「投資」や「資産運用」と聞くと「リスクがあって怖い」といった印象を抱いている方も多いのではなないでしょうか?
しかし、投資や資産運用はギャンブルとは異なり「成功する可能性が高い」ものです。
この記事では、資産運用成功の秘訣について紹介していきましょう。
目次
投資と資産運用の違い
まずは、「投資」と「資産運用」ということばの定義からしっかりと確認していきましょう。
「投資」と「資産運用」はそれぞれ意味が異なります。
上手に投資、資産運用をできる方は、このことばの意味を明確に使いわけています。
そして、似たことばに「投機」と「ギャンブル」があります。
みなさんは、それぞれの違いをしっかりと把握していますか?
それぞれの意味を解説していきますね。
投資とは
投資とは、企業や国、地方公共団体などに資本を投じることを指します。
投資の代表例は「株式投資」です。
投資家は成長を見込むことができる企業に資本を投じる見返りに利益が出た場合には配当を受け取ったり、株価が上昇した場合には売却して利益を出したりすることができます。
投資するということは、投資先を応援するということでもあります。
世の中には素晴らしいアイデアや技術を持っているにも関わらず、資本(お金)がないため実現できていないものがたくさんあります。
成長を期待するという性質上、投資の場合は長期で行うことが多くなります。
投資家がお金を投じることにより、そのアイデアや技術が現実のものとなり社会を豊かにしていくのです。
そのため、投資は社会貢献にもつながる素晴らしい行為であると言えます。
しかし、日本では「投資」ということばに対してあまりいい印象が持たれていません。
それは、この後に説明する「投機」と「ギャンブル」と混同されているためです。
資産運用とは
資産運用とは、投資したり貯金したり、資産全体のバランスを考えながら自分の資産の増加を目指すことを指します。
「投資」や「投機」は「資産運用」のために行う一つの「手段」であり、「投資」と「資産運用」は同じ意味ではありません。
そのため、「投資」や「投機」で利益を出そうとする際は、「資産運用」の全体像を捉えながら行う必要があります。
投機とは
投機とは、短期的な価格の変動により利益を上げることを目的とする行為を指します。
「投資」との本質的な違いは、投資先のアイデアや技術による成長にかけて長期的な目線で行っているのではなく、短期的な値動きで利益を狙っている点です。
投機的取引の例は、為替(かわせ)の値動きで利益を出す「FX(外国為替)」があげられます。
多くのFXトレーダーは、日々の為替変動から利益をあげようとしています。
このような行為は、長期的な成長から利益を得ようとする「投資」とは本質的に異なります。
ギャンブルとは
ギャンブルとは、胴元(博打:ばくちなどの主催者のこと)がいて、偶然性の高いものに対してお金を投じる行為です。
「投資=損をする」と考えている方は、ギャンブルと投資を混同している方が多いことでしょう。
確かに、「ギャンブル」は胴元が必ず儲ける仕組みになっているため、損をする確率が圧倒的に高いことは事実です。
「ギャンブル」と「投資」は似て非なるものですので、しっかりと違いを理解しておくようにしましょう。
リスクとリターンの関係性
「投資」や「資産運用」においては、「リスク」と「リターン」の関係性を把握しておくことが非常に重要です。
しっかりと理解している人は意外と少ないのですが、「リスク」と「リターン」比例関係にあります。
つまり、リスクが高いということはリターンもそれだけ高いということです。
また、必ずしも「リスクが高い=悪いこと」ではありません。
高いリターンを目指すのであれば、高いリスクを取る必要があるということですし、リスクが低い場合はリターンもそれ相応に低いということです。
そのため、投資や資産運用においては、必ず次のような関係になります。
- ローリスク・ローリターン
- ミドルリスク・ミドルリターン
- ハイリスク・ハイリターン
したがって、「ローリスク・ハイリターン」のような夢のような方法はないということです。
資産運用する際に必要なこと
2019年6月に金融庁が発表した「年金2,000万円問題」が注目されるようになってから、資産運用に注目する人が増えています。
ただ、いきなり資産運用すると言っても、初心者の方は何から始めたら良いのかわからないものです。
では、資産運用をする際にはどのようなことが必要なのでしょうか?
必要なこと①:目的を明確化する
資産運用を始める際に、知識をつけることが必要と考える人が多いようです。
書店には資産運用に関する知識を身に着けるための本がずらりと並んでおり、インターネットでも知識を得ることができます。
ただ、知識をつれば確かに資産運用は有利に行うことができますが、知識をつける前に必ずやるべきことがあります。
それは「目的を明確化する」ことです。
資産運用には万人にとっての正解があるわけではありません。
その人にとって適切なリスクを取り、資産運用をすることが大切です。
そのためには、資産運用をするための「目的」が重要なのです。
資産運用をするための目的は何でも構いません。
例えば、「老後資金を蓄えたい」「住宅購入資金を貯めたい」「退職後に世界一周旅行をしたい」などでがあるでしょう。
人によって資産運用をする目的はさまざまなのです。
しかし、目的を立てることができないと、最適な資産運用はすることができません。
必ず目的を明確にして資産運用を始めるようにしましょう。
必要なこと②:目標を立てる
資産運用の目的を明確にしたら、次は「目標」を立てましょう。
目的を明確にできたら、目標を立てることは目的のために必要なことを数値化するだけです。
資産運用における目標値は、「いつ」までに「いくら」貯めるかを決める必要があります。
目標を立てることで、抽象的だった「目的」が実際の数値で表すことができます。
目標として数値化することで、目標に対して「どれくらいの資産を」「どれくらいの利回りで」「何年間運用する必要があるのか」が見えてきます。
必要なこと③:目的や目標からずれていないか確認する
投資に限らず、目的や目標は時の経過とともに曖昧になりがちですよね。
投資を行う際も目的や目標からずれていないかしっかり確認し、目標からずれてくれば、修正する必要があります。
例えば、目標の金額に届きそうにないペースであれば、投資する額を増やすか、利回りの高い資産で運用する必要があるでしょう。
逆に、目標に早く届きそうなのであれば、利回りが低く安全な資産にシフトするか、金額を少し減らしても良いかもしれません。
目標を定めても、しっかり実行できなければ意味がありません。
目標に対してどのようなペースで進んでいるもチェックしながら運用するようにしましょう。
おすすめの投資方法:短期運用の場合
これまで、投資と資産運用の違いや資産運用を始める際の注意点について解説してきました。
ここからは、具体的な資産運用の方法について解説していきましょう。
「短期」「中期」「長期」と運用期間に分けてそれぞれ紹介していきます。
まずは、「短期運用」でリターンを狙える金融商品を紹介します。
ただし、資産運用の基本は中長期の取引です。
短期運用で紹介するのは「投機的」な取引でありリスクがかなり高いため、あまりおすすめできるものではありません。
購入する場合も、まずは少額で行った方が良いでしょう。
短期運用方法①:FX
FXは、外国為替の変動を利用して利益を狙う商品です。
FXの特徴は「レバレッジ」と呼ばれる機能で、実際に投資した元本の何倍もの値動きを享受できる点です。
レバレッジは「てこ」を意味しています。
てこの原理で実際の力の何倍も発揮でるように、レバレッジを使って少額でも大きい金額で投資をしているような利益を狙うことができるということです。
当然、リターンが大きいということはリスクも大きいということになりますので、資産運用の主役にはなり得ない商品でと言えるでしょう。
FXは日本の個人投資家が多く参加していますが、海外の個人投資家にはあまり一般的ではありません。日本で「投資」と「投機」の意味が混同されがちですが、その理由の一つは投資=FXをイメージする方が多いためとも言われています。
短期運用方法②:仮想通貨
ビットコインに代表される「仮想通貨」は、近年急激に広まった投資対象です。
仮想通貨のメリットの一つは、どこの国にも帰属していない通貨であるということです。
ある国の通貨に投資をすると、その国の動乱や恐慌などが発生した場合に暴落してしまうリスク(カントリーリスク)がありますが、仮想通貨にはそのような心配がありません。
しかし、国に帰属していないということは、国による後ろ盾もないということでです。
ドルや円といった通貨は、一方的な動きとならないようにアメリカや日本の政府が監視し、時には多額の資金を投じて調整しています。
仮想通貨にはそのような機能がないため、上昇する時も下落するときも一方的な動きになりがちです。
そのため、仮想通貨はかなりハイリスク・ハイリターンの商品なのです。
短期運用方法③:先物取引
先物取引とは、将来の売買についてあらかじめ約束しておく取引のことです。
例えば、現在10万円の株を3ヶ月後に10万円で購入することを約束するとしましょう。
3ヶ月後に15万円になっていた場合は、15万円のものを10万円で購入することができるため、お得ですよね。
しかし、5万円に下落していた場合は5万円で購入できるものをわざわざ10万円を払って購入するわけですから、失敗となるわけです。
先物取引は、「売り」から入れることが一つの特徴です。
例えば、今持っていない株を3ヶ月後に10万円で「売る」ことを約束するとしましょう。
3ヶ月後に株価が15万円になっていた場合、売る約束を果たすために、現在の価格である15万円で購入し、約束した10万円で売却する必要があります。
一方で、5万円に値下がりしていた場合は、5万円で購入して10万円で売れるわけですから、利益を上げることができます。
先物取引は将来の売買を約束し、FXと同じ「レバレッジ」機能を使い、実際に支払ったお金の何倍ものお金で取引をすることができます。
予想が当たれば短期で大きな利益を出すことができますが、そのぶんリスクも高いため、初心者におすすめできる投資手法ではありません。
おすすめの投資方法:中期運用の場合
続いては、中期運用でリターンを得やすい金融商品を紹介しましょう。
投資の基本は長期で持つことですが、長期間解約することに制限をかけられる商品は、いざお金が必要となった時に引き出せないという可能性があります。
そのため、基本的には中期運用でリターンを得られる商品を中心に運用をしたほうが良いでしょう。
中運用方法①:投資信託
投資信託は、ファンドマネジャーと呼ばれる運用のプロがファンド毎に決められたテーマに沿って運用をする商品です。
例えば、日本の成長企業に投資をする投資信託であれば、日本の企業の中で成長する可能性が高い企業をファンドマネジャーが選定して運用をします。
プロが細かい銘柄選定を行ってくれるので、投資初心者でも安心して運用することができます。
また、投資信託は多くの投資家からお金を集めて投資を行いますので、複数の株を購入する投資信託でも少額で投資をすることが可能です。
投資信託は株だけでなく、債券や不動産などさまざまな資産に投資をすることができるため、初心者から上級者まで幅広く利用できる運用商品と言えるでしょう。
中期運用方法②:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、AI(人工知能)技術を活用して運用の手助けをしてくれるサービスです。
ロボアドバイザーには大きく分けて2つの種類があります。
一つ目は「助言型」と言われるもので、運用可能な期間や金額、リスクに対する考え方など、選択式で簡単な質問に答えるだけでおすすめの投資方法を紹介してくれるタイプです。
助言型は最終的な投資判断は自分で行う必要があるので、「助言は受けたいけれど、最終的な投資判断は自分で行いたい」という方は助言型を利用すると良いでしょう。
一方、「投資一任型」は、最初に運用方針を定めれば、あとは自動的に運用をしてくれるサービスです。
例えば、「株と債券と不動産を3分の1ずつ配分して運用する」という方針を立てたとしましょう。
運用期間中に株が値上がりし、債券が下落した場合には3分の1ずつ取っていたバランスが崩れてしまいますよね。
そんなときには株を売却して、債券を購入することで再度3分の1ずつに配分し直す「リバランス」と言われる行為を自動的に行ってくれるのです。
投資一任型のロボアドバイザーは自動でリバランスを行ってくれるためメンテナンスの手間がありません。
忙しくて相場の値動きをチェックする暇がない方におすすめの運用方法です。
中期運用方法③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、お金を借りたい人と貸したい人をインターネット上でマッチングする新しいサービスです。
従来は、事業を始めようとする場合には銀行などの金融機関で融資を受けて事業を始めることが一般的でした。
しかし、現在はインターネットの普及により、お金を借りたい人はソーシャルレンディングの仲介業者を通じて投資家に呼び掛け、お金を借りることができるのです。
銀行の融資の場合、銀行の融資担当者の人件費などで大きなコストがかかってしまっています。
ソーシャルレンディングでは、そのコストを大幅にカットできるため、高い利回りを確保できるのです。
また、ソーシャルレンディングは株のように日々変動するわけではなく、決められた期日に元本とあらかじめ予定されていた利回りを受け取ることができる商品です。
そのため、売り時や買い時を見極めるのことが苦手だという方にはおすすめの商品です。
ソーシャルレンディングに関してはこちらでかなり詳しく解説しています。
利回りが高いことも特徴の一つなので、一度チェックしておいた方が良いでしょう。
おすすめの投資方法:長期運用の場合
最後に、長期で運用する際におすすめの金融商品を紹介します。
今後少子高齢化が進むことが確実視されている日本では、年金財政が厳しくなると言われています。
日本政府は国民一人ひとりが自助努力でお金を貯めていくことができるように、長期の運用の商品には税制面でのメリットを用意しているものが多くあります。
一見お得な税制メリットの多い長期運用商品ですが、足許で使うお金はしっかりと残しておくことが重要です。
商品性を理解して、すぐに解約できる商品と組み合わせての資産運用を検討すると良いでしょう。
長期運用方法①:iDeCo
iDeCoは「いまからできること」をイメージしてつくられた「個人型確定拠出年金」の愛称です。
iDeCoは60歳まで、お金を引き出すことができないという大きなデメリットはありますが、iDeCoに拠出したお金は全額所得控除の対象となるため、税制面でのメリットが非常に大きい制度です。
また、毎月の掛け金は投資信託で運用することができますが、運用益も全額非課税となります。
アメリカはこの数十年間で個人資産が1億円を超える人が大幅に増加したと言われていますが、その理由の一つがこの「個人型確定拠出年金」にあると言われています。
アメリカ国民は投資信託での運用が一般的となっており、日本のように「お金を貯めたら、まずは定期預金」という発想ではありません。
特に、個人型確定拠出年金制度を使って、毎月さまざまな株や債券に投資をしている投資信託を購入している人はとても多いです。
アメリカの株式は大きく上昇しており、個人金融資産の上昇に大きく寄与したと言われています。
なお、iDeCoは老後資金を貯めるために非常に有効な手段ではありますが、60歳まで引き出せないと言う大きなデメリットがあるため、解約する必要のない余裕資金で行う必要があります。
長期運用方法②:個人年金保険
個人年金保険は、将来の自分のために掛金を支払い、将来一定の年齢に達したときに年金として受け取ることができる保険です。
個人年金保険は運用方法に2つの分類があり、「定額年金」と「変額年金」と言われています。
「定額年金」は、あらかじめ決められた利率で運用を行いますが、現在の日本は超低金利環境となっているため、ほとんど増えないと思った方が良いでしょう。
一方、「変額年金」は株や債券などで運用を行うため、将来受け取れる金額は変動する商品です。
個人年金保険にも所得控除はありますが、掛け金全額が所得控除の対象とはなりませんので、税制面ではiDeCoの方がメリットが大きいと言えます。
個人年金保険は途中で解約できるものもありますが、早期に解約すると多額の手数料を取られる商品もあります。
加入を検討する場合は、解約時の手数料もしっかりと確認してから契約するようにしましょう。
まとめ
「投資」と「資産運用」の違い、そしておすすめの運用方法について紹介しました。
みなさんにご理解頂きたいのは、資産運用で成功することは決して難しいことではないということです。
資産運用とよく混同される「投機」や「ギャンブル」は、誰かが得をすると誰かが損をするという構造になっています。
しかし、資産運用で行う「投資」は、社会全体の経済成長を多くの人が享受するものです。
また、今後値上がりする商品を見極める先見の明や特別な経済知識がなくても、さまざまな資産に分散投資をすることで、リスクを抑えて世界経済成長の恩恵を受けることが可能です。
ご自身に合った方法を見つけて、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか?