コロナショックの影響により、株式市場やREIT市場などさまざまな市場の価格が下落しています。
その中で、なんと過去最高値を記録した投資商品があります。
それは「金」です。
金はもともと不況に強いといわれています。
金相場の動向を確認するとともに、今投資すべき対象が何なのかについて考察してみましょう。
目次
金の取引価格が40年ぶりに最高値を更新
2020年4月13日(月)、金地金の店頭販売価格は過去最高値となる6,513円を記録しました。
これまでの最高値は、1980年に1月に付けた最高値6,495円でしたが、40年ぶりにその数字を更新したのです。
金価格の過去の価格推移は次のようになっています。
年 | 平均価格(グラム当たり)[円] |
---|---|
1973 | 958 |
1974 | 1,598 |
1975 | 1,616 |
1976 | 1,257 |
1977 | 1,341 |
1978 | 1,343 |
1979 | 2,218 |
1980 | 4,499 |
1981 | 3,311 |
1982 | 3,068 |
1983 | 3,296 |
1984 | 2,808 |
1985 | 2,490 |
1986 | 2,044 |
1987 | 2,133 |
1988 | 1,845 |
1989 | 1,725 |
1990 | 1,826 |
1991 | 1,609 |
1992 | 1,446 |
1993 | 1,328 |
1994 | 1,312 |
1995 | 1,209 |
1996 | 1,405 |
1997 | 1,337 |
1998 | 1,287 |
1999 | 1,069 |
2000 | 1,014 |
2001 | 1,105 |
2002 | 1,296 |
2003 | 1,399 |
2004 | 1,472 |
2005 | 1,619 |
2006 | 2,287 |
2007 | 2,659 |
2008 | 2,937 |
2009 | 2,951 |
2010 | 3,477 |
2011 | 4,060 |
2012 | 4,321 |
2013 | 4,453 |
2014 | 4,340 |
2015 | 4,564 |
2016 | 4,396 |
2017 | 4,576 |
2018 | 4,543 |
2019 | 4,918 |
1999年以降は、ずっと右肩上がりで価格が上昇してきたことがわかります。
特に、2008年のリーマン・ショック時でも価格が下がらなかったことは、注目に値するでしょう。
金は手堅い投資先として人気
なぜ、金はこのように堅調な価格推移を見せているのでしょうか?
その人気の理由を考えてみましょう。
コロナショックでの下落幅は小さい
2020年以降の金の取引価格はコロナショックの影響を受け、3月中旬には下落していました。
出典:田中貴金属工業
しかし、アメリカの経済対策が発表され、相場がいったん落ち着きを取り戻したことにより、金に投資家の資金が流入しています。
その結果、過去最高値をつける結果になっているのです。
では、なぜ金に資金が集まるのか?
それが、金は地球上にある総量が決まっており、今後増えることのない資源だからです。
市場で流通される量が限定されており、装飾品などで金を保有する人が増えれば、市場に変わる金の量は減少します。
だからこそ、金価格は年々上昇しているのです。
大幅な相場の上昇は起こらないかわりに、手堅い投資先として人気があります。
特に、今回アメリカが株式市場の下落を食い止めるために、政策金利を2パーセント弱から、ほぼ0パーセントにまで引き下げました。
金利目的で米ドルに投資していた資金が、金に流れたことにより価格が上昇したのです。
「REIT」や「株式」は暴落
では、金がどれほど手堅い投資先であるのか、日本のREITや株式市場の相場推移と比較して見てみましょう。
東証REIT指数の推移
出典:SBI証券
日経平均株価の推移
出典:SBI証券
この2つのグラフを見ればわかるように、東証REIT指数、日経平均株価とも大きく価格が下落しています。
2020年4月に入ってからは上昇傾向にはあるものの、下落開始前には程遠い相場です。
不況の時ほど強いことが金の特徴と言えるでしょう。
景気の先行きが見えないときの手堅い投資先
2020年4月現在、コロナショックは未だ終息が見えず、一番底は脱したものの今後二番底が来る可能性も高いです。
相場の暴騰と暴落が起こる中、安定した収益を得るために役立つ投資先は一体何でしょうか?
投資先①:金積立
先ほど挙げたように、金価格は現在上昇しており相場が安定しています。
先行きが見えないほど、安定した投資先に資金が集まるものです。
金積立投資をこれから始めることを検討してみても良いかもしれません。
積立投資なので一気に大きな利益を獲得することはできませんが、コツコツ積立てることで、将来の資産形成につながります。
投資先②:太陽光発電
相場に影響されにくい投資先を選べば、コロナショック下でも投資で利益を得られます。
そのような特徴を持つのが「太陽光発電施設」への投資です。
太陽光発電施設は、発電された電力を国が一定価格で買取してくれる契約を結んでいます。
そのため景気の影響を受けず、一定の収益を上げることができるのです。
それでも、太陽光発電装置へ直接投資するとなると、数千万円の資金が必要となってきます。
そのような資金を用意できない方は、「ソーシャルレンディング」を通して太陽光発電施設への投資を検討してると良いでしょう。
ソーシャルレンディングは、1万円から投資することが可能です。
詳しい仕組みについてはこちらを確認してください。
また、太陽光発電装置への投資案件は想定利回り6パーセントから8パーセントとかなり高い利回りとなっています。
僅かな資金でも始められ、かつ高い収益性を持つ投資先をして最近人気のソーシャルレンディング。
太陽光発電装置への投資案件も多数提供されているため、ぜひ投資を検討してみてください。
投資先③:不動産投資
もう一つ、不景気の影響を受けにくい投資手法が居住用不動産を対象とした不動産投資です。
不動産投資でもホテル関係の案件は大きな損失が発生していますが、マンションなど居住用住宅への投資案件は、景気の影響を受けにくいです。
こちらは、2004年以降の東京都内の家賃相場の推移です。
出典:マンション経営大学
リーマンショック時、また東日本大震災の直後でも、家賃相場はほぼ変動することなく一定の水準を保っていることがわかります。
マンションは人が生活する以上必ず必要なものであるため、需要が絶えることなくまた家賃相場も変動が起こらないからです。
ただし、不動産投資も自分で物件を購入すると、1,000万円以上の資金が必要となります。
いきなりそのような資金を用意することは難しいでしょう。
一方、「不動産投資型クラウドファンディング」であれば、1万円から投資が可能です。
不動産投資型クラウドファンディングは、不動産会社が物件購入のためにインターネット上投資家から資金を集めます。
投資家から集めた資金で不動産を購入し、運用益を投資家に分配するという仕組みです。
そのため、投資家は実物の不動産を持たなくて良いため、不動産投資よりもリスクを抑えることができる投資方法です。
また、少額から始めることができるため、投資初心者の方にも始めやすいです。
こちらで詳しく解説しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
総評:まとめ
コロナショックの先行きが見えない中、投資家心理はより保全性が高くより手堅い投資先に資金を回す傾向が見られます。
その最たるものが「金」であり、それゆえ2020年4月13日(月)に過去最高値を記録したと言えるでしょう。
また、金投資以外にも太陽光発電装置や居住用マンションを対象とした不動産投資は景気の影響を受けにくいため手堅い収益を見込めます。
コロナショックで収入が減ってしまった方は、これらの投資にチャレンジして収入減少を補うことを考えてみてはいかがでしょうか?