100万円の貯金が貯まったことをきっかけに、資産運用に興味をお持ちではないですか?
最近は100円から投資できるサービスも増えているため、100万円もあればさまざまな投資方法の中から、自分に合ったものを選べます。
この記事では、100万円で資産運用を始めるとどんなふうにお金が増えていくのかシミュレーションを通じて学んでいきましょう。
100万円以下で始められる投資方法もたくさん解説していくので、自分に合った投資商品を見つけるヒントにしてください。
目次
100万円で資産運用は始められる
資産運用というとお金持ちがやるイメージかもしれませんが、最近はそうでもありません。
最近は1万円くらいの資金で投資を始めることができますし、商品によっては100円や1円といった小さな金額から始めることができます。
100万円も貯まったなら、これをきっかけに資産運用を始めてみてはいかがでしょうか?
銀行預金に100万円を預けておいても金利はほとんどゼロなので、利息でお金を増やすことは無理と言っても過言ではありません。
ですが、資産運用なら1パーセントから5パーセントほどの利回りが期待できます。
100万円を投資すれば、1年間で1万円から5万円の利益が期待できるというわけです。
手間がかからない投資方法を選べば、ほとんど何もせずに1万円から5万円の利益が得られます。
運用に失敗するリスクもあるため後ほど詳しく解説しますが、まずは運用するとどんな良いことがあるのかを押さえていきましょう。
運用シミュレーション
100万円を投資すれば1年で1万円から5万円ほどの利益が期待できると説明しましたが、これを毎年繰り返していくとお金がどんどん増えていきます。
得られた利益を翌年の運用に回せば、元本がどんどん増えていくからです。
これについて、シミュレーションして確認していきましょう。
100万円を、利回り1パーセントと利回り5パーセントで運用した場合、資産はどのように成長するのでしょうか?
20年間運用すると、100万円は次のグラフのように増えていきます。
20年間運用すると、利回りが1パーセントの場合は約122万円に、利回り5パーセントの場合は約265万円に増やすことができました。
元本は100万円だったので、投資で2倍以上に増やせる可能性もあるということがおわかりいただけたでしょう。
さらに、利回りは高い方が資産を早く増やせることがわかります。
利回りが高い投資方法はリスクも高いのですが、利回りが高い投資方法はお金が少なくて早く資産を増やしたい人に人気があります。
積み立て投資でさらにお金を増やせる
先ほどのシミュレーションは、元本の100万円だけを運用していく場合でした。
ですが、さらに追加資金を投じていくと、もっと早くお金を増やすことができます。
元本100万円に加え、毎年12万円ずつ積み立て投資をして、利回り5パーセントで20年間運用する場合もシミュレーションしてみましょう。
元本100万円だけの運用なら約265万円でしたが、毎年12万円ずつの積み立て投資を加えると、お金を約682万円に増やすことができました。
追加資金も加味すると元本は340万円になるため、約2倍に増やすことができることがわかります。
元本を投資するだけでなく追加で投資を続けていくことで、大きな資産形成ができるのです。
資産運用は若い人ほど有利
「やっと貯まった100万円を運用したい」という方の多くは、20代から30代の若者ではないでしょうか。
投資は長い時間をかけるほどお金を増やしやすいため、退職するまでに時間がある若いうちから始めることがおすすめです。
同じように、100万円を利回り5パーセントで運用する場合をシミュレーションしてみましょう。
比較するのは運用期間で、20年と40年の場合で比べてみましょう。
追加資金はなしで元本100万円を運用すると、次のような結果になります。
20年間の場合は約265万円になりましたが、40年間の場合は約704万円になります。
運用期間が20年から40年に伸びただけで、お金が2倍以上に増えたことがわかります。
運用できる期間が長いほど、多くの利益を再投資してまた多くの利益を生むというサイクルを繰り返せるため、40年の方が圧倒的にお金が増えるのです。
ここでシミュレーションした仮定は、決して絵空事ではありません。
40歳の人が60歳まで運用する場合は20年ですし、20歳の人が60歳まで運用する場合は40年の運用期間となります。
したがって、若いうちから投資を始めた方が大きな資産を形成できる可能性が高いことが言えます。
若者の方が投資するメリットが大きいため、「投資なんておじいちゃん・おばあちゃんのもの」だと思っている若い方も、これをきっかけに興味を持ってみてはいかがでしょうか。
100万円を運用するメリット
資産運用すれば、100万円をもっと大きく増やせることがおわかりいただけたでしょう。
お金を増やす手段には「仕事」や「副業」などがありますが、それらではなく「投資」を選ぶ理由は何なのでしょうか?
この項目では、投資ならではのメリットを2つお伝えしていきます。
メリット①:不労所得が得られる
投資をすると、働いていないのにお金がもらえるため、不労所得を得られるメリットがあります。
そもそも投資とは、企業にお金を貸してあげる代わりに、何かしらの形で利益の一部をもらうことです。
株式なら配当金、投資信託なら分配金として投資家に利益が還元されます。
配当金や分配金は、半年や四半期に一回、または月に一回といった決まったペースで受け取れるもので、これを「インカムゲイン」と呼びます。
投資額に対してもらえる分配金はせいぜい5パーセントほどのことが多いため、100万円を投資しても毎年5万円くらいしか分配金はもらえません。
ですが、もっと投資額が大きくて1億円ほど投資している人なら、5パーセントの500万円を分配金としてもらうことができます。
これだけあれば、平均的な年収を優に超えますし、分配金だけで生活することもできます。
実は、労働せずに分配金だけで優雅に暮らしている投資家は少なくありません。
そのような投資家を目指し、分配金狙いで投資をしている人もいます。
このように、投資には不労所得を得られるメリットがあります。
100万円の投資でも不労所得は得られるため、仕事の給料が変わらなくても不労所得のおかげで生活が楽になると考えられます。
メリット②:将来の資産形成ができる
資産運用は、将来の資産形成にも役立ちます。
シミュレーションしてきたように、利益を再投資することで利益が利益を生むことになり、投資した元本を増やすことができるからです。
給料からの貯金だけでは貯められない金額の資産形成をすることができます。
自力での資産形成が必要なことは、金融庁も声高に叫んでいます。
2019年に話題になった「老後2,000万円問題」をご存知でしょうか?
夫婦2人で豊かに老後の生活を送るためには、年金だけではお金が足りないという内容のレポートが物議をかもした話題です。
退職時に2,000万円の資産を貯めていないと、豊かな老後は送れないという内容で、自力での資産形成を促すレポートでした。
「平均2,000万円」なので、もっと少なくて良い人やもっと多くないと足りない人はいますが、貯金の目安にはなるはずです。
自力で2,000万円貯める場合、給料からの貯金だけで貯められるでしょうか?
正直なところ、無理だと感じた方が多いのではないでしょうか。
給料からの貯金に加え、資産運用で増やすことを組み合わせれば、2,000万円は現実的な目標になります。
このように、自力での資産形成が必要な時代だからこそ、資産運用の利益が利益を生む性質が、「将来の資産形成に役立つ」というメリットになるのです。
100万円を運用するデメリット
資産運用すると、不労所得を得たり将来の資産形成ができたりするメリットがある反面、デメリットもあります。
「元本割れ」という投資全般につきまとうリスクと、100万円だと大きな利益は得られないという弱点です。
これらのデメリットについて、詳しく解説していきましょう。
デメリット①:元本割れのリスクがある
元本保証の銀行預金と異なり、投資には元本割れのリスクがあります。
つまり、100万円を投資した場合、120円に値上がりして得をすることもあれば、80万円に値下がりして損をすることもあるということです。
投資はリスクを取ってリターンを得るものであるため、大なり小なり元本割れのリスクがあります。
基本的にはリスクとリターンは比例するため、高い利回りを求めるほど、ハイリスクな投資になっていきます。
もし1円でも元本割れを許せない、と考えているのであれば、投資はしない方が良いでしょう。
元本保証の銀行預金でお金を減らさず守るということも一つの考え方です。
デメリット②:元本が少ないため利益も小さい
100万円の投資で、大きな利益を得ることは非常に難しいです。
100万円の元本は潤沢とは言えず少ない方なので、利益も小さくなるからです。
例えば、利回り5パーセントで運用する場合、100万円の投資だと1年で5万円の利益しかありません。
もし、投資だけで生活していきたいのであれば、100倍の500万円くらいの利益が欲しいところです。
1年で500万円の利益を得るには、1億円の投資が必要です。
100万円の投資でも塵も積もれば山となるため、先ほどお伝えしたように長期投資すれば200万円以上にも増やせる可能性があるのは確かです。
ですが、「投資をすればすぐに資産が増える」「投資をすれば仕事を辞めても生きていける」などの夢を持っている人は、100万円の投資では実現できないことを理解しておきましょう。
100万円のうち運用するお金の決め方
さて、投資のメリットとデメリットを理解した上で投資を始めるなら、投資に使うお金について考えていきましょう。
頑張って貯めた100万円をすべて投資して良いのか、一部を投資するのか考えていきます。
次の3つの基準でお金を分け、余剰資金だけを投資に使うようにしましょう。
- 生活費は使わない
- 目的が決まっているお金は使わない
- 運用して良いのは余剰資金のみ
生活費は使わない
生活費として使う予定のお金は、投資に使ってはいけません。
投資には元本割れのリスクがあり、生活費が元本割れして減ってしまったら、生活が立ち行かなくなる可能性があるからです。
生活費として貯金しておきたいのが、半年から1年分くらいの生活費です。
将来の生活費を準備しておくのは、万が一にも明日、会社が倒産したり自分がリストラされたりして収入源が絶たれたとしても、しばらく生活できるようにするためです。
再就職までの期間として、半年から1年ほど考えておけば良いでしょう。
倒産やリストラを想定して貯金することは大げさに感じられるかもしれませんが、実際にコロナショックで多くの人が職を失っています。
あらゆるリスクに備え、生活費は貯金しておきましょう。
目的が決まっているお金は使わない
何に使うのか目的が決まっているお金も、投資に使うのではなく貯金しておくべきです。
目的が決まっているお金とは、マイホームの購入の頭金や子どもの学費などのために貯めているお金のことです。
これらのお金はまとまった金額のため、大きな利益を狙う投資につぎ込みたくなってしまうかもしれません。
ですが、運用に失敗して元本割れしてしまったら、夢のマイホームはしょぼく、子供は自分が望む進路を選べなくなるといった支障が出てきます。
自分や家族のライフプランの変更を迫られるかもしれないため、目的が決まっているお金は投資せず貯金しておきましょう。
運用して良いのは余剰資金のみ
貯金のうち、生活費と目的が決まっているお金を除いて残ったものが、余剰資金です。
使い道が決まっておらず、漫然と貯めているお金のことです。
余剰資金なら、投資に使って構いません。
余剰資金はなくなっても人生計画に与える影響が小さいため、元本割れのリスクがある投資に使っても問題ないでしょう。
余剰資金なら失っても良いとは言いませんが、お金がお金を生む投資をしたいなら、余剰資金を使うべきでしょう。
おすすめ資産運用:10万円未満の場合
貯金が100万円貯まった人でも、余剰資金がほとんどないという方もいるでしょう。
ここでは、100円から数万円といった少額で始められる資産運用について紹介していくので、気軽に取り組んでみてください。
おつり投資
おつり投資は、電子マネーを使って買い物をしたときの端数を自動で投資するサービスです。
5円以上から投資することができるため、投資できる余剰資金がほとんどない人でも始めやすいです。
投資する金額がとても小さいため、おつり投資で大きな利益を出すことは難しいです。
しかし、おつり貯金のような感覚で端数を投資することで、節約と投資を同時にできるため、これからお金をどんどん貯めていきたい人にぴったりの投資方法です。
余剰資金が少なくて投資に踏み切れないという方は、おつり投資から始めてみてはいかがでしょうか?
日常の小さな支出から数十円ずつ投資できるため、まとまった資金がない人におすすめです。
ポイント投資
ポイント投資は、現金の代わりにポイントを使って株式や投資信託などの投資商品を購入できるサービスです(株式、投資信託については後述)。
買い物やクレジットカードの利用で貯まったポイントを使って投資ができるため、現金の節約にもなります。
投資には元本割れのリスクがあると解説しましたが、ポイントを使って投資するなら、元本割れのリスクを怖がらなくて済むという方も多いはずです。
もともとポイントはタダで手に入れたようなものなので、運用に失敗して減ってしまってもショックは大きくないですよね。
ポイント投資は、投資をやってみたいけど、元本割れのリスクが怖くて手を出せない人におすすめです。
現金ではなくポイントを使うことで、元本割れへの怖さは激減するでしょう。
投資信託
投資信託は、投資会社にお金を預けて、代わりに運用してもらう投資商品です。
銘柄選びや売買といった難しいことをすべて投資会社のプロに任せられるため、初心者で投資の知識や経験がない人でもできる投資として人気があります。
さらに、インターネット証券会社なら100円という少額で始められるメリットもあります。
投資の経験がなく、試してみたい人に向いている商品です。
プロに任せるため、手数料を支払う必要があることがデメリットですが、初心者でもプロ並みの運用成果が期待できることが投資信託の特徴です。
本格的な投資を始めるなら、はじめの一歩として投資信託を少し購入してみてはいかがでしょうか?
ETF(上場投資信託)
ETFは日本語で「上場投資信託」のことで、投資信託の仲間です。
プロに運用を任せられることや手数料がかかることなど、投資信託とほとんど同じ特徴がある商品です。
数万円ほどの資金があれば始めることができます。
投資信託と異なるのは、売買の方法です。
投資信託は銀行や証券会社のホームページから好きな金額の買い付けを申し込むだけですが、ETFは証券会社を経由して証券取引所に売買注文を出さなければなりません。
時々刻々と価格が動く中での取引となるため、投資信託よりも注文が難しいことがデメリットとなるでしょう。
しかし、ETFには手数料が低く抑えられているメリットもあります。
実は、おつり投資で運用できる商品も基本的にはETFです。
投資信託より注文が難しいですがコストが抑えられている商品であるため、投資信託で投資に慣れてきた方におすすめしたい商品です。
ソーシャルレンディング
ソーシングレンディングは、資金調達したい企業と投資家をインターネット上で結びつけるサービスです。
クラウドファンディングの一種で、融資型クラウドファンディングと呼ばれることもあります。
ソーシャルレンディングは利回りが高く、5パーセントから10パーセントほどの高利回りを期待できるメリットがあります。
ハイリターンということは、リスクも高いデメリットもありますが、少ない資金でお金を増やすには高利回りな投資が必要なので、余剰資金が少ない人におすすめです。
ソーシャルレンディングは1万円から始められることが一般的です。
サービスによっては1円以上1円単位で投資することもできるので、少額で高利回りな投資がしたい人にぴったりです。
ソーシャルレンディングについてはこちらで詳しく解説しています。
少しでも興味を持った方は、一度目を通しておくと良いでしょう。
おすすめ資産運用:10万円~100万円以上の場合
余剰資金が10万円以上あると、投資できる商品の種類はぐっと増えます。
余剰資金が10万円から100万円、それ以上の方は上述した少額でできる資産運用に加え、これから解説する株式なども検討してみると良いでしょう。
株式投資
株式を買うことで、企業に投資することができます。
企業は利益の一部を配当として株主に支払うため、投資家は利益を得られます。
また、株価の変動を利用して、株式が安いときに買って高くなったら売ることでも儲けることができます。
株式への投資には、配当や値上がり益だけでなく、株主優待をもらえるメリットもあります。
一部の企業では株主に自社製品やサービスの割引券を配布しているため、上手く活用すれば生活費を節約することができます。
優待狙いのベテラン投資家になると、生活のほとんどが優待でまかなえるようになり、生活費がほとんどゼロ円という人もいるくらいです。
ただし、株式投資は銘柄分析が難しいというデメリットがあります。
財務諸表やIR情報から将来有望な企業かどうか判断しなければならないため、初心者には難しいかもしれません。
この難しさを乗り越えられる人にとっては、「配当」「値上がり益」「株主優待」の3つを同時に得られるお得な投資方法と言えます。
REIT(不動産投資信託)
REITは日本語で「不動産投資信託」のことであり、投資信託の仲間です。
投資先が不動産に限定されているため、投資会社のプロが投資家の代わりに不動産で運用してくれる仕組みの商品です。
REITは分配金利回りが高いメリットというメリットがあります。
4パーセントから6パーセントの利回りが狙えるため、分配金で生計を立てたい投資家にとても人気があります。
逆に、値上がり益は期待できないため、安く買って高く売る投資戦略が向いていないデメリットがあります。
分配金狙いでない投資家には、あまり魅力的でないかもしれません。
多くのREITは10万円以上から投資することができます。
金銭面のハードルがやや高く感じられるかもしれませんが、投資の不労所得で生活したい投資家にとってREITは人気がある選択肢です。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、積み立て投資や投資先選びなど、投資に関わるさまざまな手間を自動で行ってくれるサービスです。
アンケートで投資家のリスク許容度を診断して投資先を決めてくれて、毎月の売買もやってくれます。
投資先はETFが中心です。
ロボアドバイザーのメリットは、すべて自動でやってくれるため手間がかからないことです。
一方、ロボアドバイザーにお任せする分の手数料がかかるのがデメリットと言えるでしょう。
ロボアドバイザーは最初に10万円以上を投資し、その後は毎月1万円以上の積立投資をしていくことが多いです。
忙しくて投資に時間をかけられない人で余剰資金が10万円以上ある人は、ロボアドバイザーに任せてみても良いでしょう。
節税で利益を増やす方法
デメリットの項目で解説したように、100万円の投資で莫大な利益を上げることは難しく、利益も少なくなりがちです。
さらに、投資の利益には約20パーセントの税金がかかるため、ますます利益が少なくなってしまいます。
そこで活用したいのが、節税できる制度です。
具体的には「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」の3種類があります。
これらを活用すると利益が非課税になるため、利益をすべて自分のものにすることができます。
それぞれの制度に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
投資ししている方は知っておくべき内容なので、一度目を通しておいてください。
まとめ
100万円を貯めた後の資産運用について考えてきました。
100万円すべてを投資につぎ込むのではなく、生活費や目的が決まっているお金は貯金しておき、余剰資金で賢く投資をしていきましょう。
今回お伝えしたように、100万円以下でもできる投資方法はさまざまです。
これをきっかけに投資を始めてみてはいかがでしょうか?