投資を始めるなら、できるだけ「高利回り」の投資をしたいですよね。
少ない資金でも大きな利益を出せるかもしれないので、「利回りは高い方が良い!」と思う人は多いでしょう。
投資にはさまざまな方法があるので、低利回りから高利回りまでさまざまです。
この記事では、高利回りな投資方法にはどんなものがあるのか解説していきます。
目次
「高利回り」の目安
この記事では、「5パーセント以上」を高利回りとして解説していきます。
5パーセントの利回りだと、100万円を投資したときに1年後に5万円儲けが出て105万円になります。
一般的に、投資で期待できる利回りは1パーセントから5パーセントが目安です。
平均的な目安を超えられる場合を高利回りとするのは妥当でしょう。
ただし、利回りとリスクは概ね比例します。
高い利回りを求めるなら、それなりのリスクを取らなければなりません。
【目的別】高利回りの投資方法の選び方
投資にはたくさんの種類があるため、種類を絞り込む必要があります。
その判断となるのが、「何のために高利回りの投資をしたいのか」という目的です。
ここでは3つの具体例を挙げるので、どれが自分に当てはまるか考えみてください。
将来の資産形成をしたい人
まず、目的が「将来の資産形成」の人です。
目標の金額に達するまで、ある程度の長い時間をかけられる人が当てはまります。
時間をかけられるなら、高利回りでも5パーセントから10パーセントほどの利回りが取れれば良いでしょう。
高利回りの投資の中では、比較的低リスクで運用ができます。
具体的な投資商品としては、次のようなものがおすすめです。
- 米国株式
- 米国ETF
- ヘッジファンド
商品の詳細は後でお伝えします。
資産を2倍以上に増やしたい人
次に、「3年で資産を2倍に増やしたい!」など、「急速に資産を増やす」目的がある人です。
3年で資産を2倍にするには、利回り25パーセント以上を実現しなければならず、ギャンブル要素のある投資方法を選択する必要があります。
これだけの高利回りを狙うことは決して不可能ではありませんが、非常にリスクも高いです。
投資の初心者にはおすすめできない方法です。
具体的な投資商品には次のようなものが挙げられます。
- 株式
- FX
- 仮想通貨のデイトレード
商品の詳細は後でお伝えします。
不労所得が欲しい人
最後に、「不労所得」が目的の人です。
高利回りで分配金などを受け取れる投資をすれば、少ない資金でも十分な不労所得を得られるかもしれません。
例えば、分配金利回りが10パーセントの投資をしたと仮定しましょう。
1,000万円投資すれば、1年で100万円の分配金という大きな不労所得を得られるのです。
一方で、一般的な投資の利回りは3パーセントほどなので、30万円の不労所得しか得られません。
不労所得を狙うなら、分配金の利回りが高い投資をしましょう。
不労所得を狙う場合におすすめの投資商品には次のようなものがあります。
- REIT(不動産投資信託)
- 高配当
- 優待株式投資
- ソーシャルレンディング
商品の詳細は後で解説します。
将来の資産形成ができる高利回りの投資方法
まずは、「将来の資産形成」が目的の場合におすすめの高利回りの投資方法を解説していきます。
おすすめ①:米国株式・米国ETF
アメリカの市場に上場している株式やETFは高利回りで、長期の資産形成に向いています。
利回りは7パーセントほどが期待できます。
また、資金は数千円程度で始められます。
まず、「株式」は投資家がお金を企業に出資する投資です。
企業は利益の一部を投資家に「配当」として還元します。
次に、「ETF」(イーティーエフ)は「上場投資信託」のことで、投資家から集めたお金をまとめ、投資のプロが株式などで運用する商品です。
株式に投資するETFは、大量の株式に投資できる商品です。
アメリカ市場は日本と異なり、比べて右肩上がりで成長してきた歴史があります。
リーマンショックのような暴落もありましたが、長い目で見れば安定的な上昇相場でした。
今後も人口増加や経済成長が予想されており、上昇相場が続くと考えられるため、長期の資産形成に向いています。
おすすめ②:ヘッジファンド
ヘッジファンドはETFに似ており、プロに資産運用を任せる商品です。
ETFよりも運用会社による運用方法の自由度が高く、「絶対収益」を期待できる特徴があります。
平均的には、10パーセントほどの利回りが期待できます。
「絶対収益」とは、市場が上昇しても下落しても利益を出す投資方法です。
一般的な投資方法は「相対収益」といって、市場の上下動にある程度連動するものです。
先ほど紹介した「米国株式」「米国ETF」も同様です。
ヘッジファンドの場合、市場が下落しても利益を追求するため、より高利回りを狙えるのです。
ただ、ヘッジファンドは始めるための資金が高額です。
「米国株式」「米国ETF」は数千円で始められますが、多くのヘッジファンドは最低申込金額が1,000万円となっています。
したがって、投資に回せる資金が1,000万円以上ある人は、ヘッジファンドを検討してみてはいかがでしょうか?
そうでなければ、「米国株式」「米国ETF」で資産形成することをおすすめします。
資産を急激に増やせる高利回りの投資方法
次に、「資産を急激に増やす」ことを目的とした場合の投資方法について解説します。
大きなリターンを求めるため、リスクも非常に大きいことが特徴です。
投資の初心者にはおすすめできませんが、投資に慣れている人や、少しの資金でギャンブル的に投資を楽しみたい人は、挑戦してみてはいかがでしょうか?
おすすめ①:株式のデイトレード
株式を「安く買って高く売る」方法で、大きく儲けることが可能です。
1日で売買を終えるデイトレードなら、1年で20パーセント以上の利回りを実現できるかもしれません。
ただし、一握りの上手い人だけが得をして、その他大勢はマイナスの利回りになる厳しい世界です。
なぜ多くの投資家がマイナスの利回りになるかというと、市場が思ったとおりに動くとは限らないからです。
思い描いたとおり「安く買って高く売る」ことができれば良いのですが、想像と逆の方向に動いてしまい、「高く買って安く売る」こともしばしばです。
株式投資におけるデイトレードは難易度が高い投資方法なので、万人におすすめすることはできません。
短期的な株価のゆらぎの予想を当てるのはとても難しく、投資の経験と知識がある人でも勝ち続けることは難しいです。
おすすめ②:FX
FXは、為替相場の値動きを利用して利益を上げる投資方法です。
例えば、1ドルが100円のときに100ドルを1万円で買っておき、1ドルが110円に値上がりしたら100ドルを売って1万1,000円を手に入れるという仕組みです。
「安く買って高く売る」という意味で、株式投資のデイトレードと似ています。
FXでも、25パーセントほどの利回りを期待することはできます。
しかし、FXも一握りの上手い人が資産を1.5倍から2倍に増やしている反面、大勢はマイナスの利回りとなっています。
ほとんどの人はマイナス5パーセントほどの利回りとすら言われるほどです。
ただし、株式のデイトレードや仮想通貨よりは難易度が低めです。
メジャー通貨なら市場の参加者が多いため、値動きが安定しやすいからです。
それは、数人が「意図的に価格を吊り上げる」といった操作ができないからです。
また、FXは手数料が比較的安めです。
難易度が高いことは変わりませんが、ギャンブル的な投資をしてみたいなら、FXは良いかもしれません。
おすすめ③:仮想通貨
仮想通貨の取引も、株式やFXと同様です。
円と仮想通貨、または仮想通貨同士の価格が時々刻々と動くため、「安く買って高く売る」ことで利益を出します。
仮想通貨が大流行した2017年頃は、保有しているだけで価格が上がり、誰でも儲かる相場でした。
しかし、2018年初めの大暴落以降、FXは株式と同様に市場の予想が難しい相場になってしまいました。
上手い人なら1年で2倍の資産を築ける可能性はありますが、ほとんどの人はマイナスになる投資方法です。
仮想通貨も難易度が高過ぎるため、万人におすすめできる投資方法ではありません。
ギャンブルだと思って取り組むと良いでしょう。
不労所得が得られる高利回りの投資方法
続いて、長期の資産形成ではなく、今すぐに不労所得が欲しい人に向いている投資方法について解説します。
投資する金額のわりに多くの分配金などを受け取れることが特徴です。
おすすめ①:REIT(不動産投資信託)
REIT(リート)は「不動産投資信託」のことで、不動産に投資するETFのイメージです。
分配金利回りは4パーセントから6パーセントなので、1,000万円を投資すれば1年間で40万円から60万円の不労所得を得られる計算です。
REITは投資のプロが不動産で運用し、利益を投資家に分ける商品です。
都心のオフィスビルなど収益性が高い不動産に投資ができるため、高利回りが期待できるのです。
おすすめ②:高配当・優待株式投資
国内の株式にはさまざまな種類があります。
不労所得狙いの人は、高配当の株式か株主優待が充実している株式に投資すると良いでしょう。
国内の株式の場合、配当利回りが3パーセントから4パーセントほどの株式が狙い目です。
1,000万円を投資したとすれば、1年間の不労所得は30万円から40万円ほどが期待できます。
高利回りとするには、少し利回りが足りなく感じられるかもしれません。
それは、株式そのものの価格上昇を加味しない、配当のみの利回りの話をしているからです。
株式そのものの価格の上昇は1パーセントから3パーセントほど見込めるため、配当利回りと合わせて4パーセントから7パーセントほどの利回りが期待できます。
また、配当利回りが小さくても、「株主優待」の内容によっては高利回りと言って良い株式もあります。
「株主優待」とは一部の企業が実施しているもので、自社製品やサービスの割引券を株主に配布する制度です。
店頭で買ったら高い商品を無料でもらえることもあり、株主優待をお金に換算すると利回りが5パーセントを超えるケースがあります。
おすすめ③:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい人(投資家)」をインターネット上で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれます。
ソーシャルレンディングの利回りは5パーセントから10パーセントが目安です。
1,000万円を投資すると、50万円から100万円の不労所得を手に入れることができる計算です。
銀行の融資が足りない企業が資金調達に使っていることが多く、比較的リスクは高めの投資方法です。
利回りが高いのは、リスクが高いからだと考えてください。
そのため、全財産をソーシャルレンディングに振ることはおすすめできません。
ソーシャルレンディングについて詳しく知りたい方は、こちらをしっかりとチェックしてからが良いでしょう。
投資を始める前の注意点
投資を始める前に、3点ほど注意していただきたい点があります。
理解してから投資を始めることをおすすめします。
注意点①:元本割れする可能性がある
投資は元本保証ではないため、運用に失敗すればお金が減ってしまいます。
例えば、100万円を投資しても失敗して80万円に減ってしまうということがあり得るのです。
預金と異なり、投資には元本割れのリスクがあります。
生活するのに必要な資金は投じず、「余剰資金」を使うようにしてください。
注意点②:リスクとリターンは比例関係にある
前の項目でも触れましたが、リスクとリターンは概ね比例します。
つまり、高い利回りを狙うには、高いリスクを取る必要があります。
リスクを低く抑えたいなら、リターンも低くなります。
ローリスク・ハイリターンといった都合の良い投資方法はありません。
例えば、「資産を短期間で2倍にしたい」といった高い目標がある人は、25パーセントなど高い利回りを狙う必要があります。
しかし、一般的な投資方法では1パーセントから3パーセントなのに、25パーセントもの高い利回りを求めるなら、それ相応の大きなリスクを取ることになります。
「FX」や「仮想通貨」について難易度が高いと説明しましたが、リスクが非常に高く簡単には儲けられないからです。
リスクとリターンは概ね比例するため、高利回りの投資をしたいなら、ある程度のリスクは覚悟してください。
利回り5パーセント以上の投資でも、一般的な投資から見ればハイリスク・ハイリターンです。
注意点③:売買手数料がかかる
投資商品を買ったり売ったりするときには、手数料がかかります。
手数料を支払う回数や金額が多いほど、投資家にとって無駄な支払いが増えるということなので、利回りは下がります。
とはいえ、長期の資産形成や不労所得狙いの投資ならあまり気にする必要はないでしょう。
一度購入した銘柄を長く保有する投資方法を取るため、売買の手数料は少なく抑えられます。
売買手数料が問題になるのは、「株式のデイトレード」「FX」「仮想通貨」です。
これらの投資方法は積極的に「安く買って高く売る」ことを繰り返して利益を出します。
そのため取引の回数が多くなり、売買手数料がかさみやすいのです。
手数料分を上回る利益を出すのが難しいことも、これらの投資方法の難易度を押し上げています。
以上のとおり、投資商品を売買するときには、手数料がかかることを覚えておきましょう。
利回りを上げるために活用すべき制度
投資で利回りを下げる要因に、「税金の支払い」があります。
投資で得られる利益には約20パーセントの税金がかかるため、利回りが下がってしまうのです。
「国内株式」「米国株式」「米国ETF」であれば、NISAを使えば節税できます。
では、詳しく解説していきましょう。
NISA
NISAは、株式や投資信託などによる運用益が非課税となる制度です。
例えば、1万円の利益が出た場合は約2,000円は税金として支払い、約8,000円が投資家の利益になります。
ところが、NISA口座で出た利益であれば税金はかからず、投資家が1万円の利益を手に入れることができます。
NISA口座では、毎年120万円までの元本を投資することができます。
ただし、期限に限りがあり、5年間だけ使える制度です。
NISAのメリットは、投資できる商品の幅が広いことです。
国内株式はもちろん、米国株式・米国ETFも対象です。
一方、NISAのデメリットとしては5年しか使えないことが挙げられます。
ただ、金融庁がNISAの期間延長を考えているため、今後改善される可能性はあります。
その他
他にも、「つみたてNISA」「iDeCo」といった節税できる制度があります。
ただ、高利回りの投資をするならNISAの方がおすすめです。
「つみたてNISA」「iDeCo」では、「国内株式」や「米国株式」「米国ETF」への投資ができないからです。
まとめ
高利回りの投資方法や、自分に合った投資の選び方について解説ました。
一口に「高利回り」と言ってもたくさんの種類があり、目的によって何に投資すれば良いのか異なることを覚えておいてください。
また、リスクとリターンは比例関係にあるため、利回りだけを追求しているとリスクを取りすぎてしまう可能性があります。
予想外のタイミングで暴落して資産を減らしてしまうリスクがあるので、現金や預金もある程度は蓄えておくなど、運用で失敗する怖さが和らぐ工夫もしておきましょう。