2020年に入ってから、世界中で大流行している新型コロナウイルス。
各国の経済活動に深刻な影響を与えており、日本も例外ではありません。
そんな状況下での2020年5月現在、日本の経済活動に生じている影響、売上が落ち込む業界に対してクラウドファンディングができる支援などについてまとめてみました。
クラウドファンディングを通じてコロナショックで苦しむ企業への支援を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
2020年コロナショックの影響
まずは、2020年に発生したコロナショックの影響について振り返ってみましょう。
日本では具体的にどのような業界に、どの程度の影響が出ているでしょうか?
影響①:観光業・飲食業中心に大きく売上が低下
最も影響が大きいと言われているのが観光業や飲食業です。
日本では、2020年7月に東京オリンピックの開催が予定されていました。
それを見込んで日本国内には数々のホテルや旅館などの宿泊施設が建てられ、またホテルだけでは収容しきれない海外からの観光客を泊めるための民泊施設も盛んに営業していたのです。
2018年、2019年と、海外からの観光客数は過去最高を記録し、2020年の東京オリンピックが無事に開催されれば、海外からの年間観光客数は4,000万人以上との予測もありました。
しかし、2020年1月頃に中国の武漢で新型コロナウイルスが発生しました。
日本への観光客の半数近くは中国人が占めていましたが、中国から日本への渡航が制限されたことにより、中国人観光客は宿泊をキャンセルしたのです。
京都や北海道、沖縄といった有名な観光地の宿泊施設は、深刻な売上の減少に悩んでいます。
2020年3月における海外から日本への観光客数は、前年比で93パーセント減の、19万3千人となっています。
東京都内にも数多くのホテルが建てられましたが、ニュースでは集客に苦戦する様子が連日のように報道されています。
そして、飲食業もコロナショックの影響を大きく受けています。
新型コロナウイルスの流行を抑えるため、日本政府は2020年4月7日(火)に緊急事態宣言を発令しました。
不要不急の外出の自粛を要請したことにより、人々はいわゆる3密状態に陥りがちな屋外での食事を避け、自宅で家族と食事を取るようになっています。
東京都では飲食業に対してお酒の提供を7時まで、営業を8時までとする自粛を要請。
売上の大半を稼ぎ出す夜間の売り上げが、大幅に減少している店がたくさん見られます。
「開店しても人件費がかかるだけ」と言うことで、営業を中止する店舗も数多く現れています。
営業の自粛に協力した店には一定額の補助金が支給されたり、中小の事業者には事業継続支援給付金が交付されたりしますが、それでも非常に資金繰りに窮している店が大半です。
2020年5月4日(月)には緊急事態宣言の延期が決まり、今後も営業できない状態が続けば倒産する店舗が多数現れるでしょう。
その他にも、百貨店やショッピングモールなどの販売業も閉店状態にあり、売上が大幅に落ち込んでいます。
そして、これらの店舗が倒産すれば、商品を卸していた製造業への影響も想像に難くありません。
日本全国、そして世界各国に新型コロナウイルスは深刻な影響を与えているのです。
影響②:株式市場の下落
経済の好・不況の状態を表す指標として、よく参照されるのが株式市場の動向です。
企業の業績が良ければ株が買われて値上がりし、平均株価は上昇します。
反対に、企業の業績が悪化すれば株価は値下がりし、平均株価も下降します。
東京取引市場の平均価格ですが、2019年11月から2020年4月末までは次のように推移しました。
出典:Google
2020年1月20日(木)には年内最高値の24,085円を記録しましたが、その約2ヶ月後、2020年3月16日(火)の最安値は16,552円と、31パーセントも下落しました。
その後は割安感が出て買い戻されましたが、コロナショックの影響で業績が悪化した企業の決算が発表されれば、また下落する可能性があります。
影響③:REIT市場の下落
株式市場以上に下落の幅が大きかったのが不動産投資信託、いわゆるREIT市場です。
REITは複数の不動産を証券化して証券市場で売買する投資商品の一つです。
運営会社は、不動産を運用して得た利益を購入した株数に応じて投資家に配当します。
このREIT市場の推移は、「東証REIT指数」という指標で示されます。
2019年11月から4月末までの東証REIT指数は、次のように推移しています。
出典:Google
2020年内の最高値として2020年2月20日(木)に2,250を付けましたが、それから僅か1ヶ月後、2020年3月19日(金)に1,145まで下落しています。
株式市場は約3割の下落でしたが、REIT市場は5割近い値下がりを見せたのです。
東証REIT指数も2020年5月時点ではやや値を戻していますが、特にホテルやテナントを運営するREIT銘柄は、決算の発表によってさらに相場が下落する可能性があります。
コロナショックの影響を受けにくい産業
一方で、コロナショックの影響をそれほど受けていない産業もあります。
どういった産業がコロナショックの影響を受けにくいのでしょうか?
それは、人々の生活に不可欠である産業です。
それでは、具体的にその産業について解説していきましょう。
影響の小さい産業①:不動産
最初に挙げられる産業は不動産です。
ただし、不動産の種類によっては、景気の影響を受けやすいものと受けにくいものがあります。
例えば、ホテルや観光業、テナントといった人々が余暇のために使う施設は現在、営業を停止していたりほぼ休止の状態にあったり、不況の影響を受けやすいです。
しかし、人々が生活するために不可欠なマンションやアパートなど、衣食住の“住”に該当する不動産は、コロナショックの影響を受けにくいです。
また、倉庫のような物流用の不動産も、値が下がりにくいです。
REIT銘柄の値を見ても、ホテルREITは大幅な値下がりを見せていますが、居住用不動産REITや物流不動産REITは比較的に手堅く推移しています。
好景気の時に大きく値上がりが見込めるわけではない代わりに、不景気でも値下がりが起こりにくい不動産は、不況下でも手堅い投資先になるでしょう。
影響の小さい産業②:インフラ関連
電気や水道、ガスといったインフラ産業も人々の生活に不可欠であるため、コロナショックの影響を受けにくいです。
インフラ関連の産業は、元より不景気に強い就職先として人気があります。
また、インフラ関係の産業には一部の企業しか参入できないため、ある意味では既得権益もしくは独占状態にあります。
そのため価格面での競争が起こりにくく、売上の大幅な減少も起こりにくいのです。
影響の小さい産業③:食料品関係の小売業
衣食住の“食”も人々の生活には絶対に不可欠であるため、コロナショック下では売上が落ちるどころか伸びています。
閉店中の百貨店やショッピングモールでも、大半はスーパーマーケットや食品売場に限って現在も営業しています。
外出の自粛を要請中ながらも、大変混雑している食料品店やスーパーマーケットの様子を夕方のニュースなどで見た人も多いでしょう。
食料品店屋スーパーマーケットはコロナショック下でも売上を伸ばしている数少ない業界です。
影響の小さい産業④:保育・医療関係
保育園や医療関係などの公共福祉に関する施設も、コロナショックの影響を受けにくいです。
人々が健やかに生活するために不可欠な施設であり、また公的な補助を受けているからです。
特に、コロナショック下での医療施設は人手が足りない状態に陥っていますし、高齢者が多い日本では今後の医療施設に需要がなくなることはまず考えられないと言えるでしょう。
保育施設は、収入の減少を補うために共働きする際には不可欠です。
保育園の運営資金として補助金が国や自治体から支給され、医療施設の収益の大半は国民の健康保険に由来します。
運営資金が信頼性の高い組織から提供されているため、売上の減少や資金繰りに窮して倒産する可能性は非常に低いです。
人々が生活している以上、景気に左右されることもなく一定額の売り上げがあります。
ただし、コロナショック下では院内感染や室内感染が起きたり、罹病を敬遠した職員の退職などで人手が不足する傾向にあります。
そういった景気外のリスクは無視できません。
コロナの影響が小さいクラウドファンディングの投資先
この記事を読んでくださっている方の多くは、投資やクラウドファンディングに興味がある方ではないでしょうか?
「コロナショック下の中でもできるだけ安定した利益を上げていきたい」「できればコロナショックで苦しむ企業を支援してあげたい」という気持ちを抱いてる方も大勢いらっしゃるかもしれません。
そこで、コロナショックの影響を受けにくく、支援もできるクラウドファンディングをピックアップしてみました。
株式投資型
クラウドファンディング投資の中にも種類があります。
そのうちの一つとして注目を集めているものに、「株式投資型クラウドファンディング」があります。
株式投資型クラウドファンディングは、上場前のベンチャー企業の株を購入するクラウドファンディングです。
資金繰りの手段を持たないベンチャー企業に対し、株を購入して事業資金を支援します。
仮に自分が株を買って投資したベンチャー企業が上場すれば、上場時の株の値上がりで大きな売買益を狙うことができます。
例えば、Microsoftの創設者として有名なビルゲイツは、数年前から自身の有り余る資金を使ってパンデミックの際のワクチン開発に莫大な資金を投入してきました。
それと同じように、株式投資型クラウドファンディングを通じて社会貢献できる投資先を探してみても良いかもしれません。
自然由来エネルギー関連
クラウドファンディングを通じて収益を堅実に狙いたいのであれば、バイオマス発電や太陽光発電、水力発電などの自然由来エネルギーに関連するクラウドファンディング案件を選びましょう。
これらの事業では一定期間、発電した電力を国が固定価格で買い取る保証が付いているため、しっかりと収益が上がります
コロナショック下ながらも、利回りも年利で5パーセントから7パーセントほどとされています。
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)では、こういった自然由来エネルギーの発電案件に投資できます。
ソーシャルレンディングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
どの会社も無料で口座開設ができるので、時間のあるこのタイミングで解説しておくことをおすすめします。
そして、案件情報をチェックし良いものが登場した際に投資してみると良いでしょう。
不動産投資関係
マンションや物流といった不動産への投資も、コロナショック下で手堅く利益を上げられる投資先として注目されています。
それらに投資したい場合、不動産投資型クラウドファンディングを選びましょう。
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産会社が投資家から集めた資金で不動産を購入し、不動産を運営して収益を分配するタイプのクラウドファンディングです。
不動産投資型クラウドファンディングでは、さまざまな種類の不動産が運営されていますが、マンションを運営する案件数も多いです。
こちらの記事で詳しく解説しています。
不動産投資型クラウドファンディングについても、口座開設は無料で行うことができます。
外出自粛、在宅ワークで時間のあるいま解説しておくと良いでしょう。
保育・医療関係
不動産投資型クラウドファンディングの中には、保育園の開設資金を募集する案件もあります。
まだ案件の数は少ないのですが、医療関係の施設の運営に関する不動産投資型クラウドファンディングもあります。
そういった案件に投資すれば、景気の影響を受けることなく安定した収入を確保できるでしょう。
それに、人々の生活に不可欠な施設を増やすこともでき、ひいては社会貢献にもつながります。
不動産投資型クラウドファンディング「CREAL(クリアル)」では、2020年4月27日(月)から保育園案件の募集を行っています。
興味のある方は、こちらをチェックしてみてください。
コロナショック支援
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)サービスを提供するの「クラウドバンク(Crowd Bank)」は、2020年5月にコロナショック支援プロジェクトを立ち上げます。
コロナショック支援プロジェクトは、コロナショックで資金繰りが難しくなった企業に対し、低い金利で投資家から集めたお金を融資する趣旨のプロジェクトです。
投資家の利回りは3パーセント前後で、クラウドバンクの他の案件と比べると低めです。
運営元のクラウドバンクの営業者報酬はわずか0.1パーセントと、ほぼ利益がありません。
まさに、社会支援のためのファンドです。
投資を通じて売り上げの減少に悩む企業を支援したい、そしてわずかでも良いから利益も獲得したいという、2つの願いが叶うファンドとなっています。
興味ある方は、当該ファンドへの投資を検討してみてください。
こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
コロナショック下ではどのような投資先を選ぶべきか、そのような悩みを持つ方もいるでしょうし、また投資を通じて社会貢献をしたいと考える方もいるでしょう。
そういった方は、今回ピックアップしてお伝えした投資先を選んでみてはいかがでしょうか?
不況時でも安定した投資等を選ぶときのポイントは、人々が生活を送る上で常に一定の需要があるものを選ぶことです。
価格の上下幅の変動が小さく、また国や自治体など公的な期間からの支援が受けられる投資先であれば、不況下でも大きく価値が低下することもなく、一定の利益を確保することができるでしょう。
ご自身の資金で再び日本の経済活動を活性化し、経済発展の手助けをしていってください。