目次
資産運用方法を比較すべき理由
一口に「資産運用」と言っても、その方法にはさまざまなものがあります。
それぞれの資産運用の特徴を知っておかなかったばかりに、
- 想定していたよりも利益が出なかった
- 突然大きなリスクが発生して資金の大半を失ってしまった
といった不測の事態に陥りかねません。
そのようなリスクを避けるには、それぞれの投資手法の特徴を知った上で比較・検討することが重要なのです。
しっかりと比較する習慣をつければ、きっと資産運用で着実に利益を出せるようになるでしょう。
では、資産運用方法を比較するべき理由を4つお伝えしていきます。
- リスクが異なるから
- 利回りが異なるから
- 利益が出る仕組みが違うから
- 自分に合うものを探すべきだから
理由①:リスクが異なるから
リスクの幅を知ることで、適切な資産運用方法が選べます。
なぜなら、資産運用方法ごとにリスク、つまりどの程度損失が発生するかは異なるからです。
例えば、10万円を投資した場合、どんなに損失が大きくなっても、投資した10万円以上を失うことはないと思う人が多いでしょう。
しかし、資産運用方法によっては投資した金額以上の損失が発生することもあるのです。
つまり、10万円を投資したのに、20万円の損失が発生して元金を失ったばかりではなく、追加で10万円を支払わなければならないということもあり得るのです。
逆に、リスクが低い資産運用を選べば、損失が発生したとしてもよほどのことがない限り、10万円のうち1万円から2万円しか減らないものもあります。
リスクをどれくらい許容できるかは、自分が持っているお金の額によって異なります。
リスクを知れば、自分向きの資産運用方法を選べるのです。
理由②:利回りが異なるから
資産運用方法によってリスクは異なりますが、自分がどれくらい儲けられるのか、つまりリターンの大きさ(=利回りの高さ)が異なります。
例えば、10万円を運用した場合、利回りが高い方法であれば1年間で2万円から3万円の利益、つまり20パーセントから30パーセントと大きな利益が出るものがあります。
一方で、利回りが低い運用の場合、10万円を投資しても1年間の利益は500円や1,000円、つまり0.5パーセントや1パーセントしか利益が出ないものもあるのです。
どれくらい利益が欲しいのか、それも自分が持っているお金の額や収入によって異なります。
そして、資産運用ではリスクが高いものは利回りが高く、リスクが低いものは利回りが低いという関係になっています。
「低リスク」で「高利回り」という都合の良いものはありません。
それぞれの資産運用の利回りを知ることで、同時にリスクの高さと低さを知ることができるのです。
理由③:利益が出る仕組みが違うから
お金を運用する際に、それぞれの資産運用方法で利益が出る理由を知っておくことも重要です。
なぜなら、利益が出る仕組みを知っていれば、「この投資はリスクが高そう(低そう)だ」などと自分で判断できるようになるからです。
自分で考えられるようになれば、他人の意見や本を参考にするだけでなく、自分の考えに基づいて自分に合った投資スタイルを選べるようになります。
資産運用では、大きく分けて次の2種類の利益があります。
- インカムゲイン
- キャピタルゲイン
それぞれがどういった利益なのかについて解説するので、しっかりと押さえてください。
インカムゲイン
インカムゲインは、資産を保有している間、継続的に得られる利益のことです。
例えば、資産として賃貸用マンションを持っていたとしましょう。
それを人に貸し出せば、入居者が入っている期間中は継続的に家賃収入を得ることができます。
また、株式を所有している限り、株式を発行した会社から配当金を受け取り続けることができます。
このように、インカムゲインは安定した収入が得られることが特徴です。
その代わり、利回りは1パーセントから10パーセントほどと、そこまで高いものではありません。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは、資産を売却した際に得られる利益のことです。
例えば、1,000万円で購入した不動産を1,500万円で売却すれば、500万円の利益(キャピタルゲイン)を得ることができます。
同様に、100万円で購入した株式が値上がりして200万円で売ることができれば、100万円の利益(キャピタルゲイン)が発生します。
キャピタルゲイン目的の資産運用方法は、不動産や株式の相場の変動に合わせて、一度に大きな利益を出すことは不可能ではありません。
ただし、相場の変動によって利益の幅が変わるため、安定して利益が出るわけではありません。
インカムゲインとキャピタルゲインの特徴
一般的に、インカムゲインとキャピタルゲインは次のように分類できます。
- インカムゲイン:ローリスク・ローリターン~ミドルリスク・ミドルリターン
- キャピタルゲイン:ハイリスクハイリターン
インカムゲインは収入が安定するのに対し、キャピタルゲインは短期間で大きな利益を狙うものと思っておきましょう。
理由④:自分に合うものを探すべきだから
資産運用方法を比較する最大の目的は、自分が無理なく行える方法を選ぶためです。
資産運用は自分の生活費を削ってまでやるものではなく、あくまでも収入の中の余剰資金で行うべきものです。
資産運用を始める際にリスクの度合いや収益の額を知っていれば、
- 自分は毎月〇円の収入が欲しいから、〇円を資産運用に回そう
- 20〇〇年何月までに〇〇円欲しいから、リターンの大きな投資を選ぼう
などのように判断できます。
収入が少ない人は、毎月1万円ずつ投資に回す、逆にある程度余裕のある人は毎月10万円を投資に回すなどしても良いでしょう。
収入が少ない場合は損失が発生すれば生活に影響を及ぼす可能性がありますが、収入が多ければ影響が小さいと考えられるからです。
それぞれの資産運用方法の特徴をよく比較した上で、自分の収入や生活のスタイル、性格に合ったものを選びましょう。
資産運用方法を比較してみよう
それでは、実際に資産運用方法を比較してみましょう。
それぞれどのような特徴がある方法なのか、リスクやリターンについて解説していきます。
比較しながら、自分はどの方法を選ぶべきなのか検討してみてください。
まずは、紹介する資産運用方法の特徴を一覧表にまとめました。
運用方法 | リスク | リターン | 平均的利回り | 運用期間 | 手数料 | おすすめの人 |
---|---|---|---|---|---|---|
国債 | 国の破綻 | インカムゲイン | 0.05%~0.5% | 3年、5年など | 購入する金融機関により異なる | 元本を失いたくない人 |
社債 | 会社の倒産 | インカムゲイン | 0.5%~2% | 3年、5年など | 購入する金融機関により異なる | 国債よりも利益を得たいがリスクを抑えたい人 |
投資信託 | 経済危機 | インカムゲイン | 3%~5% | 自分で選べる | 運用手数料(1%~2%) | 資産運用に時間を掛けたくない人 |
iDeCo | 経済危機 | インカムゲイン | 3%~5% | 60歳まで | 運用手数料(1%~2%) | 所得税率が高い人 |
つみたてNISA | 経済危機 | インカムゲイン | 3%~5% | 最大20年間 | 運用手数料(1%~2%) | 所得税率が高い人 |
不動産投資 | 空室 | インカムゲイン | 4%~8% | 不動産を所有している期間 | 管理委託費(賃料の5%ほど) | 安定した収入が欲しい人
副業に取り組みたい人 |
株式投資 | 倒産 | インカムゲイン ・ キャピタルゲイン |
1%~3% | 短期~長期 | 1%~3%(配当金の場合) | 運用に時間をかけられる人 |
FX | 相場変動 | キャピタルゲイン | - | 短期 | 投資金額の0.1%ほど | 短期間で利益を獲得したい人
相場に目を光らせる時間のある人 |
仮想通貨 | 相場変動 | キャピタルゲイン | - | 短期 | 購入金額の1%ほど | 短期間で大きな利益を獲得したい人
情報収集力に秀でた人 |
ソーシャルレンディング | 貸し倒れ | インカムゲイン | 5%~6% | 数ヶ月~2年ほど | なし | 資産運用に手間を掛けたくない人
安定した収入が欲しい人 |
方法①:国債
国債とは、国が発行する債券のことです。
日本国は、国債を国民(投資家)に購入してもらうことで現金を得ます。
国債を購入した投資家は、所有期間中はずっと一定の利回りを毎年得ることができるインカムゲインの資産運用です。
運用期間は3年、5年などから選ぶことができ、満期になれば元本が返済されます。
年額を年利に換算した利回りは、0.05パーセントから0.5パーセントほどです。
100万円の国債を買えば、何もせずに500円から5,000円を毎年受け取ることができます。
手数料は国債を購入する金融機関により異なりますが、無料の金融機関もあります。
国債の最大のメリットは、リスクの低さです。
日本国という非常に大きな組織が発行しているので、倒産して債権が失われるリスクはほぼありませんし、債権の価値が大幅に低下することもありません。
利回りは低めですが、安定性は抜群です。
国債は、とにかく元本を失いたくない人におすすめです。
方法②:社債
社債は、株式会社が発行する債券です。
株式会社は社債を投資家に購入してもらうことで現金を得て、事業資金などに利用します。
社債を購入した投資家は、3年や5年といった運用期間中、一定の利回りを毎年得ることができるインカムゲインの資産運用です。
社債の利回りは0.5パーセントから2パーセントほどです。
手数料は社債を購入する金融機関により異なりますが、無料の金融機関もあります。
社債の利回りは国債よりも高いですが、運営元の安定性は国債に劣ります。
発行した株式会社が倒産するなどのリスクがあるからです。
大企業の社債を買えば、倒産するリスクは低いと言えるでしょう。
ソフトバンクなどの非常に規模の大きな会社の社債は人気があります。
国債よりも利益が欲しいが、リスクを抑えたい人向けです。
方法③:投資信託
投資信託とは、自分のお金を資産運用のプロに預けて運用してもらう方法です。
投資信託のメリットは、プロが運用するため初心者よりも利益が発生する可能性を高められることです。
そして、自分自身で資産運用する必要がない点です。
運用期間中は定期的に配当がありますし、運用期間も自分で選べます。
年間の平均的な利回りは3パーセントから5パーセントほどです。
プロが運営するだけに、リスクは比較的に低めです。
しかし、リーマンショックのような経済危機が発生すれば、損失が発生する可能性は十分にあります。
また、投資信託には運用手数料がかかります。
仮に投資信託を運用して損失が出たとしても、投資金額の1パーセントから2パーセント程度の運用手数料を支払わなければいけません。
投資家側からすれば、二重の出費に感じることでしょう。
それでも、初心者にとってリスクが比較的低く高い確率で利益が得られる資産運用方法だと言えます。
投資信託は、資産運用に時間を掛けたくない人におすすめです。
方法④:iDeCo
iDeCoとは、「個人確定拠出年金」の略称です。
投資信託の一種であり、国が指定した銘柄の投資信託を運用すれば、所得税が控除され、利益に課税されないという2つのメリットがあります。
投資信託の運用で発生した利益は、60歳から受け取ることができます。
自分で運用する必要なく、プロが運用してくれる点は投資信託と変わりません。
利回りも3パーセントから5パーセントほどです。
最大の特徴である控除ですが、サラリーマンであれば1年間に276,000円までをiDeCoに投資できます。
その年間の投資額の276,000円は、所得税の控除が受けられます。
例えば、所得税率が20パーセントからのサラリーマンの場合、
- 276,000円×20.315%(所得税率)=56,069円
もの税金が戻ってくるのです。
ただし、個人向けの年金制度ですので、60歳までに投資したお金や運用益を引き出すことができない点がデメリットです。
また、投資信託であるため運用手数料が発生し、確実に利益が出る保証はありません。
節税面で有利なので、所得税率が高い人におすすめです。
方法⑤:つみたてNISA
つみたてNISAもiDeCoと同様に、国が指定した銘柄の投資信託を定期的に購入する資産運用の方法です。
運用利回りは3パーセントから5パーセントほどと、一般的な投資信託と変わりません。
つみたてNISAには、投資信託の運用益が非課税になるメリットがあります。
投資可能枠は1年間で40万円、積み立て期間は最大で20年間です。
つまり、40万円×20年=800万円までの資産をつみたてNISAで運用できます。
しかも、得られた800万円の運用益は非課税です。
例えば、利回りが4パーセントの一般の投資信託で800万円を運用した場合、年間の収入は32万円です。
- 800万円×4%=32万円
さらに、32万円から所得税が引かれます。
所得税率が20パーセントからの場合、
- 32万円×20.315%(所得税率)=65,008円
が所得税として徴収されます。
しかし、利回りが4パーセントのつみたてNISAで800万円を運用すれば、年間の利益は同じ32万円ですが、所得税がまったくかかりません。
したがって、65,008円得するのです。
つみたてNISAも、所得税率が高く戻ってくる税金の額が大きい人向けです。
方法⑥:不動産投資
不動産投資は、自分が所有する不動産を他人に貸し出して家賃収入を得る投資手法です。
運用する不動産にはマンション、アパート、一戸建て住宅、土地など、さまざまなものがあります。
不動産投資のメリットには、「物件の運用を他人に任せられること」「家賃収入があるため比較的収入を安定させやすいこと」が挙げられます。
不動産投資では、一度入居者が決まれば、その人が住んでいる間は安定した収入が毎月入ってきます。
そのため、インカムゲインの資産運用方法としてメジャーなものです。
運用利回りは、自分で設定する家賃によって異なります。
一般的には、東京都内のマンションであれば4パーセントから7パーセントほど、アパートは5パーセントから8パーセントほどと言われています。
手数料は、管理委託費として家賃収入の5パーセントほどが相場です。
不動産投資は、住人との契約やクレーム対応、建物の清掃といった管理業務を不動産管理会社に任せることができます。
そのため、物件の購入以外に不動産の持ち主が行う作業はほとんどありません。
会員の方でも副業として十分に取り組むことができます。
不動産投資は安定した収入が欲しい人や、副業に取り組みたい人におすすめです。
方法⑦:株式投資
株式投資は、株式会社が発行する株券を証券市場で購入し、売買して利益を得る資産運用方法です。
キャピタルゲインの資産運用方法であり、株価が大きく上昇、もしくは下落すれば、それだけ利益を得るチャンスがあります。
株式投資の手数料は、購入手数料が購入金額の0.1パーセントから0.3パーセントほどかかります。
株式投資のメリットは、短期間で大きな利益を得らえる可能性があることです。
逆に、自分が想定した値動きとは反対の方向に株価が動いてしまうリスクがあり、利益・損失の額ともに大きくなる可能性を持っています。
また、株式を売買することで利益を得るだけではなく、配当金や株主優待といったインカムゲインが狙えることもメリットの一つです。
一攫千金を狙う人は株式相場を常にチェックして、キャピタルゲイン目的の売買で利益を出すことを目指すと良いでしょう。
一方で、それほど頻繁に株価をチェックしたくなく、安定した収入が欲しいという方は、配当金の高い会社の株式を購入し、インカムゲインを得ると良いでしょう。
配当金は利回りにすれば1パーセントから3パーセントほどです。
株式投資のリスクは、株式を発行する会社が倒産すれば、株券の価値はほぼゼロになってしまうことがあります。
また、会社の業績が悪化すれば、配当金や株主優待がなくなることもあり得ます。
そのため、投資先の選定が非常に重要です。
相場のチェックなど、株式の運用に時間をかけられる人におすすめの運用方法です。
方法⑧:FX
FXは「外国為替証拠金取引」の略称であり、外国の通貨を売買したり金利差によって利益(キャピタルゲイン)を得る方法です。
円やドルなどの各国の通貨は、相場が毎日変動します。
1ドルが100円のときもありますし、105円や95円のときもあります。
1ドルが100円のときに1万ドルを購入するには、100万円が必要です。
100万円で1万ドルを購入した後、1ドルが110円になったときに1万ドルを売却すれば、110万円の現金が手元に入ります。
つまり、為替の変動で10万円の利益を得ることができたことになるのです。
このように、相場の変動を見ながら通貨を売買して利益を得る方法です。
手数料は通貨ごとに異なりますが、投資金額の0.1パーセントほどが相場です。
さらに、FXには「レバレッジ」と言われる仕組みがあります。
レバレッジをかければ、自分の手持ち資金以上のお金を動かすことが可能です。
例えば、資金が10万円でもレバレッジを10倍かければ、
- 10万円×10倍=100万円
となり、100万円を運用することができます。
つまり、1ドル100円のときに自己資金として10万円を持っていれば、1万ドルを保有できるのです。
その後、1ドルが110円になって売却すれば、10万円の利益が手に入ります。
ただし、1ドルが90円になってしまえば10万円の損失が発生します。
このように、レバレッジを掛ける投資手法は非常にリスクが高いと言えます。
したがって、短期間で利益を獲得したい人、相場に目を光らせる時間のある人におすすめの資産運用方法です。
方法⑨:仮想通貨
仮想通貨は、ここ数年の間に誕生した新しい資産運用方法です。
そもそも、仮想通貨とは特定の国が発行したものではない通貨です。
最も有名な仮想通貨と言えば、Bitcoin(ビットコイン)でしょう。
そういった通貨をネットワーク上で取引しながらキャピタルゲインを得る方法です。
例えば、ビットコインが1枚30万円のときに購入して50万円で売却すれば、20万円の利益を得られるという仕組みです。
手数料は、購入金額の1パーセントほどです。
仮想通貨はさまざまな国で使うことができるのできますが、発行元が国ではないため信用にばらつきがあります。
そのため、価値が激しく変動するメリットとリスクが共存します。
新しく登場したばかりの仮想通貨は、価格が低いです。
価格が低い仮想通貨を買って大きく値上がりすれば、莫大な利益が出るでしょう。
このように、仮想通貨はリスク・リターンともに非常に大きい資産運用方法だと言えるでしょう。
仮想通貨は、短期間で大きな利益を獲得したい人や情報収集力に秀でた人におすすめです。
国内であれば国内最大級の仮想通貨取引所ビットフライヤーなどで取引してみてはいかがでしょうか。
ビットフライヤーは、国内の中では比較的多くの銘柄を取り扱っており取引高も安定。またハッキングなどで世間を騒がせたことも無くセキュリティ面でも世界の格付け機関などで高く評価されています。
販売所は少し手数料が高くなるため、仮想通貨を買う際には板取引を推奨します。
方法⑩:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、インターネット上でお金を投資したい個人と、お金が必要な事業者を結びつけるサービスです。
ソーシャルレンディング会社は、インターネット上で投資家から少しずつ資金を集めます。
そして、事業資金を必要とする会社に集めたお金を貸し出します。
その際に貸付金利を設定して融資しますが、金利分が投資家の収入(インカムゲイン)になります。
利回りは平均して5パーセントから6パーセントと、投資信託よりも高いです。
インカムゲイン目的の資産運用としては、かなり高めと言えます。
また、投資家にとって貸付金利が収入源になることから、収入額が最初から決まっていることも特徴です。
最初に定められた運用期間中、定期的に安定した収入が得られることがメリットだと言えるでしょう。
また、運用手数料は発生しないことも投資家にとっては嬉しいポイントです。
ただし、貸し付けである以上、お金を借りた会社が返済できなくなってしまうおそれがあります。
そのため、ソーシャルレンディングでは貸し付けの際に担保が設定されることが一般的です。
信頼のおける担保が設定された案件に投資すれば、毎月安定した収入を得ることができるでしょう。
ソーシャルレンディングは資産運用に手間を掛けたくない人、安定した収入が欲しい人におすすめの資産運用方法です。
なお、まだ比較的新しい方法であるため、初めて聞いたという方もいるかもしれませんね。
こちらで詳しく解説しているので、一度目を通してみてください。
目的別おすすめの資産運用
ここまで、9つの資産運用方法を比較しながら紹介しました。
自分の資産運用スタイルや投資に求めるものに合致するのはどれかまだ迷ってる方もいるでしょう。
そこで、目的別に資産運用方法を分けてお伝えしていきます。
自分が投資資産運用に求めるものをしっかりと見定めた上で、資産運用の方法を選ぶ際の参考にしてください。
低リスクの運用をしたい方向け
「お金を失うのは嫌だ」「絶対に利益を出したい」と考える方は、低リスクの資産運用の方法として「国債」や「社債」の購入をおすすめします。
なぜなら、運営元の信用性が高い投資だからです。
国債は日本国という最も信頼性のおける組織が発行している債権です。
その価値が失われることは、日本国が存在している限りはほぼなく、元本の損失が起こる可能性は極めて低いです。
所有しているだけで、わずかですが預金よりも高い利回りの収入が得られます。
社債は、国債よりはリスクが高めです。
それでも、大企業の社債は倒産の可能性は低いため、大変手堅い資産運用方法です。
利回りも国債より高く、100万円投資すれば年間で1万円の利益は期待できます。
短期的に利益を出したい方向け
短期的に利益を出した人は、「キャピタルゲイン」を目的とした資産運用がおすすめです。
インカムゲインを狙った方法は資産の保有期間に応じて資産が増えますが、キャピタルゲインを狙った方法は相場が大きく動けば動くほど、利益を一気に獲得できます。
そのため、「株式投資」や「FX」を選ぶと良いでしょう。
特に、FXはレバレッジをかけて小さな自己資金で大きな金額を動かせます。
日本のFX会社では、手持ちの資金の最大25倍までレバレッジを掛けられます。
なお、キャピタルゲイン投資で利益を出すためには適切なリスク管理や相場の変化の見極め、今後の予測が重要だということは忘れないでください。
中長期的に資産を増やしたい方向け
短期で利益を出さなくても良いけれど将来的に利益を出したいという方や、老後の生活資金を確保したい方に向いているのは、「iDeCo」と「ソーシャルレンディング」です。
iDeCoは確実に手持ちの現金を増やすことができ、ソーシャルレンディングはコツコツ投資と複利運用しやすいメリットがあるからです。
iDeCoは節税できるので、確実に手持ちのお金が増えます。
また、60歳になるまで運用しているお金を引き出せないため、強制的に中長期てきに資産を運用できます。
ソーシャルレンディングは1万円からの小口投資ができるため、自分のペースで投資を続けやすいです。
また、毎月配当金を得られるため、その配当を複利投資(利益を再度投資)していけば、非常に高い利回りを得ることができます。
毎年30万円、年利6パーセントで20年間ソーシャルレンディング投資をした場合、単利運用と複利運用では次のような差が出ます。
年 | 複利運用(円) | 年間利益(円) | 単利運用(円) | 年間利益(円) |
1 | 300,000 | 18,000 | 300,000 | 18,000 |
2 | 600,000 | 36,000 | 611,880 | 36,713 |
3 | 900,000 | 54,000 | 936,110 | 56,167 |
4 | 1,200,000 | 72,000 | 1,273,180 | 76,391 |
5 | 1,500,000 | 90,000 | 1,623,598 | 97,416 |
6 | 1,800,000 | 108,000 | 1,987,893 | 119,274 |
7 | 2,100,000 | 126,000 | 2,366,613 | 141,997 |
8 | 2,400,000 | 144,000 | 2,760,331 | 165,620 |
9 | 2,700,000 | 162,000 | 3,169,640 | 190,178 |
10 | 3,000,000 | 180,000 | 3,595,158 | 215,709 |
11 | 3,300,000 | 198,000 | 4,037,526 | 242,252 |
12 | 3,600,000 | 216,000 | 4,497,413 | 269,845 |
13 | 3,900,000 | 234,000 | 4,975,510 | 298,531 |
14 | 4,200,000 | 252,000 | 5,472,540 | 328,352 |
15 | 4,500,000 | 270,000 | 5,989,253 | 359,355 |
16 | 4,800,000 | 288,000 | 6,526,427 | 391,586 |
17 | 5,100,000 | 306,000 | 7,084,874 | 425,092 |
18 | 5,400,000 | 324,000 | 7,665,435 | 459,926 |
19 | 5,700,000 | 342,000 | 8,268,986 | 496,139 |
20 | 6,000,000 | 360,000 | 8,896,438 | 533,786 |
中長期的な複利運用をソーシャルレンディングで行っていけば、大きな利益を獲得できることがわかるでしょう。
まとめ
資産運用方法10種類を比較して紹介しました。
一口に資産運用と言ってもさまざまな方法があり、利益が出る仕組みも異なります。
リスクとリターンの幅も異なります。
ただし、原則として「リスク」の大きさと「リターン」の大きさは比例することを知っておいてください。
つまり、「ローリスク・ハイリターンと」いう美味しい話はありません。
これを意識しておくだけで、大きな失敗は避けられるでしょう。
今回お伝えした内容を参考にして自分にあった資産運用方法を選び、実際に試してみることをおすすめします。
複数の方法を試していくことで、だんだんと自分に合うもの・合わないものがわかるようになりますよ。