ソーシャルレンディング投資は、1万円という少額から不労所得が得られる投資として人気が上がりつつあります。
しかし、ソーシャルレンディング投資のやり方わからないという人もまだまだ多いこともまた事実。
そこで、今回はソーシャルレンディング投資を始めるためのソーシャルレンディング会社の選び方、そして実際に投資を始めるための手順を紹介していきます。
目次
筆者プロフィール
筆者は、第二種金融商品取引業登録を行っている企業に勤務しています。
ソーシャルレンディング投資は2016年から行なっており、累計投資金額は1千万円を超えます。
さまざまなソーシャルレンディング会社を利用しており、各社の傾向を把握しています。
そこで、ソーシャルレンディング会社全体の傾向を踏まえた解説を行います。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングとは、どういった仕組みの投資なのでしょうか?
その基本のポイントを確認しておきましょう。
仕組み
ソーシャルレンディングは、「お金を貸したい個人投資家」と「お金を借りたい事業者(借り手)」を結びつける投資方法です。
ソーシャルレンディング会社が仲介に入り、インターネット上で個人投資家から少しずつお金を集めます。
そして、インターネット経由で集めた資金を、資金を必要とする事業者に融資します。
貸付けの際には、金利を上乗せしています。
その貸付金利の一部が、投資家の収入になるのです。
2020年7月末現在、日本で運営されているソーシャルレンディング会社の平均的な利回りは年利5パーセントから6パーセントほどです(税引前)。
利回りが低い案件は年利2パーセントほど、利回りが高い案件では年利10パーセントを超えるものもあります。
最低投資額が低い
ソーシャルレンディングは、少額から投資できる点が大きな特徴です。
インターネット上で不特定多数の投資家から資金を集めるため、1万円や2万円が最低投資額を設けているソーシャルレンディング会社が主流です。
投資に回せるお金があまりない人でも、ソーシャルレンディング投資なら始めやすいでしょう。
ソーシャルレンディング事業者選びのポイント
ソーシャルレンディング投資を始める際は、まずできるだけ危険が少ない投資先を選びたいと思う人が多いでしょう。
そこで、リスクを避けたい投資初心者に向いているソーシャルレンディング会社選びのポイントをお伝えしましょう。
- 会社の規模
- 募集実績
- 取り扱う案件の種類
会社の規模
まず、会社の規模はしっかりと確認してください。
資本力のあるソーシャルレンディング会社であれば、倒産リスクは低いと考えられます。
ソーシャルレンディング会社が倒産してしまうと、運用されていた資金が破産管財人により、債務の返済などに使われてしまう可能性があります。
できるだけ倒産しにくい、規模が大きく資本力がある会社を選ぶと良いでしょう。
募集実績
ソーシャルレンディング会社が、どれほどの資金募集実績があるのかも確認すべきポイントです。
募集実績が豊富なソーシャルレンディング会社は数多くの投資家に利用されており、投資家から信頼を得ていると言えます。
また、募集金額が多い会社は、ソーシャルレンディング投資の機会が多いです。
そのため、できるだけ多くのお金を運用したいという人にも向いています。
取り扱う案件の種類
取扱案件の種類もチェックしておきたいポイントです。
ソーシャルレンディング会社によって取り扱う案件は異なります。
「不動産案件」「自然由来エネルギー案件」「会社の事業資金の融資案件」などさまざまあな種類があります。
例えば、不動産案件1分野にだけ投資していると、不動産業界の景気が悪くなった際に全案件で貸し倒れが起きるなど、大きなリスクが発生する可能性があります。
リスク分散のために、ソーシャルレンディング会社がそれぞれどういった案件を取り扱っているかを確認してください。
ソーシャルレンディング案件選びのポイント
ソーシャルレンディング会社を決めたら、次は案件選びです。
ソーシャルレンディング会社は、投資家に対して案件の募集告知を行います。
例外を除き、自分が好きなタイミングで投資できるとは限らないのです。
そのため、案件募集の告知が来たら入念に案件の詳細を確認し、どの案件に投資するのかを決める必要があります。
では、どういった点を確認するべきか、ポイントを解説しましょう。
- 利回りとリスクの関係
- 担保・保証の設定の有無
- 運用期間
利回りとリスクの関係
案件情報で確認すべきは「利回り」と「リスク」です。
利回りが高ければ投資家への配当金も増えます。
例えば、年間利回り10パーセントの案件に10万円投資した場合、1年間運用された場合の配当は次のようになります。
- 10万円×10%=1万円
ただし、利回りが高い案件は、それだけ貸付時に設定した金利が高いということです。
貸付金利が高いということは、お金を借りる側(借り手)からすれば、金利負担が増えるため返済が困難になることもあります。
「利回りが高い案件=基本的にリスクが高い案件」と思っておきましょう。
担保・保証の設定の有無
案件で確認すべきポイントの一つに「担保」や「保証」の設定があるかどうかがあります。
ソーシャルレンディング会社は、融資の際に返済されないリスクをカバーするために、「担保」や「保証」を設定しています。
投資家に特に人気が高いのが「不動産担保」です。
例えば、募集金額1億円の融資案件に対して、1億5,000万円の価値を持つ不動産担保が設定されていたとしましょう。
その場合、仮に融資先(借り手)から1億円が返済されなかったとしても、不動産担保を売却することで1億円を回収できる可能性は低くないと考えられます。
そのため、どういった担保や保証が設定されているのかを見ることは、資産の保全を図るためにとても重要です。
不動産担保以外にも、融資先代表者の連帯保証が設定されていることもあります。
運用期間
案件の運用期間も確認すべきポイントの一つです。
案件によって運用される期間は異なり、
- 3ヶ月~6ヶ月といった短期運用案件
- 12ヶ月ほどの中期運用案件
- 24ヶ月といった長期運用案件
などがあります。
では、期間の違いによるメリットとデメリットには何が考えられるでしょうか?
長期運用案件の場合、長い間配当を得られるというメリットがありますが、一方で資金を拘束される時間も長くなるというデメリットがあります。
ソーシャルレンディングは運用中のキャンセルができないため、自由に自分のお金を使うことができない期間が長いとリスクになることがあります。
また、短期運用案件は自己資金拘束される時間こそ短いですが、配当を得られる期間も短いため投資効率が悪くなりがちです。
そのため、ご自身の目的に合った運用期間の案件を選ぶことが大切です。
ソーシャルレンディングの始め方
では、実際にソーシャルレンディング投資を始めるための手順をお伝えしましょう。
- 事業者の開設ページで登録を行う
- 本人確認書類をアップロードする
- 事業者からの住所確認書類を入力する
ステップ①:事業者の開設ページで登録を行う
まず、ソーシャルレンディング会社のホームページを確認しましょう。
すべてのソーシャルレンディング会社でトップページに「口座開設」など書いてあるボタンがあります。
そのボタンをクリックすると口座開設ページに進みます。
その後は、利用規約や匿名組合約款などを確認します。
次いで個人情報入力画面に進むので、住所や勤務先、年収などを入力していきます。
また、大半ののソーシャルレンディング会社では、投資家登録可能なのは20歳から75歳です。
一部の会社では、20歳未満の方でも会員登録可能です。
ステップ②:本人確認書類をアップロードする
個人情報入力したら、免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類をアップロードしてます。
会社によってはマイナンバーの入力を求められることもあります。
いったんここで登録作業は終了し、そのソーシャルレンディング会社のサイト内に自分の専用ページが作られます。
ステップ③:事業者からの住所確認書類を入力する
本人確認書類がアップロードされ、ソーシャルレンディングが会員情報を確認したら、ソーシャルレンディング会社から住所確認用のハガキが送付されます。
自宅にハガキが届いたら、ハガキに記載されているナンバーなどをソーシャルレンディングサイト内の専用ページに入力します。
これで口座開設が完了です。
ソーシャルレンディング投資を始めることができます。
ソーシャルレンディング投資のやり方
ソーシャルレンディング口座を開設したら、いよいよ投資しましょう。
具体的に、案件に投資したらどういった流れになるのか紹介します。
- 案件を選ぶ
- 入金する
- 実際に投資する
- 配当が入る
- 運用終了後は元本が返済される
ステップ①:案件を選ぶ
最初に、投資したい案件を選びます。
多くのソーシャルレンディングサイトでは、案件募集前日にメールで「何月何日から募集を行います」といった情報が送られてきます。
メール内の案件情報に関して先ほどお伝えした確認すべきポイントをチェックし、投資するかどうか判断しましょう。
ステップ②:入金する
案件に投資することを決めたら、専用ページ内の自分の口座に入金をします。
入金した金額の範囲内で投資することができます。
ステップ③:実際に投資する
入金後は、募集開始後に実際に投資しましょう。
入金した金額を超える投資はできないことには注意してください。
また、投資の可否は先着順で決まることが多いため、募集開始したらすぐに案件のページへアクセスする必要があります。
一方で、案件や会社によっては抽選制度を導入していることもあります。
その場合は募集期間内に応募すれば大丈夫です。
ステップ④:配当が入る
投資を行い、募集金額にに到達して案件が成立したら、数日後から案件が運用されます。
その後は、案件によって決められた日に、運用金額に応じた配当金が振り込まれます。
ステップ⑤:運用終了後は元本が返済される
ソーシャルレンディングは、あらかじめ運用期間が決まっています。
ただし、案件によっては融資先からの早期償還により、予定より早く運用終了になることもあり得ます。
早期返済を行えば、借り手は金利を支払う期間が短くなり、金利負担が小さくなるためです。
運用が終了したら、投資元本と最終配当は同じタイミングで振り込まれることが多いです。
配当金や返済元本は他の投資に回しても良いですし、再度同じソーシャルレンディング会社で運用しても良いでしょう。
まとめ
ソーシャルレンディング投資を始めるための手順を解説しました。
投資初心者の方は、損失が出にくく資産保全性の高いソーシャルレンディング会社や、ソーシャルレンディング案件を選ぶことを心がけると良いでしょう。
投資経験を積みソーシャルレンディングに対する理解が深まったら、リスクやリターンが高めの案件を選んだり、さまざまな分野の案件に投資したりして、リスク分散を図ると良いでしょう。
ソーシャルレンディング会社の口座開設費用及び口座維持手数料は、どの会社でも無料です。
まずはさまざまな会社で口座開設し、どのソーシャルレンディング会社が良いか比較検討してみることをおすすめします。
こちらではおすすめのソーシャルレンディング会社が特徴ごとにわかりやすく解説されています。
無料で口座開設できるリンクも設置されているので、一度目を通しておくと良いでしょう。