ソーシャルレンディングの危険性
ソーシャルレンディングは投資の一つです。
利益は、投資家から集めた資金を事業資金を必要とする事業者に融資した際の「貸付金利」から捻出されます。
資金を貸し付けるため、
- 返済が滞る
- 返済が遅れる
などの問題が発生する可能性がありますし、実際に数々の問題が発生したことがあります。
ここでは、ソーシャルレンディングにおける危険性について、5つに分けて実例を交えて解説します。
- 貸し倒れの可能性がある
- 融資先の情報が明らかでない案件がある
- 運営会社に中小企業が多い
- 担保価値が不明な案件が多い
- 担保や保証がない案件がある
危険性①:貸し倒れの可能性がある
ソーシャルレンディングにおける最大のリスクは「貸し倒れ」です。
貸し倒れとは、お金を貸したにもかかわらず、お金を借りた側が事業運営などに失敗して返済能力をなくしてしまうことを指します。
例えば、1,000万円を貸したのに500万円しか返ってこない場合や、貸したお金のほぼ全額が返って来ないということもあり得るのです。
そのような事態が発生すれば、お金を出したソーシャルレンディング投資家は投資額を回収できず、損失になってしまいます。
ソーシャルレンディングの実例では、実際に資金を借りた事業者が返済能力を失い、投資家が大きな損失を被ったことがあります。
それだけに、ソーシャルレンディングに投資する際は、ある程度は貸し倒れが起こり得ることを想定しておかなければなりません。
危険性②:融資先の情報が明らかでない案件がある
ソーシャルレンディングでは、資金を貸す際に約定した金利が投資家に配分されます。
そのため、資金の貸し付け先である会社のことを十分に知っておかなかれば、約定どおりに返済される見込みがあるのか投資家は判断できません。
融資先(資金の貸し付け先)が不明であることは、大きなリスクです。
融資先の名前がわからなければ、倒産寸前の会社や失敗する可能性の高い事業に投資してしまう可能性があるからです。
ソーシャルレンディングの案件において、資金の貸し付け先を公開するか否かについては、ソーシャルレンディング会社と資金を借りる側である事業者の判断に委ねられています。
そのため、案件によっては融資先がわからないことがあります。
融資先の会社名がわかっていれば、会社の財務状況や事業内容について調べられます。
しかし、貸し付け先が明らかでなければ、細かな情報をチェックすることができないため、リスクの高い案件に投資してしまう恐れがあるのです。
危険性③:運営会社に中小企業が多い
ソーシャルレンディングを運営する会社には、在籍する社員が10名ほどしかいない中小企業が多くあります。
運営元がこういった中小企業であることも、危険性の一つに挙げられます。
なぜなら、運営企業が倒産してしまうリスクや資金がなくなるリスク、人的リソースが足りなくなるリスクがあるからです。
中小企業の場合、利益が十分に出なければ一度の赤字経営であっさりと倒産してしまうことが考えられます。
もしソーシャルレンディング会社が倒産すれば、資金を借りた会社(借り手)と投資家(貸し手)をつなぐ人がいなくなり、連絡が取れなくなることでしょう。
そのため、貸付金を回収できなくなる可能性がとても高いです。
また、投資前に「デポジット」と呼ばれるソーシャルレンディング会社内の個人口座に投資用の資金を入れることがほとんどです。
会社が倒産してしまえば、デポジットの資金もまた行方知れずになってしまうことがあります。
中小企業では、どうしても社長の力量が業績に大きな影響を与えます。
同時に、仕事の成果が個人の力量に委ねられることが多いです。
もし、社長が病気やケガで働けなくなってしまった場合、業務を代行できる人がいなければ、会社が倒産してしまう可能性は十分にあります。
多くのソーシャルレンディング会社のリスクとして、組織が脆弱であることが挙げられます。
危険性④:担保価値が不明な案件が多い
担保の価値が明らかでないソーシャルレンディング案件が多いことも、ソーシャルレンディングの危険性の一つです。
貸し手(投資家)が貸す相手(借り手)の返済能力を疑う場合、一般には「担保」を設定します。
もし、貸し付けた資金を回収できなくなったとしても、担保があればそれを売却してある程度の資金を回収することができるからです。
ソーシャルレンディングにおいても、貸し倒れのリスクを避けるために不動産などの担保が設定されることが多いです。
例えば、5,000万円を貸し出す際に、貸付先が所有する市場価格7,000万円の不動産を担保に設定すれば、仮に5,000万円が返済されなかったとしても、この担保物件(不動産)を売却すれば、資金を回収することができます。
担保を設定するソーシャルレンディングの案件は多くありますが、担保について細かく説明されていることは非常に稀です。
「担保は都内にある不動産」との記載があっても、「東京23区内の不動産」か「東京の西部にある郊外の不動産」かで価値は大きく異なります。
そういった細かい点が確認できなければ、投資家は担保の価値を明確に知ることができません。
資金を回収する能力に疑問符がつけば、損失が発生する危険性は無視できません。
危険性⑤:担保や保証がない案件がある
担保が付いている案件は、一定額の返済が行われる見込みはあります。
より危険度が高い案件は、「担保」や「保証」が一切ない案件です。
これらがない場合は、貸し倒れが発生した際に、投資家に1円たりとも資金は返済されない可能性があります。
ソーシャルレンディングの無担保案件では、担保の代わりに「保証」を付けることがあります。
ここで言う「保証」とは、ソーシャルレンディングで融資を受けた事業者が返済できなくなった際に、代わりに返済する個人や法人を立てることを指します。
これを「代表者連帯保証」と呼びます。
例えば、融資を受けた会社の代表者が会社に代わって個人で返済するケースもありますし、融資を受けた会社の負債を一時的に立て替える保証会社を設定する場合もあります。
ソーシャルレンディング危ないと言われる理由
「ソーシャルレンディング投資は危ない。」こう言われることは事実です。
投資である以上、株式投資でもFX投資でも、当然のことながらリスクがあります。
100パーセント安全である投資は、世の中に存在しません。
どのような投資であっても危険性は伴いますが、ソーシャルレンディングには特有の危険性もあります。
ここでは、ソーシャルレンディングが危ないと言われる理由を、実例を出しながら紹介します。
- 担保の価値を曖昧な基準で計算していた会社があったから
- 融資先の匿名義務を利用して親会社にのみ融資をしていた会社があったから
- 融資先のビジネスの存在が不明な会社があったから
理由①:担保の価値を曖昧な基準で計算していた会社があったから
ソーシャルレンディングでは、貸し倒れ時の保証として担保が設定されている案件が多く見られます。
しかし、その担保の価値が貸付金額と同等のものでないと、投資家に資金を返済できないリスクがあります。
では、実例について解説していきましょう。
実例
ソーシャルレンディングの運営会社である「ラッキーバンク」は、すべての案件に不動産担保を設定していることを謳い文句に、投資家から資金を集めました。
7パーセントから10パーセントと高い利回りを設定し、人気を集めていました。
結果として、短期間で100億円以上もの資金を集めることに成功したのです。
しかし、金融庁からの行政処分がラッキーバンクに下され、融資先がほぼ親会社のみであったなどの事実が発覚。
その結果、融資先の安全性が問われ、案件の募集と投資家への配当を中止したのです。
そして、数ヶ月後には貸し倒れが発生し、担保を売却して資金の返済を試みました。
ところが、投資家に返済するべき資金は50億円以上ありましたが、担保を売却してもそのうち17億円しか返済できませんでした。
その理由は、ラッキーバンクが算出した不動産の担保評価額が自社基準で定めた曖昧なものだったから。
不動産鑑定士が鑑定した不動産鑑定額であれば、市場の取引価格に近い価格になります。
しかし、ラッキーバンクではそのような鑑定を行わず、自社で定めた”どんぶり勘定”ともいえる適当な不動産価値の査定を行っていました。
そして、ほとんどの担保は貸付金額よりも遥かに低い価値しかなかったのです。
危険性
不動産が担保に設定されていても、その価値が不明であれば担保売却時に満足な資金を回収できない恐れがあります。
詳細が明かされていない担保のついた案件に投資することには、大きな危険が伴います。
そのため、担保の資産価値は具体的な地名や面積、建物を見て判断する必要があります。
ラッキーバンクの担保は、投資家に対して
- 東京都千代田区の不動産案件
- 東京都世田谷区の不動産案件
などのように地名だけを公開していました。
「千代田区」や「世田谷区」などの都心部の不動産担保であれば、市場価値が高いと投資家の誰もが思ってしまったのです。
そのため、多くの投資家がラッキーバンクに投資しました。
もちろん、実際にその担保不動産は千代田区や世田谷区は存在し、担保自体は設定されていました。
ただし、崖の中腹にある土地、非常に小さいビル、また、再建築不可物件などが多く、担保価値が非常に低いものばかりだったのです。
たとえ担保が設定されていたとしても、ソーシャルレンディングでは詳細を知り得ない場合があります。
都内の一等地が挙げられているからといって、担保が信頼に足るものと判断するのは早計です。
理由②:融資先の匿名義務を利用して親会社にのみ融資をしていた会社があったから
2019年3月までのソーシャルレンディング業界では、融資先(貸付先)の公開が禁止されていました。
この「貸付先の名称を明らかにする必要がないこと」を逆手に取り、親会社に限って融資したソーシャルレンディング会社がかつて存在しました。
実例
ソーシャルレンディング会社「みんなのクレジット」の親会社は、同社の経営者が兼業する不動産会社でした。
みんなのクレジットを通して資金を集めた後、親会社である不動産会社が不動産を購入して事業を運営していたのです。
しかし、みんなのクレジットは金融庁から行政処分を受けたため、案件を募集できなくなりました。
そこで、みんなのクレジットは親会社に貸金の返済を迫ったのですが、みんなのクレジットと親会社の経営責任者は同一人物です。
序列や資本上の力関係から考えて、子会社が親会社に強く返済を迫ることは不可能です。
子会社に資金を返済したがために、親会社が倒産する可能性も否定できません。
そのため、投資家には投資資金が満足に返済されなかったのです。
危険性
子会社と親会社の間には資本関係があります。
子会社が、親会社に対し融資したお金を回収したとしましょう。
その結果、親会社のキャッシュがなくなってしまえば親会社は倒産しますし、資金提供を受けてる子会社も連鎖倒産する可能性が高くなります。
そのため、子会社が親会社から融資式の返済を強く迫ることは困難です。
そもそも、2社の経営責任者が同一人物である場合、結局は会社間で資金を回しているだけに過ぎません。
資本関係がある会社同士でカネのやり取りをしているだけなのです。
このような堂々めぐりを演じるソーシャルレンディング会社は、投資家に資金を返済するよりも、破産を選択する安易な道を突っ走るようになるでしょう。
その結果、投資家は資金を回収できなくなってしまうのです。
理由③:融資先のビジネスの存在が不明な会社があったから
ほぼすべてのソーシャルレンディングの案件において、運営会社は融資先である会社の事業内容を明らかにしています。
しかし、かつては事業自体が虚偽であったことがありました。
実例
ソーシャルレンディングの運営会社である「トラストレンディング」は、国の除染作業や道路建設などの用途に使用される公共事業用の案件を募集しました。
「公共性の高い事業であれば大丈夫だろう。」投資家は、そのように過信して投資したのです。
しかし、実際には投資家から集めた資金は公共事業には融資されず、今でも行方がわかっていません。
危険性
融資先の事業が虚偽そのものなので、もはや詐欺事例の一つだと言えるでしょう。
トラストレンディングの某役員は、融資先として公共事業の案件を推奨し、大々的に募集をかけました。
案件において事業内容が詳細に公開され、官公庁の依頼であることを謳ったのです。
そのため、被害に遭った投資家はみな、同社と同社の案件に全幅の信頼を置きました。
しかし、当の役員本人が詐欺に手を染めていたのです。
そして、トラストレンディングも当該役員に騙されたのです。
2020年1月現在、詐欺事件として立件する可能性が非常に高く、投資家に資金が返済されない見通しが濃くなりつつあります。
2020年現在もソーシャルレンディングは危ない?現状は?
ここまで説明したことからすると、「ソーシャルレンディングは大変危ない投資ではないか?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、2020年現在、金融庁は数々の問題に対応するべく、危険性に対する策を講じています。
では、どのように変わってきたのか、ソーシャルレンディングの現状を解説しましょう。
- 融資先の情報を開示する会社が増えている
- 担保や保証がないことを明示し高い利回りを提供する会社がある
- 上場企業や親会社が上場企業のサイトが増えている
- 担保が明らかになっている会社を選べば危険性は低い
現状①:融資先の情報を開示する会社が増えている
2019年3月に金融庁より発表された「匿名化の解除」により、最近では多くのソーシャルレンディングサイトで融資先の名称を開示するようになりました。
融資先が判明すれば、投資家は危険性の有無をみずから判断できるようになります。
また、融資先だけではなく、財務状況やソーシャルレンディング会社との人的・資本的なつながりのなさについても明記する運営会社が現れ始めました。
代表的な会社がクラウドバンク(Crowd Bank)です。
融資先の情報が明らかになれば返済能力や資産の状況を調べられるため、投資のリスクを下げることができます。
現状②:担保や保証がないことを明示し高い利回りを提供する会社がある
担保や保証は、融資において必ずしも必須の条件ではありません。
そのため、ハイリスク・ハイリターンの案件として、担保も保証もない代わりに、10パーセント以上の高利回りを提供するレンデックス(LENDEX)のような会社もあります。
リスクについてしっかりと明示すれば、リスクを想定した投資家は自分の持つ資金の一部を、ポートフォリオの一部として、ハイリスクハイリターン案件に投資することも増えるでしょう。
リスク管理ができていれば、ハイリスクハイリターン案件に投資することは、悪い選択ではありません。
ソーシャルレンディングの運営会社にとっても、無担保無保証案件は、保証や担保を探す必要がないので、案件の募集に掛ける手間を省けます。
その結果スピーディーの案件の募集ができます。
他方で、投資家は高い利回りの案件に投資できるようになります。
つまり、無担保無保証案件でも、「投資家」と「ソーシャルレンディング会社」の両者がwin-winの関係を築けるのです。
リスクが明示され、投資家本人が危険性の有無を判断できるのであれば、ハイリスク・ハイリターンの案件への投資は決して悪い選択ではありません。
現状③:融資先が上場企業限定のサイトがある
融資先が上場企業という安定した経営基盤を持つ会社であれば、融資が返済されないリスクは下がり、また詐欺に巻き込まれる可能性も低いです。
その結果、投資の危険性は下がります。
投資のオンラインマーケットFunds(ファンズ)は、原則として融資先を上場企業に限定しています。
Fundsの融資先である上場企業は、財務状況の公開が義務付けられています。
そのため、融資前に倒産の危険性を判断できます。
投資家から見て、Fundsを通じて投資できる上場企業は、情報の収集が容易なのです。
その上、強固な経営体質を持っているため倒産しにくく、返済に対する責任感と意識が高いことも期待できます。
上場企業への融資案件に絞って投資していけば、ソーシャルレンディングの危険性を抑えやすくなります。
現状④:担保が明らかになっている会社を選べば危険性は低い
貸し倒れが発生した際、ソーシャルレンディングの運営会社は担保を売却して投資家に返済します。
そのため、担保に関して詳細な情報が開示された案件を選べば、資金を回収できる可能性は高くなり危険性が下がります。
例えば、物件の所在地、築年数、建物の面積などわ分かる不動産担保であれば、ある程度は資産価値を計算できます。
1億円の融資案件に1億5,000万円の価値を持つ不動産担保が設定されていれば、資金を回収できる可能性は高く、危険性は低いと言えるでしょう。
ソーシャルレンディング投資のリスクを下げるコツ
過去の事例からソーシャルレンディングにはどのような危険性があるかわかり、そして現在取られている対策も把握できたことでしょう。
それぞれの対策に目を通した上でリスク対策を実践するには、どのようなポイントを押さえておけば良いでしょうか?
最後に、ソーシャルレンディング投資でリスクを下げるコツを5つ解説します。
- 信用のおける融資先の案件を選ぶ
- 担保が明らかになっている案件を選ぶ
- 実績が確かな事業者を選ぶ
- トラブル対応力のある事業者を選ぶ
- 倒産しにくい事業者会社を選ぶ
コツ①:信用のおける融資先の案件を選ぶ
上場企業など信用のおける融資先への案件であれば、返済される可能性は高いです。
融資を受けた上場企業は、実名が明らかにされていれば「この会社は借りたお金を返さない」などの悪評が広まることを嫌い、約定どおりに返済します。
2019年に、Funds(ファンズ)は上場企業9社に対して融資の案件を提供しました。
Funds(ファンズ)が選定した上場企業は、社会的な信用を勝ち得た融資先のみです。
定評がある融資先を推す運営会社を選べば、投資で利益が上がる可能性を高めることができるでしょう。
コツ②:担保が明らかになっている案件を選ぶ
担保の詳細が明らかである案件を選ぶことは、貸し倒れリスクを避ける方法一つです。
なぜなら、投資家は担保の資産価値をある程度計算することができるからです。
不動産を専門に取り扱うソーシャルレンディングサイトオーナーズブック(OwnersBook)は、担保不動産の詳細な情報を公開しています。
所在地だけでなく、築年数や物件の構造、現在の賃借状態などの情報を掲載しています。
そのため、不動産に詳しい人であれば担保の不動産を売却した際にどの程度の価値があるのか判断できるでしょう。
担保の評価額が募集金額を上回っていれば、投資家は貸し倒れが発生した場合も全額返済できる可能性は高いです。
コツ③:実績が確かな事業者を選ぶ
今までの運営実績が確かであるソーシャルレンディングサイトを選ぶことも、リスクを回避する一つの方法です。
ソーシャルレンディング事業で堅実に利益を出し着実に実績を積み重ねる会社であれば、今日までの苦労を無駄にしないために誠実に業務に励みます。
利益が出ている状況で不正行為を取り、評判を下げるようなことはしないでしょう。
SBIソーシャルレンディング は、国内のソーシャルレンディングサイトの中で募集金額第1位の実績を誇ります。
また、大手金融グループのSBIグループに所属している同社が公然と詐欺を行えば、SBIグループ全体の信用問題に関わる事態となります。
SBIソーシャルレンディング のように信用と実績が確かなソーシャルレンディング会社であれば、事業者リスクは低くなります。
コツ④:トラブル対応力のある事業者を選ぶ
資金を貸すことがソーシャルレンディング業界のビジネスモデルですから、どうしても「貸し倒れ」を回避することはできません。
貸し倒れが発生した際に、ソーシャルレンディング事業者がどのような対応を取るかは見るべきポイントです。
貸し倒れに対応した経験と実績が数値で確認できるソーシャルレンディングの事業者を選べば、リスクは抑えられます。
トラブルへの対応に秀でた事業者であれば、万が一に貸し倒れが発生したとしても、資金を回収できる見込みがあるからです。
SBIソーシャルレンディング には、これまでに1,200億円以上の募集実績があります。
その中で、貸し倒れが発生したこともありました。
しかし、貸し倒れ後は1ヶ月以内に担保を処分し、投資元本の90パーセント以上の資金を投資家に返済したのです。
損失はわずかに発生しましたが、SBIソーシャルレンディング は問題が発生してもほぼ満額を回収できることを証明したため、投資家としては安心して投資に臨めることでしょう。
コツ⑤:倒産しにくい事業者会社を選ぶ
危険性の一つとして、ソーシャルレンディングの運営会社の倒産があると解説しました。
倒産のリスクへの対策は、倒産する可能性が低いソーシャルレンディング会社を選ぶことに他なりません。
倒産しにくい会社の条件としては、
- 上場企業であること
- 売上高が高いこと
- 利益を確保できている会社であること
- 財務状況が確認できること
などが挙げられます。
例えば、親会社がSBIホールディングスのSBIソーシャルレンディング が該当します。
SBIソーシャルレンディング は従業員の数が多く、ソーシャルレンディング事業がしっかりと軌道に乗って黒字化を達成しています。
そのため、簡単に倒産するリスクは低いでしょう。
また、オーナーズブック(OwnersBook)を運営する株式会社ロードスターキャピタルも東証マザーズ上場企業です。
財務状況によれば、ソーシャルレンディング事業はまだ黒字化を達成していないものの、主要事業の不動産物件の開発や売却で大きな利益を出しています。
ソーシャルレンディングサイトSAMURAI FUNDを運営するSAMURAI証券株式会社の親会社SAMURAI&J PARTNERS株式会社は、JASDAQ上場企業です。
こういったソーシャルレンディングサイトを選べば、倒産のリスクを避けられる可能性は非常に高いです。
まとめ
2018年までの、ソーシャルレンディングは確かに「危ない」と言われる要素が億ありました。
過去にソーシャルレンディングの投資家が大きな損害を被ったことは事実であり、今日でも決して危険性を看過するわけにはいきません。
一方で、2019年3月における金融庁の「匿名化解除」の方針後は、融資先を中心とした情報の透明度が飛躍的に向上し、多くの情報が投資家に開示されるようになりました。
そして、開示された数々の情報をしっかりと確認すれば、投資家はリスクを避けながら投資しやすい環境になっています。
もちろん、情報の収集を怠れば投資の危険性は高まります。
ソーシャルレンディングで利益を増やせるかどうかは、投資家個人の手腕次第です。
まずは、ソーシャルレンディングについて詳しく調べ、それから投資に臨むことが無難です。