緊急事態宣言も解除され、コロナショックの影響はやや落ち着いてきたようにも見えます。
もちろんまだ油断は禁物ですが、経済活動を再開しなければならないこともまた事実。
そこで、収入の減少に備えるために投資を始めた人もいるかもしれません。
クラウドアンサーでは、コロナ禍に投資を始めた人179人に対して、どのような投資を始めたのかをインターネット上でアンケート調査してみました。
その結果・考察を紹介していきます。
目次
2020年7月1日時点の日本経済
2020年2月から3月にかけて、「コロナショック」と呼ばれる相場の暴落がが発生しました。
2020年7月1日(水)時点では、相場はどういった状況を見せているでしょうか?
株価は22,000円~23,000円前後を推移
出典:Google
経済活動の指標として使われる日経平均株価ですが、2020年の最安値が3月19日(木)の16,552円です。
一方で、2020年6月を見ると日経平均株価は主に22,000円から23,000円の間を推移しています。
コロナショック前の高値を見ると、2020年2月7日(金)の日経平均株価が23,827円でしたから、90パーセントから95パーセントまで値を戻しています。
ただし、まだコロナショック前の平均株価を超えてはいません。
コロナ感染者数はまた増加傾向
一方で、2020年5月に落ち着きを見せた新型コロナウイルスの感染者数ですが、6月の緊急事態宣言解除後、再度感染者数が増加傾向にあります。
1日の感染者数は30人から50人ほどで推移していましたが、6月下旬から再び1日あたりの新規感染者数は100人を超えています。
目下での緊急事態宣言は政府も予定していませんが、このまま感染者数が増加していけば再度の緊急事態宣言発令も起こり得ます。
【調査】コロナ禍で始めた投資を179人にアンケート
コロナ禍では、株やREIT相場を中心としてさまざまな相場の暴落が発生しました。
相場の暴落が発生するタイミングは、値が下がっているだけに新規で投資を始めるチャンスと考える人もいるものです。
そこで、コロナ禍で投資を行った人に、どのような投資を始めたのかを聞いてみました。
調査方法
クラウドソーシングサービス「ランサーズ」を用いて、男女179名にランダム回答してもらいました。
回答期間は2020年6月20日(月)~6月29日(火)です。
アンケート内容
質問項目は次の8問です。
- 10代
- 20代~24歳
- 30代~29歳
- 40代~34歳
- 50代歳
- 60代~44歳
- 70代~49歳
- 50歳~54歳
- 55歳~60歳
- 60歳以上
Q2:性別を教えてください。
- 男性
- 女性
Q3:コロナショックが起こってから新しく始めた投資は次のうちどれですか?
- 株式投資
- FX
- 不動産投資
- 投資信託
- REIT
- 先物取引
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
- ロボアドバイザー
- ETF
- 積み立てNISA
- iDeCo
- その他
Q4:始めた投資を始めようと思った理由を教えてください。(複数選択可)
-
- 安定しているから
- 相場が下がったから
- 値上がりが期待できるから
- 手間がかからないから
- その他
Q5:コロナショックなど不況のときにはどんな投資が良いと思いますか?(複数選択可)
- 安定して少しずつ稼げる投資
- 一気に相場が上がって短期間で利益を出せる投資
- 融資を受けて始められる投資
- 積み立てていく投資
- その他
調査対象の年齢・年収の分布
調査対象の年齢、年収は以下のような分布となっています。
アンケート調査結果・考察
ではアンケート結果を見ながら、どういった投資を始めた人が多いのか、またなぜその投資を選んだのかを見ていきましょう。
新しく始めた投資
新しく始めた投資では、株式投資が38.0パーセント、続いて投資信託が19.0パーセント、FXが15.6パーセントという結果になりました。
株価の暴落が起きただけに、株式投資を始めるチャンスと考えた人が多いと考えられます。
投資を始めた理由
続いて、その投資を始めた理由に関する調査結果です。
回答項目 | 回答者数(179名中) | 割合 |
---|---|---|
相場が下がったから | 81名 | 45.3% |
値上がりが期待できるから | 67名 | 37.4% |
手間がかからないから | 53名 | 29.6% |
安定しているから | 29名 | 16.2% |
投資を始めた理由は、「相場が下がったから」「値上がりが期待できるから」という理由が第1位、第2位となりました。
相場の暴落は報道されやすく、「今は株が値下がりして買いやすい」と捉えた人が多かったのでしょう。
一方で、「安定しているから」「手間がかからないから」という安定した不労所得的な志向の投資を求める人の声も少なくありません。
不況のときにはどんな投資が良いと思うか
コロナ禍のような不況下では、どういった投資が良いのかについても調査しました。
回答項目 | 回答者数(179名中) | 割合 |
---|---|---|
積み立てていく投資 | 65名 | 36.3% |
一気に相場が上がって短期間で利益を出せる投資 | 60名 | 33.5% |
融資を受けて始められる投資 | 3名 | 1.7% |
こちらは、意見がほぼ二分されました。
相場の変動で利益を出すいわゆる「キャピタルゲイン投資」と、積立型の長期視点に立った投資、それぞれを求める人の割合が半々と言えるでしょう。
アンケート結果の考察
アンケート結果を見ると、株式市場の値下がりを受けて株式投資を始めた人が多かったことがわかりました。
株価が暴落で底値まで値下がりすれば、それ以上株価が下がるリスクは小さく利益を出しやすいと考えられたためでしょう。
また、実際に株価はコロナショック暴落前の水準に戻りつつあり、利益を出した人も多かったと考えられます。
同時に投資信託のようなコツコツとした積立投資、また運用を他人に任せられる投資に興味を持つ人が多かったこともわかります。
相場が下がったから株式投資は狙い目?
コロナ禍で投資を始めた方の中では、株式投資が最も多いという結果となりました。
では、相場が下がった中での株式投資は狙い目だと言えるのでしょうか?
そのメリットとリスクを考えてみました。
相場が下がった際に株式投資するメリット
相場が下がった時に株を購入することのメリットは、安値で株を購入できることです。
株は安く買った後、値上がりすれば売買益を獲得できます。
また、内容が同じであれば、株主優待も高値で買うより安値で買う方がお得感があります。
株がこれ以上値下がりしないというタイミングで株を買えれば、大きな利益を獲得できるでしょう。
相場が下がった際のリスク
相場が下がった際に株を買うリスクは、購入後の相場下落です。
特に、コロナショックは終息の傾向が見えず、日本でも新規感染者数が増加している状態です。
海外と人的・物的な資源の行き来ができない状態では、日本の経済活動がコロナショック前の状態に戻るまで、かなりの時間を要すると言えるでしょう。
また、株価の動きとして、株式の相場は上がるときは緩やかに上がるけれど、下がるときは一気に下がるという傾向があります。
暴落の気配を感じた投資家により、一気に売りが殺到するとストップ安になってしまい、売りたくでも売れないこともあるのです。
相場が「下がり切った」と判断することは非常に難しいものですが、相場の不安が材料が出尽くしたと言えない状態で株を購入することは、小さくないリスクが存在します。
それゆえ、アンケートでもコロナ禍での投資に対し、慎重論を唱える人も多かったと言えます。
相場が下がったときにこそおすすめしたい投資
コロナ禍の収まりが見えないので、相場の下落が怖い。
そんな時にこそオススメしたい投資手法3つを、ここではお伝えします。
おすすめの投資①:積立NISA
積立NISAは、毎月10万円ずつコツコツと積み立てていくタイプの投資信託です。
積立NISAをおすすめできる理由は、長期視点に立った投資であるため、相場の浮き沈みを気にせず10年後、20年後の利益を目指せるからです。
積立NISAの場合、毎月同じ金額で投資商品を購入します。
そのため、相場の下落が起これば同じ金額で多くの投資商品を変えるのです。
また、利益は一定金額まで非課税になるため、節税効果も生まれます。
おすすめの投資②:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、お金を貸したいと個人投資家とお金を借りたい事業者を結びつける投資方法です。
投資家から集めたお金を、事業資金を必要とする事業者に対して融資し、貸付金利を受け取る仕組みです。
そして、貸付金利が投資家に対して配分されます。
ソーシャルレンディングは貸金であり収入が安定しているため、不況下でも投資先としておすすめできます。
また、貸付であるため返済リスクが存在しますが、ソーシャルレンディング事業者は融資先の審査を厳密に行っています。
2020年3月から6月のコロナ禍でも、返済が行われなかった案件は1件も発生していません。
不況の影響を受けにくい上に、毎月安定した配当金をもらえる投資方法なのです。
なお、ソーシャルレンディングについてはこちらで詳しく解説されています。
おすすめの投資③:不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産会社がインターネット上を介し、個人投資家から少しずつお金を集め不動産を購入する投資方法です。
そして、不動産の運用益また売却益を投資家に配分する仕組みです。
不動産投資型クラウドファンディングがコロナ禍でおすすめできる理由は、不況に強い居住用不動産に投資できるからです。
居住用不動産は人々の生活に不可欠なものであり、不況でも賃料収入や物件価格が安定しています。
そのため、コロナ禍でも安定した利益を生み出すことに成功しています。
ただし、不動産投資型クラウドファンディングの投資対象が、ホテルや民泊などの宿泊物件であれば不況の影響を受けるため、投資は避けた方が無難です。
なお、不動産投資型クラウドファンディングについてはこちらで詳しく解説されています。
まとめ
コロナ禍の状況でも、株式投資やFXなど、相場の下落=安く買えるチャンスと捉えて投資を始めた人が多かったようです。
相場の下落時は確かに絶好の買い場ですが、コロナ禍はまだ収まっておらず、今後今以上の相場の下落が起こる可能性があります。
そのため、相場の動向には細心の注意を払っておく必要があるでしょう。
相場の監視が面倒だったり苦手だと感じたりする人は、「ソーシャルレンディング」や「不動産投資型クラウドファンディング」のように、景気の影響を受けにくい投資を始めると良いかもしれません。
また、積立NISAのように長期的視野に立った投資であれば、短期的な相場の下落を気にせずに済む上に節税メリットもあります。
コロナ禍では、安定・低リスクという投資方法を検討してみてはいかがでしょうか?