「自分の毎月の貯金額って、少ないかな?」と不安に感じている方は、実は大勢います。
目安として意識されるのが「5万円」「10万円」といったキリの良い金額です。
この記事では、毎月10万円の貯金をしている人や目指している人に向けて、貯金額が多いか少ないか解説していきます。
さらに、貯金を増やす方法も紹介します。
目次
毎月10万円の貯金は多い?少ない?
貯金をまったくしていない人も多いため、毎月10万円も貯金している人はかなり頑張っている方です。
この項目では、一般論として毎月どれくらい貯金するのが目安か説明し、毎月10万円の貯金が多いか少ないかについてFP(ファイナンシャルプランナー)の筆者が論じていきます。
ご自身の状況と比べてみて、参考にしてみてください。
目安は手取りの1割~3割
毎月の貯金の目安は、手取り月収の1割から3割です。
20代など若くて手取りが少ない人だと、1割から2割ほどの人が多いです。
3割だと貯金の金額が大きく、消費に使えるお金が少なくて生活を圧迫してしまいます。
逆に、50代などある程度の収入があって子育ても落ち着いてきた人なら、手取りの3割貯金を目指せるでしょう。
年代によって異なる
年代によって手取りの月収に差があるため、年代によって貯金できる金額は異なります。
ですが、どの年代においても平均的な手取りで10万円を貯金するのは簡単ではありません。
ここでは、20代、30代、40代、50代のそれぞれにおいて、平均的な手取り月収から理想的な貯蓄金額を計算し、10万円の貯金ができるかどうか説明します。
20代の貯金額
20代の手取り月収の平均は、23万円ほどです。
貯金に回す1割から3割となると、2万3,000円から6万9,000円と計算できます。
手取りが23万円ほどだと、約半分に相当する10万円を貯金することは非常に大変です。
10万円も貯金できていれば十分多いですが、もっと少なくても問題ない年代です。
30代の貯金額
30代の手取り月収の平均は、30万円ほどです。
貯金に回す1割から3割となると、3万円から9万円となります。
毎月10万円を貯金できる人もいますが、一般的には10万円以下でも問題ないでしょう。
40代の貯金額
40代の手取り月収の平均は、40万円ほどです。
貯金に回す1割から3割は、4万円から12万円と計算できます。
40代では、毎月10万円の貯金ができる人も増えてきます。
ただし、40代までは給与が上がりやすいのですが、50代は上がるペースが落ちます。
貯金できる金額は40代とあまり変わらないため、貯金を増やしたいなら40代のうちから頑張りましょう。
50代の貯金額
50代の手取り月収の平均は、45万円ほどです。
貯金に回す1割から3割は、4万5,000円から13万5,000円です。
つまり、40代のときとほとんど変わらない貯金額です。
毎月10万円の貯金ができれば良い方だと考えられますが、この世代は退職が視野に入ってきています。
そのため、退職後に困らないような資産を作れるよう、多めに貯金しておくことがおすすめです。
貯金額を増やすための方法
前の項目では、20代から50代までどの年代でも、毎月10万円貯金することは決して簡単ではないことを解説しました。
では、貯金を増やすにはどうしたら良いのでしょうか?
貯金額を増やすための方法は、次の3種類に分けられます。
- 仕事の収入を上げる
- 支出を減らす
- 投資で増やす
方法①:仕事の収入を上げる
貯金を増やすには、手取りの収入を上げることが近道です。
務めている会社の昇給制度などを確認しましょう。
企業によっては、資格が昇給や昇進の条件になっていることがあります。
今の仕事で昇給が見込めないなら、転職も考えられます。
最近では転職サイトに登録している人が増えており、今の仕事に不満がある人もない人も好条件の募集を探しています。
ご自身でも登録してみてはいかがでしょうか?
転職をしないなら、「副業」や「アルバイト」が考えられます。
本業以外の仕事を持つことに寛容な職場であれば、副業やアルバイトで収入を増やしましょう。
方法②:支出を減らす
貯金を増やす方法2つ目は、支出を減らすことです。
支出が減ったぶんを貯金に回すことができるからです。
まずは生活費の見直しから始めますが、「固定費」を減らせないかというポイントから見てください。
固定費とは、家賃や携帯電話の料金など、毎月だいだい同じ金額で出ていく支出のことです。
固定費は金額が大きいことが多く、少しでも節約できれば大きな金額の節約になります。
例えば、家賃は数万円から数十万円、携帯電話は1万円前後と金額が大きいですよね。
家賃が高すぎると感じるなら、安い部屋に引っ越すしかないでしょう。
携帯電話は、1万円を超えていたら高すぎると考えられるので、プランの見直しをして安くしましょう。
格安スマホに買えれば毎月2,000円くらいの支出になるので、キャリアを変更するのも得策です。
このように、支出を減らすときは固定費から見直していきましょう。
節約というと「こまめに電気を消す」といった方法を思いつく方が多いのですが、これでは毎月1円節約できるかどうかです。
貯金を増やしたいなら、もっと大きな支出にメスを入れましょう。
方法③:投資で増やす
貯金を増やす方法3つ目は投資です。
投資は「自分の代わりにお金が働いてくれる」と例えられるとおり、お金がお金を生む仕組みのため、貯金を増やすことができます。
投資とは、企業などにお金を貸しリターンを得ることです。
企業が借りたお金を使って利益を生むため、その一部を投資家が受け取ることができるのです。
最近では、貯金感覚で投資をする人も増えてきています。
貯金ではなく投資をする理由は、貯金だけで資産を増やせない時代だからです。
貯金だけでは資産は増えにくい
前の項目で、貯金額を増やす方法として「投資」を紹介しました。
ここでは、貯金の場合と投資の場合とでどれくらい資産に差が出るのか、シミュレーションして比較してみましょう。
例として、次の2つを考えます。
- 毎月10万円を「貯金」する場合
- 毎月10万円を「投資」する場合
2020年現在の貯金の金利は極めて低いため、「0パーセント」とします。
投資の利回りは投資方法によって異なりますが、ここでは「5パーセント」を想定します。
20年間、「貯金」か「投資」をした場合は次のとおりシミュレーションすることができます。
貯金の場合、20年で2,400万円になります。
一方、投資の場合は約4,100万円になります。
貯金と投資とで、20年の間に2倍近い差が生まれてしまいました。
この差の原因は、貯金と投資の「利回り」にあります。
貯金はゼロ金利のため、銀行に預けておいてもほとんど増えません。
それに対して投資は、投資先の企業などの事業が上手く行けば利益が生まれ、それが投資家に還元される仕組みです。
銀行の金利とはあまり関係がなく、高い利回りが期待できるのです。
シミュレーション結果を見ると、「投資をした方が良い」と理解できます。
しかし、興味が湧いてもどんな商品があるのかわからないとなかなか始めにくいですよね。
次の項目では、初心者にもおすすめの商品を具体的に紹介していきます。
毎月10万円あればできる投資方法
この項目では、「毎月10万円でできる投資方法」を紹介していきます。
これから投資を始めようと思った方は、参考にしてみてください。
もちろん、10万円以下でも始めることができるものもありますよ。
投資方法①:投資信託
投資信託は、資産運用を投資のプロにお任せできる商品です。
株式や債券などざっくりとした運用方針は自分で決めますが、具体的な銘柄選びは投資のプロに任せる投資方法です。
投資信託の利回りは、1パーセントから3パーセントが目安です。
利回りが3パーセントの場合、毎月10万円を投資すると、20年後に約3,300万円となります。
投資信託は100円から始めることができるので、毎月10万円も投資できない人にもおすすめです。
他の投資方法よりも少額でできるため、「投資を試してみたい人」にぴったりです。
投資方法②:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、毎月決まった金額を自動で多様な商品に投資してくれるサービスです。
投資先を選ぶ際は、簡単なアンケートに基づいてリスク許容度を診断し、個人に合ったバランスで決めてもらえます。
そのため、投資に詳しくなくても自分に合った投資先を選ぶことができます。
投資する商品によりますが、ロボアドバイザーの利回りは3パーセントから5パーセントが目安です。
利回りが5パーセントの場合、毎月10万円を投資すると、シミュレーションで紹介したように20年後には約4,100万円となります。
ロボアドバイザーは、毎月1万円から投資することができます。
ただし、最初は10万円ほどまとまった資金を投資する必要があります。
最初だけ10万円かかりますが、その後はもっと少額で投資できるため、お金を貯めて始めてみてはいかがでしょうか?
投資方法③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい人(投資家)」をインターネット上(イオンライン)でつなぐサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。
ソーシャルレンディングの利回りは、5パーセントから10パーセントと非常に高く、今回紹介している投資法の中で最も高いです。
利回りが10パーセントの場合、毎月10万円を投資すると20年後に約7,600万円となります。
投資せず貯金しているだけだと2,400万円なので、3倍以上の差がつくことがわかります。
ソーシャルレンディングは1万円から始めることができます。
毎月10万円の投資ができれば、高利回りの恩恵をすぐに実感できると思います。
もちろん、10万円未満の投資額でも始めることができますよ。
ソーシャルレンディングは、一度投資すれば自分ですることがほとんどない「不労所得」を得ることができる投資方法のため、初心者の方にもおすすめです。
詳しくはこちらで解説しているので、一度目を通してみてくださいね。
まとめ
毎月10万円を貯金するのは多いのか少ないのか、貯金の増やし方、そしておすすめの投資方法を紹介しました。
結論として、20代から50代までどの年齢の人にとっても、毎月10万円の貯金は簡単ではありません。
収入を上げたり支出を減らしたり、投資をするといった努力が必要です。
これまで投資をしたことがない方は、この記事で紹介した投資方法から始めてみてはいかがでしょうか?
こちらでは、毎月10万円の「不労所得」を作る方法を紹介していますよ。