目次
ネクストシフトファンドとは
出典:ネクストシフトファンド
ネクストシフトファンドは、2018年から運営を行ってるソーシャルレンディングサイトです。
海外案件を中心に、「社会インパクト投資案件」を多数取り扱っていることで知られています。
ここでは、ネクストシフトファンドの海外案件の特徴や投資先としてのメリットについて解説していきます。
特徴①:鳥取県を中心に展開する金融サービス企業
ネクストシフトファンドの運営元は、株式会社ネクストシフトです。
株式会社ネクストシフトは、鳥取県に本社を構える金融サービス企業です。
ソーシャルレンディングサイトの運営以外にも、次のような事業も行なっています。
- ベンチャーキャピタル事業
- コワーキングスペースの運営事業
特徴②:社長の伊藤氏は数々の金融関係の企業での勤務歴あり
ネクストシフト株式会社社長の伊藤慎佐仁氏は、数々の金融機関での勤務経験を持つ人物です。
会社の社長の経歴は次のとおりです。
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1991年:株式会社三菱銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行
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1998年:ソフトバンク株式会社 財務部入社
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2001年:ファイナンス・オール株式会社 代表取締役(ヘラクレス上場)
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2006年:SBIホールディングス株式会社 取締役常務執行役員(東証一部上場)
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2011年:株式会社ケイブ代表取締役(JASDAQ上場)
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2013年:ワイジェイFX株式会社 代表取締役(ヤフー株式会社金融子会社)
金融業界や投資業界の著名企業で、取締役といった重要なポジションを務めていました。
金融業界における手腕や人脈には、確かなものがあると言えるでしょう。
ネクストシフトファンドの実績
続いては、これまでのネクストシフトファンドの運営実績について解説しましょう。
その実績を知ることで、ネクストシフトファンドが投資先として妥当なのかそして今後伸びていくサイトなのかを検討できます。
累計募集金額
累計報酬実績は約1億4,300万円(2020年2月末時点)です。
ネクストシフトファンドの約3年間における募集実績は、まだそれほど大きな金額とは言えません。
1年間で6,000万円前後のペースであり、ゆるやかに成長を続けていると言えるでしょう。
累計募集案件数
案件の募集数は、累計で30件強(2020年2月末時点)です。
1ヶ月に1件から2件ほどのペースでの募集を行っており、それほど頻繁に案件の募集を行っているわけではありません。
投資家としては数に物足りなさを感じることもあるかもしれませんが、案件を乱発するのではなく、慎重に案件の精査を行っているとも言えます。
また、現在の投資家会員数は1,000人強です(2020年2月末時点)。
ネクストシフトファンドの海外案件の特徴
出典:ネクストシフトファンド
ネクストシフトファンドは、「ジョージアにおける中小企業の支援ファンド」や「カンボジアの農家支援ファンド」など、発展途上国の個人事業主や小規模事業者を支援するファンドを中心として案件が組成されています。
中には、利回りが7.7パーセントとかなり高い案件もあります。
では、ネクストシフトファンドの海外案件の特徴について解説していきましょう。
海外案件の特徴①:途上国への融資が中心
ネクストシフトファンドでは、次の国の案件の募集実績があります。
- カンボジア
- ジョージア
- モンゴル
いわゆる先進国ではないアジアの発展途上国が中心です。
先進国と比較すると、政情リスクや通貨リスクなどを考えなくてはならないでしょう。
海外案件の特徴②:マイクロファイナンス機関を通じた融資
2019年以降に募集されたネクストシフトファンドの海外案件では、基本的に融資先が開示されており、各発展途上国のマイクロファイナンス機関となっています。
マイクロファイナンス機関とは、発展途上国において個人事業者や小規模事業者に対し、保証や担保なしの融資を行う金融機関です。
発展途上国の小規模事業者の発展を支援するために組成されている金融機関です。
マイクロファイナンス機関に融資すれば、発展途上国のビジネスの支援・経済の底上げに貢献できます。
海外案件の特徴③:事業資金が用途
ネクストシフトファンドの海外案件では、資金用途も公開されています。
どの案件も、個人事業主そして小規模事業者の事業資金を用途としています。
個人事業主や小規模事業者は、マイクロファイナンス機関を通じて融資を受けて、毎日の仕入れを行ったり農業器具を購入して事業を軌道に乗せていきます。
資金用途が明瞭ですが、日々の事業資金に使われるだけに、事業に失敗してしまえば返済されない可能性が高くなります。
ネクストシフトファンドの海外案件のメリット
発展途上国における海外案件を専門とするネクストシフトファンド。
投資家がその海外案件に投資することで、どのようなメリットを得られるでしょうか?
メリット①:利回りが高い
ネクストシフトファンドの案件の利回りは、5パーセントから8パーセント前後です。
日本国内の平均的なソーシャルレンディング案件の利回りよりもやや高めです。
2020年現在、日本のソーシャルレンディング会社が提供する案件の平均的な利回りは、年間4パーセントから6パーセントほど、平均すると5パーセント前後です。
収益性を求める人にとって、この高い利回りは魅力でしょう。
メリット②:社会的インパクト投資に貢献できる
ネクストシフトファンドが打ち出している投資は、「社会的インパクト投資」と呼ばれています。
発展途上国など貧しい国の経済発展に寄与することができる投資であるため、投資を通じて社会貢献したい人に向いています。
投資しながら人の役に立つ満足感を得られます。
メリット③:海外案件に分散投資できる
ネクストシフトファンドを利用すれば、海外のソーシャルレンディング案件に分散投資できます。
日本国内の案件ばかりに投資していると、日本の経済が悪化したときに全ソーシャルレンディング案件が影響を受ける可能性があります。
しかし、海外案件に分散投資をしておけば、日本国内の経済の影響を避けることができます。
ソーシャルレンディング投資における、リスク分散につながります。
ネクストシフトファンドの海外案件のデメリット・リスク
ネクストシフトファンドの海外案件は、メリットばかりではありません。
投資である以上さまざまなデメリットやリスクがありますし、それを知っておく必要があります。
では、どういったリスクが挙げられるでしょうか?
デメリット①:担保や保証がない
ネクストシフトファンドの海外案件は、担保や保証が設定されていません。
そもそも、担保や保証という資産を持たない人に融資を行うのがマイクロファイナンス機関です。
保証がないということは、資金の大半を失う可能性があるため、貸し倒れ時のリスクはかなり大きいです。
ただし、マイクロファイナンス機関への融資の最終的な借り手は、複数の個人や小規模事業者です。
一つのネクストシフトファンドの案件に投資すると、10人・20人の個人事業主や小規模事業者に同時に融資されています。
そのため、そのうちの一人で貸し倒れが発生したとしても、全額が失われるわけではありません。
一つの案件に投資するだけで、リスクを分散できるとも言えます。
デメリット②:発展途上国の事情は日本国内からは調べにくい
ソーシャルレンディング投資をする上で、融資先の国や会社の情報収集はリスク対策として重要です。
しかし、日本にいながらカンボジアなど発展途上国の情報を詳しく知ることは、なかなか難しいものです。
その国ならではの事情などは、ネクストシフトファンドが公表する情報を見て判断するしかありません。
慎重に投資先の情報を分析してから投資を検討したいという人には向いていません。
デメリット③:問い合わせ先の電話番号がない
ネクストシフトファンドでは、投資家のサポート窓口はメールによる対応のみとなっており、電話による問い合わせを受け付けていません。
ほとんどのソーシャルレンディングサイトでは、電話による問い合わせ対応を行っており、投資家は知りたいことがあったらすぐに電話で直接運営会社に聞けるのです。
しかし、ネクストシフトファンドでは電話サポートを行っていないため、すぐに情報を知りたいときに知ることができないというデメリットがあります。
投資家会員数がまだそれほど多くないという事情もありますが、投資家としては電話サポートでいつでも質問できる体制が整っていないと、何かと不便さを感じることがあるでしょう。
【総評】ネクストシフトファンドの海外案件への評価
ネクストシフトファンドの海外案件はほぼすべての案件が、マイクロファイナンス機関を通じて個人を含む小規模事業者への融資です。
マイクロファイナンス機関を通じた融資は、担保や保証はありません。
しかし、マイクロファイナンス機関への融資は、複数の個人事業主などへの融資になるため、リスクは分散されています。
担保や保証がない代わりに、一定の割合で貸し倒れが起こることを想定した上で利回りが設定されています。
リスクは皆無ではありませんが、リスクを折込んだ分散投資をしながら5パーセント以上の利回りを期待できるため、投資先としては意外と悪くないかもしれません。
また、投資でお金設けをするだけではなく、何らかの方法で人の役に立ちたいという願いを叶えることもできます。
資金の大半を投入するのは危険かもしれませんが、余剰資金を使い海外案件に分散投資をしてみたいという人は、ネクストシフトファンドを利用してみてはいかがでしょうか?
まとめ
ネクストシフトファンドは、まだ成長途中とも言えるソーシャルレンディングサイトです。
しかし、2019年後半からは案件募集のペースが上がっており、徐々に投資家にも受け入れられていると言えます。
海外案件の分散投資を行うことができて、利回りが高いというメリットがあります。
担保や保証はありませんが、投資先は分散されているため、貸し倒れリスクは軽減されています。
こう見てみると、実は意外にもさまざまなメリットがある案件だといって良いかもしれません。
この機会に、ぜひネクストシフトファンドをチェックして、その海外案件の魅力を見直してみてはいかがでしょうか?
ネクストシフトファンドについては、こちらでも詳しく説明しています。