現在カードローンやキャッシングなどを利用していて、より良い条件にするために不動産担保ローンへの借り換えを検討している人も多いのではないでしょうか?
しかし、「不動産担保ローンに借り換えをするとどんなメリットがある?」「注意点は?」など疑問を持っている人も少なくないはずです。
今回は、不動産担保ローンに借り換えるメリットや注意点について紹介していきます。
この記事を読むことで、不動産担保ローンに借り換えをするか判断がしやすくなりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産担保ローンに借り換えるメリット
不動産担保ローンに借り換えをするメリットを知っていれば、借り換えをするかどうか判断がしやすくなります。
まずは、不動産担保ローンへ借り換えをする主なメリットについてお伝えしていきましょう。
メリット①:ローンをまとめられる
不動産担保ローンに借り換えるメリットの一つは、今ある複数のローンをまとめられることです。
たとえば、次のように複数のローンを借りていたとします。
- カードローン:100万円
- キャッシング:100万円
- 自動車ローン:250万円
不動産担保ローンで450万円の借入れをして、カードローン・キャッシング・自動車ローンを完済すれば、これまでよりも低い金利なうえ、返済日も一つに統一することができます。
同じ金額であっても、借入先が3つか1つかでは、管理のしやすさがまったく違いますし、心理的な負担が軽減されます。
現在複数のローンを抱えている場合は、不動産担保ローンに借り換えをすることでローンを一つにまとめ、返済を楽にすることが可能です。
特に、返済日や引き落としの口座が異なる場合は、借り換えを上手く活用すると良いでしょう。
メリット②:金利が低い
不動産担保ローンに借り換えるメリットとして、金利が低くなり手数料負担が軽減されることがあります。
不動産担保ローンは土地や建物を担保として融資を受ける有担保ローンであるため、カードローンやキャッシングといった無担保ローンと比べると金利は低めです。
そのため、現在利用しているカードローンやキャッシングなどを不動産担保ローンに借り換えをすると、手数料負担が少なくなり毎月返済額や総返済額を減らすことができます。
カードローンやキャッシングの場合、金利は15パーセントから18パーセントであることが一般的ですが、不動産担保ローンの金利は上限金利が10パーセント以下、下限金利は3パーセントから4パーセント台のものが多いです。
仮に100万円のローンで5年返済の場合、金利が違うだけで次のように返済額は大きく異なります。
金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
5% | 18,871円 | 1,132,260円 |
8% | 20,276円 | 1,216,560円 |
10% | 21,247円 | 1,274,820円 |
15% | 23,790円 | 1,427,400円 |
18% | 25,393円 | 1,523,580円 |
このように、適用金利が何パーセントになるかで負担額は変わるため、無担保ローンから少しでも金利が低い不動産担保ローンへ借り換えをすることはメリットだと言えます。
メリット③:毎月の負担が減る
上述のとおり、無担保ローンから不動産担保ローンへ借り換えをすることで適用金利が低くなるため、毎月の返済負担を減らすことが可能です。
たとえ同じ融資額、同じ返済期間であっても、金利が低くなるだけで返済負担は軽減されます。
毎月、年間返済額が減れば、その分を他の支払いなどに充てることが可能です。
また、カードローンなどは長くでも5年から10年での返済ですが、不動産担保ローンは最長35年返済のところもあります。
そのため、不動産担保ローンへの借り換えと同時に返済期間を長くして、より毎月返済額を減らすことも可能です。
毎月の負担が減ることも、不動産担保ローンに借り換える大きなメリットです。
メリット④:追加借り入れができることもある
カードローンやキャッシングの場合、無担保ローンなので借入れできる金額は最大500万円など少なめです。
しかし、有担保ローンである不動産担保ローンは1億円以上の借入れが可能です。
そのため、不動産担保ローンに借り換えることで、追加借入れができる可能性があります。
今よりも多くの借入れを希望している方にもメリットの大きい借り換えです。
不動産担保ローンへの借り換えが最適なタイミング
では、どのようなタイミング・状況が不動産担保ローンへの借り換えとして最適なのでしょうか?
多くの借り換えタイミングを知っておくことで、判断がしやすくなり、最適な借り換えができるようになります。
タイミング①:複数の借り入れがあって管理が大変な場合
複数の借り入れがあり、管理が大変だと感じるときは不動産担保ローンへの借り換えのタイミングの一つです。
たとえば、利用中の無担保ローンの返済日が次のようにバラバラの場合、管理することは大変なものです。
- A社カードローン:毎月27日
- B社カードローン:毎月15日
- C社カードローン:毎月10日
- D社カードローン:毎月30日
それぞれのカードローンで返済額も異なりますし、引き落とし口座が違う場合もがあるでしょう。
そのため、「C社のカードローンの返済額2万円を9日までに●●銀行口座に準備して、次はB社の返済額1万5,000円を14日までに▲▲銀行口座に……」といったように、資金の準備に多くの手間がかかります。
これら複数のローンを不動産担保ローンに借り換えをすれば、返済日や返済口座を一つにまとめることができ、返済管理に手間をかける必要がなくなります。
タイミング②:金利が高い場合
現在利用しているローンの金利が高いと感じる場合は、不動産担保ローンに借り換えをするタイミングです。
カードローンやキャッシング、ビジネスローンなどの無担保ローンは金利が高めで15パーセントから18パーセントほどが適用されることも珍しくありません。
一方、不動産担保ローンの場合は上限金利が10パーセント以下であるケースが多く、審査で高い評価を受ければ3パーセントから4パーセントほどの低金利が適用されます。
そのため、場合によっては不動産担保ローンに借り換えをすることで大きく金利を低くすることが可能です。
1パーセント低くなるだけで手数料負担を大幅に減らせるため、数パーセント金利が低くなれば、家計の負担はだいぶ楽になります。
仮に、金利18パーセントで200万円を5年返済するカードローンを、金利10パーセントの不動産担保ローンに借り換えした場合の返済額は次のようになります。
ローン | 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|
カード | 18% | 50,787円 | 3,047,220円 |
不動産担保 | 10% | 42,494円 | 2,549,640円 |
このように、金利18パーセントから10パーセントになるだけで、毎月返済額は約8,000円、総返済額は約50万円も少なくなります。
借り換えで金利が低くなれば、負担を大きく減らせます。
タイミング③:使っていない不動産がある
他のローンを利用していて、土地・建物など使っていない不動産がある場合は、不動産担保ローンへの借り換えを検討してみて良いでしょう。
不動産担保ローンは、土地や建物を担保にすることで融資を受けることができます。
そのため、借り換えをしたいと考えていても、不動産を持っていなければ不動産担保ローンを利用できません。
使っていない不動産があり、現在のローン条件に不満がある場合は借り換えを視野に入れてみてください。
不動産担保ローンを利用するときの注意点
不動産担保ローンを利用する場合は、注意すべきことがあります。
注意点を知らないと、スムーズに利用することができなくなる場合があります。
ここでは、主な注意点について見ていきましょう。
注意点①:必ずしも金利が低くなるわけではない
不動産担保ローンに借り換えすれば、必ずしも金利が低くというわけではありません。
現在利用しているローンが、金利15パーセントから18パーセントほどが適用されることが多いカードローンやキャッシングの場合は、不動産担保ローンに借り換えをすることで金利が低くなる可能性が高いです。
しかし、現在利用しているのが自動車ローンや教育ローン、銀行融資などの場合は、不動産担保ローンの方が金利が高くなる可能性があります。
たとえば、銀行の自動車ローンは金利1パーセントから3パーセントほどで利用できますし、国の教育ローンは金利1.7パーセントから1.8パーセントほどです。
不動産担保ローンは、金利が低くても3パーセントから4パーセントほどなので、自動車ローンや教育ローンから不動産担保ローンに借り換えしてしまうと金利が1パーセントから2パーセント高くなってしまいます。
仮に、借り換えで金利が高くなったとしても、「返済期間が長くなり毎月負担を軽減できた」「追加融資ができて多くの借入れができた」といったようなメリットがあれば良いですが、そうでない場合は借り換えをする必要はないでしょう。
注意点②:どんな不動産でも担保になるとは限らない
不動産担保ローンは土地や建物を担保にして融資を受けるため、不動産の担保価値が審査対象になります。
土地であれば路線価、建物は再調達価格を算定するなどして担保価値が決められます。
しかし、どんな不動産でも担保になるわけではありません。
金融機関にとって、担保は資金の未回収を防ぐためのものです。
そのため、価値がなく売却できなさそうな不動産の場合は担保にすることはできません。
不動産担保ローンを利用したい場合は、売却できる価値がある不動産を持っている必要があります。
注意点③:審査に時間がかかる
不動産担保ローンを利用する際は、審査に時間がかかる場合があることが注意点の一つです。
申込者の属性や信用情報の審査に加え、担保となる不動産の審査もあるため、審査に数日がかかることも珍しくありません。
そのため、不動産担保ローンに借り換えするまでに時間がかかることを考慮したうえでスケジュールを立てておく必要があります。
中には即日融資に対応している金融機関もありますが、必ず即日対応ができるわけではないため、事前に金融機関に確認しておくようにしましょう。
資金調達にはソーシャルレンディングの利用もおすすめ
資金が必要な場合は、不動産担保ローンだけではなく「ソーシャルレンディングの」利用も視野に入れると良いでしょう。
ソーシャルレンディングは、お金を借りたい人・お金を貸したい人をマッチングするオンライン上のサービスであり、個人投資家から小口の投資を募ることが可能です。
不動産担保ローンの審査が難しい場合であっても、ソーシャルレンディングであれば希望額の調達ができる可能性があります。
ソーシャルレンディングを利用するメリット
では、ソーシャルレンディングで資金調達をするにはどういったメリットがあるでしょうか?
大きく分けて、次の4つのメリットがありますよ。
メリット①:担保がなくても融資を受けられるケースがある
不動産担保ローンと異なり、ソーシャルレンディングは担保がなくても融資を受けられることがあります。
不動産担保がない場合では、代表者連帯保証、法人が所有する債権などを担保に設定します。
そして、ソーシャルレンディング会社がそういった担保を保証として案件を組成し、お金を募集してくれます。
案件を投資家に対して提供し、投資家が案件の条件を見極めながら投資してくれれば、集まったお金から融資を受けられます。
ただし、担保がない案件では、担保がある案件よりもお金が集まりにくくなる傾向があります。
長期間運用案件で担保がない場合、お金を出してくれる側である投資家のリスクは高くなるからです。
ただし、短期間で返済予定の案件の場合は担保がなくてもお金が集まりやすい傾向にあります。
借り換えが必要な場合にも最適です。
メリット②:地方や郊外の土地でも融資を受けられる
不動産はあるけれど、地方や郊外の土地しかないという場合、不動産担保ローンでは資金を調達しにくいです。
しかし、ソーシャルレンディングの場合は、立地ではなく不動産評価額をもとに融資金額を決定する傾向にあります。
そのため、郊外や山中の土地でもまとまった広さがあり、数千万円から1億円以上といったの高額の評価がつくものであれば、その金額に応じた融資を受けられます。
ソーシャルレンディング会社は自社の資金を融資するのではなく、あくまでも仲介に入り、投資家から集めたお金を融資します。
そのため、ソーシャルレンディング会社の融資リスクはそれほど大きくないため、融資を受けやすいのです。
メリット③:事務手数料が安く途中違約金がかからない
不動産担保ローンは事務手数料や印紙代、不動産鑑定費といったさまざまな費用が発生します。
そして、その金額は決して安いものではありません。
また、途中で繰り上げ返済を行おうとしても、会社によっては途中違約金が発生します。
一方で、ソーシャルレンディングの場合は事務手数料は貸付金利に含まれています。
事務手数料を徴収するソーシャルレンディング会社は、ほぼありません。
また、繰り上げ返済の事務手数料や途中返済違約金が発生することもなく、早期償還を自由に行うことができます。
融資を受けた資金が必要がなくなった場合は、すみやか返済することで無駄な金利の支払いを削減することができます。
メリット④:用途が比較的自由
ソーシャルレンディングは、資金の用途の制限があまりありません。
もちろん、融資を受ける際に申告した資金用途と実際の用途が異なることは認められませんが、申請時に「借り換えを行いたい」と言って借り換えを理由に却下されることはあまりありません。
こんな場合はソーシャルレンディングでの融資がおすすめ
次のようなケースでは、特にソーシャルレンディング経由での資金調達が向いています。
ぜひ検討してみてください。
ケース①:広い土地があるが不動産担保ローンの融資に通りにくい
不動産担保ローンを借りる場合、都心の不動産以外は融資がなかなか通りません。
しかし、ソーシャルレンディングは多種多様な担保に対応しており、郊外や山中の土地でも担保になります。
一般的なあまり条件が良くないと言われる不動産を所有している場合は、不動産担保ローンよりもソーシャルレンディングで融資を受けると良いでしょう。
ケース②:短期的な資金調達を行いたい
ソーシャルレンディングは、短期的な資金を集めたい場合に向いています。
例えば、格安に購入できる不動産がリフォームして転売すれば、大きな利益が見込める物件を見つけたとしましょう。
3ヶ月ほどでリフォームを完了し、半年ほどで売却、その返済を見込める場合は不動産担保よりもソーシャルレンディングで資金調達をする方が向いています。
ソーシャルレンディングは繰り上げ返済の費用がかからないため、金利による支出を抑えることが可能です。
融資が下りるまでの審査期間は1日から3日ほどと短く、不動産担保ローンよりも早く資金調達がしやすいです。
お宝物件を見つけたときにこそ、スピーディーに融資を受け、スピーディーな返済ができるソーシャルレンディングが向いていると言えます。
まとめ
今回紹介した内容をまとめると、次の3点が重要です。
- 不動産担保ローンに借り換えると返済負担を減らせる可能性がある
- 所有している不動産が担保にならず、ローンを利用できないことや金利が高くなる恐れもある
- 不動産担保ローン以外にソーシャルレンディングなども選択肢の一つになる
現在、金利の高いローンなどを利用している場合は、ここで紹介した内容を参考にして、不動産担保ローンへの借り換えを検討してみてください。
また、不動産担保ローンの利用が難しい場合は、同時にソーシャルレンディングの利用も検討してみると良いでしょう。
ソーシャルレンディングについては、こちらで詳しく解説していますので、一度目を通しておいてください。
また、資金調達に関するご相談は下の問い合わせフォームから受け付けています。
必要事項にご記入してお送り頂ければ幸いです。