近年増えてつつある不動産投資型クラウドファンディングサイト。
不動産投資型クラウドファンディングの案件を見ると、東京都心の物件を扱うものが目立ちます。
そんな中、「わかちあいファンド」は京都や滋賀といった関西地方の物件を取扱う不動産投資型クラウドファンディングサイトとして登場しました。
今回は、そんな「わかちあいファンド」について詳しく解説します。
目次
不動産投資型クラウドファンディング「わかちあいファンド」とは
出典:アイディ株式会社公式サイト
わかちあいファンドは、滋賀・京都で最初に不動産特定共同事業許可を受けた企業である株式会社日本プロパティシステムズが2019年から運営を行っています。
2020年8月から電子商取引が可能になったことにより、インターネット上で大規模な案件の募集を開始しました。
まずは、運営会社である株式会社日本プロパティシステムズの会社概要を確認しましょう。
創業20年の実績を持つ不動産会社であり、上海にも拠点があります。
会社概要
社名 | 株式会社日本プロパティシステムズ |
---|---|
代表 | 代表取締役 森田康弘 |
設立 | 2000年9月 |
資本金 | 1億円 |
所在地 | 〒520-0042 滋賀県大津市島の関1-10 |
社員数 | 14名(上海拠点含む) |
各種免許 | 不動産特定共同事業 許可 滋賀県知事 第1号
宅地建物取引業 許可 国土交通大臣(2)第8486号 第二種金融商品取引業登録 近畿財務局長(金商)第346号 建設業 許可 京都府知事(般-26)第35561号 |
わかちあいファンドの特徴
投資家にとってまた気になるのは、わかちあいファンドがどのような特徴を持つかという点になるでしょう。
ここでは、わかちあいファンドならではの特徴を紹介します。
- 滋賀・京都の不動産案件
- 不動産にはマスターリースが設定
- 想定利回りは3%~6%
- ミドルリスク・ミドルリターン投資
- 投資は一口10万円から
- 優先劣後出資方式を採用
- 運用期間は1年~3年
特徴①:滋賀・京都の不動産案件
株式会社日本プロパティシステムズ本社は滋賀県にあります。
そのため、わかちあいファンドで運営される不動産も滋賀や京都といった関西地区中心となっています。
大半の不動産投資型クラウドファンディングサイトが東京都に本社を構え、その周辺の物件を扱っています。
関西地方の物件に投資できる不動産投資型クラウドファンディングサイトは、そこまで多くありません。
わかちあいファンドを利用すれば、投資対象エリアを分散しやすいと言えます。
特徴②:不動産にはマスターリースが設定
わかちあいファンドでは、案件で運用される物件を資産運用会社にマスターリースとして貸し出しています。
マスターリースとは、わかちあいファンドの所有する不動産物件を資産運用会社に貸して、毎月一定の賃料の支払いを受ける契約のことを指します。
資産運用会社は、わかちあいファンドから借りた物件をさらにサブリースとして一般の入居者に貸します。
マスターリースで貸し出していれば、実際の物件の空室の有無に関わらず、わかちあいファンドには毎月一定の家賃が入ります。
そして、その家賃収入が投資家へと分配されます。
つまり、マスターリースが設定されている限り投資家は毎月同じ額の配当金収入を得ることができるのです。
特徴③:想定利回りは3%~6%
わかちあいファンドの年間想定利回りは3パーセントから6パーセントになっています。
他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと比較しても決して劣る数字ではなく、標準的な数字だと言えるでしょう。
特徴④:ミドルリスク・ミドルリターン投資
わかちあいファンドはミドルリスク・ミドルリターン投資を謳っています。
利回りは3パーセントから6パーセントと、十分な数字でありながらマスターリースで運用されており、リスクを軽減するための対策が取られています。
特徴⑤:投資は一口10万円から
わかちあいファンドは、一口10万円からの投資が可能となっています。
他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと比べるとやや高いと言えるでしょう。
ただ、実物不動産投資と比べれば非常に小さな金額で不動産投資を始めることができます。
特徴⑥:優先劣後出資方式を採用
わかちあいファンドでは投資家保護対策として、「優先劣後」出資方式を採用しています。
つまり、投資家が出資する分を「優先出資」分、わかちあいファンドが出資する分を「劣後出資」分として分別管理されます。
そして、運用案件の売却時に損失が発生した場合には、劣後出資のわかちあいファンドがまず損失を負います。
投資家の損失が発生しにくくなる仕組みを取っているのです。
特徴⑦:運用期間は1年~3年
わかちあいファンドの提供する案件運用期間は、これまでの1号~4号を見ると1年~3年間となっています。
これは、他の不動産投資型クラウドファンディングサイトと比べると長期間と言えるでしょう。
長い間一定の家賃収入を得られるメリットと、運用途中に現金化しにくいデメリットの両方が考えられます。
わかちあいファンドに投資するメリット
それでは実際に、わかちあいファンドに投資するメリットにはどういったポイントが挙げられるでしょうか?
投資家にとって特にメリットを感じられるであろうポイントをお伝えしていきます。
- 高確率で継続的な収益を見込める
- 東京エリア以外の不動産に投資できる
- 不労所得を長期間得やすい
メリット①:高確率で継続的な収益を見込める
わかちあいファンドの大きな特徴の一つに、マスターリースが設定されている点があります。
案件で運用される不動産にマスターリースが設定されている不動産投資型クラウドファンディングサイトは非常に少ないです。
マスターリースが設定されていれば、運用されるマンションなどの不動産に空室があっても家賃収入は減らないため、投資家への配当も一定の金額を維持できます。
もちろん、リスクはゼロではありません。
貸出先の資産運用会社が倒産してしまうと、家賃収入が途絶える可能性があります。
それでも、資産運用会社が倒産しない限り家賃収入が見込めるため、予定通りの利益を得ることができる確率はかなり高いと言えるでしょう。
メリット②:東京エリア以外の不動産に投資できる
わかちあいファンドのメリットとして、東京エリア以外の不動産に投資できる点が挙げられます。
大半の不動産投資型クラウドファンディングサイトは、地価の安定性が高い東京都心の不動産を扱っています。
それでも、投資先が一極集中していると、東京の不動産価格が何らかの要因で下落した際に大きな損失を被る可能性があります。
そんなとき、京都や滋賀といったエリアに投資対象を分散しておけば、投資先すべてで資産価値の減少が起こる事態を避けられます。
メリット③:不労所得を長期間得やすい
わかちあいファンドの案件の運用期間は、1年から3年となっています。
マスターリースが設定されているため、3年間ほぼ作業いらずの不労所得を受け取ることができるのです。
副業を始めたいが時間がない、何に投資していいかわからないという方にとっても、投資先としての価値が高いでしょう。
わかちあいファンドのデメリット
さまざまなメリットのあるわかちあいファンドですが、それだけにデメリットがどんな点になるのかもよく知っておく必要があるでしょう。
わかちあいファンドの特徴の中で、投資家にとってデメリットになり得るポイントを解説していきます。
- 最低投資金額が10万円である
- 短期運用案件がない
- 東京と比較して京都や滋賀は不動産需要が低い
デメリット①:最低投資金額が10万円である
わかちあいファンドの最低投資金額は10万円です。
極端に大きな金額ではありませんが、20代の方などさほど収入や貯金が多くない人には、やや投資へのハードルが高いと感じられそうです。
デメリット②:短期運用案件がない
わかちあいファンドの運用期間は、1年~3年になっています。
そのため、運用期間中長期間にわたって投資資金を拘束されてしまいます。
また、運用の3年間に不動産市況の下落が起こる可能性もあります。
急激な市況変動に対応しにくい点は、デメリットだと言えるでしょう。
もちろん、今後は短期運用案件も出てくる可能性は考えられます。
デメリット③:東京と比較して京都や滋賀は不動産需要が低い
わかちあいファンドで運用される不動産の所在地は、京都や滋賀といった関西地方です。
滋賀県は大阪や京都への通勤圏として、日本国内では数少ない人口が増加しているエリアです。
そして、京都府は海外からの観光客需要で賑わい、公示地価が大きく値上がりしているエリアの一つとも言えます。
不動産の市場価値は、決して低いわけではありません。
ただし、どうしても東京と比較すると人口の伸びも小さく今後の不動産市況を考えれば、地価下落リスクは東京よりも高くなってくるでしょう。
また、京都の公示地価上昇は観光需要に支えられた側面が大きいため、新型コロナウイルスの影響が収まるまで下落が続く可能性があります。
そういった立地面でのリスクも考える必要があるでしょう。
わかちあいファンドが行っているリスク対策
わかちあいファンドは、投資家の資産を守るために数々のリスク対策を行っています。
投資対象として安心して投資できるかどうかそのリスク対策についてもよく知っておきましょう。
- 優先劣後出資方式を採用している
- 不動産物件はマスターリース付きである
- 投資家の出資金を信託保全している
優先劣後出資方式を採用している
先ほどお伝えしたように、わかちあいファンドでは投資家の資金を「優先出資」と「劣後出資」に分けて管理しています。
そのため、不動産価格の下落が起きたとしても、損失の範囲が購入価格に対して10パーセントから20パーセントと一定の範囲内であれば、投資家に損失が発生することはありません。
不動産価格が安定している立地の案件に投資すれば、損失を被る可能性を小さくできます。
不動産物件はマスターリース付きである
わかちあいファンドの運用不動産は、資産運用会社に貸し出すことでマスターリースとして貸し出すことができ安定した家賃収入を確保しています。
そのため、資産運用会社が倒産しない限り毎月の家賃収入は保証されたものとなっています。
空室が発生したとしても、一定の家賃収入を確保できるのです。
投資家の出資金を信託保全している
わかちあいファンドでは、投資家から出資を受けたお金を信託銀行に預けて信託保全を行っています。
信託保全とは、わかちあいファンドの運用元である株式会社日本プロパティシステムズの倒産時のリスクを防ぐ仕組みです。
倒産したとしても、わかちあいファンドの自社のお金と投資家から集めたお金がそれぞれ別々に管理されています。
株式会社日本プロパティシステムズが倒産した場合、一般的には破産管財人が資産を回収し、債権者全員に平等にお金の返済を行います。
そのため、投資家のお金が債権者に返される可能性があるのです。
わかちあいファンドでは、投資家から集めたお金を信託銀行で管理しているため、投資家から集めたお金はきちんと投資家に返済されるようになっているのです。
そのため、倒産が起きた際の損失を小さくしています。
わかちあいファンドをおすすめしたい人
では、わかちあいファンドをおすすめしたい人とは、どういう投資志向を持つ方でしょうか?
- 長期間安定した収入を得たい
- 東京以外の不動産に投資したい
- 投資家の資産保全を入念に行っている投資先を選びたい
おすすめ①:長期間安定した収入を得たい
わかちあいファンドの大きな特徴は、マスターリースが設定されており、運用期間が1年~3年と長い点です。
資産運用会社が倒産しない限りは、3年間にわたって毎月一定の金額を受け取ることができるため、長期間にわたって収入を見込めます。
一般的に不動産投資型クラウドファンディング案件は、運用状況によって配当金の金額が変動しますが、わかちあいファンドはその弱点を補っていると言えるでしょう。
おすすめ②:東京以外の不動産に投資したい
わかちあいファンドは、不動産投資型クラウドファンディングでは珍しく東京以外のエリアの不動産を扱っています。
東京都への一極集中投資がリスクだと感じる人は、わかちあいファンドの案件に投資して、関西地方にも投資先を増やすと良いでしょう。
おすすめ③:投資家の資産保全を入念に行っている投資先を選びたい
わかちあいファンドは、投資家から集めたお金を信託銀行で別に管理するという入念な資金管理を行っています。
仮に運営元の株式会社日本プロパティシステムズが倒産しても、不動産投資型クラウドファンディングに投資したお金は、わかちあいファンドの投資家にのみ返済されるのです。
運営元の倒産時に大きく資産を失う可能性を小さくできます。
わかちあいファンドの口座開設手順
ここまで読んで、わかちあいファンドに魅力を感じた方もいるのではないでしょうか?
そこで、わかちあいファンドの口座開設の手順をお伝えします。
PCの場合
パソコンでは、トップ画面の「新規投資家登録」もしくは「いますぐはじめる」というボタンが設置されています。
この口座開設ボタンをクリックしましょう。
スマホの場合
スマートフォンもパソコンと同様にトップ画面の中央部に「新規投資家登録」「いますぐはじめる」ボタンが設置されているのでクリックします。
メールアドレスの登録
まず、メール受信用のメールアドレスを登録します。
そして、登録メールアドレスに個人情報入力ページのアドレスを記載したメールが送られてきます。
個人情報登録及び本人確認書類の提出
メールに記載されたアドレスをクリックすると、個人情報の入力と本人確認書類をアップするページに遷移します。
個人情報や投資経験を入力しそして免許証や保険証などの画像をアップします。
住所確認のハガキ発送
わかちあいファンドによる審査が行われ、無事通過した場合自宅にハガキが発送されます。
そのはがき内に記載されるパスワードを入力すれば投資家登録完了です。
まとめ:総評
わかちあいファンドは、次の3つが大きな特徴として挙げられます。
- 東京以外の不動産に投資できる
- 案件にマスターリースが設定されていて収入が安定している
- 投資家から集めたお金を信託保全として分別管理している
投資家の資産を守るために、優先劣後出資だけではなくマスターリースで収益性の安定をはかり、さらに信託保全で倒産時のリスクもカバーしているため、資産保全性が高く、投資家は投資しやすいと言えるでしょう。
運用期間は3年間とやや長めですが、これだけ入念に投資家の資産保全対策行っている不動産投資型クラウドファンディングも少ないです。
不労所得を得られる投資先として、選択してみても良いのではないでしょうか?
今後は、東京以外のエリアで運営される不動産投資型クラウドファンディングが増えることも期待できます。