「貯金が貯まったから株式投資をはじめよう」そう思って株の購入価格を見てからあまりの高額さに驚く方が多いです。
株式投資を少額から始めるには最低いくら必要なのでしょうか?
そして、少額でも大きなリターンを目指すことはできるのでしょうか?
株式投資やFXなど、さまざまな投資を行ってきた筆者が、少額の資金で稼ぐ方法を紹介します。
目次
筆者プロフィール
筆者は現在31歳、投資から得られる不労所得のみで生活している北海道在住の男性です。
サラリーマン時代から副業で投資をスタートさせ、約5年で毎月の本業収入を超えるだけの不労所得を手にしました。
年収は300万円と決して高くなかったため貯金も少なく、元手資金5万円と少額から投資を始めました。
失敗を繰り返しながら株式投資を含めて10種類以上の投資を経験します。
その経験から、少額に向いている投資と向かない投資を理解してきました。
この記事では、その中でも株式投資に絞り、少額で利益を出すコツと注意点をお伝えしていきます。
株を買うにはいくら必要?
そもそも、株を買うにはいくらの資金が必要なのでしょうか?
株式市場では、上場企業の株価が1株数千円から数万円で取引されています。
しかし、株式投資では取引されている金額のまま1株単位では購入できません。
原則として100株単位で取引されています。
そのため、投資家は販売されている「株価 × 100枚分」で購入しなければなりません。
- 最低購入価格=株価 × 100
例えば、1株1万円で取引されている株式を購入するには100万円(1万円×100)の投資資金が必要だということです。
日本の時価総額ランキング上位「トヨタ自動車株式会社」の1株の株価は約6,000円なので、株を買うためには60万円が必要です。
また、ディズニーランドで有名な「株式会社オリエンタルランド」では、1株の株価は約1万4,000円なので、株を買うためには140万円が必要です。
このように、株式投資は一般的に高額な投資資金が必要です。
少額で始めようと考える初心者にとって、非常にハードルの高い投資だと言えるでしょう。
もちろん、これはほんの一例です。
すべての株がこれほど高額というわけではなく、数万円から購入できる少額株式も存在します。
次の項目では、少額で買える株を紹介していきます。
少額株とは
一般的に1、0万円以下の少額で買える株式のことを「少額株」と呼びます。
株の中には、10万円以下で購入可能な少額株も取引されているため、自身の予算に合った株を検索して購入できます。
また、原則100株からしか取引できない株を少ない単位で購入できる「ミニ株」や「単元未満株」なども証券会社が販売しており人気を集めています。
このサービスを利用すれば、先ほど紹介したトヨタ自動車やオリエンタルランドのような高額株式をさらに分割して少額購入することができます。
少額で株を買う方法
一般的に言われている高額な株式投資以外にも、少額で株を買う方法があります。
ここからは、少ない資金で株を買う具体的な方法を3つ紹介していきます。
- 低価格の銘柄を選ぶ
- 単元未満株を購入する
- 投資信託を通して購入する
方法①:低価格の銘柄を選ぶ
株式市場で低価格で取引されている銘柄を検索して購入する方法です。
少額の株式を見つけるためには、口座を開設している証券会社に問い合わせたり、銘柄検索画面で価格が低い株だけに絞り込めば見つけることができます。
10万円以下の少額で購入できる株で絞り込むだけでも数百の銘柄が出てくるでしょう。
しかし、誰でも聞いたことのあるような有名企業は、10万円を超える高額株に当てはまる場合が多くなっています。
まずは、ご自身がいくらの投資資金を持っていて、どこまでの資金を株式投資に使えるのか、正確に把握しておきましょう。
方法②:単元未満株を購入する
単元未満株とは、通常100株からしか取引ができない株式投資を100株未満から購入することができる取引方法です。
100株でのまとまった取引のことを「単元株」と呼ぶため、「単元未満株」はそれ未満で取引ができることを表しています。
単元未満株は、100万円以上の自己資金が必要でハードルが高いと言われる株式投資を変えるために、一部の証券会社が行っているサービスです。
証券会社によっては「単元未満株」ではなく「ミニ株」と呼ぶサービスもあるようです。
元手資金の少ない個人投資家が、無理せず少額で有名企業の株式を購入できるようになるメリットがあります。
一方で、投資家の取引したいタイミングで株式売買ができなかったり、株主優待が受けられないなど、特定の制限によるデメリットがあります。
また、一般的な株式投資よりも購入時に発生する手数料が高くなる場合があるため注意が必要です。
方法③:投資信託を通して購入する
投資信託とは、個人投資家から集めたお金を証券会社が代わりに運用してくれる投資商品です。
投資信託は、株価と同じように日々価格が変動しています。
投資家は、投資信託を売買して利益を得たり、運用利益が出た場合は分配金を受け取ることができます。
投資信託は、株式投資のように高額な投資商品ではありません。
100円などの少額から商品を購入できるうえ、運用をプロに任せることでリスクを抑えられるメリットがあります。
一方、運用を任せるための手数料が高額だったり、投資先がよくわからない場合があるという部分がデメリットです。
投資信託は、企業に直接投資するのではなく、さまざまな株や国債が詰め合わせになった商品(ファンド)に投資する商品です。
投資をしても株主になるわけでないため、株主優待や株主配当を得ることはできません。
特定の企業に投資する株式投資とは異なり、投資信託は特定の企業に個別で投資しないため、従来の投資イメージとは異なるかもしれません。
少額から株を購入するメリット
せっかく投資をするなら、多少の無理をしてでも企業の株式に直接投資したいと誰もが考えます。
しかし、投資初心者にとっては無理せず少額から株を購入することで得られるメリットもあります。
ここでは、少額での株式投資をする3つのメリットを解説します。
- 少額で売買できる
- リスク分散しやすい
- 投資の練習になる
メリット①:少額で売買できる
投資初心者にとって、少額で売買できる株式は大きなメリットとなるでしょう。
資金が少ないのに無理をして高額な株式投資をすると、失敗したときに資金面で大きなダメージを受けてしまいます。
投資家の間では、株式投資を始める初心者の半分以上が損失を抱えていると言われています。
株式投資で取引をするほとんどが、世界中で大資本を動かすプロ達です。
投資初心者がその中で利益を出すことは至難の技だと知っておきましょう。
ご自身が経済や株式について多くの知識を持っている場合を除き、まずは少額から株式投資を経験することを意識してみてはいかがでしょうか?
メリット②:リスク分散しやすい
少額で株を購入できると、余った資金で複数の株にリスクを分散できるというメリットがあります。
一つの株式に集中して投資するよりも、複数の株に分散した方が万が一の値下がりリスクを抑えられます。
一般的な株式投資において、元手資金100万円をすべて一つの株式購入に使うよりも、少額で買える株式を利用して10万円の株式を10の企業に分けて購入した方が、リスクが低くなるということです。
株式投資は、一つの企業の動きで大きく損失を抱えるリスクがあります。
リーマンショックやコロナショックなど世界経済の不況にも対応するため、少なくても3社以上の株式に分散させることを意識しましょう。
メリット③:投資の練習になる
投資初心者は、少額で株式投資をすることで、投資の練習ができるというメリットがあります。
株式投資は取引が複雑で、専門用語が多いため初心者は慣れるまでに時間がかかります。
取引に慣れないうちに全財産を投資して失敗するよりは、少額でスタートして経験を積むことをおすすめします。
少し遠回りにはなりますが、結果的に成功確率を上げることができるでしょう。
少額で株を購入するデメリットと注意点
少額で株を購入することはメリットばかりに思えますが、実はデメリットがあります。
ここからは、少額で株を購入するデメリットと注意点を3つ紹介します。
- 手数料が高い
- 自由に売買できない可能性がある
- 株主優待を受け取れない場合がある
デメリット・注意点①:手数料が高い
少額で買える株式は、従来の株式投資に比べて手数料が高く設定されている場合が多いです。
少額で株式投資ができるサービスは、それぞれの証券会社が独自に行っています。
そのため、証券会社により発生する手数料が異なってきます。
一般的には、株の取引代金に応じて1パーセントほどの手数料の証券会社が多くなっています。
証券会社によっては月間の取引金額に応じて定額の手数料を設けている場合もあります。
少額で株を買えるメリットはありますが、従来の株式取引では支払う必要のなかった手数料が発生していきます。
取引金額が多くなればなるほど手数料が増えていくため、月に10万円以上の高額な取引をする投資家は少額株よりも通常の株式投資が向いているかもしれません。
デメリット・注意点②:自由に売買できない可能性がある
少額で株を買えるサービスは、一般的な株式投資とは異なり、投資家が自由に売買できない可能性があります。
一般的な株式投資では、市場が動いている時間帯で株の価格が変動している間、投資家が取引をしたい時間と価格での自由に売買が可能です。
しかし、少額の株取引では証券会社によって取引ができる時間帯と回数が定められている場合があります。
このような制約があるため、1日に何度も株式売買をして利益を目指したい方は、少額での株式投資は向かないかもしれません。
少額での株式投資は、短期的な売買利益ではなく長期的に保有して利益を出すことを前提に投資を始めましょう。
デメリット・注意点③:株主優待を受け取れない場合がある
少額で買う株式投資では、投資家が企業からの株主優待を受け取れない可能性があるため注意しましょう。
株主優待とは、企業から出資してくれている株主へ自社商品や割引券などの特典を付与する制度です。
株主優待は、すべての株式に設定されているわけではなく、取り扱わない企業も多いです。
企業から投資家への株主優待権利の有無は、株の保有枚数によって決定されます。
例えば、株主優待を受け取る条件が「100株以上の保有」などです。
一般的な株では、1口が100株なので無条件で株主優待を受けられますが、少額株式はその100株をさらに細かくして販売している場合が多いため、基準を満たさない場合があります。
株主優待の有無は、証券会社のサービス内容や株の銘柄によって変化するため、購入前に権利を確認してから購入しましょう。
さまざまな投資商品の中で、株式投資を選ぶ理由に「株主優待を受け取りたいから」という投資家が多いことも事実です。
株主優待をもらえると思っていたのに、少額株ではもらえなかったという失敗を防ぐためにも、権利の有無を確認してから購入しましょう。
株を少額で買って利益を出す方法
少額からの株式投資だとしても、やるからには利益を出したいはずです。
ここでは少額株でも利益を出すための方法を、注意点とあわせて2つ紹介していきます。
- 成長株を買って利益を出す
- 短期的な売買で利益を出す
方法①:成長株を買って利益を出す
株式投資は、企業の成長を見極めて出資することが本来の投資方法です。
出資した企業が大きく成長すると、同時に企業の株価は値上がりします。
安いときに株を購入し、株が値上がりしたタイミングで売却できれば、その差額が投資家の利益です。
この方法であれば、一般的な株式投資と同じように利益を得られるため、今後伸びると考えられる企業や業界を見極めるのが得意な方におすすめです。
なお、少額株を取り扱う証券会社によっては、取り扱っている銘柄の数が限られていることには注意点しなければなりません。
今後成長すると確信した企業の株ををいざ購入しようと思ってから取り扱いが無いことに気づくことがないようにしましょう。
方法②:短期的な売買で利益を出す
株式投資で短期的に利益を出すには、安い価格で株を買って高くなったときに売ることで金額の差益を得る方法が一般的です。
この方法は株式投資はトレードと言われており、少額の株式投資でも有効です。
ただし、デメリットで紹介したように少額株の取引は売買できる時間と回数が決まっているため、自由な取引ができない場合が多めです。
細かな利益をコツコツを積み重ねる株式トレードでは、取引したい価格や時間に売買できない制限は大きな機会損失となるでしょう。
また、一般的な株式投資より手数料が取られるため、取引のたびに利益が削られることも取引の難易度を高めています。
以上のことからわかるように、初心者が少額の株式投資で短期的に利益を出すことは現実的ではないと言えるでしょう。
少額株に投資するよりも、さらに短期的に稼げる投資を探すほうが合理的かもしれません。
少額でできる株以外のおすすめ投資
最後に、株式投資以外に少額でできるおすすめの投資を紹介します。
少額の株式投資が近年誕生したように、その他の投資も次々と誕生しています。
ここで紹介する2つの投資は、どちらも少額から高利回りを目指せるおすすめの投資です。
ぜひ参考にしてみてください。
- ソーシャルレンディング
- 不動産投資型クラウドファンディング
おすすめ①:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい企業(借主)とお金を貸したい個人(貸主)をインターネット上で結びつけるサービスです。
ソーシャルレンディングは1万円から始めることができ、しかも高利回りの5パーセントから10パーセントの分配金を得られるという好条件が人気の投資です。
もし、投資金額10万円を利回り10パーセントで運用できた場合、最終的に利益1万円を得ることができます。
お金を預けるだけで10万円を11万円に増やせるということです。
少額の株にはなかなか達成が難しい利回りでしょう。
もちろん、ソーシャルレンディングも投資であるため、事業の業績悪化にって資金を回収できない可能性があることは理解しなければなりません。
なお、ソーシャルレンディングの詳細はこちらで解説されています。
詳しく知らない方は、一度目を通しておくべきでしょう。
おすすめ②:不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングとは、個人がインターネットを通じて不動産投資を行う企業に運用資金を投資できるサービスです。
1万円と少額から始められるメリットや、利回り5パーセントから10パーセントと高利回りであることもソーシャルレンディングに似ています。
事業に向けて投資するソーシャルレンディングとは異なり、不動産投資型クラウドファンディングは「不動産」に特化した投資です。
事業ではなく不動産投資に興味がある方は、不動産投資型クラウドファンディングを選ぶと良いでしょう。
不動産投資型クラウドファンディングは、近年誕生したばかりの投資です。
新しい投資なのにもかかわらず利用する投資家が増加傾向になっており、人気の案件が数分で募集定員に達する場合もあるほどです。
今後さらに投資家の人気が増加し、良い案件に投資しにくくなると考えられます。
今のうちから投資を始めることをおすすめします。
詳しくはこちらをチェックするようにしてください。
まとめ
少額で株式投資をする方法や利益を出すコツについてお伝えしてきました。
投資の中でも人気の高い「株式投資」を始めたいという個人投資家は多いです。
しかし、資金不足で従来の株式投資ができず、少額で始めなければならないのなら、別の投資で資金を貯めてからでも良いのではないでしょうか?
後半でもお伝えしたように、少額株で短期的に利益を出すことは現実的ではありません。
他の投資で経験と資金を増やしてから、株式投資を始めることも選択肢の一つでしょう。
「ソーシャルレンディング」や「不動産投資型クラウドファンディング」は少額の1万円から始めることができ、利回りが高めであるため投資経験を積むことができるおすすめの投資です。
気になった方は、ぜひ詳細を確認してみてくださいね。