お金を増やす方法でぜひ取り入れたいのが「投資」です。
収入アップや節約は頑張っている人が多いのに、それ以外の唯一のお金を増やす方法である投資は、やっていない人が多いからです。
この記事では、どうして投資でお金が増えるのか、また投資方法にはどんなものがあるのかを解説していきます。
仕事や節約を頑張ることに加え、投資を取り入れればさらにお金を増やすスピードを上げることができます。
目次
筆者プロフィール
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つ、金融機関出身のフリーライターです。
投資歴は4年、運用資産は1,000万円に突入し、毎月約2万円以上の不労所得が入ってくるようになりました。
読者の方々の老後の豊かな暮らしや早期リタイアをサポートするため、金融や投資の記事を多く執筆しています。
四六時中お金を増やす方法を考えているくらいお金が大好きなので、みなさんのお役に立てれば幸いです。
この記事では、投資でお金が増える仕組みや、さまざまな投資方法について解説していきます。
投資でお金が増える仕組み
投資とは、将来的により大きなお金になることを期待して、今お金を支払うことです。
そのため、「お金を増やす方法」の一つに投資が挙げられます。
例えば、企業に投資する「株式投資」などがイメージしやすいです。
具体的なお金の流れで、投資の仕組みを説明しましょう。
投資家は、これから成長して大きな利益を出しそうな企業の株式を買い、投資をします。
株式を買うことは企業への出資の意味になり、企業はそのお金を元手にビジネスを行います。
企業はビジネスを行って、利益を出します。
その一部を投資家に配当として支払うので、お金を出した投資家も儲けを得ることができます。
投資家はそのまま配当をもらい続けても良いですし、株式を売却して投資を終了しても構いません。
このとき、買ったときよりも株価が上がっていれば差額が儲けになり、株価が下がっていれば差額の分だけ損が出ます。
以上が投資のざっくりとした仕組みです。
将来有望な組織やプロジェクトに先んじてお金を支払うことで、将来的にはより大きなお金になって返ってくることを期待するのが投資です。
だからお金を増やす方法になるのですね。
投資とギャンブルの違い
よく「投資はギャンブルだから手を出してはいけない」と言う人がいるのですが、投資をやったことがない人が先入観で発言している場合がほとんどです。
投資はギャンブルではなく、まったくの別物です。
投資は、仕組みで解説したように、投資家も投資先も利益を得られるものです。
もちろん、事業に失敗する可能性はありますが、順当に上手く行けば投資家も投資先も儲かってお金が増えるので、参加者全員がプラスの利益を得られる「プラスサムゲーム」です。
一方のギャンブルは、プラスサムゲームではなく、「ゼロサムゲーム」か「マイナスサムゲーム」です。
ギャンブルは参加者のお金を勝者に与える仕組みで、途中で利益が生まれてお金が増えることはないからです。
ギャンブルに勝つとお金が増えたように感じられますが、敗者から勝者にお金が流れているだけで、全体では増えていません。
つまり、参加者全員のお金はギャンブルの前後で増えないし減りもしないので、「ゼロサムゲーム」です。
あるいは、途中で胴元が手数料などを差し引くため、ギャンブルの後は前よりもお金が減っていることがほとんどです。
したがって、「マイナスサムゲーム」とすら言えます。
マイナスサムゲームのギャンブルでは、確かに勝者は儲けを得られますが、確実に敗者も生まれます。
投資は全員のお金が増えて勝者になれる可能性があるので、ギャンブルとはまったく異なります。
投資するお金の決め方
投資はギャンブルとは違うとはいえ、元本保証はありませんし運用に失敗したらお金が減ることは事実です。
投資家自身でリスク管理を行い、損失が出ても生活に影響が出ないようにしなければなりません。
投資を始めると、儲けのことばかり考えてしまいがちなのですが、大損をしないように自制する必要もあるのです。
リスク管理において最も重要なのが、投資に使うお金の決め方です。
これさえ守っていれば行き過ぎた投資をして人生を破滅させるといったことにはなりません。
お金を増やすことだけに気を取られず、確実に守るようにしてください。
生活費は投資をしない
投資するお金は3種類に分けることができ、まず一つ目が生活費です。
生活費は生きていくために絶対に必要なお金なので、元本保証でない投資には使ってはなりません。
生活費といっても今月分だけでなく、今後半年から1年分くらいの生活費は貯金として取っておき、投資には使わない方が無難です。
万が一、勤めている会社が倒産したりリストラに遭ったりしても当面の生活の心配をしなくて済むようにしておきましょう。
「そんな大げさな!」と思われるかもしれませんが、新型コロナウイルスで職を失ってどうしたら良いのか途方に暮れた人もいたとおり、いつ万が一のことが起きるかはわかりません。
自分は大丈夫とは思わず、生活費は貯金しておき、備えておきましょう。
目的が決まっているお金も投資をしない
3種類のお金のうち、2つ目は目的が決まっているお金です。
これも投資には回さず、貯金をしておきましょう。
目的が決まっているお金とは、マイホーム購入の頭金や子供の学費など、目的があって貯金しているお金のことです。
もしこれらのお金を投資に回し元本割れしてしまったら、人生設計を変更しなければならないかもしれません。
よって、投資には使わないようにしましょう。
マイホーム購入資金のような目的のある貯金は、大きな金額になっていることも多く、「これを投資に回したらどれだけの利益を生めるんだろう」と想像したくなってしまう気持ちはわかります。
しかし、使う予定があるお金だからこそ、元本割れのリスクがある投資ではなく、元本保証の貯金や預金に預けておきましょう。
投資して良いのは余剰資金のみ
3種類のお金の3つ目は、余剰資金です。
生活費でも目的が決まっているお金でもない、何に使うかは決めていないお金のことです。
投資に使って良いのは、余剰資金だけです。
余剰資金であれば、運用に失敗してお金が減ってしまっても、路頭に迷ったり人生設計を変えたりする必要はないからです。
余剰資金とはいえ、投資で減らさずに増やすのが理想ではあります。
しかし、投資でお金を増やしたいなら、元本割れのリスクを取らなければならないため、投資は余剰資金の範囲で行いましょう。
お金を増やす投資方法の選び方
具体的な投資方法を紹介する前に、どんな風に投資方法を選んだら良いのかを解説していきます。
お金を増やす投資方法を選ぶ手順は、次の3ステップです。
- 目標金額を決める
- 運用方針を決める
- 投資する商品を選ぶ
ステップ①:目標金額を決める
まず、目標となる金額を決めましょう。
お金を増やして何に使いたいのかをイメージすれば、だいたいの目標は決まると思います。
例えば、海外旅行に行きたいなら数十万円から100万円くらいが目標になるでしょう。
老後の資金を貯めたいなら、金融庁のレポートで発表されて物議を醸した「老後2,000万円問題」を参考に、夫婦で2,000万円を目標にしても良いと思います。
ただし、マイホーム購入資金や学費を補うために投資をするのは良いと思いますが、それ自体を投資で貯めようとするのはリスクが高いです。
上述のとおり、「目的が決まっているお金」を投資のリスクに晒すことになるからです。
例えば、子どもが大学まで国立を選ぶなら、学費は支払える家庭があったとします。
ここで、子どもの選択肢を増やすために余剰資金で投資を行い、利益が出たら私立の学校の学費に充てられるようにするという投資方法ならOKです。
しかし、国立に通わせるための学費を投資に使って増やそうとするのは、上述のとおりNGです。
目標金額を決めることと、運用方法を一緒くたにしないようにしましょう。
ステップ②:運用方針を決める
目標金額を決めたら、運用方針を決めます。
投資におけるリスクとリターンは比例します。
高いリスクを取ってでも高いリターンを狙いに行くか、リターンは低くても良いからリスクを低く抑えたいのかは人によって異なるため、自分に最適な運用方針を決めましょう。
お金を増やすための運用方針を決めるのに役立つのが、「72の法則」です。
投資する年数を決めると、利回り何パーセントの投資をすれば2倍にできるかが分かる法則です。
72の法則は、次の式で表されます。
近似式のため、≒を使用します。
- 72÷年数≒お金を2倍にするのに必要な利回り(%)
例えば、10年でお金を2倍に増やしたい場合、必要な利回りは次の式で計算できます。
- 72÷10=7.2%
よって、約7.2パーセントの利回りの投資をすれば、10年でお金を2倍に増やせることがわかります。
この計算式を使うと、自分にとって必要な利回りの目安がわかると思います。
例えば、10年でお金を1.5倍に増やしたい人は、7.2パーセントよりは低い利回りで良いと判断することができます。
このようにして、目標となる利回りを決めましょう。
利回りを決めることで、どんな商品を選べば良いのかがわかります。
ステップ③:投資する商品を選ぶ
目標利回りが決まったら、投資する商品を選んでいきます。
次の章から、低リスクな投資方法や高利回りが期待できる投資方法を解説していきます。
目安となる利回りも掲載するので、目標利回りと照らし合わせながら、どの商品が自分に合っているのか考えていきましょう。
この記事では、5パーセント以下ならローリスク・ローリターン、5%を超えるならハイリスク・ハイリターンとして投資商品を選んでいきます。
【低リスク】お金を増やす投資方法
ここからは、具体的な投資方法を解説していきます。
それぞれの目安となる利回りも掲載したので、ご自身で決めた目標利回りと合う商品を選んでいきましょう。
まずは、利回りが概ね5パーセント以下の低リスクの投資方法からお伝えしていきます。
- 投資信託(インデックス運用)
- ETF(上場投資信託)
- REIT(不動産投資信託)
- 外貨預金
- 不動産投資型クラウドファンディング
投資信託(インデックス運用)
投資信託は、投資家が運用会社に資金を預け、運用会社が代わりに投資をしてくれる商品です。
「インデックス型」と「アクティブ型」がありますが、インデックス型の利回りは1パーセントから3パーセントが目安です。
インデックス型の投資信託は、市場平均と同じくらいの運用成績を目指す商品です。
例えば、株式投資なら「日経平均株価」や「TOPIX」といった株価指数を構成する銘柄に投資を行い、市場を代表するこれらの指標と同じような値動きを目指します。
市場平均を大きく上回る成果は望めませんが、平均よりも大きく損をする可能性も低い、ローリスク・ローリターンの代表格の商品です。
ETF(上場投資信託)
ETFは日本語で「上場投資信託」のことで、上述した投資信託の仲間です。
目安となる利回りは、2パーセントから4パーセントほどです。
仕組みはインデックス型の投資信託とほとんど同じで、投資家の資金を預かった運用会社が投資をしてくれます。
市場平均と同じくらいの運用成績を目指す点も同様です。
投資信託と異なるのが、投資家が負担するコストがETFの方が安い傾向にあることです。
そのため、投資信託と同程度のリスクなのに、若干高い利回りを狙うことができます。
ただし、証券取引所で売買されるため、証券会社のホームページで簡単に買える投資信託よりも、取引の方法が少し難しいです。
慣れれば誰でもできるくらいには簡単ですが、最初は難しく感じられるかもしれません。
REIT(不動産投資信託)
REITは日本語で「不動産投資信託」のことで、こちらも投資信託の仲間です。
証券取引所で売買できるため、ETFに似た商品と言えます。
REITの目安の利回りは、4パーセントから6パーセントです。
低リスクの商品の中では、利回りが高い方だと言えます。
REITも運用会社が投資家の資金を預かって運用するのですが、投資先が不動産に限られています。
不動産の種類は、住宅、オフィスビル、商業施設、ホテル、物流施設など商品によってさまざまです。
不動産は継続的な賃料収入が期待できるため、REITの投資家も継続的な分配金収入が期待でき、低リスクの商品として紹介します。
外貨預金
外貨預金は、海外の通貨で預金をすることです。
預金のため正確には投資ではありませんが、為替変動リスクがあって日本円での元本保証ではないため、元本割れリスクがある投資商品の一つとして紹介します。
外貨預金の目安の利回りは通貨や時期によって異なりますが、1パーセントから2パーセントならわりと時期に関係なく狙えます。
ただし、コロナショック以降は各国が政策金利を引き下げており、外貨預金の金利も下がってきています。
以前は米ドルでの外貨預金の金利が2パーセントだった時期もありましたが、コロナショック後は0.1パーセントに落ち込んでおり、投資対象としての魅力は下がってきています。
不動産投資型クラウドファンディング
クラウドファンディングを使っても、投資をすることができます。
その代表例が不動産投資型クラウドファンディングです。
不動産投資をするための資金をクラウドファンディングで調達し、家賃収入や不動産の売却による収入を、クラウドファンディングに応募した人に分配する仕組みの投資商品です。
目安の利回りは3パーセント前後です。
資金を預けて不動産で運用してもらう点は、REITによく似ています。
目安の利回りがREITよりも低めですが、不動産投資型クラウドファンディングには1万円など少額でも投資できるメリットがあります。
REITは商品によって価格にばらつきがありますが、予算が10万円以下だと選べる商品が限られてきてしまいます。
その点、不動産投資型クラウドファンディングは少ない資金でも投資をしやすいです。
【高利回り】お金を増やす投資方法
続いては、高利回りなお金を増やす投資方法を紹介ていきましょう。
次の商品はハイリスク・ハイリターンなので、リスクもそれなりにあります。
利回りの高さだけで選ぶのではなく、元本割れのリスクも大きくなることを理解した上で投資をしてみてください。
- 投資信託(アクティブ運用)
- 株式投資
- ソーシャルレンディング
- FX・自動売買
投資信託(アクティブ運用)
低リスクの方法のところでは「インデックス型」の投資信託を紹介しましたが、「アクティブ型」の投資信託もあります。
アクティブ型の場合、目安となる利回りは3パーセントから7パーセントほどです。
商品によってはこれを上回る成果を出すこともあります。
アクティブ型も、運用会社に投資を任せる点では同じです。
しかし、アクティブ型はインデックス型の運用成績を上回ることを目指している点が異なります。
つまり、市場平均を上回るために運用会社が独自の工夫を行っているのです。
運用会社が独自に選んだ株価が上がりそうな銘柄などに投資することで、インデックス型よりも高い利回りを目指すことができています。
ただし、確実にインデックス型を上回れると約束されているものではありません。
運用に失敗してインデックス型よりも低い利回りしか出せない場合もあるので、理解した上で投資してください。
株式投資
株式投資は、株式を買うことで企業に出資し、利益の一部を配当金としてもらう投資方法です。
買ったときよりも株価が上がっていれば、売却して差額を儲けとすることもできます。
株式の目安の利回りは、配当金と値上がり益を合わせて3パーセントから7パーセントからほどです。
配当金だけだと、1パーセントから5パーセントほどが目安となります。
株式投資には、株主優待というメリットもあります。
一部の企業は株主優待の制度を導入しており、自社製品や自社サービスの割引券を株主に配布しています。
かなり価値の高い優待もあるので、日常生活における消費の節約に役立てることができます。
ただし、株式投資は銘柄選びが難しいです。
将来有望な企業に投資をしないと、株価が下がって損失が出てしまうからです。
有名な大手企業でも不祥事があって株価が暴落した過去の事例を思い出すと、銘柄選びの難しさやリスクの大きさを感じられると思います。
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれており、クラウドファンディングを使って投資ができる新しいサービスです。
目安の利回りは投資する案件によってばらつきがあり、2パーセントから10パーセントと幅が広めです。
ソーシャルレンディングは、資金調達をしたい企業がサイト上で投資家からの融資を募り、投資家は投資したい案件を選んで融資をする仕組みです。
融資なので、企業は資金を借りている間、期日までに金利をソーシャルレンディング会社と投資家に支払います。
満期が来たら、元本は投資家に返済されます。
ソーシャルレンディングの場合、貸し倒れが起きると元本割れになる可能性があります。
貸付先の企業の経営が悪化するなどの理由で、金利の支払いや元本の返済ができなくなったら、投資家が融資したお金が全額は返って来ないかもしれないのです。
このようなリスクを避けるには、担保が充実した案件を選ぶ必要があります。
企業が元本を返済できなくなったとき、担保の不動産を売却して投資家への返済に充てるからです。
しかし、そもそも担保が設定されていないソーシャルレンディングの案件もあり、貸し倒れへの対応ができないこともあります。
そのため、投資するなら担保がついた案件にすることをおすすめします。
担保の評価が不十分等の理由によって、少し前までソーシャルレンディング業界は信用できない会社がありました。
しかし、最近では業界の体質が改善してきており、担保の評価や貸し倒れ時の対応がきちんとしている会社が残っている状態です。
一昔前よりも投資しやすい環境になってきたので、始めてみてはいかがでしょうか?
FX・自動売買
ソーシャルレンディングの利回りを上回りたいなら、非常にハイリスクな取引に手を出すしかありません。
自分がFXトレーダーになったり、FXの自動売買を活用したりすれば、年率20パーセントほどでお金を増やすことも不可能ではありません。
しかし、大きく稼ぐには専門知識が必要で難易度も高いので、万人におすすめの方法ではありません。
年率5パーセントほどの利回りで良ければ誰でも稼げる可能性はありますが、それなら他の投資方法の方が簡単でおすすめできます。
初心者でもできる投資方法の中では、ソーシャルレンディングの利回り10パーセントほどが最高だと思ってください。
それより高い利回りを求めるなら、プロのトレーダーのような専門知識を身につける必要があります。
まとめ
お金を増やす方法である投資について解説してきました。
投資はギャンブルではないことや、投資にはさまざまな商品があることをご理解いただけたことでしょう。
豊富な投資商品の中から自分に合ったものを選ぶために重要なのが、目標金額の設定です。
お金を何に使うため、どれくらい増やしたいのかイメージし、投資方法はローリスク・ローリターンなのかハイリスク・ハイリターンなのか考えていきましょう。