クラウドファンディングは、多くの投資家からの資金を集めその集めたお金でプロジェクトを運用するという仕組みになっています。
個人でクラウドファンディング案件を組成しても、多くの人に知ってもらうことができなければなかなか資金が集まりません。
そこで効率よくお金を集めるためには、クラウドファンディングを運営しているサイトを利用します。
知名度のあるサイトに掲載することで、多くの人に自分のプロジェクトを知ってもらい資金を集めます。
一方で、クラウドファンディングの仕組みを提供しているサイトでお金を募集するためには、そのサイトの利用手数料が発生します。
そこで各種のクラウドファンディングにおける、手数料の相場をここではお伝えしていきます。
目次
購入型クラウドファンディングの手数料
クラウドファンディングというと、商品開発や事業開発、またアプリ開発などの事業に必要なお金を、少しずつ投資家が集めるという印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
お金を受け取った事業者は、資金を元にプロジェクトを運用していきます。
そういったクラウドファンディングを、購入型クラウドファンディングと呼びます。
購入型クラウドファンディングを運営しているサイト数日本でも10以上あります。
この購入型クラウドファンドサイトにおける手数料の相場は、比較的手数料が低いサイトでは募集金額の10%程度、手数料が高いサイトでは20%以上のものもあります。
例えば1,000万円のお金が必要だった場合、手数料20%のサイトを利用すると
1,250万―(1,250万×20%)=1,000万。つまり、1,250万円を集めなければいけないわけです。
購入型クラウドファンディングサイトの利用にあたっては、手数料をよくチェックしておく必要があります。
手数料が安いサイトを選べば、そこまでお金を集める必要がないかもしれないと考える方もいます。
一方で、手数料の高いサイトは、社員数も多くサイト運営に力を入れているので、知名度が高くお金が集まりやすい傾向もあります。
比較的知名度が高く、大規模なサイトであるために手数料が高くなるものだと思っておきましょう。
株式投資型クラウドファンディングの手数料
株式投資型クラウドファンディングは、上場前のベンチャー企業などの株式を購入することがでいます。
まだまだ無名な企業に対して資金援助を行うことができる、クラウドファンディングサイトです。
ベンチャー企業は複数の個人投資家から出資を受けることで、資金を調達できます。
投資家は上場前の企業を安い値段で買うことで、上場後の株の値上がりと売却益を得ることができます。
まさに、双方にとってwin-winな関係であるのが、株式投資型クラウドファンディングです。
この株式投資型クラウドファンディングの手数料は、購入金額の10%が相場になっています。
また株式投資型クラウドファンディングの場合、一人が一社に対して投資できるお金は50万円までと制限がかかっています。
これは法律の規定によるものであり、各サイトの自主規制というわけではありません。
あまり金額が高くない株式投資型クラウドファンディングの手数料ですが、一方でまだ日本の株式投資型クラウドファンディングサイトで上場を果たした企業は、ファンディーノからの一社だけです。
しかも、ファンディーノで資金を集めた会社では1件倒産事例があります。
そのため、まだ株式投資型クラウドファンディングで高い収益を獲得するのは、簡単ではないのが現状です。
これから先の、株式投資型クラウドファンディングの発展に期待したいところです。
株式投資型クラウドファンディングの場合、一社に集中投資をするより、50万円のお金があったら10万円を5社に対して投入するほうが、結果的には成功率が高くなります。
一つの会社に50万円を投資しても、5社に10万円ずつ投資をしても手数料自体は変わりません。
融資型クラウドファンディングの手数料
ソーシャルレンディングとも呼ばれる、融資型クラウドファンディングは、投資家から集めたお金を別の事業者に対し融資します。
融資の際には貸付金利を設定し、その金利が投資家の収入になります。
融資型クラウドファンディングでは、直接的に投資家が手数料を支払うことはありません。
融資型クラウドファンディングにおいては投資家の負担になるのは、融資型クラウドファンディングサイトへの入金手数料とそして出金手数料程度です。
では融資型クラウドファンディングの会社が手数料を取っていないのかと言うと、決してそのようなことはありません。
もちろんどの会社も慈善事業ではなく、収益目的でサイトを運営しているので、融資型クラウドファンディングを運営する会社も収入を得ています。
実際には、金利手数料の一部を自社の収入としています。
手数料というわけではなく営業利益という形で、どの報酬を取っているかを明示している融資型クラウドファンディングサイトもあります。
例えば金利15%で貸付毛を行い、投資家に対しては10%を提供します。
融資型クラウドファンディングサイトの営業利益は、金利5%です。
直接的に手数料取られるわけではないので、手数料がかかっているという意識は持ちにくいですが、融資の貸付金利の一部から、サイト運営側は収入を確保していると思っておきましょう。
クラウドファンディングのプロジェクトが不成立になった場合
クラウドファンディングはプロジェクト成立金額に達しないと、プロジェクトが不成立になることもあります。そういったプロジェクトの不成立の際に、手数料が発生するのかも確認しておきましょう。
一定の投資額に達しないとプロジェクトが開始しないもの
購入型クラウドファンディングや事業型クラウドファンディングにおいてよくあるパターンが、一定の投資額に達しないとプロジェクトが開始しないというものです。
絶対的に資金が一定水準まで必要であり、資金が足りない状態ではプロジェクトスタートがおぼつかないという場合は、投資家に対しては集めたお金を全額返金します。
プロジェクトの運用も行われないので、手数料が発生することもありません。そのため投資をしても特に損失が発生することもなく、無駄な手数料を取られることもないのです。
集まった金額だけでも運用開始するもの
一方でオールインワン型と言われる購入型クラウドファンディングでは、集まった金額だけでプロジェクトを運用開始するものもあります。
例えば映画の撮影のために、1億円必要だったのに7000万しか集まらなかった。
その場合、監督の方針などにより1億円全て使うのではなく、集まった7000万円だけで何とか映画撮影をスタートする場合もあります。
その結果、結局満足なリターンが得られないことも十分考えられます。
この場合、手数料も発生してしまうので投資する側も、手数料を取られた上で、満足な閑静物を得られないことになります。
目標金額への到達が怪しい時は、このようなプロジェクトは避けるというのも一つの手です。
まとめ
クラウドファンディングへの投資には、それぞれ手数料が発生します。運営元も収益を得ないと事業継続できませんから、手数料が発生するのは特に問題になることではありません。
ただし、手数料が高いのにあまりお金が集まらない、サービスが悪いという時はその会社の利用をやめたほうがいいかもしれません。
手数料とサービスが釣り合っているか、資金が集まりやすいのかなどを、ネットの評判でチェックしてから、利用するようにしましょう。