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ソーシャルレンディングでセミリタイアは可能?
ソーシャルレンディングでセミリタイアを目指す人が増えているようです。
セミリタイアとは、「今まで蓄えてきた貯蓄や不労所得をベースに生活し、生活費の不足額はわずかな労働収入で補う」というライフスタイルのことです。
セミリタイアということばにはっきりした定義はありませんが、早期退職を示すアーリーリタイアとは異なり、労働を完全にやめるわけではなく、「労働時間を抑えて生活する」という点が大きな特徴です。
ただ、労働時間を抑えるためには不労所得の確立が必要不可欠です。
そこで、多くの投資家が目を付けたのが、手間暇をかけずに不労所得が得られるソーシャルレンディングです。
ソーシャルレンディングは資産価値の変動が少なく、比較的ミドルリスクで安定した利益を得られる投資方法です。
ソーシャルレンディングで一定の収入源を確保できれば、労働時間を減らしてゆとりを持ったセミリタイア生活も可能になるかもしれません。
仕事に追われて心身をすり減らすハードな生活をやめ、毎日の生活をじっくりと楽しむ余裕を持つ。
そんな快適な暮らしができれば理想ですが、ソーシャルレンディングでセミリタイアは本当に可能なのでしょうか?
これから、ソーシャルレンディングでセミリタイア生活をするうえで大切なポイントと必要な資金について解説していきます。
ソーシャルレンディングでセミリタイア生活を考えている人はぜひ、参考にしてくださいね。
ソーシャルレンディングでセミリタイア実現に必要なもの
ソーシャルレンディングでセミリタイアするためには、さまざまな準備が必要です。
最低限の準備として、まず次の3つが必要でしょう。
- セミリタイア後の生活設計を立てる
- 元手となる投資資金を用意する
- 労働と投資の収入を確立させる
ひとつひとつ具体的に説明していきますね。
1.セミリタイア後の生活設計を立てる
セミリタイアに必要な資金を考える前に、まずセミリタイア後に送りたい生活イメージをしっかり持つことです。
どのような生活を送りたいのかがはっきりしていないと、そもそもセミリタイア後に必要な収入が見えてきません。
セミリタイア後に必要な生活費は希望するライフスタイルや持ち家のローン状況などで大きく変わります。
自分や家族の環境に適した生活設計を立てることが大切なのです。
セミリタイア後の生活設計を立てる場合は、
- 現役時代と変わらない生活水準で暮らしたいのか
- 生活水準を下げる場合、どこまで下げられるのか
- 労働時間の割合をどれくらいにするのか
これらのポイントをふまえ、家族としっかり相談し、無理のない計画を立てるようにしましょう。
2.元手となる投資資金を用意する
セミリタイア後の生活設計を立て、必要な生活費の目安ができたら、次は投資の元手となる資金を用意しなくてはなりません。
ソーシャルレンディングは、一定期間資金を貸し付けることで利益を得る投資です。
つまり、「一定期間手をつけなくても問題ない余裕資金」が十分にないと、継続的に利益を得ることができません。
ソーシャルレンディングで安定的な収入を確保するには、ある程度まとまった投資資金が必要になのです。
ただ、貯蓄の全額を投資に回すのは危険です。
病気など何かトラブルがあったときにすぐ使える貯蓄と、投資用の資金は分けて用意するようにしてくださいね。
3.労働と投資の収入を確立させる
セミリタイア生活を有意義なものにするためには、
- 労働収入
- 投資収入
の2つを安定的に得なければいけません。
- 労働収入と投資収入はどれくらいの割合で生活するのか?
- どのような労働で収入を得るのか?
など、細かく決めておきましょう。
ソーシャルレンディングは投資ですので、損失が出る可能性はゼロではありません。
万が一損失が出て、投資収入が減った場合に頼りになるのは労働収入です。
多くの場合、正社員時代は時給2,000円ほどだった人でも、アルバイトやパートタイムで労働収入を得る場合の時給は1000円ほどになります。
たとえパートタイムで正社員と同じ時間働いたとしても、得られる収入は激減します。
安定的な労働収入を少ない時間で得るためには、自分のスキルや強み、経験を活かせる仕事を確保しておき、高い時給を維持できるようにすることが必要です。
労働と投資、2つの収入の柱をしっかりと確立させておきましょう。
セミリタイアのために必要な投資資金
ソーシャルレンディングでセミリタイアするためには、元手となる投資資金が必要であるとお伝えしました。
セミリタイア後の生活水準をどうするかでも必要な資金額は変わりますが、ここでは年間100万円から200万円の投資収入を得るために必要な資金の目安をご案内します。
年間100万円稼ぐために必要な資金
ソーシャルレンディング投資で年間100万円を稼ぎたい場合、必要な投資資金の目安は次のとおりです。
利回り | 必要な投資資金 |
6%の案件 | 約2,084万円 |
8%の案件 | 約1,563万円 |
※源泉徴収される約20%分の所得税を差し引いて計算しています。
※ファンドの運用期間はすべて1年という前提で計算しています。
年間100万円稼ぐ場合に必要な投資資金は、約1,563万円から約2,084万円です。
利回りによっても必要資金額が大きく異なるのがわかりますね。
単身者の場合、一般的な家計の支出額は年間200万円前後といわれています。
投資収入100万円+労働収入100万円でセミリタイア生活を目指す単身者なら、これくらいの投資資金を用意しなければいけないということです。
年間150万円稼ぐために必要な資金
ソーシャルレンディング投資で年150万円を稼ぎたい場合、必要な投資資金の目安は次のとおりです。
利回り | 必要な投資資金 |
6% | 約3,125万円 |
8% | 約2,344万円 |
年間150万円をソーシャルレンディングで稼ぐ場合に必要な投資資金は、約3,125万円から約2,344万円です。
150万円となると、必要資金額も一気に跳ね上がります!
夫婦2人の家庭であれば、年間300万円前後の収入があれば最低限の生活は可能でしょう。
投資収入150万円+労働収入150万円でセミリタイア生活を目指す夫婦2人なら、これくらいの資金が必要ということになります。
年間200万円稼ぐために必要な資金
ソーシャルレンディング投資で年間200万円を稼ぎたい場合、必要な投資資金の目安は次のとおりです。
利回り | 必要な投資資金 |
6% | 約4,167万円 |
8% | 約3,125万円 |
年間200万円稼ぐ場合に必要な投資資金は約3,125万円から4,167万円です。
マイホームを買えそうな金額になってきましたね。
先述したような夫婦2人の家庭であれば、年間200万円の投資収入に労働収入100万円~150万円を合わせれば一般的な生活水準の暮らしはできそうです。
子供がいる家庭の場合はさまざまな費用がかかるため、投資収入をもっと増やすか、労働収入をもっと増やすかで対応しなければいけません。
これまで紹介した年間100万円、150万円、200万円稼ぐための計算は、所得税20%という前提で計算しています。
労働収入と投資収入の合計所得額によっては、所得税の税率は低くなる可能性も高くなる可能性もあります。
ソーシャルレンディングを収入の柱にする場合は、所得税の税率もふまえて投資額を考えるようにしましょう。
税金計算については、こちらで詳しく解説していますよ。
ソーシャルレンディングで投資資金を準備する
ソーシャルレンディングでセミリタイア生活をするためには、先ほどお伝えしたように数千万円の投資資金が必要になります。
一般的な会社員が貯めるには難しいと思うかもしれません。
しかし、今からソーシャルレンディングで毎月コツコツ投資をしていき、投資をして得た分配金をまた投資に回していけば、「複利効果」を活かして1,000万円の資金を貯めることも不可能ではありません。
では、複利効果について詳しく解説しましょう。
複利効果とは
複利効果とは、資産運用で得た利益を再び投資に回して運用することで、利息がさらに利息をつけ、トータルリターンが大きくふくらむことをいいます。
資産運用のトータルリターンを大きくするうえで複利効果の活用は欠かせません!
たとえば、100万円の投資資金を単利(投資元本だけに利息が付くこと)と複利とで資産運用した場合、これだけの差が生まれるのです。
【単利と複利の差】100万円を投資した場合のシミュレーション
1年後 | 3年後 | 5年後 | 10年後 | 20年後 | |
複利 | 105万円 | 約116万円 | 約128万円 | 約162万円 | 約265万円 |
単利 | 105万円 | 115万円 | 125万円 | 150万円 | 200万円 |
投資資金100万円が、10年後には12万円、20年後には65万円の違いになっています。
もし、上記の初期投資資金100万円にプラスして毎月5万円積み立てることができれば、10年後の資産は937万円になります。
いま貯金額が少なくても、時間を味方につける複利効果を使ってソーシャルレンディングを続ければ、10年間で約1,000万円もの資産形成が可能になるわけです。
「ソーシャルレンディングでセミリタイアしたいけど、投資資金が足りない」という方は、まず投資を始め、投資で得た分配金をさらに投資に回すことで複利効果を活用した資産運用をすることをおすすめします。
セミリタイアのする際の注意点
ソーシャルレンディングでセミリタイア生活を目指す場合、次の注意点があります。
- 元本割れリスクや償還遅延リスクがある
- 分配金収入が入るタイミングがバラバラ(一定ではない)
- 利回りは一定ではない
- 人気の案件はすぐに募集が終了してしまう
いずれも、ソーシャルレンディング投資ゆえのリスクですね。
これらのリスクに対応するためには、業者や案件を複数にわけてリスクを減らす「分散投資」が基本です。
リスク対策は他の記事で詳しく紹介しています。
必ず確認しておいてくださいね。
また、どれだけリスク対策をしていても損失が出る可能性はあります。
その際には、労働収入や貯蓄で補填できるよう、収入の柱と資産基盤をしっかり確立しておくことが大切なのです。
まとめ
ソーシャルレンディングでセミリタイア生活をする場合のポイントと必要な投資金額をお伝えしました。
労働時間を減らして毎日の生活をより豊かに、ゆとりをもって楽しめるセミリタイア生活をするには、ある程度の投資資金が必要です。
セミリタイア生活を始めたいと思ったら、まずは元手として必要な投資資金を準備しましょう!
安定的に高い利回りを確保できるソーシャルレンディングであれば、複利効果を活用して資産を大きくすることができます。
セミリタイア生活を充実したセカンドライフにしたいなら、ソーシャルレンディングでしっかりと資産形成をすることから始めましょう。
ソーシャルレンディングでセミリタイアを進める前には、デメリットもしっかりと把握しておいてください。
こちらで詳しく解説していますので、必ずチェックしましょう。