近頃、日本人投資家に人気のある投資先と言えば、日本ではなく海外です。
なぜなら、海外の方が投資するメリットが大きいからです。
この記事をご覧になっている方も、海外投資に興味があるのではないでしょうか?
しかし、いかんせん海外ということで、何から始めたら良いのか分からず困っている方もいると思います。
この記事では、海外投資のメリットやデメリット、投資先の選び方や商品ごとの投資の始め方などを解説していきます。
特に、これから海外投資を始める方にお役立ていただきたい内容です。
目次
海外投資とは
海外投資とは、アメリカやヨーロッパなどの金融商品を買い、投資をすることです。
日本国内への投資には無い魅力があるため、近年人気が高まっています。
海外投資の魅力について、次の項目で解説していきましょう。
海外投資するメリット
あえて海外に投資する人が増えているのは、メリットがあるからです。
海外投資のメリットを3つ紹介していきますね。
- 利回りが高い
- 分散投資ができる
- 商品の種類が多い
メリット①:利回りが高い
海外は、日本に比べて利回りの高い投資が期待できます。
日本の経済は安定成長期なので、急激に株価などが上昇することはあまり期待できません。
そのため、投資をしても大きな利回りが期待できない状態なのです。
ですが、海外には人口が増えており、経済も拡大し、景気が上向いている国も多数あります。
景気が良い国に投資すれば、大きな利益が生み出されると期待でき、実際に利回りが高い投資先となっています。
今後将来性がある国といえば、先進国の中では、アメリカが該当します。
新興国では、中国やブラジル、東南アジアなどが挙げられます。
メリット②:分散投資ができる
日本国内だけでなく海外にも投資をすれば、分散投資の幅が広がるメリットがあります。
一つの国に集中投資をすると、その国の経済が後退したときに投資した資産の評価額がどんどん下がっていってしまいます。
ですが、複数の国に分散投資をしていれば、一つの国で景気後退があっても資産全体には大きなダメージを与えずに済みます。
投資をするときは、日本を含めても良いので複数の国に投資をするとリスクを下げることができます。
低リスクな運用のためにも、海外投資はおすすめできます。
メリット③:商品の種類が多い
海外の商品も投資先の候補になるので、商品の選択肢が単純に増えます。
一口に「株式」と言っても、アメリカやヨーロッパ、中国などあらゆる国の企業があるため、投資先が選り取り見取りになります。
とはいえ、商品が多すぎると自分に合った商品の探し方が分からず、困ってしまうかもしれません。
海外投資の選び方も後述するので、ぜひご参考にしてください。
海外投資のデメリット・リスク
海外投資のメリットについて解説してきましたが、デメリットやリスクも存在します。
海外への投資だからこそのデメリットを3つ解説していきますね。
- 日本で投資できる商品が限られる
- 為替変動リスクがある
- 手数料がかかる
デメリット・リスク①:日本で投資できる商品が限られる
日本の金融機関で投資できる海外の投資商品には限りがあり、選択肢が少ない点でデメリットと考えられます。
インターネット証券会社を中心に海外投資の取り扱いが増えていますが、マイナーな国への投資などは現状では難しいです。
メリットの項目で解説したように、海外にはあらゆる商品があることも事実です。
海外の金融機関を使えば豊富な種類から選ぶこともできるため、もし日本の金融機関の取り扱いに不満を感じるなら、海外の機関を使ってみましょう。
デメリット・リスク②:為替変動リスクがある
海外投資は、投資先の国の通貨で行うことが多いです。
例えば、アメリカに投資するなら日本円をドルに両替して投資をします。
したがって、為替変動の影響を受けるデメリットがあります。
例えば、1ドルが100円のときに100万円分の米国株式を買ったと仮定しましょう。
1万ドルの株式を持っていますが、時間が経って1ドルが85円になってしまったら、1万ドルだった株式は85万円に相当します。
このように、為替変動リスクによって資産の評価額が減少することがあるのです。
為替が逆に動けば得になるため、為替変動リスクは一概に悪いとは言えません。
ですが、為替変動の影響で資産が目減りするデメリットは押さえておきましょう。
デメリット・リスク③:手数料がかかる
海外投資は、日本国内の投資よりも手数料が高い傾向にあります。
日本で日本の商品を買うより、日本から海外の商品を買う方がコストが高いことは当然と言えば当然ですよね。
最近では、米国株式の売買手数料が引き下げられてきつつありますが、日本株式の手数料体系には及びません。
手数料の分だけ投資家は損をすることになることは覚えておきましょう。
海外投資の選び方
海外投資を始めようと思っても、どのように商品を選ぶのか見当がつかない方が多いと思います。
ここでは、海外投資の選ぶ3つのステップを解説していきます。
- 国内・海外どの金融機関で投資するか
- 先進国か新興国か
- リスク・リターン
選び方①:国内・海外どの金融機関で投資するか
まず、どの金融機関で投資をするのか決めます。
海外投資のやり方は2つあります。
1つは国内の金融機関を通じて商品を購入するやり方で、もう1つは海外の金融機関を購入するやり方です。
国内の金融機関を通じて商品を購入する場合、身近な銀行や証券会社を通じて日本語で取引できるため、手続きが簡単というメリットがあります。
ただし、国内から海外の商品を買い付けるため、手数料が割高になる傾向があります。
一方で、海外の金融機関を通じて商品を購入する場合、外資系の銀行や証券会社で取引をすることになります。
この場合、本国で取り扱っている豊富な商品から投資する商品を選ぶことができるメリットがあります。
デメリットとしては、外資系の金融機関だと入金や出金が遅かったり、金額の制限があるなど、自由度が低く不便なことが挙げられます。
これから海外投資を始める方は、ひとまず国内の金融機関を使っていくのが良いでしょう。
最近は海外投資の手数料引き下げ競争が起きており、デメリットであった手数料は少しずつ下がって改善してきているからです。
選び方②:先進国か新興国か
金融機関が決まったら、次は投資先を選びます。
海外をざっくり2種類に分けると、「先進国」と「新興国」です。
この2つのどちらに投資したいのか決めましょう。
先進国は経済が安定していることが特徴です。
急成長は期待できませんが、大暴落の可能性も低いので、低リスクで運用したい人におすすめしたい投資先です。
新興国は著しく経済が成長していることが特徴です。
急成長する経済に投資をすれば、大きな利益が出せると考えられます。
一方で、法整備や規制が不十分なため、少しの情勢悪化から経済破綻に陥ることも考えられます。
高いリターン が期待できる一方、リスクも高いのが新興国です。
選び方③:リスク・リターン
先進国か新興国が決めたら、さらに詳しい商品を絞っていきます。
どんなリスクとリターンのバランスを好むかによって、選ぶ商品は異なります。
例えば、とにかく低リスクに運用したいなら、先進国のローリスク・ローリターンの商品に投資します。
大きなリスクを取ってでもリターンを追求したいなら、新興国のハイリスク・ハイリターンの商品に投資します。
とはいえ、リスクを取りすぎることは基本的におすすめできません。
また、リスクを嫌いすぎると利益がほとんど得られないので、投資の意味を感じられないでしょう。
先進国でハイリスク・ハイリターンの投資や、新興国でローリスク・ローリターンの投資を行うなど、バランスの取れた投資がおすすめです。
海外投資ができるおすすめの商品
海外投資の選び方を紹介しましたが、続いては具体的な商品を紹介していきましょう。
リスクとリターンの大きさがわかるように説明したので、自分が求める投資に合ったものを探してみてください。
- 投資信託
- 外貨預金
- 外国国債
- 外国株式
- 外国ETF
おすすめ①:投資信託
投資信託は、投資家から集めたお金をまとめ、投資のプロが株式や債券などで運用する商品です。
日本円で買える投資信託には、国内のみに投資する商品や、海外にも投資している商品などがあり、ここで紹介するのは海外に投資できる商品です。
投資信託のメリットは、具体的な銘柄選びなど難しいことは投資のプロに任せることができるため、初心者でも手を出しやすい点です。
デメリットは、リスクが低いため利回りも低いことです。
投資信託は幅広い銘柄の株式や債券への投資となるため、分散投資が基本設計の商品でリスクは低めです。
そのぶんリターンはあまり高くはなく、海外の投資信託の利回り3パーセント前後が目安です。
投資信託を始めるなら、銀行か証券の口座が必要です。
インターネット証券会社の場合、ホームページにログインして、好きな投資信託を購入するだけで投資ができます。
おすすめ②:外貨預金
外貨預金とは、米ドル、ユーロ、豪ドルなどで預金をすることです。
外貨預金のメリットは、金利が高いことです。
日本は低金利なため預金でお金を増やすことは難しいですが、外貨預金なら高金利な商品もあります。
デメリットは、元本保証でないことです。
預金は元本保証のイメージかあるかもしれませんが、外貨預金は為替変動によって円での評価額が変わるため、外貨預金を円に戻したときに元本割れして損をする可能性があります。
外貨預金の主なリスクは「為替変動リスク」です。
リスクを取るため利回りは円預金より高く、金利の例は次のとおりです。
- 米ドル:1%~2%
- 豪ドル:1%前後
外貨預金を始めるなら、銀行で外貨を買い付けしましょう。
銀行口座を持っていれば始められる投資なので、始めるときのハードルは低く、取り組みやすいでしょう。
おすすめ③:外国国債
国債とは国が発行している債券で、投資家は国にお金を貸し見返りとして利息を受け取ることができます。
満期が来れば、貸したお金である元本が戻ってきます。
国債は世界のさまざまな国で発行されていますが、ここでは日本以外の国債に投資をする「外国国債」に絞って解説をします。
外国国債のメリットは、低リスクで運用できることです。
お金の貸付先が国なので、破綻して貸したお金が返ってこないリスクが極めて低いです。
デメリットは、新興国など経済情勢が安定していない国の国債は高リスクであることです。
国が破綻するリスクもあるため、安易な投資はおすすめできません。
外国国債のリスクは、その国の情勢に運用成果が左右されることです。
国が財政破綻した場合、貸したお金が返って来ない可能性があります。外国国債の利回りは、先進国なら2パーセント前後が目安です。
新興国ならもっと利回りは高くなりますが、リスクも高いためあまりおすすめはしません。
外国国債を始めるなら、まずは証券口座を解説しましょう。
証券会社のホームページにログインし、買い付けの手続きを行えば外国国債への投資ができます。
おすすめ④:外国株式
株式投資は、投資家が株式を買うことでお金を企業に出資する投資です。
企業はそのお金で事業を行って利益を出し、投資家に「配当」という形で利益の一部を還元します。
外国株式のメリットは、海外の成長企業に投資できることです。
日本は経済が安定してきているため、ずば抜けた成長企業は生まれにくいですが、海外は違います。
アメリカなど人口が増加している国は、自然と経済が成長しており投資家への利益還元も大きいです。
外国株式のデメリットは、売買手数料が高い点です。
国内株式の売買手数料は0.1パーセント程度ですが、外国株式は0.45パーセントほどに設定されており、手数料が高いことがわかります。
売買手数料が大きいほど投資家はコストを支払うので、損をしてしまいます。
外国株式のリスクは、今回紹介する投資方法の中では最も高いです。
個別の株式に投資をするため、銘柄を選ぶ能力がないと失敗しやすいです。
ですが、投資が上手くいけば大きなリターン を得ることができ、利回りは7パーセントが目安です。
外国株式を始めるなら、証券口座の開設が必要です。
外国株式を取り扱っている証券会社とそうでない会社があるので、口座開設の前に外国株式の取り扱いがあるか調べましょう。
なお、国内の株式投資のメリットといえば「株主優待」ですが、海外では株主優待を実施している企業は皆無といっても過言ではありません。
日本独自の制度なので、海外株式では株主優待は得られないことを覚えておきましょう。
おすすめ⑤:外国ETF
ETF(イーティーエフ)は「上場投資信託」のことで、投資信託の一種です。
投資信託と同様、投資家から集めたお金をまとめ、投資のプロが株式や債券などで運用する商品です。
投資信託と異なる点として、証券取引所で売買できるという特徴があります。
ETFは投資信託と株式の中間のような商品です。
外国ETFのメリットは、投資信託と同様に手間をかけずに投資できることです。
海外の商品は日本に住んでいる一般の個人投資家には購入できないものもありますが、外国ETFを運用するファンドマネジャーが投資をしてくれます。
外国ETFのデメリットは、売買手数料がかかることです。
手数料体系は外国株式と同じに設定されていることが多く、国内ETFの売買手数料よりも高いです。
投資家が負担するコストが高くなってしまうので、デメリットと言えます。
外国ETFのリスクは、債券や株式など投資先のリスクを反映します。
とはいえ、分散投資の商品なので、比較的リスクは抑えられています。
アメリカに投資する場合、利回りは5パーセントから7パーセントほどが目安です。
外国ETFを始めるなら、外国株式と同様に証券口座を開設する必要があります。
外国ETFを取り扱っている証券会社とそうでない会社があるので、口座開設の前に買いたい商品の取り扱いがあるか調べましょう。
海外投資にかかる税金
少し前まで、海外投資は一般口座でしかできませんでした。
一般口座だと取引記録や確定申告が大変なので、その意味でも海外投資が広まらなかったのです。
しかし、最近では特定口座で取引できるようになってきています。
税金が源泉徴収されるため、確定申告は不要です。
特定口座で日本に居住する人が海外に投資をした場合、日本の税金が課税されます。
日本で日本に投資するのと同じく、20.315パーセントの税金が源泉徴収されるのです。
投資信託など一部の紹介では、海外の税金と日本の税金が二重に徴収されていたのですが、2020年1月以降は仕組みが変わり、日本の税金分だけ徴収されるようになっています。
まとめ
海外投資やそのメリット、デメリットについて解説してきました。
日本国内より高利回りが狙えるのが海外投資であることをご理解いただけたでしょうか?
投資信託の二重課税が無くなったことから海外投資をしやすくなり、ますます身近になってきています。
高い利回りを目指すなら、海外投資に挑戦してみてはいかがでしょうか?