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リファイナンス案件とは?
リファイナンス案件とは、借金の借り換え案件のことです。
例えば、事業者Aが会社Bから1,000万円を借り入れていたとします。
しかし、期日までに1,000万円を返済できる見込みがないため、返済を行うためにソーシャルレンディング会社から新たに1,000万円を借り入れ、会社Bに1,000万円を返済します。
そして、ソーシャルレンディング会社とは新たに金銭貸借契約を結び、返済期日を設定します。
返済期日までに何らかの方法で資金調達を行い、ソーシャルレンディング会社に返済を行うのです。
簡単に言ってしまえば「借金返済の先延ばし」だと言えるでしょう。
借り換えのためにソーシャルレンディング会社から資金調達を行うリファイナンス案件は、ソーシャルレンディング案件でもときどき見受けられます。
そんなリファイナンス案件に投資をする際には注意すべきことがあります。
ここでは、実例を交えながらその注意点について解説していきます。
リファイナンス案件に投資する際の注意点
ソーシャルレンディングにおいて「リファイナンス案件」であることが明記されていた場合、どういった点に注意をするべきなのでしょうか?
具体的なチェックポイントを3つに分けてお伝えしましょう。
注意点①:リファイナンスに至った経緯を確認する
近ごろのソーシャルレンディング案件は、資金の用途や目的が明記されているものが多いです。
リファイナンスであることが明記されている場合、融資を受ける会社はなぜリファイナンスにせざるを得なかったのかについて、しっかり確認しておきましょう。
そもそも、予定取りに借金を返済できる場合、リファイナンスする必要がありません。
リファイナンスせざるを得ない状況とは、つまり予定日までに資金繰りできなかったことであり、会社の営業が想定どおりに進行していないことが多いです。
一方で、単純に「金利が低いから借り換えているだけ」ということもあります。
この場合はリスクはあまり高くないでしょう。
リファイナンスする理由の確認を怠らないようにしましょう。
注意点②:設定された担保を確認する
リファナインス案件を確認するときは、担保価値のチェックも重要です。
リファイナンス案件のリスクは通常の事業資金調達目的の案件より高いため、貸し倒れをカバーする担保に注目する必要があります。
担保の価値は、融資金額を大きく上回る数字であることが好ましいため、最低でも融資金額の110パーセントほどの担保がついている案件を選びましょう。
注意点③:市況リスクを織り込んで投資を検討する
リファイナンス案件が発生した理由が、市況にあるのかどうかも要注意です。
「不動産市況の悪化により、不動産を売却できず返済できなかったのでリファイナンスを行った」
このような理由が提示されていた場合、不動産市況が上昇気流に乗らない限り、再び売却に失敗する可能性があります。
リファイナンスをした時の市況と、案件運用終了時の市況がどうなっているのかを比較し、投資をするかどうかを決定しましょう。
リファイナンス案件の実例
リファイナンス案件をより深く理解するためには、実例を見てみることが一番重要です。
ここでは、2020年3月17日(火)に「ポケットファンディング(Pocket Funding) 」が募集を行っているリファイナンス案件を見ながら、その保全性対策や注意点について解説していきます。
案件概要
出典:ポケットファンディング(Pocket Funding)
案件名 | 沖縄南部ファンド26号【一部不動産担保付】 |
募集金額 | 1,300万円 |
運用期間 | 11ヶ月 |
期待利回り | 5.5%(税引き前) |
分配方式 | 毎月15日分配 |
ポケットファンディングが2020年3月17日(火)から募集を開始した「沖縄南部ファンド26号【一部不動産担保付】」は、募集概要の中に次のような記載があります。
「沖縄南部ファンド14号」案件1はリファイナンスして運用しておりましたが、法人Aと営業者間で変更同意書が締結され早期償還となり終了いたしました。
今回、募集する案件は、上記変更同意書に基づき新たに組成された募集案件となります。【変更合意から案件組成に至った経緯】
返済原資となる沖縄県本部町の不動産(土地)売却予定が伸びている為。
※既に現在商談中となっている為、早期償還の可能性の高い案件となります。株式会社財全ソリューション(営業者)は法人Aに対して事業資金及び既存債務として、総額1,300万円の融資を実行いたしました。
ソーシャルバンクZAIZEN株式会社(金商業者)は、融資を行った法人Aへの株式会社財全ソリューション(営業者)のリファイナンスとして1300万円を募集させていただきます。
法人Aは融資を受けていたため、沖縄県本部町の所有する土地を売却し返済を行おうとしていました。
しかし、期日までに売却できなかったため、ポケットファンディングから資金を調達したと記載されています。
流れとしては、ポケットファンディングから調達した資金でいったん借金を返済し、11ヶ月間の間に再度不動産の売却を試みて、成功した場合ポケットファンディングに返済を行うものと見られます。
特徴
当該案件は、「土地の売却が予定どおり行われなかった」という理由によるリファイナンス案件です。
注目するべきは、売却予定および担保になる土地です。
担保の情報は詳しく記載されています。
【保全内容】 | |||
担保物件 | 土地3筆、建物1棟 | ||
担保物件地 | 沖縄県島尻郡八重瀬町 | ||
担保設定 | ①土地・・・根抵当権(第 1 順位)設定 | ||
②土地・・・根抵当権(第 2 順位)設定 | |||
③土地+建物・・・根抵当権(第 2 順位)設定 | |||
①~③の極度額2,400万円 | |||
評価方法 | 地価公示価格・取引事例比較法 | ||
担保評価額 | 71,677,678円 | ||
先順位額 | 34,995,874円 | ||
貸付限度額 | 50,174,374円 | ||
71,677,678円(担保評価額)×*70%=50,174,374円 | |||
営業者貸出限度額 | 15,178,500円 | ||
50,174,374円(貸出限度額)-34,995,874円(先順位額) =15,178,500円 |
約7,100万円の担保評価額がついた不動産が担保に設定されています。
ポケットファンディングでは、その金額の70パーセントまでしか融資をしないため、貸付限度額は次のとおり計算されます。
- 7,100万(評価額)×70%=4,970万円
一方で、担保には抵当権第2順位の不動産も含まれているため、売却して換金した場合、優先的に第1順位の債権者にお金が返済されます。
その第1順位の債権者の取り分が約3,500万円であるため、担保価値通りに不動産を売却できた場合、ポケットファンディングが受け取れる金額は次のとおりです。
- 5,000万円-3,500万円=1,500万円
1,300万円の案件に1,500万円の担保が設定されているため、資金を回収できる見込みは低くありません。
ただ、2020年3月時点では沖縄の観光客数は減少しており、今後沖縄の不動産市場に悪影響が出る可能性があります。
一方で、案件運用後である11ヶ月後にコロナウイルスが沈静化していれば、再び沖縄の観光業も活性化し、想定通りの価格で売却できる可能性も高まります。
【総評】投資の可否
かつて複数のソーシャルレンディング会社で、リファイナンス案件による大量の返済遅延が発生したことがありました。
それゆえ、リファイナンス案件のリスクがあることは否めません。
しかし、その原因は案件詳細などの公開情報に「リファイナンス」という事実が記載されていなかったからとも言えます。
ポケットファンディングでは、リファイナンス案件であること、そして担保がしっかり設定されていることが明記されています。
その情報が正確なものであれば、危険性はそこまで高くないですし、ポケットファンディングの情報公開の姿勢は十分に評価できるものでしょう。
また、ポケットファンディングはこれまで返済遅延や貸し倒れを発生させたことはありません。
リファイナンス案件でも、期日までに投資家に元本返済を行っています。
先の案件に際し、最も考慮すべきはコロナウイルスの影響による観光客数減少の方でしょう。
その点を考慮して、投資の可否を決定するのが良いかもしれません。
まとめ
リファイナンス案件は、借り換えを行うための案件であり、運用終了時までに資産の売却や資金調達ができないと、返済遅延や貸し倒れが発生する可能性があります。
そのため、リファイナンス案件に投資する際は、次の3点を満たす案件を選びましょう。
- リファイナンスと明記されている
- リファイナンスの理由が明らかになっている
- 資産価値の高い担保が設定されている
そうすれば、リスクを抑えた投資ができます。
ポケットファンディングに興味を持った方は、こちらのページも確認してみてください。
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