資産運用に関心を持ち始めた人でも、「本当に投資を始めた方が良いのか」「資産運用にはリスクがあるらしく、なんだか怖い」と感じている方は多いと思います。
メリットやデメリットを知らない状態では、始めることができませんよね。
そのような方のために、この記事では「なぜ資産運用をした方が良いのか」「どうすればリスクを抑えて運用できるのか」などについて解説していきます。
資産運用の種類も12個紹介しており、それぞれで「○○な人におすすめ」と属性を明示しました。
自分に照らし合わせながらご覧いただくことで、投資を始めるヒントにしていただけるかと思います。
資産運用をおすすめする理由
会社のために一生懸命働いても、不景気のため給与が上がらず悩んでいる人にこそ、資産運用を始めて欲しいです。
資産運用を始め、ある程度まとまった金額を運用できるようになると、お金の悩みから解放されるようになるからです。
では、なぜお金の悩みから解放されるのか、具体的に次の3点を挙げて解説していきましょう。
- 預金より利回りが高いから
- インフレに備えられるから
- 不労所得を得られるから
理由①:預金より利回りが高いから
銀行預金の利回りは最高でも0.02パーセントほどで、預けておいてもほとんど増やすことはできません。
バブル期は5パーセント以上の利回りも預金で狙うことができましたが、今では信じられない話です。
高い利回りを狙うなら、預金ではなく投資です。
投資なら、今でも1パーセントから10パーセントほどの利回りを狙うことができるからです。
具体的に何パーセントの利回りが期待できるかは投資する商品によりますが、預金に比べて圧倒的に高利回りであることはおわかりいただけるかと思います。
利回りが高い商品に投資すれば、「仕事」の収入と「投資」の収入の両方が手に入るため、仕事だけでお金を増やすよりも速く資産を成長させることができます。
例えば、老後にゆとりある生活を送るには、退職時に2,000万円ほどの貯金が必要という、いわゆる「老後2,000万円問題」として話題になった金融庁のレポートがあります。
つまり、私たちは自力でお金を増やす必要に迫られているのです。
しかし、ほとんどの方は、給料が上がることや退職金の金額に大きな期待はできないでしょう。
そうなると、給与だけで資産を準備するのではなく、資産運用もして増やしていく方法が賢明だと考えられます。
銀行預金より利回りの高い投資をして、仕事以外の方法でもお金を増やしていきましょう。
理由②:インフレに備えられるから
投資をするべき理由は、資産を蓄えるためだけではありません。
銀行預金だけでは、将来的にお金が目減りしていく可能性があるため、投資をした方が賢明なのです。
物の値段が上がる「インフレ」が起こると、相対的にお金の価値は下がります。
わかりやすいように極端な例を挙げて説明しましょう。
今は100円で買えるおにぎりが、来年には物価が上がり105円になったと仮定しましょう(インフレ率5パーセント)。
この場合、今の100円をそのまま取っておくだけでは、今なら買えるおにぎりを、来年には買えなくなってしまうのです。
現金の価値より物の価値の方が早く上がっており、現金では買えないものが増えてしまう現象が起きてしまいます。
これが「インフレ負け」と呼ばれる現象です。
この例でインフレ負けを解決するには、5パーセントの利回りで100円を運用する必要があります。
そうすれば、今の100円は来年には105円になるため、来年になってもおにぎりを買うことができます。
また、10パーセントの利回りで運用できれば100円を110円にできるため、来年におにぎりを買っても5円のおつりが来ます。
つまり、インフレ率と同じかそれを上回るペースでお金を増やせば、将来インフレが起きても問題なく物を買えるのです。
残念ながら、銀行預金ではインフレ負けがほぼ確実です。
銀行預金は利息がほぼゼロなのに対し、インフレ率は2パーセントが目標となっているからです。
インフレ負けをしないためには、目標インフレ率の2パーセントと同じかそれ以上の利回りを狙った投資をした方が良いでしょう。
理由③:不労所得を得られるから
1つ目と2つ目の理由は、切迫感のある理由でした。
ですが、資産運用には「不労所得」という美味しいメリットもあります。
資産運用を始めると、保有しているだけで利益を得られる商品があります。
株式投資の配当金がその代表例です。
このような商品に投資をすれば、保有しているだけで定期的にお金が振り込まれます。
労働をしたわけではないのに口座に振り込まれているお金を見るのは、何物にも代えがたい喜びがあります。
不労所得は、現役時代なら生活費の足しになりますし、老後には個人年金のような形で生活を助けてくれます。
仕事に全力投球できる現役時代に不労所得を生む資産を築いておくことで、豊かな生活を送れる可能性は高くなります。
貯金と資産運用のシミュレーション
資産運用がおすすめの理由を言葉だけで解説してきましたが、貯金と資産運用について資産の成長を比べてみれば、資産運用すべきということは一目瞭然です。
貯金は利回り0.002パーセント、資産運用は利回り5パーセントとして、資産の成長を比較してみましょう。
毎年100万円ずつ拠出し20年間運用すると、次のグラフのように資産が成長します。
年数 | 貯金した場合(万円) | 資産運用した場合(万円) |
運用開始 | 0 | 0 |
1年目 | 100.0 | 105.0 |
2年目 | 200.0 | 215.3 |
3年目 | 300.0 | 331.0 |
4年目 | 400.0 | 452.6 |
5年目 | 500.0 | 580.2 |
6年目 | 600.0 | 714.2 |
7年目 | 700.1 | 854.9 |
8年目 | 800.1 | 1,002.7 |
9年目 | 900.1 | 1,157.8 |
10年目 | 1,000.1 | 1,320.7 |
11年目 | 1,100.1 | 1,491.7 |
12年目 | 1,200.2 | 1,671.3 |
13年目 | 1,300.2 | 1,859.9 |
14年目 | 1,400.2 | 2,057.9 |
15年目 | 1,500.2 | 2,265.7 |
16年目 | 1,600.3 | 2,484.0 |
17年目 | 1,700.3 | 2,713.2 |
18年目 | 1,800.3 | 2,953.9 |
19年目 | 1,900.4 | 3,206.6 |
20年目 | 2,000.4 | 3,471.9 |
貯金の場合はほぼ2,000万円ですが、資産運用では約3,500万円に成長します。
資産運用をするのとしないのとでは、1,500万円ほどの差が出るのです。
利回りが0パーセントと5パーセントという違いだけで、資産形成にこれだけ大きな影響があります。
資産運用をすれば、目標の資産額に早く到達できると考えられますし、場合によっては退職年齢を早めることができるかもしれません。
「投資することで人生が明るくなるのでは?」と前向きにとらえてみてください。
資産運用を始める前に決めること
これまでの解説で、資産運用について少し前向きに考えていただけたでしょうか?
ここからは、実際に資産運用を始める人に向けて解説を続けていきます。
まずは、資産運用を始める前に決めるべきことを4つ解説します。
いわば現状整理と目標設定なので、最初に取り組みましょう。
- 収入の得方
- 目標の金額
- 何年で目標達成するか
- 追加資金はいくら捻出するか
ポイント①:収入の得方
投資を始める前に決めることとして、「収入の得方」があります。
そもそも資産運用で収入を得る方法は2つあるので、どちらが良いか、または併用するのかを考えていきましょう。
投資する商品によって収入の得方が異なるので、これを決めることで投資商品の選択肢が絞られます。
資産運用の収入の種類は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類に分けられます。
インカムゲイン
インカムゲインは、投資商品を保有している間に受け取れる配当金や分配金のことです。
銀行預金の利息と似たようなイメージで、定期的に口座に振り込まれます。
まさに不労所得なので、早期退職や老後の年金代わりに投資をしたい人には、インカムゲイン狙いがおすすめです。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、投資商品を「安く買って高く売る」ことで得られる差額の利益のことです。
株式などを買った後、売却した段階で得られる利益なので、保有している間は現金を生みません。
数十年後を見据えた長期の資産形成に向いており、現役時代に投資を始め、老後などに少しずつ売却していくことで利益を得るイメージです。
キャピタルゲインのメリットが伝わりにくいと思いますので、少し補足しておきます。
キャピタルゲイン狙いの投資と、インカムゲイン狙いの投資を比較すると、合計の利益はキャピタルゲインの方が大きくなる傾向があります。
今すぐの不労所得が欲しいと思わない人は、長期的な資産形成と利益の最大化を狙い、キャピタルゲインを目的に投資してみてはいかがでしょうか。
ポイント②:目標の金額
投資のゴールとして、目標の金額を設定しましょう。
キャピタルゲイン狙いの人は「合計2,000万円貯める」といった資産額の目標です。
インカムゲイン狙いの人は、「毎年100万円の不労所得」といった配当金や分配金の金額の目標です。
キャピタルゲインを狙う場合、目標の金額を決め、次に解説する目標の年数を決めることにより、必要な元本が自然と定まってきます。
金額を決めたら、年数も考えてみましょう。
インカムゲインを狙う場合、「インカムゲイン÷仮定の利回り」で必要な元本を計算することができます。
例えば、利回りを5パーセントと仮定し、年間100万円の不労所得を得るためには、「100万円÷5%(0.05)=2億円」となり、2億円の資金が必要なことがわかります。
この計画のままで行くなら、2億円の元本を何年で積み立てるのか計算することで、次のステップは省略することができます。
ポイント③:何年で目標達成するか
キャピタルゲイン狙いの人は、目標の金額を決めたあと、何年で目標達成できるか、または必要があるか考えましょう。
そこで目安として役立てていただきたいのが、「72の法則」です。
「72の法則」を使うと、資産を2倍にするために必要な年数の近似値を計算することができます。
- 72÷利回り(%)=資産を2倍にするのに必要な年数の近似値
例えば、利回りが5パーセントの場合、「72÷5≒14」なので、およそ14年で資産を2倍にすることができます。
目標金額が現在の資産の2倍なら、14年ほどかかることを想定しましょう。
目標金額が2倍より少なければ、14年よりも短くても達成できるでしょう。
また、目標金額が2倍より多い場合、14年では達成できない可能性が高いです。
このように利回りを仮定して72の法則を使うことで、目標年数の目安が立ってくるはずです。
キャピタルゲイン狙いの人は、目標年数を考える際に参考にしてください。
ポイント④:追加資金はいくら捻出するか
元本が足りない場合や早く目標金額に到達させたい場合は、追加資金を捻出しなければなりません。
毎月1万円なのか3万円なのかは、人によって異なります。
自分の収入と支出のバランスを見ながら、どれくらい追加資金を捻出できるか考えていきましょう。
「追加資金を捻出したくてもできない」という人は、家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか?
携帯料金や保険などの固定費を見直すだけで、毎月1万円前後の節約はできるはずです。
これを資産運用の追加資金とすれば、資産形成に役立てられるでしょう。
おすすめの資産運用
続いては、どのような投資先があるのか具体的に解説していきます。
各商品の解説中に、「○○な人におすすめ」と紹介したので、商品選びに迷っている人は、自分がどれに当てはまるか考えながら読んでみてください。
おすすめ①:国債
国債とは国が発行している債券です。
国債を買うことで、投資家は国にお金を貸すことになりますが、利息を受け取れるため利益を得られます。
満期が来たら、貸したお金である元本は投資家に戻ってきます。
国債は低リスクで投資ができるので、投資を始めたばかりの人も手を出しやすくおすすめです。
国債ではインカムゲインの収入が得られるので、不労所得狙いの人にも向いています。
投資先である国は、日本など先進国なら破綻するリスクは極めて低いです。
その分、利回りが1パーセント弱と低めですが、ローリスク・ローリターンの代表的な投資です。
国債のメリットは、低リスクなので大きな損をする可能性が低いことです。
デメリットとしては、利回りが低いのでインフレ負け対策になりにくいことが挙げられます。
おすすめ②:外貨預金
外貨預金とは、海外の通貨(米ドル、ユーロ、豪ドルなど)で預金をすることです。
日本は低金利なため預金でお金は増やせませんが、海外は高金利なところも多く、預金でもお金を増やすことができます。
外貨預金は銀行口座があれば始めることができるので、これまで投資をしたことがない人におすすめです。
証券口座の開設などが煩わしく感じる方は、外貨預金から始めてみてはいかがでしょうか?
外貨預金は国内での預金と同様、インカムゲインが得られます。
外貨預金は為替変動リスクによる金額の変動はありますが、預金と似ていて低リスクな運用方法です。
利回りも投資の中では低めで、米ドルは1パーセントから2パーセント、豪ドルは1パーセント前後です。
ユーロは0.02パーセント前後で日本円とほぼ同様であまり魅力が無いので、米ドルか豪ドルでの預金が良いでしょう。
外貨預金のメリットは、預金なので仕組みがわかりやすいことが挙げられます。
一方、デメリットとしては為替変動リスクがあり、預け入れたときよりも円高に動くと資産額が減少してしまうことです。
ただし、円高に動いて得をすることもあります。
おすすめ③:投資信託
投資信託は、大勢の投資家から集めたお金をまとめ、投資のプロが株式や債券などで運用する商品です。
投資信託はプロが運用する商品なので、投資の初心者が自己流で運用するよりも失敗しにくい投資商品です。
投資信託はさまざまな種類があり、インカムゲイン狙いなら分配金あり、キャピタルゲイン狙いなら分配金なしの投資信託がおすすめです。
投資信託は分散投資が基本設計のため、リスクが低く抑えられています。
分散投資とは多くの銘柄に少しずつ投資する方法で、詳しくは後でお伝えしますがリスクを抑える投資方法として知られています。
投資信託は大勢の投資家から資金を集めるため、多数の投資先に分散投資することができるのです。
リスクが低いぶん、リターンも低めで1パーセントから3パーセントとなっています。
投資信託のメリットは、運用のプロに任せられるので銘柄分析や管理に労力をかけなくて良いことです。
一方、デメリットとしては手数料がかかるため、利回りが低くなってしまうことです。
おすすめ④:不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートなどを買って部屋を他人に貸し出し、入居者から賃料をもらう投資方法です。
また、物件の価格が上がれば売却して利益を出すこともできます。
立地が良いところに物件を構えることができれば、部屋が空室になりにくく安定した収益が得られるため、不動産投資は資産運用に慣れていない人にもおすすめです。
家賃収入で「インカムゲイン」を得られますし、買値よりも上がってから売却すれば「キャピタルゲイン」を得ることもできます。
不動産投資で最も大きなリスクは空室リスクです。
人気のない土地に物件を構えてしまうと、入居者がつかず、家賃収入を得られなくなります。
これまで紹介してきた「国債」や「投資信託」よりはリスクが高いため、利回りは5パーセント前後と比較的高めです。
不動産投資のメリットは、安定した収益が期待できることです。
入居者が頻繁に入れ替わることはあまり考えられず、一度入居したら数年は住み続けることが一般的なので、家賃収入が途切れないと期待できるのです。
一方、デメリットとしては投資に必要な金額が大きいことです。
物件を購入するのに数億円単位のお金が必要なので、基本的にはローンを組んで始めるのですが、初心者にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
おすすめ⑤:ETF
ETF(イーティーエフ)は「上場投資信託」のことで、投資信託と同じ仕組みの投資商品です。
投資信託と異なるのは、証券取引所で売買できることです。
ETFは投資信託よりもコストを抑えた商品です。
投資家が支払うコストを節約できるので、投資信託よりもお得な商品です。
「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の両方を狙うことができます。
ETFのリスクは投資信託と同じで、分散投資によって低く抑えられています。
利回りは3パーセントから5パーセントとなっています。
ETFのメリットは、投資信託よりも利回りが高いことです。
手数料などのコストが抑えられているため、商品の仕組みは投資信託とほとんど同じなのに、より高い利回りが期待できるのです。
一方のデメリットは、証券取引所に注文を出して投資するため、やり方が少し難しいことが挙げられます。
投資信託から投資を始め、慣れてきたら挑戦したい商品です。
おすすめ⑥:REIT
REIT(リート)は「不動産投資信託」のことで、投資先を不動産に限定したETFのイメージです。
REITはインカムゲインが主で利回りが高いため、不労所得を狙っている人に特におすすめです。
REITは、プロが運用するので素人が自己流でやるよりは失敗しにくいのですが、投資先が投資信託やETFほど分散していません。
そのため、リスクが低いとは言い切れません。
業界では「ミドルリスク」と呼ばれるとおり、低くもなく高くもなく中程度のリスクがあります。
REITの利回りは4パーセントから6パーセントほどが目安で、ミドルリスクに見合ったミドルリターンと言えるでしょう。
REITのメリットは、分配金利回りが高いことです。
4パーセントから6パーセントの収益のほとんどが分配金でもらえるので、不労所得で生計を立てることを目指して投資している人に人気です。
一方のデメリットは、REIT自体は値上がりしにくいことです。
キャピタルゲインはあまり期待できない投資商品だと言えるでしょう。
おすすめ⑦:株式投資
株式投資は、投資家が株式を買うことでお金を企業に出資する投資です。
企業は投資家が出したお金で事業を行い、利益の一部を投資家に「配当」として還元します。
株式投資は、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の両方を狙えるのでおすすめの資産運用です。
さらに、一部の企業では株主優待の制度を導入しており、企業の自社製品や割引券などをもらえます。
配当金に加え、物やサービスをもらえるため、体感のインカムゲインが高くなります。
株式投資のリスクは高めです。
投資した企業で不祥事が起これば、株価が暴落してしまうリスクがあるからです。
企業の不祥事は外部の人間には予想できず、これまでにも多くの投資家が暴落の被害を受けてきました。
一方、株式投資の利回りは、3パーセントから5パーセントほどです。
株主優待を含めれば、体感の利回りはもう少し高くなり、ハイリスクに見合った投資と言えるでしょう。
株式投資のメリットは、投資が上手く行けば数年で資産を2倍にできることです。
ユニクロの「ファーストリテイリング」やファッション通販サイトの「ZOZO」などは、成長期に株価が10倍に増えた経歴があります。
このような掘り出し物の銘柄に投資できれば、資産を一気に増やせます。
デメリットは、このような企業を発掘するのが非常に難しいことです。
プロにすら見つけられない「誰も知らない有望株」を、個人の投資家が発掘するのはほとんど無理と言えます。
おすすめ⑧:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、毎月決まった金額を自動で多様な商品に投資してくれるサービスです。
アンケートに基づいてロボアドバイザーが投資先を決めてくれるので、投資の知識を持っていない人もつまずくことなく投資を始められます。
ロボアドバイザーは、銘柄選びや管理、商品の買付などを自動で行ってくれるので、投資の経験が浅い人や、忙しくて投資に手間をかけられない人におすすめです。
キャピタルゲインが主な収益となります。
ロボアドバイザーは投資信託やETFで運用するため、リスクもそれらの商品に準じており、低めに抑えられています。
利回りは3パーセントから5パーセントほどで、低すぎず高すぎずな水準だと言えます。
ロボアドバイザーのメリットは、手間がかからないことです。
一方、デメリットはロボアドバイザーに任せるために手数料を支払うことです。
運用が上手く行かず、利益が出なかった場合でも、手数料は差し引かれていきます。
おすすめ⑨:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい人(投資家)」をインターネット上で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれます。
ソーシャルレンディングは利回りが高いため、お金を増やしたい人にはぜひ取り入れていただきたいです。
収入はインカムゲインとなります。
ソーシャルレンディングのリスクは、投資先の事業が上手く行かず利息を支払えなかったり、元本を返還できなかったりすることです。
借り手は銀行の融資を受けられずソーシャルレンディングを利用しているので、貸し倒れのリスクは比較的高めです。
その一方、利回りは非常に高く5パーセントから10パーセントが期待できます。
ソーシャルレンディングのメリットは、利回りが高くお金を増やすのに向いていることです。
一方、貸し倒れのリスクというデメリットがあります。
貸し倒れはソーシャルレンディング業者による審査がきちんとしていれば防げるため、審査が厳しくこれまでのトラブルが少ない業者を選び、リスクを抑えましょう。
詳しくはこちらをチェックすることをおすすめします。
おすすめ⑩:米国株式
米国株式は、アメリカの株式に投資することです。
アメリカは人口が増えており経済が拡大している先進国なので、日本国内への投資よりも高い利回りを狙うことができます。
そのため、投資に慣れてきたらおすすめしたい投資方法です。
「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」の両方を狙うことができます。
米国株式は国内株式と同様にリスクが高めですが、成長国に投資できるため、リターンは5パーセントから10パーセントほどを期待することができます。
ただし、国内株式と違って株主優待は無いので、現物で利回りを押し上げることはできません。
米国株式のメリットは、米国の経済成長に乗ってお金を増やせることです。
日本国内の経済に希望を持っている人は少ないかと思いますが、米国は現在も経済成長しているため投資で利益を出しやすいのです。
一方、デメリットとしては為替変動リスクがあります。
投資したときよりも円高に傾けば、ドル建てではプラスでも円建てではマイナスになってしまう可能性があります。
おすすめ⑪:米国ETF
米国ETFは、米国の証券取引所に上場しているETFです。
米国株式と同様、経済成長している国への投資なので、日本国内での投資より高い利回りを狙えます。
「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」の両方を狙える投資方法です。
米国ETFは米国株式よりはリスクが抑えられている商品で、利回りは7パーセントほどを期待できます。
米国ETFのメリットは、ETFという比較的リスクを抑えた商品でも7パーセントという高い利回りが期待できることです。
一方、為替変動リスクがあるので、米国株式と同様に為替の動き次第で円建てではマイナスの成果になってしまう可能性もあります。
おすすめ⑫:金
金は実物に価値があるので、「現物資産」と呼ばれています。
リーマンショックなどの経済ショックが起これば投資信託や株式の価格は暴落しますが、金は不変か価格が上昇する性質があります。
そのため、金はすでに投資信託や株式を多く保有している人のリスクヘッジにおすすめです。
金はリスクヘッジの手段として使われるため、儲けを追求する性質ではなく、リスクやリターンを計算しにくいです。
株式などが不調な不況に備えた「守りの資産」と理解してもらうと良いでしょう。
初心者にはおすすめできない資産運用
ここまでは初心者にもおすすめの資産運用について解説してきましたが、有名だけれど初めての投資にはおすすめできない方法もあります。
それが「FX」と「仮想通貨」です。
これらは主婦やサラリーマンの副業としておすすめされることもありますが、実は超ハイリスク・ハイリターンの投資方法で、利益を出し続けることは難しいのです。
では、なぜFXと仮想通貨はおすすめできないのかについて詳しく解説していきます。
おすすめできない①:FX
FXは、為替相場の値動きを利用して利益を上げる投資方法です。
例えば、円とドルの値動きを利用し、ドルを安く買って高く売ることで利益を出します。
FXは、取引が上手い人であれば20パーセントもの利回りを出せますが、平均利回りはマイナス5パーセントほどと言われています。
つまり、ほとんどの人は損をする取引なのです。
なぜ大勢が損をするのかというと、相場が素人が思った方向に動くとは限らないからです。
また、売買に手数料がかかります。
手数料がゼロ円なら素人でも利益は出せるかもしれませんが、手数料を上回る利益を出すことができず、損をする人が多いのです。
おすすめできない②:仮想通貨
仮想通貨は、円と仮想通貨、または仮想通貨同士の相場変動を利用して儲ける取引です。
仮想通貨も、手数料を上回る利益を出すことが難しいです。
しかも、仮想通貨の方がFXよりもさらに変動が激しいため、大暴落に巻き込まれて大損するリスクが大きくなります。
プロのトレーダーなら2倍、3倍と資産を大きくできるかもしれませんが、その他の人は資産が半減してしまうことも珍しくありません。
投資をする前の注意点
おすすめ・おすすめできない資産運用方法について解説してきましたが、実際に始める前に押さえておいてもらいたいポイントがあります。
次の3つの注意点については理解した上で、資産運用に取り組みましょう。
- 元本割れのリスクがある
- 売買には手数料がかかる
- 投資先は分散させる
注意点①:元本割れのリスクがある
投資には元本割れのリスクがあります。
100万円を投資しても、運用に失敗して80万円に減ってしまうといったことがあり得るのです。
したがって、投資は「余剰資金」で行うようにしましょう。
生活費や目的があって貯めているお金(住宅購入や養育費など)を投資につぎ込み失敗してしまったら、人生計画が狂ってしまうかもしれません。
投資のリスクにさらすのは、余剰資金だけにしておきましょう。
注意点②:売買には手数料がかかる
FXと仮想通貨の項目ではすでに触れましたが、どのような投資方法でも売買に手数料がかかります。
投資をする前に、手数料が割高でないか確認してから始めましょう。
なお、手数料のかからない投資信託が登場したり、株式投資の売買手数料の引き下げ競争が起きたりと、投資をめぐる環境は投資家にとって良い方向に進みつつあります。
手数料の低い商品を利用し、お金を節約するのがおすすめです。
注意点③:投資先は分散させる
投資のリスクを下げるためには、分散投資が有効です。
分散投資とは、複数の銘柄に少しずつ投資することです。
これにより、一つの投資先で破綻や大暴落があったとしても、資産全体で見れば大きなダメージを被らずに済むと考えられるからです。
逆に、一つの銘柄に集中投資しており、その銘柄が大暴落した場合、資産が激減して大きなダメージを受けてしまいます。
投資先は分散するように心がけましょう。
まとめ
資産運用をなぜ始めるべきなのか、おすすめの商品は何なのかなどについて解説してきました。
キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを得たいのかなど、投資家の好みや目標によって最適な資産運用は異なります。
今回は「○○な人におすすめ」と投資方法を分類したので、ご自身の理想と照らし合わせながら、資産運用の方法を選んでみてください。