ビジネスローンの中にも、審査の厳しいものと甘いものがあります。
審査の甘いビジネスローンであれば、審査に不安がある企業でも利用できる可能性があります。
ここでは、審査の甘いビジネスローンを利用する方法や注意点について紹介していきましょう。
目次
ビジネスローンの審査の仕組み
まずは、ビジネスローンの審査内容や仕組みについて確認をしていきましょう。
審査内容などを知っておくことで、対策を立てやすくなります。
ビジネスローンで審査がある理由
ビジネスローンを提供する金融機関は、なぜ審査を実施するのでしょうか?
それは、貸し倒れを防ぐためです。
金融機関は、ローンを提供し金利手数料を利益として得ます。
もし、融資取引先が倒産してしまい貸し倒れが発生してしまったら、金利手数料も入ってきませんし、元金も回収することができません。
そうなると、利益を得られないばかりか、金融機関は損失を被ってしまいます。
そのため、審査をおこない貸し倒れリスクが高い企業ではないかチェックするのです。
過去の実績
金融機関では、過去の膨大な融資実績データをもとに審査をおこないます。
これまで融資した会社の情報が莫大な量ありますので、どのような企業に融資をしたら危険なのかは把握しています。
「自己資本比率が〇%以下の企業だと、貸し倒れの確率が△%ある」など、これまでの実績データを基準として判断します。
貸し倒れ率
ビジネスローンは、どの企業でも金利が同じというわけではありません。
企業によって適用される金利が異なります。
これは、過去のデータから貸し倒れ率を算出し、その貸し倒れ率よりも高い金利を設定しているのです。
リスクや運営コストを考慮したうえで適用金利が決まるため、仮に貸し倒れが起きたとしても儲かる、もしくは最小限の損失で済むように金利は設定されています。
ビジネスローンの審査に落ちてしまう理由
審査に落ちる理由を知っておけば、審査に落ちないように対策を立てたり適切な資金調達方法を選んだりすることできます。
ここでは、ビジネスローンの審査に落ちてしまう主な理由について見ていきましょう。
理由①:申し込みの内容にミスや虚偽がある
ビジネスローンの申し込み内容にミスや虚偽がある場合は、審査に通りません。
意図的なものではなく誤入力程度であれば訂正することで対応できますが、そうでないと判断されたものは審査に落ちる原因となります。
そもそも、重要な申込でミスが起こることがおかしいことですし、虚偽があるような企業に融資しようとは金融機関は思いません。
理由②:他社借入が多い
他社からの借り入れが多い企業は、ビジネスローンの審査に落ちてしまう可能性が高いです。
多くの借り入れがあることは、資金繰りが厳しいという印象を与えてしまうからです。
理由③:複数の金融機関に同時に申し込みをしている
多くの金融機関から借り入れしているだけでなく、同じタイミングで申し込んでいる場合も審査を通ることができない原因になります。
なぜなら、資金繰りが厳しい印象を与えてしまうからです。
たくさんの金融機関に申し込みをしたい気持ちもわかりますが、結果的なマイナスでしかないことを理解しておきましょう。
理由④:経営状態が悪い
「赤字が続いている」「債務超過直前」といったように、会社の経営状況が悪い場合はビジネスローンの審査に落ちる可能性が高いです。
なぜなら、貸し倒れリスクが高いと判断されるためです。
ただし、赤字の連続や債務超過直前などのマイナス要因を覆せるような将来性があれば、融資を受けられる可能性はあります。
理由⑤:事業主個人の信用情報に問題がある
事業主個人の信用情報がブラックの場合は、審査落ちる原因となります。
そのため、事業主個人の過去の金融取引状況に問題がある場合は注意が必要です。
問題がある場合は、その履歴が残っている以上審査に通過できない状況が続く可能性があります。
審査の甘いビジネスローンを利用する方法
審査に不安がある場合は、少しでも審査基準が甘いビジネスローンを利用するようにしましょう。
各金融機関で審査難易度が違うため、「A社で審査は落ちたけどB社では通った」ということはよくあります。
ここでは、審査の甘いビジネスローンを利用する方法について紹介していきます。
方法①:金利が高いビジネスローンを利用する
比較的審査の甘いビジネスローンを利用したいのであれば、金利が高いものを利用しましょう。
金利が低い場合は、審査の際の基準になる貸し倒れ率も低いため、審査は厳しくなります。
一方、金利が高い場合は審査の際の基準となる貸し倒れ率が高いため、審査は甘い傾向があります。
そのため、審査の甘いビジネスローンを利用したい場合は、金利が高いビジネスローンを提供している金融機関を選ぶことをおすすめします。
方法②:ノンバンク系のビジネスローンを利用する
審査が甘いビジネスローンを利用したい場合は、ノンバンク系のビジネスローンを利用しましょう。
信販会社や消費者金融といったノンバンク系のビジネスローンであれば、審査基準が非常に甘いからです。
銀行などのビジネスローンの場合、どうしても審査基準が厳しめです。
しかし、銀行の審査に落ちた場合でもノンバンク系のビジネスローンであれば審査に通る可能性は十分にあります。
方法③:企業向けの融資を専門とするビジネスローンを利用する
企業向けの融資を専門としているビジネスローンを利用することも一つの手です。
消費者金融が提供しているビジネスローンには、「個人向け」と「事業融資専門」の2つに分かれます。
個人向けローンを中心にしている業者よりも、事業融資を中心とした業者の方が審査に通る可能性は高くなります。
審査に不安がある場合は、企業向けの融資を専門とするビジネスローンを利用しましょう。
審査の甘いビジネスローンを利用するときの注意点
審査が不安な企業にとっては、審査の甘いビジネスローンは魅力的です。
ただし、これからお伝えする2点には十分に気をつけるようにしてください。
注意点①:登録番号を確認する
審査の甘いビジネスローンを利用するときの注意点の一つが、登録番号を確認することです。
なぜなら、ビジネスローンを提供している業者の中に闇金がある可能性もあるためです。
仮に闇金だった場合、非常に高い金利での貸付になる可能性があります。
また、闇金から融資を受けていることが銀行などの金融機関に知られると、今後の融資を受けることが難しくなります。
闇金かどうか確認するため、「●●財務局長(◯)第▲▲▲▲号」と記載されている登録番号を確認してください。
貸金業を営むにはこの登録番号が必ず必要であり、( )内の数字が大きいほど、何度も更新チェックを受けている業者ということです。
登録番号がすべてではありませんが更新回数が多い業者ほど安心ですし、更新回数が1など少ない業者ほどリスクが高いと考えることができます。
注意点②:評判をインターネットで調べる
審査の甘いビジネスローンを利用する場合は、必ずインターネットで評判を確認するようにしましょう。
なぜなら、悪質な業者もあるためです。
実際の利用者の評判を見ることで、どのような業者か把握することが可能です。
コストゼロで簡単にできることですので、評判は利用前には必ずチェックするようにしましょう。
ビジネスローンの審査に落ちた場合の資金調達方法
もし、ビジネスローンの審査に落ちた場合は、別の資金調達方法を検討しましょう。
ビジネスローンの利用が難しかったとしても、他の方法であれば資金調達できる可能性があります。
方法①:ファクタリングを利用する
ビジネスローンの審査に落ちた場合、売掛債権があるのであれば「ファクタリング」を利用してみても良いでしょう。
ファクタリングとは、取引先の売掛債権をサービス提供会社に売却して資金調達をする方法のことです。
売掛金から手数料を差し引いた金額を調達することができる手段です。
通常、売掛金が入金されるまでに1ヶ月から2ヶ月ほどかかりますが、ファクタリングであれば最短即日で資金化が可能です。
ファクタリングの審査対象は売掛先企業の信用力なので、自社の信用力は関係ありません。
そのため、赤字決算、税金滞納などの状況であっても利用ができますので、審査に不安がある企業でも利用しやすいことが特徴です。
また、売掛債権を売却するファクタリングだけでなく、取引先が売掛金を支払できる状況でなくなった場合に保証金が支払われる保証型のファクタリングもあります。
ファクタリングは、利用しやすい点と貸し倒れリスクを回避できる点が魅力です。
方法②:ソーシャルレンディングを利用する
ファクタリング以外の資金調達の手段としておすすめなのがソーシャルレンディングです。
ソーシャルレンディングは、個人投資家から少しずつ資金を集め、資金を必要としている会社に融資を行う仕組みの資金調達方法です。
ソーシャルレンディング案件の運営を行っている会社に審査を受ける必要がありますが、担保物権物件の価値がしっかりとしてものであれば、比較的短期間で融資を受けることが可能です。
1週間ほどで審査は終了し、ソーシャルレンディング案件の組成から募集、そして融資の実行まで1週間、つまり合計2週間ほどで資金を集めることができます。
ただし、担保が弱いと資金が集まらないというデメリットがあります。
また、融資を受ける際の金利は5パーセントから10パーセントほどと比較的高いです。
そのため、利用するときは早めの返済ができるかどうかを判断してから利用を検討するようにしてください。
ソーシャルレンディングは、不動産会社が不動産購入資金を調達する目的でよく利用されています。
転売すれば利益が出る可能性が高い不動産を購入したいといったときは、ぜひソーシャルレンディングの利用を検討してみてください。
長期事業用資金の融資を受けるときは、支払い金利が低くなるように交渉することをおすすめします。
ソーシャルレンディングがおすすめの理由
なぜ、ソーシャルレンディングが、多くの企業から注目を集める資金調達方法なのか、おすすめの理由について見ていきましょう。
理由①:融資までのスピードが早いから
ソーシャルレンディングは、申し込みから融資まで1週間以内で終えることも可能です。
他の資金調達方法だと、融資までに2週間から3週間以上かかるケースもあるため、急いで資金調達をしたい場合は対応ができません。
ソーシャルレンディングであれば、融資までのスピードも早いため資金調達の緊急時も対応が可能なのです。
理由②:担保不要で利用できるから
資金調達方法によっては、不動産などの担保が必要です。
担保評価が審査や融資額に影響を与えるため、担保内容によっては希望の融資を受けることができません。
しかし、ソーシャルレンディングであれば、担保不要で融資を受けることも場合によっては可能です。
そのため、担保評価に不安がある場合でも資金調達ができます。
理由③:短期間で返済がしやすいから
他の資金調達方法だと高い融資事務手数料がかかります。
しかし、ソーシャルレンディングであれば、融資事務手数料が安いため返済の際に大きな負担になりません。
投資家への金利支払い負担はありますが、全体的なコストはそれほど高くないため短期間で完済することも可能です。
こんな場合にソーシャルレンディングがおすすめ
次のようなケースのときに、ソーシャルレンディングによる資金調達方法がおすすめです。
ケース①:早く融資を受けたいとき
設備投資や運転資金、事業拡大資金、他の借入れの返済などで早急に資金が必要になった場合は、ソーシャルレンディングを検討しても良いでしょう。
前述のとおり、ソーシャルレンディングは融資までをスピーディーに完了させることが可能です。
そのため、緊急で資金が必要になった場合でも対応できる可能性があります。
早く融資を受けたい場合はソーシャルレンディングがおすすめです。
ケース②:所有する担保評価が低いとき
ソーシャルレンディングは必ずしも価値の高い担保を用意せずとも、融資を受けられることもあります。
他の資金調達方法だと、担保が必要になるケースが多く、担保評価が高くないと、まとまった融資を受けることができません。
ソーシャルレンディングであれば、担保評価に不安要素がある場合でも資金調達が可能です。
まずは、一度問い合わせてみると良いでしょう。
ケース③:銀行融資が難しいとき
ソーシャルレンディングは、銀行融資よりも審査基準が甘いため、借入れの実現度は高くなります。
銀行ローンの審査が通らなかった場合でも、ソーシャルレンディングであれば希望額を調達できる可能性があります。
まとめ
ビジネスローンでも、金融機関によって審査の難易度は異なります。
審査に不安がある場合は、審査の甘いビジネスローンの利用を検討してみてください。
そして、もしそれでも審査が難しかった場合は、ファクタリングやソーシャルレンディングといった次の一手を速やかに検討することをおすすめします。
ソーシャルレンディングについては、こちらで詳しく解説していますので、一度目を通しておいてください。
また、資金調達に関するご相談は下の問い合わせフォームから受け付けています。
必要事項にご記入してお送り頂ければ幸いです。