ソーシャルレンディング業界の中でも、最大規模で返済遅延を発生させている「グリーンインフラレンディング」と「maneoマーケット」。
2019年3月には、投資家たちから集団訴訟を受け、当サイトでも第1回裁判の傍聴を行うなど、可能な限りの追跡を行っています(その記事は当記事の一番下のリンクをご確認ください)。
今回は、投資家の方へ送られてきた、2019年5月17日(金)に送られてきたグリーンインフラレンディングの返済計画報告について解説していきます。
グリーンインフラレンディングの返済に目立った進展はない
結論から言ってしまうと、グリーンインフラレンディングの返済計画報告に、今回も目立った進展はありませんでした。
maneoマーケットから送られてきた文章を以下に引用します。
「株式会社グリーンインフラレンディングを営業者とするファンドにかかる資金の分配・償還に向けて」
GIL社が2018年7月5日に供託した748,572,155円の分配・償還につきまして、JCS社及びGIL社は、弊社の求めた資料を開示せず、また平等分配に異論を唱えております。
現状、JCS社及びGIL社からの歩み寄りが得られておりませんが、弊社といたしましては、引き続きJCS社及びGIL社との協議を継続してまいります。
かかる協議と並行して、分配を促進させるための方策を検討してまいります。
2018年7月という、もはや10ヶ月も前にグリーンインフラレンディングとmaneoマーケットに着金した7億5000万円の資金についても、未だその扱いが確認できていない状態です。
何度も投資家から相談が入り、財務局からの勧告も受けているmaneoマーケットですが、JCサービスおよびグリーンインフラレンディングからの歩み寄りが得られていないと、責任転嫁発言が見られます。
交渉と調査を継続するというものの、10ヶ月間目立ったにもかかわらず、進展が一向にないということは、maneoマーケットが結論を出す気がないという事態にも取ることができるでしょう。
そして、当該案件についてmaneoに電話で問い合わせても、相変わらず「公平性を保つために事実が確定するまで報告ができない。報告を行うときはメールやサイトで報告を行う」という一点張りです。
結局、この預かった7億5000万円がどの案件に関するものであり、誰に対して返済されるべきものなのか。
それが紐付けをできていないというのは、筆者自身が2018年12月に、maneoマーケットの投資家向け説明会に参加して確認しています。
maneoマーケット社には40名ほど社員がいます。
それだけの社員がいて紐づけが進まないというのは、営業に注力しており、投資家に対して返済する意思が見られないという事実の証左でしょう。
グリーンインフラレンディングでは一部売れた案件があるが返済は行われない
一方で、グリーンインフラレンディングに関しては、maneo(マネオ)から次のような報告がありました。
JCサービスおよびグリーンインフラレンディングは、2019年4月26日(金)、10連休のゴールデンウィークの直前に、海外風力発電所の案件が2億5000万円で売却できたとしています。
そちらについても、メール本文から以下のとおり引用します。
また、JCS社及びGIL社は、4月26日、JCS社のホームページにおいて
「海外水力発電所1案件(募集金額約2.5億円)につきまして契約が完了し、かかる契約に基づく入金によって、関係会社を通じてGIL社に元本返済が完了しています。」と公表しました。
弊社においても、GIL社に2.5億円が着金したことを確認いたしました。
この資金の投資者の皆様への分配について、上記水力発電に係るファンドの投資家の皆様への分配を実施するべきか、それとも平等分配を実施するべきかを見極めるため、
3月26日付けの「株式会社グリーンインフラレンディングを営業者とするファンドにかかる資金の償還・分配に向けて」などでご説明申し上げた弊社の方針を踏まえ、
弊社として、
(1)対象ファンドの対象事業の売買契約により売却の事実、及び、
(2)対象ファンドの対象事業が、対象ファンドの資金、及び、GIL社を営業者とするファンドの資金以外の資金によって開発されたと評価できることを確認する必要があると考えております。
現在、弊社は、JCS社及びGIL社を含む関係者からの情報収集を実施しており、一刻も早く実現できるよう鋭意努力して参ります。
ここでは、2.5億円の回収に成功しており、そこは案件に虚偽がなかったと一安心する人もいるかもしれません。
ただし、その2.5億円を水力発電案件の投資家に分配するのか、それともグリーンインフラレンディングに投資していた投資家すべてに分配するのかを決めかねている状況だと報告しています。
全案件で回収できる見込みがあるのであれば、この資金は基本的には水力発電に投資をしていた人間に返済をするべきでしょう。
結局、2.5億円の出所が実は水力発電の売却代金ではなく、JCサービスが何らかの手段でプールしていた、つまり、他の投資家から集めたお金からの返済とも考えられます。
つまり、ポンジスキーム(※)で何とか返済を行っている状態だと言う可能性が残されているのです。
maneoマーケットがきちんと資金の使用先の監視をしていれば、このような事態にはなりませんでした。
結局、先に挙げた7.5億円と合わせ、合計10億円が投資家に返されるべきお金として存在しているのですが、それをどのように返済していくかについて、まったく糸口がつかめないというのは、返す気がないとも見て取れる状態になっています。
※ポンジスキームとは:詐欺の1種類。出資された資金を運用し、そこで得られた利益を出資者に配当として還元すると言っておきながら、実際には運用せず、後から出資した投資家から得られた資金を以前の投資家に配当として偽って渡す行為。
グリーンインフラレンディングに関する次回報告は1ヶ月後
グリーンインフラレンディングに関して、maneo(マネオ)からのメールの最後は、次のように締められていました。
引き続き、これら進捗状況につきましては6月18日を目途にメールやホームページにおいてご報告させていただく予定ですが、
これ以前にお伝えすべき事項がございましたら速やかにご報告いたします。
2019年5月17日(金)にメールを送り、次のメールは2019年6月18日となっています。
なんと1ヶ月も期間があいており、それで投資家に対して説明責任が果たせるものだとmaneoマーケットは捉えています。
10ヶ月間目立った進展がない時点でほとんど信頼ができませんが、相変わらずこの状況下で投資家から資金を平気で集めようとする姿勢には疑問を持たざるを得ません。
第二種金融商品取引業免許が剥奪される可能性が十分残っていることを考えると、やはりmaneoマーケットに投資をするのは相変わらず危険だと言えます。
冒頭でお伝えした第1回の裁判の傍聴の様子はこちらです。
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