いま話題となっているソーシャルレンディング投資。
興味がある人も増えてきています。
そこで、今回はソーシャルレンディング投資を始め方の流れを詳しく解説するとともに、始める前に知っておきたい知識をお伝えします。
目次
ソーシャルレンディング投資の始め方
下のチャートは、ソーシャルレンディング投資を始め方に関する流れです。
- 口座を開設するソーシャルレンディング会社を選ぶ
- ソーシャルレンディング会社で必要書類をそろえ会員登録を行う
- 本人確認の書類が送付されるので本人確認を行う
- 開設されたデポジット口座に入金する
- 投資案件を選び実際に投資する
このような流れになっています。
口座開設から入金、投資までは最短でも4日ほど、週末を挟むと1週間ほどかかることは覚えておきましょう。
それでは、まずは投資を行うソーシャルレンディング会社の選び方について解説しましょう。
口座を開設するソーシャルレンディング会社の選び方
ソーシャルレンディングの始め方、まずは口座開設する会社(事業社)をどのように選べば良いかについてお伝えしていきます。
①実績を確認する
まず確認しておきたいことは、会社の実績です。
ソーシャルレンディングサービスを提供する会社は、日本では20社以上あります。
ほとんどのソーシャルレンディング会社は、WEBサイト上に累計の募集金額や自社のサービス会員数を記載しています。
これまでの実績は、ある程度評価対象になります。
案件を安定供給しているのか、会社としてのコンプライアンスに問題がないのかなどについて、実績から確認しましょう。
ソーシャルレンディング会社の中には、行政処分を受けたり、返済遅延を発生させたりしたことのある会社もあります。
その点も必ずチェックしておきましょう。
②会社の規模を確認する
次に見ておきたいことは、会社規模です。
ソーシャルレンディング会社は中小規模の企業が多く、設立も21世紀に入ってからと歴史の浅い会社ばかりです。
社員数や資本金など会社の規模を確認し、事業者リスク、倒産リスクの低い会社を選びましょう。
例を挙げると、SBIソーシャルレンディングは、大手金融グループであるSBIグループの一員です。
オーナーズブックを運営しているロードスターキャピタルは、東証マザーズに上場しています。
こういった会社を選べば、事業者リスクへの対策につながります。
口座開設に必要な書類:個人編
次に、ソーシャルレンディングを始めるためには、会社で口座開設を行う必要があります。
ほとんどのソーシャルレンディング会社は、サイトのトップページに口座開設や会員登録用のボタンを用意しています。
会員登録の手順
では、一般的な口座開設の手順を解説しましょう。
①約款や規約を確認する
まず、
- 取引約款
- 匿名組合契約約款利用規約
などに目を通すことを求められます。
②書類を確認する
次に、『書類のダウンロード』ボタンをクリックし、ダウンロードした書類を確認します。
書類は保存しておきましょう。
③個人情報を入力する
入力フォームに本名、連絡用のメールアドレス、住所などの個人情報を入力します。
その他にも、勤務先や保有している資産、投資目的などが尋ねられます。
④本人確認情報を送付する
ひととおり入力を行った後は、本人確認用に次のものが必要となります
- 運転免許証(裏表)
- パスポート(顔写真入りページ含む)
- 印鑑登録証明書
- 各種健康保険証(裏表)
- 住民票
- マイナンバーカード(顔写真入り)
外国籍の方の場合は、次のものが必要です。
- 外国人登録証明書
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 住民票
なお、必須ではありませんがマイナンバーの提出が求められます。
現在はマイナンバーを登録せずとも投資できますが、今後は法改正でマイナンバーの登録が必須になる可能性があります。
会員登録時に、あらかじめマイナンバーも送っておくと良いでしょう。
本人確認書類の提出は、免許証などをスマートフォンで撮影し、画像をアップロードフォームで送れば手間がかかりません。
翌日には本人確認完了の連絡が来るでしょう。
本人確認が終わった後は、ソーシャルレンディング会社から自宅宛てにハガキが送られてきます。
ハガキに記載されているパスワードをサイトに入力すると、投資家の住所確認が行われます。
これで口座開設が完了します。
口座開設に必要な書類:法人編
多くのソーシャルレンディング会社では、法人の口座開設も可能になっています。
法人の口座開設は、次の2種類の書類を提出しましょう。①登記簿謄本のコピー類
登記簿謄本の「履歴事項全部証明書」や「現在事項全部証明書」など
②担当者の実在を証明する書類
担当者本人の運転免許証等
なお、会社により法人口座が開設できない場合もありますので気をつけてください。
また、2019年2月現在ソーシャルレンディング会社は20社以上あり、会社により提出書類は異なります。
都度確認するようにしてください。
口座開設審査を通過するための条件
誰もがソーシャルレンディングの口座の申請後に、審査を通過し会員登録できるわけではありません。
では、どのような点がチェックされるのかについて解説しましょう。
①投資経験
多くのソーシャルレンディング会社は、投資の経験を尋ねます。
ソーシャルレンディングも投資である以上、必ずリスクが伴います。
ソーシャルレンディング会社は、投資にはリスクが伴うことと投資に関する知見の有無について判定します。
まったく投資経験がない人は、審査を通過できないことがあります。
②年齢
あらかじめ記載されていますが、会員登録では年齢制限を設けている会社がほとんどです。
会員登録は20歳から75歳までの方を対象にしています。
75歳以上の方が口座開設を行う場合、予め会員登録の可否を問い合わせる必要があり、電話での調査が入る会社が多いです。
2019年2月時点で未成年者の口座開設ができる会社は、クラウドバンクとポケットファンディングです。
③職業
職業はあまり審査の対象になりません。
会社勤務ではない投資家の方、専業主婦の方でも審査を通過できます。
ただし、定職に就いていない場合、投資が生活資金を得ることを目的とする場合は審査を通過しにくいです。
あくまでも他の資産運用などで収入があり、その余剰資金で投資を行う人を対象としています。
口座への入金の流れ
次は、実際にソーシャルレンディング投資を始めるための準備です。
まずは、資金を用意しなければいけません
①デポジット口座に入金する
多くのソーシャルレンディング会社は、投資家のマイページ内にデポジット口座を用意しています。
一旦デポジット口座に投資金を入金し、そこから各案件に投資するというながれになります。
銀行口座からの振込では案件に直接投資できないため、案件の募集が開始される前にあらかじめ入金しておく必要があるので注意してください。
②投資確定後に入金する
SBIソーシャルレンディングなどでは、投資家は案件の募集開始時に、一旦投資枠の確保を行います。
そして、投資枠の確保後に入金口座の案内メールが届きます。
メールの案内に従い、確保した枠分の金額を専用口座に入金します。
ソーシャルレンディングの投資案件で確認すべきポイント
ソーシャルレンディングの始め方として、一番知りたいことはどう案件を選べば良いかでしょう。
確認しておくべきポイントを5つに分けてお伝えします。
①案件の利回り
まず、最も重要なのは利回りです。
それぞれの案件ごとに、年利何パーセントの利益が得られるのか、想定利回りが記載されています。
では、年利10%の案件に120万円を投資した場合をシミュレーションしてみましょう。
1ヶ月あたりの利益は次のように計算できます。
120万円×10%÷12ヶ月=1万円(利益)
実際に自分の口座に振り込まれる分配金は、あらかじめ利益から20.42%の源泉徴収税が引かれた金額になります。
そのため、毎月振り込まれる金額は、利益の1万円から源泉徴収分を引いた7,958円になります。
10,000円-(10,000円×20.42%)=7,958円
②運用期間
次に、重要なものは運用期間です。
運用開始日や元本の最終返済日などを確認の上、資金を拘束される期間を確認しておく必要があります。
短期運用の特徴
短期運用案件は、資金を長期拘束されないメリットがあります。
一方で、資金を運用できないタイムロスが発生しやすいです。
長期運用の特徴
長期投資案件は、長期間にわたって安定した収入が見込めます。
一方で、事業者リスクなどさまざまなリスクに巻き込まれる可能性が高くなります。
③融資先や事業内容
どのような会社や事業に融資するのかも確認しておく必要があります。
ソーシャルレンディング投資の場合、融資先の社名は明らかされていません。
しかし、融資先はイニシャルや所在地で、ある程度は見極めることができます。
そして、できる限り融資先は分散した方が良いでしょう。
同じ会社ばかりに融資していると、その会社が倒産した時に一気に損失が拡大するおそれがあります。
また、融資先がどのような事業を営んでいるかが、事業内容に記されています。
できるだけ事業が成功する見込みの高い案件を選び、融資先の事業分野も分散しておきましょう。
④担保や保全の取り組み
担保や保全の取り組みの確認も非常に重要です。
特に、最近は返済遅延のある案件が増えているため、資産価値の高い担保を設定するソーシャルレンディング会社を選びましょう。
換金性が高い不動産を担保に設定すれば、貸し倒れ時にある程度は資金を回収できる可能性があります。
また、約束手形も担保として高い効力がありますし、代表者連帯保証や動産が担保に設定されていることもあります。
ただ、不動産も相場の変動で売却価格は変わります。
過信は禁物です。
⑤デポジット口座の有無の違い
ソーシャルレンディング会社により、デポジット口座がある会社とない会社があります。
それぞれの違いを確認しましょう。
デポジット口座ありの場合:再投資が簡単にできる
デポジット口座があれば、分配金はその口座に振り込まれます。
同じ会社であれば、再度入金せずに再投資できます。
再投資の際に入金手数料がかからないメリットがあります。
デポジット口座なしの場合:後から現金を用意して投資する
デポジット口座がない会社は、案件に投資する度に毎回入金しなければいけません。
そのため、投資の回数だけ入金手数料がかかってしまいます。
ただし、分配金は直接自分の銀行口座に振り込まれるため、出金手数料がかからないというメリットがあります。
また、入金額は投資枠確保分として処理されます。
案件の募集開始時に現金がなくても、後から投資金を用意すれば、投資に即参加できるのも大きなメリットです。
まとめ
ソーシャルレンディングの始め方について、口座開設の流れから投資案件の選定方法まで解説しました。
一度、FX口座や株式投資用の口座を開設したことがあれば、ソーシャルレンディングの口座開設もそれほど戸惑うことはないでしょう。
個人情報の入力と本人確認書類を提出すれば口座開設は可能ですし、入金の流れもさほど大きな違いはありません。
何よりも、安心して投資できるソーシャルレンディング会社、利益が出る可能性の高い案件を見抜くことが大切です。
事業情報などから必要な情報を入手し、投資先として妥当か否かを見極めましょう!
投資を始める前に、ソーシャルレンディングのデメリットについてもしっかり把握しておいてください。