売掛金などの債権を買い取って、現金にしてくれるファクタリング。
会社でキャッシュが必要な時にファクタリング会社を利用することで、手早く現金を用意することができます。
資金繰りに悩まれている経営者の方にとって、ファクタリングは大変に頼りになる存在でしょう。
そのファクタリングを利用する際には、状況に応じて手数料が発生します。
その手数料相場はどの程度なのか、またどういう要因で手数料が高くなったり安くなったりするのかをここではご説明していきます。
目次
3社間ファクタリングの手数料は5%前後
ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという二つの形態のファクタリングがあります。
2社間ファクタリングはあなたの会社の債権を、直接ファクタリング会社が買取ります。
そしてあなたの会社が売りがけ金を回収したあと、ファクタリング会社の返済を行います。
一方で3社間ファクタリングの場合は、まずあなたの会社が、債務のある自社の得意先に、ファクタリング会社を利用するという旨を伝えます。
そして債務のある会社がファクタリングで売上金の支払いを行うことを了承した場合のみ、ファクタリング会社が売掛金の回収を行ってくれます。
簡単に言えば債務のある会社の同意を得ているか、同意を得ていないかで大きく手数料が変わってくるのです。
それはなぜかと言うと、売上金の回収に同意してくれない会社が介在する場合、リスクをファクタリング会社が負うからです。
3社間ファクタリングの場合、予め債務を有している会社の同意を得ているので資金回収までの時間がある程度計算しやすくなっており、ファクタリング会社のリスクも少ないです。
そのため、3社間ファクタリングの手数料は一般的には5%前後。安い場合は3%程度で利用できることもあります。
2社間ファクタリングは手数料10%以上と高い
3社間ファクタリングの手数料が5%前後ということが多いのに対し、2社間ファクタリングの場合は最低でも10%程度になります。
つまり1,000万円の債権があった場合、100万円以上ファクタリング会社に手数料として支払わなければいけないわけです。
高い会社によっては、30%前後の手数料になってしまうこともあります。ファクタリングがいかに便利で現金化がしやすいとはいえ、手数料でこれだけ支払っていては自分たちの会社の営業利益が大きく目減りしてしまいます。
もちろん2社間ファクタリングの方にも、現金化が速く最速で即日現金化もできるメリットもあるのですが、手数料の高さと引き換えにそのメリットを利用するかどうかは、経営者として悩みどころと言えるでしょう。
2社間ファクタリングの手数料が高くなる理由
2社間ファクタリングは、なぜこれほど手数料が高くなってしまうのでしょうか。
最初に言ったようにまず債務を持っている会社が、すぐに支払ってくれないリスクがあります。
そしてもう一つのリスクは、現金化を行った会社が債権譲渡を行わずに、資金を返済しないリスクがあるのです。
ファクタリング会社は、きちんとあなたの会社が売掛金を回収し、返済してくれることを前提にファクタリングの買取を行います。
しかし、その約束が守られず、例えばファクタリングを依頼してきた会社が夜逃げしてしまうリスクも存在しているのです。
特に金額が大きくなればなるほど、ファクタリング会社にとってのリスクはどんどん高まっていきます。
そういったリスクをカバーするためには、どうしても手数料が高くなります。ファクタリング会社も買い取った後に返済が行なわれないと、自分たちが倒産の危機に瀕してしまいます。そういった要因があるため、手数料が高くなる傾向にあるのです。
ファクタリングの手数料を安くするポイント
それでも、2社間ファクタリングの現金化の速さは大きな魅力です。そこでファクタリングの手数料を安くするためには、どういったポイントを押さえておけば良いのかをまとめてみました。
債権の金額が大きいと手数料は安くなる
まず買取を依頼する売掛金の金額が多ければ多いほど、手数料は安くなる傾向にあります。
同じ手数料20%だとしても、も100万円に対する20%は20万円。1000万円に対する20%は1,000万円にもなります。
一方でファクタリング会社にとって買取を行ったり、債権回収する作業は金額の大きい少ないにかかわらずそれほど変わりません。
100万円の売掛金に対するファクタリングでは、収入は20万円にしかなりませんが、多額の資金を回収するのと同じ作業が発生しますし、司法書士などの作業報酬も発生します。
それに対して5,000万円のファクタリングの場合、作業がそれほど変わらないのに自社の取り分も一気に50倍になってきます。
それほど大きな収入があれば、多少手数料を下げたとしても十分作業に見合った報酬が得られると言えます。
そのため債権の金額が大きくなればなるほど、一般的に手数料は安くなる傾向にあるのです。
100万円未満のファクタリングを依頼しても業務効率が悪いので、ファクタリング会社もあまり乗り気ではなく手数料が高くなってしまいます。
しかし、1,000万円以上のファクタリングになれば、業務効率が良くなるので手数料の割引や交渉なども行いやすくなるでしょう。
2回目以降の利用は信用ができるので安くなる
またファクタリングを依頼するときは、信用が大変にものを言います。
初回のファクタリング依頼の場合、ファクタリング会社にとっても持ち逃げされてしまうリスクなどがある上に、どのような人間性を持った経営者のかわかりません。
そのため、リスクカバーのために手数料は高く設定される傾向にあります。
そこで、きちんと1回目の返済を行い信用ができれば、ファクタリング会社も「この会社であれば取引しても大丈夫」ということで、ある程度手数料を下げてくれるケースが多いです。
逆に2回目以降で手数料を下げてくれないようなファクタリング会社は、経営者にとっては使いにくい会社と言えるでしょう。
信頼と実績で手数料は安くなる
ファクタリングに関しては、結局は信頼と実績で手数料が安くなる傾向にあります。
決められた期日までにしっかりと返済を行っている会社であれば、ファクタリング会社もお得意様として十分に手数料の優遇を行ってくれる可能性が高くなります。
医療債権報酬は改修リスクが低いので手数料が安い
また案件の種類によっても手数料が低くなることがあります。
医療債権報酬という医療機関が利用するファクタリングはリスクが低いので、ファクタリング会社も手数料を下げてくれます。
それは回収先が健康保険組合など国の運営する期間だからです。
病院などの医療機関は診療を行った際に医療費の3割を患者から徴収し、残り7割は債権として健康保険組合から2ヶ月後に受け取ることができます。
その2ヶ月間の健康保険組合に関する債権を現金化するのが医療債権報酬のファクタリングです。
健康保険組合がお金を支払ってくれないということはまずありませんから、ファクタリング会社にとってもリスクが低いです。
そのため、手数料が安くても十分元が取れる仕組みとなっているのです。
まとめ
ファクタリングの手数料は、信用を積み重ねていくことである程度下げることが可能です。
2社間ファクタリングは現金化が早いですが、どうしても手数料が高くなってしまうというデメリットも存在しています。
状況に応じて3社間ファクタリングと2社間ファクタリングを使い分けられるようになりましょう。
なお、資金調達に関するご相談は下の問い合わせフォームから受け付けています。
必要事項にご記入してお送り頂ければ幸いです。