「不動産投資は危険だからやめとけ」このような言葉を誰かから聞いたことのある方も少なくないでしょう。
しかし、「やめとけ」と言われる具体的な根拠や理由を理解している方は少ないものです。
投資にはさまざまな種類があり、リスクも大きく異なります。
この記事では、不動産投資を含む複数の投資経験を持つ筆者が、不動産投資のリスクや特徴を紹介していきます。
目次
筆者プロフィール
筆者は、30代前半でサラリーマンを辞め、主に投資からの収入で生活するフリーライターです。
20代までは、中小企業で働く普通のサラリーマンでしたが、副業として行っていた投資によって自由な生活を手に入れました。
株式投資やFX、仮想通貨などさまざまな投資を経験しており、不動産投資では中古アパートを運用しています。
この実体験をもとに、初心者にもわかりやすく解説していきます。
【体験談】「不動産投資やめとけ」はウソだと考える理由
「不動産投資はやめとけ」「不動産投資は危険だ」投資をしていると、何度もこのような言葉をかけられた経験があります。
結論として、その言葉のほとんどは不動産投資の知識が無い人が、不安をあおるために言っているウソです。
ここからは、筆者の体験談をもとにウソだと考える理由を3つ解説します。
「不動産投資やめとけ」はウソだと考える理由
- 不動産はリスクをコントロールしやすいから
- 不動産投資ローンは低金利だから
- ほったらかしで不労所得を得られるから
不動産はリスクをコントロールしやすいから
不動産投資は、他の投資と比較するとリスクをコントロールしやすい投資です。
「不動産投資はやめとけ」と言う人々は、この部分を理解できていません。
不動産投資は、物件の管理から修繕、家賃滞納や空室へのリスクなど、言葉だけを聞くと怖くなるようなリスクが多くあります。
しかし、このようなリスクの多くは投資家の判断でコントロール可能です。
例えば、物件の修繕リスクは定期的な点検や修繕を行うことで抑えられます。
また、家賃滞納や空室も、管理会社や保証をつけるなど、事前に対策を行うことでリスクを抑えることが可能です。
一方で、ハイリスクでも大きなリターンを目指すためには、保険や修繕などの対策を少なく抑えることでコントロールできます。
株式投資では、株を持っている株主がリスクをコントロールする方法は、購入金額や買う時期を変えるなどの限られた方法のみです。
そのため、投資家が主導権を握ることはできず、リスクをコントロールしにくい投資商品だと言えるでしょう。
筆者は、中古アパートの不動産投資において、管理会社や保証会社を利用していないため、一般的にはハイリスクと呼ばれる運用をしています。
ハイリスクですが、その分コストを抑えられ大きなリターンを得られています。
不動産投資ローンは低金利だから
不動産投資用のローンは低金利であるため、正しく運用できれば危険ではありません。
一般的に、株式投資用やFX投資用のローンなどはありません。
それでも、不動産投資用のローンがある理由は、単なる投資ではなく事業として高い信頼があることを意味します。
例えば、投資のために金融機関からフリーローンを組むと、5パーセントから15パーセントの金利になることが一般的です。
そもそも、ローンを組むことすらもできない可能性があります。
しかし、不動産投資用のローンを組むことができれば、5パーセント以下の金利で融資できる場合も多くなっています。
投資後の返済計画を立てて金融機関に信頼してもらうことで、さらに好条件で融資を受けられる可能性もあります。
筆者は、不動産以外の投資で失敗し、借金を抱えたこともあります。
その際は、15パーセント前後の金利で借金をしたため、返済まで長い時間がかかりました。
不動産投資家として大きな金額を動かすためには、金融機関からの融資と金利の問題は長く付きまといます。
もし、借金の返済金額よりも運用利益が上回る良い物件を見つけた場合は、ローンを組んで不動産投資を行うことをおすすめします。
ほったらかしで不労所得を得られるから
不動産投資は、投資の中でも特に不労所得を作りやすい投資です。
そのため、毎日トレードが必要な投資と比較すると非常に少ない手間で運用できる投資だと言えるでしょう。
例えば、筆者は中古アパートを運用していますが、入居者でアパートが満室になってからは、ほぼすべてが不労所得となっています。
その後、不動産管理で毎月行う仕事は、入居者から家賃を受け取る仕事のみです。
このように、ほったらかしでも継続的な収入を得られるため、空いた時間を利用して他の仕事を行うこともできます。
サラリーマンとして働きながら不動産投資を行ったことが、脱サラにつながったことは間違いありません。
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由
ここからは、一般的に「不動産投資はやめとけ」と言われている理由を3つに分けて解説します。
この項目を読めば、なぜ不動産投資が危険だと思われているのかを理解できるはずです。
「不動産投資はやめとけ」と言われる一般的な理由
- 投資金額が大きいから
- 人口が減少しているから
- 悪質な営業マンもいるから
投資金額が大きいから
不動産投資を行うには、数千万円の投資資金が必要です。
数千万円を現金で支払える人はほぼいないため、不足分は金融機関からの融資でまかなうことが一般的な不動産投資です。
金融機関から融資を受けると、金額的には数千万円の借金を抱えることになってしまいます。
その融資金額の大きさこそ、不動産投資はやめとけと言われる理由です。
筆者の実体験でも先ほども解説したように、不動産投資用のローンでは、低金利で融資を受けることも可能です。
ローンの返済金額よりも多くの収入を見込める不動産に投資できれば、借金も怖いものではなくメリットに切り替えられると知っておきましょう。
人口が減少しているから
「不動産投資はやめとけ」と言われる理由として、日本の人口減少による空き家の増加が問題視されることもあります。
日本の人口が減少して、物件を借りる人がいなくなれば、空室が増えてリスクが高くなるという単純な考え方です。
しかし、人口減少による影響は不動産投資だけではなく他の投資にも影響を及ぼしています。
不動産投資で成功するためには、単純に賃貸する人が少なくなるリスクだけではなく、どうすれば需要のある物件にできるのかを考えることです。
人口は減少しても、海外からの観光客が増加することで、民泊として運用することも可能です。
また、ターゲットを明確にして単身者向けの物件にするなど、さまざまな対策を取ることができるでしょう。
不動産投資は、単なる投資ではなく事業として考えられる人が行えば成功する可能性が高くなると知っておきましょう。
悪質な営業マンもいるから
不動産投資は、悪質な営業マンからの勧誘に騙されて損失を抱えてしまう場合があります。
実際に得られる運用利益よりも大幅に好条件の物件を紹介することや、投資後に欠陥部分が見つかるなど、不動産投資にはさまざまな詐欺があります。
そのほとんどが、不動産の知識が少ないサラリーマンを狙ったものです。
このような詐欺被害により、借金や損失を抱える人が増えたことも「不動産投資はやめとけ」と言われる理由です。
詐欺物件を販売する営業マンに騙されて多額の借金を背負った人の失敗談を聞くことで、「不動産投資はやめとけ」と考えている人も多くいることは理解しておきましょう。
営業マンに言われるがままに投資をして、成功することはできません。
ご自身の判断で投資の方向性を決定できる人だけが不動産投資で成功できます。
不動産投資で考えられるリスク
ここからは、不動産投資を行ううえで考えられるリスクを3つ紹介します。
具体的にどのようなリスクがあるのかを知っていきましょう。
不動産投資で考えられるリスク
- 空室リスク
- 家賃滞納リスク
- 修繕リスク
空室リスク
不動産投資は、所有物件を他人に貸し出すことで家賃収入を得る投資方法が一般的です。
そのため、物件を借りたい人が現れずに空室になると収入がなく、毎月の固定費だけを支払わなければならないというリスクが発生します。
一時的な空室は、想定して計画を立てることもできます。
しかし、空室期間が長期間続いたり複数の物件で空室が続いたりすると経営が立ち行かなくなる可能性があります。
都心や需要の高い都市では空室リスクが少ないですが、地方では空室問題が加速しています。
居住用物件の場合は、周辺の家賃相場や需要に合わせた価格設定やデザイン設定を行うことが入居につながります。
家賃滞納リスク
入居者が家賃を滞納するリスクです。
家賃の滞納が起こると収入の減少だけではなく、新たな入居者の募集もできないという二重のリスクがあります。
そのため、空室リスクよりも経営難に陥りやすいリスクだと言えるでしょう。
最終手段として利用する強制退去の手順や手続きも時間がかかるため、簡単には進みません。
このリスクを防ぐためには、保証会社と契約したり、家賃回収を管理会社に委託するなどの方法があります。
ただし、手数料が高く利益を圧迫する危険性もあるため、物件の特徴に合わせて必要な会社とだけ契約を行いましょう。
筆者は、保証会社や管理会社を利用せずに一人で物件を管理していました。
日頃から入居者との信頼関係を築くことが、家賃滞納やトラブルを防ぐことにつながっていると考えています。
修繕リスク
物件の破損を修繕するリスクです。
具体的には、屋根や外壁の破損などが考えられます。
修繕リスクは台風や経年劣化による破損が多く、急を要する場合も多いため、コントロールしにくいリスクです。
急なリスクを抑えるためには、物件の定期的な点検とメンテナンスが有効です。
特に、中古物件に投資する場合は、購入後すぐに修繕工事が発生し、高額な費用が発生する可能性もあります。
物件の見極め方や、最低限の知識をつけて失敗を防ぎましょう。
不動産投資に向いていない人の特徴
続いて、不動産投資に向いていない人の特徴を4つ紹介します。
筆者目線での「不動産投資はやめとけ」と言いたい人の特徴なので、参考にしてください。
不動産投資に向いていない人
- 貯蓄がない人
- すぐに稼ぎたい人
- リスクを避けたい人
- 投資の勉強をする時間がない人
貯蓄がない人
貯蓄がない、または少ない人は不動産投資には向いていない人です。
他の投資とは異なり、不動産投資には高額な初期費用が必要となるからです。
また、金融機関からの融資を受けるにも、頭金として一定の初期費用が必要になる場合もあります。
ただし、数千万円の貯金が必須なわけではありません。
不動産投資を始めたい方は、まずは百万単位の貯蓄を作りましょう。
少額から始めれられる投資も利用して、効率よく資産を増やしていくこともおすすめです。
すぐに稼ぎたい人
不動産投資は、高額な初期費用を支払って物件を購入し、毎月少しずつ利益を得る投資方法です。
そのため、短期間で多くの収入を稼ぐことはできません。
今すぐに稼ぎたい方は、不動産以外の投資を検討してみましょう。
ただし、不動産投資はほったらかしでも継続的に収入を得られる投資です。
ほったらかしにして継続した収入を得ながら、別の投資に力を入れることも可能です。
長期的に見ると大きな利益を得られるため、初期資金がある人は不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。
リスクを避けたい人
元本割れなどのリスクを避けたい人は、不動産投資には向いていません。
不動産投資はリスクをコントロールしやすい投資だと前項でお伝えしましたが、元本を保証する投資ではありません。
物件の状況や経済市況に合わせて常にご自身で選択をして、その結果にも責任を持つ覚悟が必要な投資です。
不動産は、投資ではなく一つの事業として取り組まなければならないと理解しておきましょう。
リスクを抑えるためには、不動産投資仲間や不動産会社などとの人脈づくりも大切な要素となります。
投資の勉強をする時間がない人
不動産投資は、勉強をする時間がない人や勉強したくない人には向いていない投資です。
なぜなら、不動産投資は政治や地域経済の状況に大きく影響を受けるためです。
不動産投資を始める前の基礎的な勉強だけではなく、投資後も継続して勉強を継続しなければなりません。
勉強せずにラクに稼げる方法を探している人は、別の投資方法に挑戦してみましょう。
不動産投資をこれから始めたいと思っている人は、まずは不動産投資の本を5冊以上読み、基礎から応用までを理解した上で、スタートラインに立てると思っていてください。
記事の最後には、おすすめの投資方法も紹介するので、参考にしてみてください。
不動産投資に向いている人の特徴
続いて、不動産投資に向いている人の2つの特徴を紹介します。
具体的な特徴を挙げていきます。
どちらも当てはまる方は、不動産投資で継続した収入を得られる可能性が高いでしょう。
不動産投資に向いている人
- 貯金が500万円以上ある人
- 高所得サラリーマン・公務員
貯金が500万円以上ある人
貯金が500万円以上あり、毎月安定した収入のある人です。
なぜなら、不動産投資の初期資金には、500万円程度の元手資金で物件を購入したり、融資を受けたりする必要があるからです。
現金ではなくても、投資商品やすでに所有している物件を合わせた総資産額で問題ありません。
金融機関から融資を受ける際も、500万円の初期資金があると好条件で融資を受けられる可能性が高くなります。
また、地方の中古物件なら500万円以内の資金で購入できる場合もあります。
新築物件や都心部で不動産投資を行いたい人にとっては、融資は避けて通れない部分です。
どのような状況でも、貯金が多い状態から不動産投資を行うほうが、低リスクで運用を行うことができます。
高所得サラリーマン・公務員
高所得のサラリーマンと公務員は不動産投資に向いています。
なぜなら、安定収入により金融機関からの審査基準をクリアしやすいからです。
金融機関は高所得サラリーマンや公務員を求めているため、低金利で融資を受けやすいでしょう。
また、公務員の場合は基本的に副業は禁止ですが、不動産運用に限り認められる場合もあります。
副業や投資を始めたいけれど、禁止だから始められないという方も不動産投資なら今すぐに始められる可能性があります。
勤務先の条件を必ず確認してから投資を検討してみてください。
ただし、金融機関から融資を受けることだけが不動産投資ではありません。
中古物件であれば比較的安価での購入も可能です。
ご自身の収入と元手資金に合わせて最適な投資先を検討していきましょう。
不動産投資と同時におすすめの投資方法
最後に、不動産投資と同時に行うことをおすすめしたい投資方法を3つ紹介します。
条件が合わず、不動産投資は難しいという方も、この3つなら少ない金額から投資を始められるためおすすめの投資です。
不動産投資と同時におすすめの投資方法
- 投資信託
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資信託
投資信託とは、個人投資家から集めた資金を一つにして、金融機関のプロが代わりに運用してくれる投資商品です。
運用を任せる代わりに、手数料を支払いますが、運用利益の一部を分配金として受け取ることが可能です。
また、株式投資と同じように、投資信託自体の価格が変動しているため、投資家は売買による利益も得られます。
投資信託を取り扱う証券会社によっては、最低100円から投資を行える場合もあるため気軽に始めやすい投資です。
ただし、期待できる利回りは5パーセント以下と少ないため大きく稼ぐための投資とは言えません。
投資信託は、稼ぐためではなくローリスクローリターンで長期的に運用するための投資だと割り切って投資をしてみましょう。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい個人(投資家)」をインターネット上で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種として、「貸付型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。
投資した個人投資家は、融資を行った金額に応じて、定期的に利息を受け取れます。
ソーシャルレンディングは、利回り5パーセントから10パーセントと高いことが大きなメリットです。
また、最低1万円から始められることも元手資金が少ない投資初心者に人気の理由です。
ただし、融資なので貸し倒れなどを理由に元本割れしてしまうリスクは考えられます。
不動産投資を始められるほど元手資金が貯まっていない人は、まずはソーシャルレンディングで運用してみてはいかがでしょうか?
比較的新しい投資方法なので、初めて聞いたという方も多いことでしょう。
こちらで概要が説明されているので、一度目を通しておくことをおすすめします。
不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産運用のために資金を集めたい企業や事業者に個人投資家が投資できるサービスです。
個人投資家から集められた資金を使用して、不動産運用が行われます。
また、不動産運用による利益が個人投資家に分配される仕組みです。
不動産投資型クラウドファンディングは、1万円と少ない金額から投資できます。
そのため、個人で不動産投資をしたいけれど、元手資金が足りなくて始められない人や、不動産投資の勉強を目的に経験を積みたいという人にもおすすめの投資です。
まずは、手元にある資金を使って不動産投資型クラウドファンディングに挑戦してみてはいかがでしょうか?
不動産投資型クラウドファンディングも比較的新しい投資方法です。
こちらで概要が説明されているので、一度目を通しておきましょう。
まとめ
今回は、「不動産投資はやめとけ」と言われる理由と、筆者の実体験をもとに本当に不動産投資に向いていない人と向いている人の特徴を紹介しました。
投資初心者にとって、不動産投資はハードルが非常に高い投資です。
加えて、リスクが高いと言われたり危険だと言われたりすることで、さらに難しさを感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、実際の不動産投資は正しい手順を踏むことでリスクをコントロールしやすく安定収益を目指しやすい投資です。
投資するには最低限の元手資金が必須です。
資金が足りない方は、最後に紹介した「ソーシャルレンディング」や「不動産投資型クラウドファンディング」で効率良く資金を増やしてみましょう。