お金を貯金している人の中には、「いつかは資産運用してみたい」と思っている人もいるかもしれませんね。
ですが、多くの方は「何となく貯めている」のではないでしょうか?
そんな中、「貯蓄から投資へ」というスローガンがメディアで報道され、運用という選択肢に初めて気づいた方も多いでしょう。
この記事では、まだ投資をしたことがない方のために、資産運用とは何かを解説していきます。
目的によってお金の運用方法も異なるので、簡単に解説していきましょう。
目次
資産運用とは
資産運用とは、持っている資産を使って利益を生み出すことです。
「お金をもらう方法」といえば労働を想像すると思いますが、実は自分が働かなくても「お金にお金を生んでもらう」ことができます。
資産運用とは、お金を使って運用できる資産を買い、その資産がお金を生んでくれるため、お金がお金を生んでくれる仕組みなのです。
自分が労働する必要はないので、不労所得を得ることができます。
なお、基本的には資産運用と投資は同じものと捉えてもらって構いません。
お金を運用するメリット
給料が振り込まれると、とりあえず銀行に預けておくという方が多いと思います。
ですが、資産運用には銀行預金にはないメリットがあります。
この項目では3つの代表的なメリットを解説します。
- 銀行預金より利回りが高い
- インフレ負けしにくい
- 不労所得を得られる
メリット①:銀行預金より利回りが高い
投資で期待できる利回りは1パーセントから5パーセントほどが目安で、銀行預金の利回りよりも非常に高いです。
銀行預金の利回りは高くても0.02パーセントほどなので、投資の方が利回りが高いことがわかります。
利回りは高い方が、少ない資金で大きな利益を上げられます。
100万円を利回り0.02パーセントの預金で運用すると、1年後に100万0,200円になります。
しかし、利回り1パーセントの投資で運用すると、1年後に101万円になります。
利回りの違いは運用成果に大きな影響を与えることがわかるでしょう。
利回りの観点では、銀行預金よりも投資の方が有利です。
利回りが高いことは、資産運用の大きなメリットになります。
メリット②:インフレ負けしにくい
銀行預金だとインフレ負けしやすいのですが、投資だとインフレ負けしにくいとうメリットがあります。
インフレとは物価上昇のことです。
物の値段が上がったのに、お金が増えていないと、お金の価値が相対的に下がることになります。
銀行預金だと金利がほとんどゼロで増えないため、資産がインフレに負けやすいです。
インフレ率の目標は2パーセントなので、これを超える利回りを狙える投資だと、インフレ負けしにくいです。
物の値段が上昇するより早いペースでお金を増やせばインフレ負けしません。
メリット③:不労所得を得られる
先ほどお伝えしたように、お金がお金を生んでくれる投資をすれば、不労所得を得ることができます。
例えば、株式に投資をした場合、企業の利益の一部を配当金としてもらうことができます。
株式以外の投資商品の場合、利息や分配金として収益を得られます。
収入を増やしたいけど副業する時間がない方でも、投資なら手間をかけずに不労所得を得られると期待できます。
このあと解説するように資産運用にはデメリットもありますので、理解してから始めてみてください。
お金を運用するデメリット
お金の運用には、メリットだけでなくデメリットもあります。
儲かるという嬉しい面だけでなく、損をしてしまう可能性もあるのです。
2つのデメリットを解説していくので、理解してから投資を始めましょう。
- 元本割れのリスクがある
- 手数料が差し引かれる
デメリット①:元本割れのリスクがある
資産運用には、元本割れのリスクがあります。
100万円を投資した場合、120万円に増える可能性もあれば、80万円に減ってしまう可能性もあるということです。
つまり、必ず儲かるものではないのです。
リスクとリターンはトレードオフの関係にあり、投資はリスクを取ってリターンを狙いに行くものです。
そのため、元本割れのリスクはあるけれど、高い利回りを期待できるのです。
元本保証の商品といえば、銀行預金です。
預金は元本割れのリスクがないため、リターンもゼロに近く金利が低いのです。
元本割れのリスクを許容できるなら投資、許容できないなら銀行預金で運用すると良いでしょう。
デメリット②:手数料が差し引かれる
投資商品を買ったり売ったりするには、売買手数料を支払う必要があります。
手数料の支払いは投資家にとって損になるため、できるだけ少なくしたいものです。
しかし、今のところ多くの商品の売買で手数料が必要です。
基本的に、売買するたびに売買手数料を支払うことになるため、手数料を節約するには売買の回数を減らすことが有効です。
長く保有できる銘柄に投資することで頻繁な売買をしなくて良くなり、売買手数料の無駄を減らせます。
運用に使って良いお金の決め方
資産運用のメリット・デメリットを知ったら、さっそくお金の運用を始めてみたいですよね。
ですが、投資を始める前に「投資に使って良いお金」と「使ってはいけないお金」についても理解しておきましょう。
結論からお伝えすると、生活費や使い道が決まっているお金は投資に使ってはいけません。
それ以外のお金は投資に使って良いのですが、その理由について詳しく解説していきましょう。
「生活費」は運用してはいけない
まず、生活費は運用ではなく貯金しておきましょう。
デメリットで解説したとおり、投資は元本割れのリスクがあります。
そのため、生活に必要なお金を投資して運用に失敗してしまったら、生活が立ち行かなくなる危険があるからです。
生活費として貯金しておく金額の目安は、今から半年から1年分の生活費と考えておくと良いでしょう。
ここで言う「生活費」とは、万が一にも務めている会社が明日倒産した場合でも、心配なく生活を続けるためのお金です。
「明日いきなり倒産することなんてあり得ないだろう」と思われるかもしれませんが、絶対にあり得ないとは言い切れません。
どんな最悪の状況になっても、自分が生活できる分のお金は貯金しておき、余剰資金で運用しましょう。
「使い道が決まっているお金」は運用してはいけない
生活費の他に、使い道が決まっているお金も貯金しておき、運用はしないでおきましょう。
使い道が決まっているお金とは、「マイホームの購入費」や「子どもの高校や大学の入学費や授業料」など、目標を定めて貯めているお金のことです。
目的があって貯金しているお金を投資に使ってしまうと、運用に失敗してお金が減ってしまった場合、人生計画にダメージを与える可能性があります。
マイホームを買えなかったり、子どもが望む進路を叶えてあげられなかったりするため、投資に使ってはいけません。
「余剰資金」のみ運用して良い
資産運用に使って良いのは、これら以外のお金です。生活費や使い道が決まっているお金以外の、使い道が決まっていない「余剰資金」は投資に使うことができます。
余剰資金であれば、運用に失敗しても人生が狂うほどの影響はないと考えられます。
余剰資金でも元本割れしたら悲しいですが、生活費や使い道を決めて貯めていたお金が減るよりはマシですよね。
リスクを取ってリターンを得る資産運用に使うのは、余剰資金だけにしておきましょう。
不労所得が欲しい人におすすめの資産運用方法
資産運用に使って良いのお金は「余剰資金だけ」だと理解できたところで、具体的な資産運用の方法を紹介していきましょう。
まずは、「不労所得が欲しい人」におすすめの方法を3つ紹介していきます。
- 株式投資(長期)
- REIT(不動産投資信託)
- ソーシャルレンディング
おすすめ①:株式投資(長期)
不労所得を得るなら、長期で株式を保有することをおすすめします。
株式を買うと企業に出資することになり、企業は利益の一部を「配当金」として株主に還元します。
株式を持っている間は配当金を受け取れるため、不労所得を得られます。
配当金利回りは1パーセントから5パーセントほどが目安で、企業によって異なります。
100万円を投資すると、年間で1万円から5万円ほどの配当金が期待できます。
また、一部の企業は「株主優待」を取り入れており、株主に自社製品やサービスの割引券を配っています。
洗剤など日常生活で使う物や、食べ物・飲み物をもらうことができれば、出費が減るため自由に使えるお金が増えます。
お金をもらえるわけではないため不労所得ではありませんが、現物での収入は得られます。
株式は個別の企業の将来性を見極めて投資するので、簡単ではありません。
ですが、配当金や株主優待がもらえるメリットもあるため、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか?
おすすめ②:REIT(不動産投資信託)
REIT(リート)は不動産投資信託という商品で、大勢の投資家のお金を集めてプロが不動産で運用する商品です。
プロが上げた利益の一部が分配金として投資家に還元されるため、不労所得を得たい人におすすめです。
REITの分配金利回りは、4パーセントから6パーセントほどと高めです。
100万円を投資すると、年間で4万円から6万円の分配金が期待できます。
REITの分配金利回りが高いのは、収益性の高い都心のオフィスビルなどを運用しているからです。
安定した収益になりやすいので、株式投資のリスクヘッジとしても注目されています。
おすすめ③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、お金を借りたい企業がインターネット上で資金を募集し、お金を貸したい投資家が応募できるサービスです。
ソーシャルレンディングでは、満期と利回りを決めてから資金を調達するため、基本的には投資家はいつまでお金を貸し、どれくらいの利回りが得られるかの予定がわかった状態で出資します。
ソーシャルレンディングの利回りは5パーセントから10パーセントほどと高めです。
資金調達する企業は銀行の融資を断られていたり、融資だけではお金が足りなかったりしてリスクが高いため、利回りが高く設定されています。
リスクも大きいですが利回りが高いので、少ない資金で大きな不労所得が期待できます。
生活費の助けになるため、少しずつソーシャルレンディングにも挑戦してみてください。
なお、ソーシャルレンディングについてはこちらで詳しく解説しています。
将来使うお金を貯めたい人におすすめの資産運用方法
今すぐ不労所得が欲しいのではなく、老後などのためにお金を貯めておきたい人には、長期的な資産形成ができる投資方法がおすすめです。
3種類の資産運用について解説していきましょう。
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- ロボアドバイザー
おすすめ①:投資信託
投資信託は、大勢の投資家のお金を投資会社が集め、会社に在籍するプロの投資家が運用する商品です。
プロに任せられるため、投資の知識がない初心者でも始めやすいことが特徴です。
投資信託は、分散投資が基本的な設計のため、ローリスク・ローリターンでじわじわと資産を増やしていくタイプの投資です。
そのため、今すぐに儲ける必要がなく将来使うお金を貯めたい人に向いています。
分散投資とは、たくさんの銘柄に少しずつ投資することです。
投資先がたくさんあるため、一つの投資先が暴落しても全体に与えるダメージは小さくて済みます。
リスクが低く抑えられているため、長期の資産運用に向いています。
おすすめ②:ETF(上場投資信託)
ETFは投資信託の仲間で、プロに運用を任せられる商品です。
投資信託との違いは、株式と同様に証券取引所に注文を出して購入するため、注文方法が少し難しいところです。
その他、商品の仕組みは投資信託とほとんど同じです。
ETFも分散投資が基本の商品なので、長期の資産形成に向いています。
ETFの方が手数料などのコストが抑えられている傾向があるため、注文方法がわかっている人には投資信託よりETFの方がおすすめです。
とはいえ、とてつもなく難しい注文方法というわけではありません。
投資に慣れてきたらETFを始めてみてはいかがでしょうか?
おすすめ③:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、投資家のリスク許容度などを診断して、自動で投資先を決めて投資してくれるサービスです。
ロボアドバイザーの多くはETFで運用しているため、「ETF」や「投資信託」と同じような商品性になります。
ロボアドバイザーも分散投資の商品なので、低リスクの運用ができます。
長期的な資産形成に向いた商品で、資産をゆっくりじわじわ伸ばしていくことができるでしょう。
投資先もロボアドバイザーで決めてくれるため、自分で投資信託やETFを選ぶ自信がない人にはロボアドバイザーがおすすめです。
ただし、ロボアドバイザーにも手数料を支払うため、投資家が自分のものにできる利益は少なくなってしまいます。
投資の知識がついてきたら、投資信託やETFに自力で投資してみると良いでしょう。
一攫千金を狙う人におすすめの資産運用
先ほどの項目では、長期的な資産形成を目的にじわじわと資産を増やしていく運用方法を紹介しました。
ここでは、反対に「一攫千金を狙う人」のための運用方法について解説します。
しかし、一攫千金を狙うには非常に高いリスクを取らなければなりません。
一握りの人しかプラスにならず、ほとんどの人は損をする投資方法でもあるため、安易に手を出すことはおすすめできません。
- 株式投資(短期)
- FX
- 仮想通貨
おすすめ①:株式投資(短期)
不労所得の項目で株式投資を紹介したように、短期で売買すれば一攫千金を狙う投資もできます。
株式を「安く買って高く売る」ことで差額が儲けになるため、上手い人なら1年で資産を2倍か3倍に増やすことができます。
「安く買って高く売る」と言葉にすると簡単そうですが、実際は難しいことです。
安くなっていると思って株式を買っても、その後まだ価格が下がるかもしれないからです。相場は誰も確実には予測できないのです。
おすすめ②:FX
FXは、外貨を安く買って高く売ることで儲ける運用方法です。
例えば、日本円と米ドルの為替は時々刻々と変動するため、安く買って高く売ることができれば、差額が儲けになるのです。
FXも株式の短期売買と同様に、難易度が高い投資方法です。
安いと思って取引を始めても、その後すぐに価格が下がり、元の価格まで戻って来なくて損をしてしまったというケースがあるからです。
「レバレッジ」を利用すると、自分が持っているお金を証拠金に借金をして投資ができるため、上手く取引できれば大きな儲けを得られます。
しかし、失敗すれば損失と同時に借金を背負ってしまうかもしれません。
FXとはそれだけリスクの高い取引なのです。
サラリーマンや主婦の副業としておすすめされることも多いですが、リスクを理解してからFXを始めるようにしましょう。
おすすめ③:仮想通貨
仮想通貨も、通貨が安いときに買って高くなったら売ることで儲ける運用方法です。
これまで解説した株式やFXと同様に、売買タイミングの見極めが難しい投資方法です。
2017年頃は仮想通貨バブルの年で相場が右肩上がりだったため、仮想通貨を買えば誰でも資産が増えるという状況でした。
しかし、2018年にバブルが弾けると、ただ変動が大きいだけの相場になってしまいました。
トレードが上手い人でないと儲けられない相場になってしまい、一握りの人が得をし、大勢は損をする状態になっているということです。
仮想通貨で一攫千金を狙うことも、今の相場では簡単ではありません。
難しいことを理解してから始めてみてください。
まとめ
お金の運用について解説してきました。
不労所得を得られるなどのメリットがあるのが投資ですが、元本割れのリスクもあるため、長所・短所の両方を理解してから始めてみてください。
また、目的によって適切な運用方法は異なります。
さらに、方法によって儲けやすさの難易度も異なります。
今回お伝えしたことを通して投資に関心を持っていただき、より詳しく投資商品について調べるきっかけにしていただけたら幸いです。