「老後に2,000万円足りなくなる」問題など、お金の不安は日々私たちを悩ませます。
その解決策の一つとなるのが「投資」ですが、貯金や給与が少ない人は「自分なんて投資を始めても仕方ない」と思い込んでいませんか?
実は、世の中には10万円から始められる投資方法は山ほどあるのです。
今回はリスクとリターンの大きさ別に9個の投資法を紹介していきます。
資産運用の必要性や、投資を始めるときに注意したいことについても解説していくので、この記事を読んで投資を始めるきっかけにしていただければと思います。
目次
資産運用が必要な理由
10万円からでも資産運用を始めた方が良い理由は、次の3点です。
- 預金金利が低すぎるから
- 物価上昇に負けてしまうから
- 老後資金を自分で作る必要があるから
そもそも、10万円といった少ない金額でも投資を始めた方が良いのか迷っている人は多いでしょう。
しかし、投資額が多い人も少ない人も、投資は早いうちに始めた方が良いですよ。
理由①:預金金利が低すぎるから
預金金利は最高でも0.2パーセントほどと、非常に低くなっています。
10万円を預けても1年後に10万0,200円にしかならず、200円しか儲からないのです。
一方で、投資なら3パーセントほどの利回りでお金を増やすことができます。
10万円を投資すれば1年後に10万3,000円程度になるので、預金に比べて投資の方が圧倒的に魅力的であることがわかるでしょう。
理由②:物価上昇に負けてしまうから
「預金金利が低くても、多少の利息は付くのだから問題ない。これからも投資せず、預金を続ける」と考えている人は、未来が心配になる可能性が高いです。
というのも、預金や現金は物価上昇に負け、実質的に「何もしていないのにお金が減る」と考えられるからです。
日本の政府は物価上昇率の目標を年率2パーセントとしています。
これは、モノの値段は毎年2パーセントずつ上昇していくと言い換えられます。
つまり、資産も2パーセント以上の利回りで増やさないと、モノの値段に資産が負けてモノを買えなくなってしまうのです。
そのため、物価上昇に負けないように資産を増やすためには、2パーセント以上の利回りが見込める投資をしていく必要があります。
理由③:老後資金を自分で作る必要があるから
老後に豊かな生活を送るには、年金だけでは生活費が5万円足りないという資産が金融庁から公表されました。
老後に苦労しないで済むよう今から資産を作っておくために、長期投資を始めて資産を育てていくことをおすすめします。
10万円で投資はできる?
結論から言えば、10万円でも投資は始められます。
利益を出すことは可能ですし、大きくお金を増やせる投資法も存在します。
経済・金融にも詳しくなれるので、一石二鳥です。
利益を出すことは可能
投資は金額の大小に関係なく、利益を出せるものです。
利回りが5パーセントなら、10万円を投資すれば10万5,000円に、100万円を投資すれば105万円に、1,000万円を投資すれば1,050万円に増えます。
投資金額が大きいほど儲けも大きくなりますが、投資金額が少なくても利益は出すことができます。
大きくお金を増やせる可能性がある
この後紹介する「株式投資」「FX」「仮想通貨」といったハイリスク・ハイリターンの投資方法であれば、1年でお金を20パーセントほど増やすことが可能です。
ただし、このような投資で成功するには投資の経験を積まなければならず、誰にでも20パーセントの利回りが可能なわけではないことを覚えておきましょう。
経済・金融に詳しくなる
投資をするメリットはお金が増えるだけでなく、経済や金融に詳しくなるメリットもあります。
どのような仕事についている人にとっても、日本や世界の経済状況や、取引先の財務状況などを理解することは役に立ちます。
投資をすることで知識を深めるきっかけも増えるので一石二鳥なのです。
10万円で始められる投資方法:ローリスク・ローリターン
では、これからは10万円でも始められる投資方法を具体的に紹介していきます。
まずは、ローリスク・ローリターンの投資手法として、次の2つを紹介していきます。
- おつり投資
- ポイント投資
投資方法①:おつり投資
おつり投資とは、電子マネーで買い物をしたときの端数を自動的に投資するサービスです。
端数はロボアドバイザー(後述)などで運用されます。
「おつり」を使う投資なので、1円から投資することができます。
おつり投資の利回りは、投資する商品によるのでさまざまですが、3パーセントほどと考えておきましょう。
おすすめの理由
おつり投資は買い物で出た端数を自動的に投資に回してくれるサービスなので、投資の習慣がない人でもお金を貯めやすいです。
サラリーマンでも主婦でも、買い物を全くしないと言う人はいませんよね。
誰でも気軽に始められて投資の習慣がつくので、おつり投資は万人におすすめです。
おすすめの10万円の使い方
おつり投資は、投資資金の10万円とは別に始めるのが良いでしょう。
「買い物で使わなかったお金」を投資するサービスなので、日常で支出をしながらおつり投資に取り組みましょう。
投資方法②:ポイント投資
ポイント投資とは、買い物やクレジットカードの利用で貯まるポイントを使って、投資商品を購入する投資法です。
利回りは商品によりますが、株式に投資するなら2パーセントから5パーセント、投資信託に投資するなら1パーセントから3パーセントほどです。
おすすめの理由
ポイント投資のメリットは、お金を使わずに投資商品を買えることです。
現金とポイントを併用して投資商品を買うこともできるので、現金を節約することができます。
しかも、ポイントだけを使って投資するなら自分の現金を使わなくて良いので、失敗しても全く損をしたことになりません。
気軽に挑戦できるのがポイント投資のメリットです。
10万円と資金が少ない人は、現金だけでなく貯まったポイントも投資に有効活用していきましょう。
おすすめの10万円の使い方
楽天ポイントやTポイントを使って、株式や投資信託を購入することができます。
10万円で買えない商品がある場合、ポイントを足しにして買えないか考えてみましょう。
また、10万円を他の投資法に使った場合でも、ポイント投資は別に始められる場合があります。
日々の買い物やクレジットカード利用によって貯まったポイントだけでも株式や投資信託が買えるので、たくさんポイントが貯まったら投資商品を買っていきましょう。
10万円の資産運用におすすめの投資:ミドルリスク・ミドルリターン
続いては、10万円から始められる投資方法の中でも、ミドルリスク・ミドルリターンの手法を紹介していきます。
解説していくのは次の4つです。
- ロボアドバイザー
- ソーシャルレンディング
- 投資信託
- ETF
投資方法①:ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、設定した金額で毎月自動で投資をしてくれるサービスです。
どのような商品を買い付けるのが良いか、運用を始める前に簡単なアンケートで診断してくれます。
利回りは投資する商品によってさまざまですが、3パーセントほどと考えておきましょう。
また、ロボアドバイザーの最低投資額は、1万円に設定されていることが多く、誰でも始めやすいことが特徴です。
おすすめの理由
ロボアドバイザーがおすすめの理由は、投資の手間がかからないからです。
金額設定だけしておけば毎月自動で投資をしてくれるので、投資をする習慣が身についていない初心者でも、投資を続けることができます。
日常生活では投資のことを忘れていても大丈夫ですよ。
おすすめの10万円の使い方
ロボアドバイザーなら、アンケート結果に基づいて投資先を自動的に分散してくれるので、10万円をまとめて預けても問題ないでしょう。
できればお給料もらうたびに追加でロボアドバイザーに投資をしていくと、早くお金を増やすことができます。
投資方法②:ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングは、「お金を借りたい企業(借り手)」と「お金を貸したい人(投資家)」をインターネット上(オンライン)で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種であり、「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれます。
ソーシャルレンディングの利回りは5パーセントから10パーセントで、高利回りであることが特徴です。
基本的に、1万円から始められるソーシャルレンディング業者が多いです。
おすすめの理由
ソーシャルレンディングの利回りは5パーセントから10パーセントほどであり、他の金融商品と比べて最も高いです。
利回りが高いほど資産を早く増やせるので、10万円と資金が少ない人に特におすすめできます。
おすすめの投資方法
できれば10万円を小分けにして、ソーシャルレンディングのさまざまな案件に投資をしていくのがおすすめです。
万が一1つの案件が破綻してしまったとしても、他の案件で利益を出すことができるからです。
投資方法③:投資信託
投資信託は、資産運用のプロである運用会社に資産運用をお任せする投資商品です。
投資先は株式や債券などですが、具体的な銘柄選びなどは運用会社に任せることができます。
投資信託の利回りは、1パーセントから3パーセントほどです。
おすすめの理由
投資信託の良いところは、初心者でも安心して投資を始められることです。
プロに資産運用を任せることができるため、経験のない投資初心者でも投資で大失敗するリスクがとても低いのです。
おすすめの10万円の使い方
インターネット証券会社を使えば、投資信託は100円から始められるので、複数の名柄に分散して投資しましょう。
あまり多いと管理が大変なので、5名柄に2万円ずつ投資してみると良いでしょう。
また、投資先は分散させるようにしてください。
例えば、5つの銘柄に投資するなら、「日本株式」「日本債券」」「日本不動産」「海外株式」「海外債券」のように分けると、リスクがバランス良く分散されます。
投資方法④:ETF(上場投資信託)
ETFは投資信託によく似ており、資産運用を運用のプロに任せられる商品です。
投資信託と異なるのは、株式と同様に証券取引所で売買されていることです。
なお、ETFの利回りは3パーセント前後です。
おすすめの理由
メリットは、ETFもプロに投資を任せられるため、初心者でも失敗しにくいことです。
しかも、投資信託よりも手数料が低い傾向にあるので、利益を出しやすいです。
おすすめの10万円の使い方
10万円でETFに投資するなら、3万円前後で買えるETFを見つけ、3名柄を購入することがおすすめです。
一つの名柄に資金を集中させるより、分散させた方が値動きが小さく抑えられ、低リスクな運用ができます。
10万円の資産運用におすすめの投資:ハイリスク・ハイリターン
では、10万円でも始められる投資方法の中でもハイリスク・ハイリターンに分類されるものを解説しましょう。
次の3つについてお伝えしていきます。
- 株式
- FX
- 仮想通貨
投資方法①:株式
株式投資は、投資家が株式を買うことでお金を企業に出資する投資です。
企業はそのお金で事業を行って利益を出し、投資家に「配当」という形で利益の一部を還元します。
株式投資利回りは、3パーセントから5パーセントほどと高めです。
しかも、株価が値上がりすれば買ったときよりも高く売ることができるので、売却益という大きな利益を手に入れられる可能性があります。
おすすめの理由
株式投資は配当を受け取ったり、株価の値上がりに伴う売却益を得たりすることで利益を出すことができます。
また、企業によっては株主優待の制度を導入していることがあり、自社製品やサービスの割引券をもらうこともできます。
自社製品や割引券を上手に活用することで、節約にもなるのでおすすめです。
おすすめの10万円の使い方
多くの株式は、10万円以内で購入することができません。
株式は100株単位で購入することが一般的であるため、株価が2,000円ほどであっても20万円が必要になってしまうのです。
ただ、最近では1株単位で株式を購入できるサービスが増えています。
このようなサービスを利用し、小額で複数の株式を購入するのがおすすめです。
投資方法②:FX
FXとは、為替市場の変動を利用し、外貨の売買でお金を稼ぐ投資法です。
例えば、1ドル=100円のときに100ドル買うと、必要な日本円は1万円です。1ドル=110円になったときに100ドルを売れば1万1,000円となるため、1,000円儲かったことになります。
実際には1ドル=100円から110円へと極端に相場が動くことは少ないのですが、FXで稼ぐ仕組みは上述のとおりです。
FXは、プロのトレーダーの場合は20パーセントの利回りを稼ぐこともあります。
一方で、FXは、稼げない人が多くほとんどの人は利回りがマイナスになっている難しい取引でもあるので、まずは少額で試してみると良いでしょう。
おすすめの理由
基本的に24時間いつでも取引できるので、忙しくて日中に投資の時間を取れない人にもおすすめです。
また、少ない資金で大きく儲けられる可能性があることも、FXがおすすめな理由の一つです。
「レバレッジ」といって、自分が持っているお金以上のお金を借りて取引することもでき、上手く行けば一晩で投資額に対して20パーセント以上の利益を上げられることもあります。
おすすめの10万円の使い方
上述したように難しい取引なので、少額から始めるのが良いでしょう。
最低4,000円ほどから始められるので、まずは4,000円から始めてみてはいかがでしょうか。
10万円から4,000円を引いた残りの9万6000円は、株式や投資信託など他の投資をしておくことをおすすめします。
まずは4000円でFXを試し、自分に合っていると感じたら追加資金を投入していくと良いでしょう。
投資方法③:仮想通貨
仮想通貨もFXに似た仕組みで儲けを出すことができます。
仮想通貨を円に換算した価格は常に変動するので、「安く買って高く売る」ことで儲けることができます。
おすすめの理由
仮想通貨の取引は、この記事で紹介した投資法の中で唯一、24時間365日できる取引です。
相場がクローズしないので、土日や夜中に取引したいサラリーマンにもおすすめです。
おすすめの10万円の使い方
仮想通貨は値動きが激しく、買った瞬間に相場が急落して資産が半減してしまうことがよくあります。
そのため、10万円すべてを仮想通貨に使ってしまうことはリスクが高くおすすめできません。
まずは、1万円ほどを入金してタイミングをずらして少額ずつ買って行くことをおすすめします。
例えば、1日1,000円ずつ10日かけて購入するといった具合です。
価格が上がって利益が出たら、売っていきましょう。
残りの9万円は、株式やソーシャルレンディングなど別の投資方法で運用することがおすすめです。
仮想通貨の取引が自分に合っていると感じたら、追加で資金を投入しましょう。
10万円で投資を始めるときの3つの注意点
投資を始める際には注意しなければならないことが3つあります。
それぞれ重要なポイントなので、詳しくお伝えしていきますね。
- 売買の前に手数料を確認する
- 分散投資する
- 追加資金を捻出する
注意点①:売買の前に手数料を確認する
株式や投資信託、仮想通貨などの取引には、原則として手数料がかかります。
手数料が高いと投資による利益よりも手数料が上回り、結果的に損をしてしまうことになります。
できるだけ手数料が低い商品を選んだり、手数料を上回る利益を出せそうな投資法を選んだりしましょう。
注意点②:分散投資する
投資先を一つに集中させると、その投資先が破綻したときに10万円すべてを失ってしまうことになりかねません。
投資先を分散させて複数に分けることにより、全てを失うリスクを下げることができます。
注意点③:追加資金を捻出する
投資の利回りは高くて10パーセントほどなので、10万円を投資しても1年後に11万円になるだけです。
1万円の儲けでも大きいですが、もっと早くお金を増やすためには、元手を大きくしなければなりません。
追加資金を捻出し、早く資産を増やしましょう。
10万円で初めて投資するならソーシャルレンディングがおすすめ
これまで解説してきたように、10万円でもさまざまな商品に投資することができます。
中でも一番おすすめなのはソーシャルレンディングです。
ソーシャルレンディングは利回りが5パーセントから10パーセントと高いため、お金を早く増やすことができます。
10万円を投資し、さらに追加資金を捻出して高利回りなソーシャルレンディングで運用すれば、短期間で効率よく資産形成をすることができます。
なお、ソーシャルレンディングについて詳しくはこちらで解説しています。
10万円をうまく運用したい方、失敗したくない方は目を通しておくことをおすすめします。
まとめ
10万円で始める投資について解説してきました。
おすすめの投資法を9個おさらいしておきましょう。
- おつり投資
- ポイント投資
- ロボアドバイザー
- ソーシャルレンディング
- 投資信託
- ETF
- 株式
- FX
- 仮想通貨
基本的には、リスクの低い投資法からチャレンジしていくことがおすすめです。
10万円でも利益を出すことはできるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。