるため、急に現金が必要となった時、また市況変化リスクを避けたい時には、ファンドを解約して現金化することで自分の資産を守ることができます。
TSON FUNDINGのデメリット
メリット以外にも、TSON FUNDINGのデメリットも確認しておく必要があります。
TSON FUNDINGのデメリットはそう多くはありませんが、きちんと知っておきましょう。
TSON FUNDINGの最も大きなデメリットは、キャピタル重視ファンドにおける早期償還です。
自分が想定していたよりも短期で物件の売却が行われてしまうと、予定していた収益を得ることができなくなる可能性があります。
毎月一定の投資による配当金を得たいと思っている方にとっては、早期償還が起こりえるサイトは利用しにくい側面があります。
ただし、解約にあたっては、手続きを経てまた解約理由をきちんと伝える必要があります。
TSON FUNDINGが取っているリスク対策
TSON FUNDINGでは投資家の資産保全のために、多数のリスク対策を行っています。
自分の資産を守るため、TSON FUNDINGのリスク対策をしっかりと知っておきましょう。
特に、地価下落リスク対策がユニークだと言えます。
リスク対策
- 20%の優先劣後出資方式を採用している
- 手数料を支払えば案件運用中でも解約できる
- 定期借地権付き物件を購入している
- 前期間家賃固定型の空室保証を設定
リスク対策①:20%の優先劣後出資方式を採用している
他の多くの不動産投資型クラウドファンディングサイトと同じように、TSON FUNDINGでも優先劣後出資方式を採用しています。
優先劣後出資方式とは、物件の購入費用を投資家から集めた優先出資分と不動産会社が自ら出資する劣後出資分に分けて分別管理することを指します。
不動産投資型クラウドファンディングでは、ファンド運用終了時に物件を売却して、投資家に出資分を返金します。
その売却時に仮に損失が発生した場合は、不動産会社が出資した劣後出資分から損失が計上されます。
TSON FUNDINGでは、物件購入価格の20パーセントを株式会社TSONが出資します。
20パーセントまでであれば、物件価格が下落しても、投資家は損失を負うことがありません。
リスク対策②:手数料を支払えば案件運用中でも解約できる
TSON FUNDINGでは案件の運用途中に投資金額の3パーセント+消費税の手数料を支払えば、解約して返金をしてもらえます。
どうしても他の投資にお金を回したくなった場合、家庭の事情などでまとまったお金が必要になった場合でも速やかに現金化できます。
また、例えばコロナショックのような経済不況が発生し、不動産価格も下落しそうだと判断したら、出資ファンドをキャンセルすることで資金を回収し損失を最小限に抑えることが可能です。
市況の変化に応じた柔軟な資金運用が可能だと言えます。
リスク対策③:定期借地権付き物件を購入している
TSON FUNDINGに大きな特徴の一つに、不動産物件の購入に際し定期借地権付き物件を購入している点が挙げられます。
定期借地権付き物件とは、不動産の購入に際し建物と土地を買うのではなく、建物と、土地を利用する権利を購入します。
土地そのものを購入しないため、次の2つのメリットがあると言えます。
- 購入価格を抑えることができる
- 土地価格の下落を考慮しないで済む
物件売却時でも土地価格の減少は起こりませんし、短期間の運用であれば建物価格は大きな下落が発生しません。
下落が起きても、下落幅は想定しやすいです。
事前のシミュレーション通りに運用できれば、高い可能性で利益を確保できます。
リスク対策④:前期間家賃固定型の空室保証を設定
TSON FUNDINGで運用される物件は、空室リスクに備えた「全期間家賃固定型の空室保証」設定しています。
そのため、空室の発生があっても一定の家賃収入を見込むことができます。
投資家に支払われる収入も、家賃保証が続く限りは毎月支払われます。
配当金が支払われる可能性は高いと言えるでしょう。
TSON FUNDINGがおすすめの人
ここでは、TSON FUNDINGはどういった投資家に向いた不動産投資型クラウドファンディングサイトなのかについてまとめておきましょう。
主に、資産保全性重視の投資家の方向けの不動産投資型クラウドファンディングサイトだと言えるでしょう。
おすすめの人
- 地価下落リスクの低い不動産投資型クラウドファンディングを利用したい人
- 利回りの高い案件に投資したい人
- 自由に解約できる不動産投資型クラウドファンディングに投資したい人
地価下落リスクの低い不動産投資型クラウドファンディングを利用したい人
不動産投資型クラウドファンディングの大きなリスクの一つが、売却時の物件価格下落リスクです。
せっかく運用に成功しても、物件売却時に価格が大きく下がってしまえば、配当収益を売却損失が上回ることになってしまいます。
しかし、TSON FUNDINGでは土地賃借権付き物件を調達することで、物件売却時の価格下落リスクを避けています。
利回りの高い案件に投資したい人
TSON FUNDINGの案件の利回りは、想定で6.7パーセンと不動産投資型クラウドファンディングとしてはかなり高い利回りです。
まだ実際にファンドの運用完了実績があるわけではないため実績は不確定ですが、運営元の不動産会社の実績は確かなものがあります。
膨大なビッグデータから算出されたデータで判断した利回りだけに、その数字には一定の信頼がおけるでしょう。
不動産投資型クラウドファンディングで大きな利益を得ていきたい投資家の方は、TSON FUNDINGを利用する価値が高そうです。
自由に解約できるファンドに投資したい人
TSON FUNDINGは、手数料を支払えば自由に案件運用途中での解約が可能となっています。
定期的に配当金が得られることが不動産投資型クラウドファンディングのメリットですが、他のサイトでは一定期間自分の資金を拘束されるリスクが存在します。
しかし、TSON FUNDINGでは資金拘束リスクがないため、手数料さえ払えば自分の思うように現金化できまたリスク回避も可能です。
リスクを避けながらも高い利回りの投資先を探している人にとって、TSON FUNDINGはかなり利用価値の高い不動産投資型クラウドファンディングサイトだと言えるでしょう。
TSON FUNDINGの口座開設手順
TSON FUNDINGは、2020年10月末から会員募集を行っています。
そこで、実際の画面を見ながら、どのように会員登録を行っていったら良いのか紹介しましょう。
パソコンの場合
出典:TSON FUNDING
まず、パソコンの画面の中央に「新規会員登録」ボタンがあるので、そのボタンをクリックしてください。
仮登録用の画面に遷移するので、仮登録用のメールアドレスとログイン用のパスワードを入力します。
スマホの場合
出典:TSON FUNDING
スマートフォンでも、口座開設の流れはパソコンの場合と変わりません。
画面中央部にある新規口座開設ボタンをクリックしてください。
そうすると、メールアドレス入力用の画面に遷移します。
個人情報の入力と本人確認情報のアップロード
その後、自分のメールアドレスに会員登録用のURLが記載されたメールが送られてくるのでクリックしてください。
そうすると、本登録画面に遷移します。
住所や連絡先などの個人情報、そして自分の所有する資産や勤務先の情報を入力し、また運転免許証やパスポート、マイナンバーカードをアップロードして本人確認作業を行います。
最後に、銀行情報の入力および通帳のアップロードを行えば、口座開設処理が完了しマイページが作られ、自宅住所にハガキが送られてきます。
ハガキの送付後の確認コード入力
ハガキが送られてきた後は、ハガキに記載されているコードをマイページに入力すれば、住所確認が行われ口座開設は無事完了します。
そうすれば、TSON FUNDINGの案件に投資できるようになります。
まとめ:総評
TSON FUNDINGは東証 TOKYO PRO Market上場していた企業が運営する不動産投資型クラウドファンディングサイトであり、会社としての信用性の高さ、資本力の強固さ、取り扱う物件の大きさに未上場企業に対し一定の優位性があると言えます。
またリターンの面で見れば利回りも6.7パーセントと標準以上の数字であり、短期、中長期と好みに合わせた運用期間を選べる点も特徴です。
資産保全性の面で見てみれば案件の運用中のキャンセルが可能であったり、借地権付きの土地を購入したりするというユニークなスキームで利回りを高め、また価格下落リスクを避けています。
攻めも守りも非常に有用な対策を行っている不動産投資型クラウドファンディングサイトとして、投資する価値は大いにあると言えるでしょう。