この記事は、「資産運用ってそもそも何?簡単に知りたい!」という方に向けて、資産運用の本質をお伝えします。
多くの方は、
- 資産運用って、お金持ちがする投資のことじゃないの?
- 資産運用なんてするほど家計に余裕がないし……
と思っているのではないでしょうか?
しかし、資産運用とはただお金を増やすためだけのものではなく、お金持ち専用の投資というわけでもありません。
資産運用とは大切な資産を守り、同時に増やしていくための行為です。
頑張って働いて得た資産をしっかり守り、減らさずに増やしていくことは、お金持ちに限らず多くの方にとって切実な問題ではないでしょうか?
当記事では、資産運用とは何かについて必要性とあわせて解説しながら、資産運用の種類や基本ルールも紹介していきます。
資産運用の本質を知り、ご自身の資産管理について考えるきっかけになれば幸いです。
資産運用とは?資産形成との違いを簡単に解説
資産運用とは何か簡単にお伝えすると、「大切な資産を守り、減らさずに増やしていくこと」です。
具体的には、手元にある資産の機能を活かして、お金がお金を増やす仕組みを作ることを指しています。
ここでは資産運用とは何か、資産運用と資産形成の違いとは何かを、わかりやすく解説していきましょう。
資産運用とは何か
資産運用とは、手元にある資産の機能を活かし、お金がお金を増やす仕組みを作ることです。
「お金がお金を増やす仕組み」と言うと、怪しい響きに聞こえるかもしれません。
しかし、あなたの持っている資産の多くには、もともと勝手にお金がお金を増やす仕組みが備わっています。
その最たる例が、銀行や郵便局への預貯金です。
銀行や郵便局にお金を預けると、預けた金額や期間に応じて利息がつきますよね。
いつでも引き出せる普通預金・貯金から、一定期間預け入れをする定期預金・貯金まで、そのすべてに利息が発生しています。
預貯金に利息がつくのは、私たちが預けているお金が銀行や郵便局によって運用されているからです。
銀行や郵便局は、顧客から集めた預貯金を元に、国債などへ投資したり、企業へ貸付したりして収益を得ています。
その収益を分配する仕組みが「利息」なのです。
つまり、私たちは自分のお金を預ける代わりに、間接的に資金を運用してもらい、利息という収益を得る「資産運用」をしていることになります。
このように、資産運用は誰にとっても身近なものです。
資産運用には、預貯金のように元本保証ありの貯蓄タイプのものから、元本保証なしで大きな利益を得る投資タイプのものがあり、さまざまな種類があります。
貯蓄か投資どちらが良い・悪いというものではありません。
自身にあった適切な運用方法を複数活用し、バランスよく運用していくことが大切です。
資産形成との違い
資産運用とセットで語られる言葉に「資産形成」があり、違いがよくわからないという方は多いと思います。
資産運用と資産形成の違いは、次のとおりです。
- 資産運用とは:今もっている資産を活用し、資産を増やすこと
- 資産形成とは:これから資産を作り上げていくこと
つまり、資産運用はすでに資産が(大なり小なり)ある前提ですが、資産形成はこれから資産を作っていく過程全般を表しています。
いずれも、自分や家族の将来のため、将来に向けて資産を育てて増やしていこうという目的は同じです。
この資産運用や資産形成をするための具体的な手段が、預貯金や投資といった資産運用方法になります。
なぜ資産運用が必要なのか?
近ごろは、新聞でもテレビでもインターネットでも「資産運用が必要だ」という言葉をひんぱんに見聞きしますよね。
先ほどお伝えしたように、資産運用には身近な預貯金という方法があります。
それでもなお、メディアや政府が「資産運用の必要性」を強く訴えているのは、何故なのでしょうか?
実は、いま資産運用の必要性が叫ばれているのは、従来の預貯金型・貯蓄タイプの資産運用では将来のさまざまなリスクに対応できないからです。
そのため、政府やメディアは従来の貯蓄中心の資産運用から、投資中心の資産運用へと転換することを進めているのです。
理由①:従来の貯蓄型資産運用では貯めた資産が目減りする可能性がある
今ひんぱんに投資型資産運用の必要性が叫ばれているのは、従来の貯蓄型中心の資産運用では、資産が目減りする可能性があるからです。
日本は少子高齢化により、将来的に公的年金の受給額は目減りする可能性が指摘されています。
しかし、老後資金が不足している中でも、日本人の寿命は延び続けています。
人生100年時代といわれる長い人生を暮らしていくためには、公的年金以外の老後のそなえを、各自でそなえておかなければいけません。
高齢化によって増大する社会保障費を補うためには、さらなる増税・社会保険料の値上げが行われる可能性もあります。
「給与は増えても手取り収入は少なくなっていく」という事態が発生するのです。
また、政府は現在2パーセントの物価上昇率を目標にしていますが、もし物の価値が上昇すれば相対的にお金の価値は下がります。
預貯金の平均金利が年0.001パーセントなのに、物の価値だけが2パーセントも上がれば、せっかく働いて貯めた資産は目減りしてしまいますよね。
このように、今の日本ではせっかく働いてせっせと年金保険料を支払い、しっかり預貯金をしていても、
- 老後資金は不足する(公的年金だけでは足りない)
- 貯めた資産の価値がどんどん目減りしていく可能性がある
のです。
理由②:「大切な資産を守るため」にも必要だから
資産運用の本質は「お金を守り・増やすこと」です。
働いて貯めた資産を守り増やす方法として、ひと昔前であれば預貯金だけで十分でした。
過去、預貯金の金利は年5パーセントを超えることもあり、稼いだお金は銀行や郵便局に預けるだけで勝手に増える時代だったです。
しかし、バブルが崩壊して数十年、2020年現在の普通預金金利の平均は年0.001パーセントです。
100万円預けても1年で10円ほどの利息しかもらえず、ただお金を預けているだけでは、資産は一向に増えません。
今の日本、そしてこれからの日本の現状で大切なお金を守り、減らさないためには、預貯金だけの運用には限界があるのです。
だからこそ、政府や各メディアは投資も含めた積極的な資産運用への転換を求めているのです。
「投資」というとお金を増やすことばかり強調されがちで、なんだかギャンブルのように感じる方もいると思います。
しかし、大切な資産の価値を守り減らさないためにこそ、投資も含めた資産運用が必要なのです。
資産運用には「貯蓄」と「投資」がある
資産運用の種類を簡単に分けると、「貯蓄型」と「投資型」の運用方法があります。
資産運用をはじめるときは、それぞれの特性を知ったうえで自分に適した方法でバランス良く運用をしていくようにしてください。
【貯蓄】元本保証あり、「守り」の資産運用
貯蓄とは、大切な資産の元本を守りつつ、確実に蓄えていく「守り」の資産運用です。
具体的には、銀行や郵便局への預貯金、会社で行う財形貯蓄などです。
元本保証があるため、冠婚葬祭などの臨時出費にそなえたり、使う時期が決まっている住宅購入の頭金を貯えたりすることに適しています。
ただ、今の日本の現状では、貯蓄だけの運用では資産が増えないどころか、将来的に減ってしまう可能性があります。
そのため、これからの資産形成には貯蓄を土台に投資も組み合わせた、バランスの良い資産運用が必要です。
【投資】元本保証なし、「増やす」資産運用
投資とは、成長する可能性のある企業やサービス、モノにお金をかけ、資産を積極的に「増やす」運用方法です。
具体的には、上場企業の株式に投資する株式投資、投資信託、FXなどがあり、運用方法は多種多様です。
そのため、ひと口に「投資」と言っても、その方法により、リスクやリターンの度合いは大きく異なります。
投資型の資産運用の多くは元本保証がありません。
ただ、個人向け国債など一部元本保証型の投資もあるため、運用方法別の特徴や元本保証の有無を確認し、自身い適した投資法を選ぶようにしましょう。
リスク・リターン別資産運用の種類
ここでは、リスクとリターン別に、資産運用の種類を簡単に紹介していきましょう。
それぞれの特性をよく理解したうえで自分に適した方法を複数組み合わせ、バランスの良い資産運用をしていくことが大切です。
「どの資産運用が良いか?儲かるか?」という視点で運用する方法を探すことはおすすめしません。
まずは、どんな運用方法があるのかを一通り理解し、自身に合う方法を見つけるようにしてください。
ローリスク・ローリターン資産運用
ローリスク・ローリターンの資産運用とは、何らかの形で元本保証があり、リスクが低い分リターンも低くなっている運用方法です。
ここではローリスク・ローリターン運用方法の代表格として、次の3つの資産運用方法について解説します。
- 定期預金
- 個人向け国債
- 貯蓄型保険
いずれも元本保証がありますが、運用方法によっては一定期間資金の引き出し制限があったり、期間によっては元本割れしたりします。
ローリスクや元本保証という言葉に安心せず、資金の換金性も確認したうえで適した運用方法を選びましょう。
定期預金(郵便局の場合は「定額貯金」)
銀行や郵便局に一定期間お金を預けて利息を得る運用方法。
普通預金と違う点は1か月~10年など、預け入れ期間が決まっていること。
普通預金よりもやや金利は高いが、預け入れ期間中に解約して資金を引き出すと金利が低くなる。
いつでも解約でき元本保証もあるため、最低限の生活費や臨時出費にそなえる方法におすすめ。
個人向け国債
日本国政府が発行する債券(いわゆる借用証書)に投資する運用方法。
国が発行していて元本保証があるため、安全性が高い投資と言われる。
定期預金よりも高い金利が保障されているのが魅力だが、預け入れ期間は3年・5年・10年のみと、期間のバリエーションは少ない。
発行後1年間は途中換金ができないため、数年間は使わない余裕資金の運用におすすめ。
貯蓄型保険
保険会社の販売している貯蓄型保険に契約する資産運用方法で、学資保険や終身保険、養老保険、個人年金保険などがある。保険期間は10年以上の商品が多く、満期前に解約すると元本割れする商品が多い。
保険と貯蓄がセットになっているため、保険期間中は死亡保障などの保障が受けられることが特徴。
子供の教育費や世帯主の死亡保障など、絶対に必要と思われるそなえを貯めながら運用する方法としておすすめ。
ローリスク・ローリターン資産運用 | ||||
---|---|---|---|---|
運用方法 | 最低運用金額 | 元本保証 | リターンの目安 | 取扱い金融機関 |
定期預金/定額貯金 | 1,000円から | 有り | 年0.01%~年0.02%程度
※メガバンクの10年定期預金金利を参照 |
銀行、郵便局 |
個人向け国債 | 1万円から | 有り | 0.05%~0.07%程度
※2018年~2019年の利回りを参照 |
銀行、郵便局、証券会社など各金融機関 |
貯蓄型保険 | ※保険商品と契約状況により大きく異なるが、月額保険料1万円以上の商品が多い | 満期後の解約では元本保証あり
※満期前の解約では元本保証がないことが多い |
※保険商品と契約状況により大きく異なる | 保険会社、一部銀行 |
ミドルリスク・ミドルリターン資産運用
ミドルリスク・ミドルリターンでできる資産運用とは、リスクもリターンもそこそこ(中間)の運用方法です。
短期間で2倍になるほど大きなリターンが見込めるわけではありませんが、ある程度運用していけば年数パーセント程度のリターンを見込めるのが特徴です。
ここではミドルリスク・ミドルリターンの運用方法として、次の3種類の資産運用方法を紹介しましょう。
- 投資信託
- ロボ・アドバイザー
- 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
投資信託
不特定多数の投資家から資金を集め、その資金を元にプロの運用会社が資産運用を行う金融商品。
運用会社は作成したファンド内に株や債券、不動産など複数の資産を保有し、運用を行う。
保有銘柄の選定や運用はプロにお任せで、世界中のさまざまな資産を少額で運用できる手軽さが魅力。
積極運用をするアクティブファンドと、市場の平均値に連動した成果を目指すインデックス・ファンドがある。
低リスクで運用できるインデックス・ファンドは低リスクで運用できるため、投資初心者におすすめ。
ロボ・アドバイザー
最新の金融工学などに精通したAI(ロボット)が運用の助言や運用をしてくれる、新しい資産運用。
運用を全自動でお任せできるタイプであれば、はじめに簡単な初期設定をするだけであとはほったらかしの完全自動運用が可能。
運営会社によりAIや運用の仕組みは異なるが、ETF(上場投資信託)や債券といった資産を活用しているものが多い。
資産運用にできるだけ手間をかけたくない、ほったらかしで運用したいという方におすすめ。
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
インターネット上で不特定多数から資金を集う、クラウドファンディングの仕組みを活かした投資型運用方法。
お金を借りたい企業や団体と、お金を貸して利益を得たい投資家をつなぐマッチングサービス。
投資家は数ヶ月から数年程度の短期間、間接的な融資を行うことにより、融資資金に応じた利息収入を得られる。
預貯金と違い元本保証はないが、比較的短期間で利益を得られる手軽さが魅力。
数年単位で余裕資金を運用し、利益を得たい方におすすめ。
ミドルリスク・ミドルリターン資産運用 | ||||
---|---|---|---|---|
運用方法 | 最低運用金額 | 元本保証 | リターンの目安 | 取扱い金融機関 |
投資信託 | ・投資信託
100円~1万円程度 ※ファンドにより異なる |
無し | 年3%~6%程度
※ファンドにより大きく異なる |
銀行、郵便局、証券会社 |
ロボ・アドバイザー | 1万円~10万円程度
※運用会社により異なる |
無し | 年3%~6%程度
※設定ポートフォリオにより大きく異なる |
ロボ・アドバイザー運営会社 |
融資型クラウドファンディング (ソーシャルレンディング) |
1万円程度
※案件により異なる |
無し | 年3%~10%程度
※案件により大きく異なる |
クラウドファンディング運営会社 |
ハイリスク・ハイリターン資産運用
ハイリスク・ハイリターンでできる資産運用とは、その名のとおり元本棄損の度合いも、得られる利益の度合いも高い運用方法です。
運用の仕方によっては、短期間でリターンが数倍になることもありますが、その分資産が半分以下になるリスクもあります。
ただ、ハイリスク・ハイリターンと言っても、活用方法によってはミドルリスクで運用できる場合もあり、一概に危険な投資というわけではありません。
しっかりと特性を理解し、他の低リスクな資産運用と組み合わせて上手に活用するようにしましょう。
ここではハイリスク・ハイリターンの運用方法として、次の2つの資産運用方法を紹介しましょう。
- 株式投資
- FX
株式投資
国内外の株式市場に上場している企業の株式銘柄に投資する、もっともポピュラーな資産運用方法。
国内の株式であれば保有期間に応じて定期的に配当金と株主優待が受け取れるほか、株式を売買したときに生じる売買益を得られる。
株式は日々相場が変動しており、値動きが激しいことが特徴。
特に、短期間での売買によって利益を得るデイトレードなどの運用方法は、リスクが高いと言われている。
反対に、中長期の銘柄保有によって配当利益を狙う場合は、ひんぱんに売買することがないため、ミドルリスクでの運用が可能。
FX
外国の通貨の為替に投資し、利益を得る資産運用方法。
変動が激しい「為替」に投資すること、少ない資金にレバレッジをかけ、高額な取引をすることから、リスクもリターンも高くなることが特徴。
最近では、システムが代わりに取引をしてくれる自動売買のFXや、積み立てでFXに投資する積立FXなど新しい運用方法がでてきていて、幅広い運用が楽しめるようになっている。
ハイリスク・ハイリターン資産運用 | ||||
---|---|---|---|---|
最低運用金額 | 元本保証 | リターンの目安 | 取扱い金融機関 | |
株式投資 | 国内株式の場合、
数十万円~数百万円 ※銘柄により異なる |
無し | 相場により大きく変動する |
証券会社 |
FX | 数千円
※投資通貨などにより異なる |
無し | 相場により大きく変動する |
FX会社 |
初心者が資産運用で失敗しないための基本ルール5つ
資産運用で失敗を防ぐもっとも簡単な方法は、基本ルールを理解しておくことです。
運用で失敗する方は、初心者だから失敗するのではありません。
「簡単に儲かるから」と言われ、流されるまま何も考えずに運用しているから失敗しているのです。
しかし、資産運用は周りに流されて始めるものではありません。
あなたがあなた自身の資産を守り、増やしていくために自己責任で行うものです。
これからお話する5つの基本ルールを守り、自己責任のもと資産運用を始めてください。
ルール①:現実的な目標を立てる
資産運用を始めるときは、運用方法別のリターンを鑑みて、現実的な目標を立てることが大切です。
目標を立てるときは、
- 何のために
- いくら必要なのか
- いつまでに貯めたいのか
を明確にして目標設定しましょう。
たとえば、「子供の大学費用を500万円、15年後までに貯めたい」とします。
運用方法別のリターンを参考に、運用期間15年で500万円貯めるには毎月いくら運用に回すべきなのか、運用に必要な資金額を算出しましょう。
はじめに資金の使用使途を明確にしておけば、「15年で500万円ためるには毎月〇万円必要だな」といった、具体的な運用目標を立てやすくなります。
運用目標がはっきりすれば、家計全体の資金管理もしやすくなるでしょう。
ルール②:投資タイプの運用は余裕資金で行う
投資タイプの資産運用をするときの大原則は、余裕資金で行うことです。
投資は大きなリターンを得られる可能性がある一方、一時的に資産が元本割れするリスクがあります。
投資で一時的に資産が目減りしても、ある程度時間をかければ相場が回復し、資産価値が戻ることはあるでしょう。
しかし、そんなときに失業や病気などで一時的に出費が重なれば、「資産価値が戻るまで待つ」ということができませんし、必要な資金をすぐ捻出できません。
投資を始めるときは、元本保証がある貯蓄タイプの資産運用で、最低限の生活防衛資金を確保しておきましょう。
生活防衛資金があれば、急な出費があったり収入が減ったりした際も家計への影響を最小限にできます。
貯蓄という守りの資産があるからこそ、投資で資産を増やせるのだということを、覚えておいてください。
ルール③:自身で理解できない運用は絶対しない
自身で仕組みを理解できない、よくわからない資産運用に手を出すのはやめましょう。
「人におすすめされたから」「実際に儲かっている人がいるから」「人気・話題だから」という理由で資産運用するのは絶対に危険です。
資産運用の元手となる資金はあなたのもので、運用結果はすべてあなたに返ってきます。
理解できない資産運用をして大損しても、資産運用は結局、自己責任です。
世間にはさまざまな資産運用がありますが、人によって向き・不向きがあります。
大切なことは、自身が理解できる運用であること、自身のリスク許容度や性格・価値観・運用方針に合っているかどうかということを、覚えておきましょう。
ルール④:1点集中運用はしない
同じ運用手法や同じ銘柄・商品に集中して運用しないということも大切です。
「元本保証の定期預金に100パーセント運用すれば、リスクはない」と思う方は多いのです。
しかし、先述のとおり預貯金だけの運用では将来資産が目減りする可能性があります。
資産運用で大切なのは、バランスです。
貯蓄型の運用と投資型の運用をバランス良く、さらに各運用手法の中で特定の商品や銘柄に集中運用することは避け、できる限り特性の違う方法を組み合わせることが大切ですよ。
ルール⑤:運用にかかるコストと税金を意識する
資産を確実に増やしていくためには、運用にかかるコストや税金を徹底して抑えることも必要になってきます。
一般的にほとんどの金融商品では、利益に対し20.315パーセントの税金が課されます。
さらに運用商品や運用手法によっては、証券会社などの金融機関、運用会社に一定のコストを支払わなければなりません。
「運用してせっかく利益が出たのに、税金とコストを差し引いたら実際の利益は微々たるものだった」なんてことになると、何のための資産運用かわかりませんよね。
資産運用の種類や方法によっては、NISAやiDeCoなどの節税制度が使える場合があるので、うまく活用しましょう。
また同じ資産運用方法でも、運用会社や金融機関によって商品やサービスのコスㇳが違う場合があります。
運用をはじめるときは、できる限り低コストな運用ができる会社や金融機関を選び、常に実利益を考えておくことも大切です。
まとめ
資産運用とは何か、簡単に端的に言えば「大切な資産を減らさずに守り・増やしていくために必要な行為」です。
銀行の預貯金も身近な資産運用の一つですが、預貯金だけでは大切な資産を守り切れません。
せっかく働いて貯めた資産が、時の流れとともに減っていくことは、誰だって避けたいですよね。
大切な資産を目減りさせないために、これからは預貯金などの貯蓄をベースに、投資も組み合わせた資産運用を行いましょう。
ご紹介した方法で貯蓄と投資、それぞれの特性を活かしてバランスよく運用していけば、大切な資産を減らさずに増やしていくことができるでしょう。