「貯金を増やす方法」と聞いて、「3つの方法」が思いつかない人は、これからも貯金を増やせないかもしれません。
「仕事」と「節約」の2つだけでは、効率良く貯金を増やすことはできないのです。
気になる3つ目の方法は、「投資」です。
この記事では、貯金を増やす3つの方法について詳しく解説し、中でも多くの方にとってなじみのない投資について解説していきます。
目次
銀行預金だけではなぜ貯金は増えない?
このご時世、「銀行にお金を預けておくだけで、貯金がどんどん増えていく」と思っている人はいないでしょう。
銀行では高金利の定期預金でも最大0.02パーセントの金利なので、預金では貯金を増やすことができません。
将来的に金利が上がれば、銀行預金でもお金が増えるようになるかもしれませんが、今の日本の状況を見るとあまり期待できないですよね。
30年以上の不景気を抜け出せておらず、経済成長は鈍化している状況だからです。
そこで、銀行に頼る以外の方法で貯金を増やさなければなりません。
次の項目では貯金を増やす方法を解説していきます。
貯金を増やす3つの方法
貯金を増やす方法は、実は次の3つしかありません。
それぞれについて詳しく解説していきましょう。
- 収入を上げる
- 支出を減らす
- 投資で増やす
方法①:収入を上げる
当たり前ですが、収入を上げれば貯金に回せる金額も多くなるので、貯金を増やすことができます。
ただし、収入が上がっても生活水準を上げてしまうと、支出が増えるのでお金が貯まりません。
次に説明する「支出を減らす」ことも、貯金を増やすために大切です。
具体的な収入を上げる方法は後でお伝えします。
方法②:支出を減らす
支出を減らせば貯金に回せるお金が増えるので、貯金を増やすことができます。
ただし、生活をギリギリに切り詰めると、ストレスなどの反動で浪費をしやすくなってしまいます。
適度な節約を心がけましょう。
具体的な支出を減らす方法は後で解説します。
方法③:投資で増やす
投資でお金を増やすことでも、貯金を増やすことができます。
労働をせずにお金を増やせるので、投資は「お金に働いてもらってお金を稼ぐ方法」と言われることも多いです。
すでに仕事や節約を頑張っている人は多いと思います。
ですが、投資でお金を増やすことには、今まで意外と関心がなかったのではないでしょうか?
この記事でおすすめの投資方法を解説していきますので、ぜひ目を通してくださいね。
収入を上げて貯金を増やす方法
収入を上げて貯金を増やす代表的な方法は、次の3つにまとめられます。
- 本業で昇給する
- 副業をする
- 転職する
方法①:本業で昇給する
収入を上げる方法の中で最も取り組みやすいのが、本業での昇給をすることです。
年功序列で昇進する企業もあれば、実力主義で若手でも収入を上げられる企業もあるので、勤めている会社の給与の決まり方を今一度見直しましょう。
最近では、資格の取得を昇給の条件としている企業もあります。
例えば、TOEICのスコアが一定の水準を超えると昇給の対象とするなどです。
入社当時はなかった資格が増えていることもあるので、人事制度を調べて取れそうな資格があったら挑戦してみましょう。
もし本業での昇給が難しそうなら、次に解説する副業や転職を考える必要があるかもしれません。
方法②:副業をする
副業をすれば、本業の他の収入源ができるので、収入がアップします。
従来は日本の社会全体に副業しにくい空気がありましたが、最近では一部の業種を除いて副業が歓迎されるようになっています。
副業を始める環境が整ってきたので、始めてみてはいかがでしょうか?
副業として最も始めやすいのはアルバイトでしょう。
時給が決まっている仕事だと、副業での収入の予想がつくので、貯金も計画的に取り組めます。
他には、趣味を仕事にすることも考えられます。
例えば、カメラが趣味の人は、土日だけ結婚式場のカメラマンの仕事をするという副業があるでしょう。
本業にするには不安だけど、やってみたい仕事がある人は、副業で取り組んでみてはいかがでしょうか?
方法③:転職する
本業での収入が上がらず、副業にも厳しい会社に勤めているなら、思い切って転職するのがおすすめです。
最近では、多くの人が転職サイトに登録しています。
本業に満足していても、転職サイトに登録だけしている人は珍しくありません。
ただし、転職して必ず収入が上がることは保証できません。
転職先を決めてから本業を辞めるようにしましょう。
また、多くの企業は中途採用の年齢に上限を求めています。
一般的には、35歳以下の応募のみ受け付けています。
業界内で一目置かれるような特殊なスキルを身に着けていれば年齢は関係ないかもしれませんが、基本的には年齢を重ねるほど転職に不利であることを覚えておきましょう。
支出を減らして貯金を増やす方法
支出を減らして貯金を増やす代表的な方法は、次の3つにまとめられます。
- 貯金額を天引きする
- 固定費を見直す
- ふるさと納税をする
方法①:貯金額を天引きする
貯金をするための最も良い方法は、給料が振り込まれた時点で貯金した金額を別の口座に移すことです。
自分で自分の給与から天引きするイメージです。
あらかじめ天引きして使える金額を少なくすることで、無駄な出費を避けることができます。
反対に、「月末に残った金額だけ貯金しよう」と考えている場合、実際に月末になったらお金など残っていないとなる可能性が高いでしょう。
貯金ができる人には、自分で自分の貯金額を天引きする習慣が身に着いています。
支出を大幅に減らせるので、ぜひ取り組んでいきましょう。
方法②:固定費を見直す
固定費を見直すと、大きな節約ができる可能性があります。
固定費とは、家賃や携帯の料金など、毎月支払うことが決まっている費用のことです。
固定費は基本的に毎月ほとんど同じ金額を支払っているはずです。
しかも、家賃は数万円、携帯は1万円前後と、高額な費用が多いでしょう。
これらを見直して節約することで、毎月の支出が大きく減って、貯金に回せる金額が増えるはずです。
例えば、携帯の料金にお金がかかりすぎている人は、格安スマホを検討してみましょう。
格安スマホなら毎月2,000円ほどの支出で使えるので、1万円近く支払っている人なら8,000円も節約することができます。
浮いたお金は貯金に戻せば良いので、毎月8,000円もあれば貯金はかなり増えますよね。
方法③:ふるさと納税をする
CMでよく宣伝されている「ふるさと納税」は、知名度こそ高いのですが、実際に利用している人はそこまで多くありません。
「知っているけど難しそう」とふるさと納税をやっていない人は、実はかなり損をしている可能性があります。
ふるさと納税とは、自分が好きな地方に寄付をすることです。
寄附金のうち2,000円を超える部分は、所得税の還付や住民税の控除が受けられます。
所得税や住民税を、自治体への寄付に置き換えるイメージです。
ふるさと納税がお得なのは、返礼品が充実しているからです。
お肉や野菜などの豪華な返礼品を用意している自治体にふるさと納税をすれば、食費を浮かせて節約することができます。
ただ、注意点が一つあります。
収入によって、ふるさと納税で得できる金額が変わることは覚えておきましょう。
ふるさと納税はやればやるほど得になりますが、還付や控除には上限があるため、無限にふるさと納税はできません。
貯金を増やす投資方法
貯金を増やす3つの方法のうち、最後の「投資」について解説していきます。
ここでは、初心者にもおすすめの7つの方法を紹介していきます。
投資方法①:投資信託
投資信託は、資産運用を投資のプロにお任せできる商品です。
株式や債券といったおおまかな投資先は自分で決める必要がありますが、具体的な銘柄選びは運用のプロであるファンドマネジャーに任せることができます。
投資信託のメリットは、プロに任せるため失敗しにいくいことです。
初心者にもおすすめな商品です。
投資信託のデメリットは、プロに任せるため運用中に手数料がかかってしまうことです。
投資の勉強をして初心者から抜け出したら、手数料が低い投資方法を始めてみても良いかもしれません。
投資方法②:ETF・REIT
ETF(イーティーエフ)は「上場投資信託」で、REIT(リート)は「不動産投資信託」のことです。
いずれも投資信託の種類であり、プロに運用を任せられる商品です。
ETFやREITのメリットは、投資信託よりも手数料が低い傾向である点です。
デメリットは証券取引所で売買するため初心者には少し難しいことです。
投資信託から始めて投資に慣れたら、ETFやREITを始めてみてはいかがでしょうか?
投資方法③:ポイント投資
ポイント投資とは、買い物やクレジットカードの利用で貯まるポイントを使って、投資商品を購入する投資法です。
ポイント投資のメリットは、お金を使わずに投資商品を買えることです。
タダで手に入れたポイントで投資商品を買えるので、リスクはゼロと考えられます。
デメリットとしては、ポイントを貯めるために散財しやすくなってしまうことです。
貯金には節約も重要なので、ポイントを貯めるために散財する癖はつけないよう気をつけましょう。
投資方法④:おつり投資
おつり投資とは、電子マネーで買い物をしたときの端数を自動的に投資するサービスです。
おつりを使う投資なので、1円から投資することができ、貯金感覚で始められます。
おつり投資のメリットは、自動的に投資されるサービスなので、投資の習慣が身についていない人でも続けられることです。
デメリットとしては、おつりを利用するため元手が大きくならず、利益も小さいことです。
投資方法⑤:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、毎月決まった金額を自動で多様な商品に投資してくれるサービスです。
投資先を選ぶときも、簡単なアンケートでリスク許容度を診断し、その人に合ったバランスで投資先を決めてもらうことができます。
ロボアドバイザーのメリットは、投資に詳しくなくても始められることです。
投資する商品はアンケートで決められますし、投資は自動で行われます。
デメリットとしては、手数料が高いことです。
とはいえ、初心者にとっては投資を丸投げできるので、ロボアドバイザーは便利なサービスです。
投資方法⑥:株式投資
株式投資は、投資家が株式を買うことでお金を企業に出資する投資です。
企業はそのお金で事業を行って利益を出し、投資家に「配当」という形で利益の一部を還元します。
株式投資のメリットは、株主優待ももらえることです。
一部の企業では株主優待の制度があり、株主は企業の製品やサービスの割引券をもらえます。
日常生活の支出を抑えられるので、投資とともに節約もできるのです。
デメリットとしては、取引が難しいことです。
ETFやREITと同様に証券取引所に注文を出すので、初心者にとっては難しいかもしれません。
投資方法⑦:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい人(投資家)」をインターネット上で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれます。
ソーシャルレンディングのメリットは利回りが高いことです。
これまで紹介してきた投資方法では1パーセントから5パーセントの利回りですが、ソーシャルレンディングは5パーセントから10パーセントの利回りも狙えます。
デメリットとしては、最近人気が高まっており申し込み件数が多く、狙った案件の先着や抽選に漏れることがある点です。
なお、ソーシャルレンディングについては詳しくこちらで解説しています。
初めて知ったという方は、ぜひチェックしておいてください!
貯金と投資の比較シミュレーション
毎年100万円を、貯金する場合と投資する場合とでシミュレーションをしてみましょう。
期間は20年で、貯金は利回りゼロ、投資は利回り5パーセントとしました。
貯金でも淡々と金額は増えていきますが、投資は後半で急激に金額が増えていきます。
20年かけると貯金は2,000万円ですが、投資は3,470万円を超えます。
投資をするかしないかで、1,470万円もの差がついてしまうのです。
なお、投資の利回りは5パーセントと仮定していますが、5パーセントを目指す投資方法だと「ソーシャルレンディング」「株式投資」「REIT」がおすすめです。
投資を始める際に覚えておきたいこと
ここまでで「投資をすれば貯金を増やせる」と説明してきました。
ですが、投資にはリスクがありますし、計画的に運用した方が貯金がたまりやすいです。
投資を始める際に覚えておきたいことを3つ紹介していくので、チェックリストとして使ってください!
ポイント①:リスクとリターンは比例関係にある
リターンが大きい投資方法はリスクも大きく、リターンが小さい投資方法はリスクも小さいです。
日常的にも使う「ローリスク・ローリターン」、「ハイリスク・ハイリターン」といった単語は、投資の本質を表しているのです。
つまり、貯金をたくさん増やしたいからといって、リターンの大きい投資方法ばかりを選んでいると、おのずとリスクの高い投資をすることになります。
ハイリターンの投資は失敗するリスクもそれなりに大きいため、お金を失う可能性も高くなってしまうのです。
貯金を増やすために投資をしているのに、失敗してお金をしなってしまっては本末転倒です。
まずはローリスク・ローリターンの投資から始めて、着実に運用していくことをおすすめします。
ポイント②:運用の目標とスタンスを決める
運用を始める前に目標金額と期間を決めます。
それに従ってリスクを取るべきか抑えるべきかがわかるので、運用のスタンスも決めます。
目標金額は「何のために投資をするのか」によって決まるでしょう。
例えば、老後の資産形成なら、一世帯当たり2,000万円が目安となります。
その理由は、2019年に金融庁が「老後にゆとりある生活を送るためには、年金以外に2,000万円ほどの資金が必要な可能性がある」と発表したからです。
人によって老後に必要な金額は異なりますが、まだ若くて老後の生活についてイメージできない人は、ひとまず2,000万円を目標にすると良いでしょう。
目標金額が決まると、自然に「いつまでに」貯める必要があるのかも決まります。
老後の資産形成なら退職するまでなので、60歳から今の年齢を引いた年数が期間となります。
最後にスタンスを決めます。
同じ2,000万円貯める場合でも、10年で貯めるにはハイリスクの投資をしなければ実現できないかもしれませんし、40年かけられるならローリスクな投資でも十分だと考えられます。
目標金額と期間によってどんな商品で運用するべきか異なるので、投資を始める前に目標を決めましょう。
ポイント③:貯金や投資は分散させる
まず、投資に回さず貯金のまま取っておくお金は必ず必要です。
全財産を投資に使うことは控えるようにしましょう。
いかなる投資であっても損をするリスクはあるので、最悪の場合には「ゼロになってしまっても許せる」と思える範囲で投資するようにしてください。
投資を始めるときも、投資先を分散させるようにしましょう。
1ヶ所に資産を集中させてしまうと、投資先が破綻したときに全ての資産を失ってしまうかもしれないからです。
複数の投資先に分けて投資していれば大損するリスクを下げられるため、「投資信託」「株式投資」「REIT」「ソーシャルレンディング」といったように、複数の商品を組み合わせましょう。
まとめ
貯金を増やすためには、「収入を上げる」「支出を抑える」「投資をする」の3つの方法しかありません。
この記事では、特に「投資」について詳しく解説してきました。
集中投資しないことなど、注意点を押さえていれば投資は怖いものではありません。
貯金を増やす3つめの方法である投資も活用して、資産を増やしていきましょう。