maneo(マネオ)が2019年1月31日(木)に返済遅延を発生させていた、千代田区の不動産案件。
全額資金を回収できたとの報告があり、実際に投資家に2019年5月22日(水)に返済が行われました。
資金返済自体は、投資家としては純粋に喜ぶべきことでしょう。
その中で疑問に思ったことをmaneoに質問してみました。
なぜ担保に対しmaneo(マネオ)は案件記載の処分を行わなかったのか
2019年5月22日(水)に資金を返済したmaneo(マネオ)の案件の保証に関する概要図です。
出典:マネオ
融資金額の16億円を回収することには成功したものの、第一次順位に設定された不動産の極度額は20億円との評価額でした。
しかし、実際の売却額が16億円ほどだったことを考えると、この20億円と評価は甘かったものだと言わざるを得ません。
そこで、maneoに対してこれが実際に20億円で売れていた場合は、その金額が投資家に返済される予定だったのかについて聞いてみました。
maneo(マネオ)の回答は「16億円での返済を目指したので、その金額での売却が現実的な選択肢であり、20億円での売却は行っていなかった」とのことでした
また、貸付内容には「公正証書での契約」とあります。
その内容は、「公正証書との契約をすることで決済ができない場合には、裁判を行わず強制執行が行うことができる。そのため、融資金回収への確実性を高めると、同時に返済のプレッシャーを与える」と書いてあります。
しかし、今回の資金回収においては、この手段は最終的には行使されませんでした。
その点についてもmaneoに問い合わせてみたところ、次のような回答を得ました。
「詳細を伝えることは公平性の観点や決定事項の点で難しいが、最も回収の可能性の高い手段を採った」
売却できたからまだ良いものの、公正証書の意味はあまりなかったようです。
手付金はどこに行ったのか
当該案件に関して、maneo(マネオ)にはもうひとつの疑問が残ります。
2019年1月31日(木)の返済遅延の報告メールでは、次のような内容が記載されていました。
現在、不動産事業者DMは売却予定先との売買契約を締結済みであり、売買契約に伴う手付金を受領済みです。
3月下旬までを目途に最終の残金決済が行われる予定です。
不動産事業者DMは、残金決済時に事業者C社に元金及び遅延損害金を返済し、当社においても、その返済金から投資家の皆様に償還及び分配を行うための資金を回収する予定です。
この段階において、既に売却予定先との売買契約を締結済みであり、手付金も受領済みとなっています。しかし実際にはこの売却予定先との売買契約は破談になり、投資家への返済が遅れることになりました。
また、2019年3月14日(木)に投資家宛に送信されているメールには、次のような記載があります。
前回までに、不動産事業者DMが売却予定先との売買契約を締結済みであり、3月下旬までを目途に最終の残金決済が行われる予定であることをご報告いたしました。
事業者C社は、不動産事業者DMの物件引き渡しに至るまでの業務の進捗状況を確認しておりましたが、不動産事業者DMより、売却予定先が資金調達に難航しているため、契約解除になる見込みであるとの報告を受けました。
一般的に、契約が破棄された場合は、売買契約における手付金は受け取った売主は買主に返済を行う必要はありません。
手付金の相場は10パーセントほどですから、16億円での売却であった場合、1億6000万円をmaneo(マネオ)受け取っているはずです。
この手付金の所在について、maneoに問い合わせたところ、次のような回答が得られました。
「投資家の皆様への公平性を図るため、そのような内容の公開はしておりません。必要があればメールやウェブサイトでお伝えします。」
3ヶ月間返済遅延が発生しているのですから、返済滞納期間中は金利が上乗せされることが一般的です。
投資家に対しても上乗せされた金利が支払われておかしくないです。
しかし、その点の回答はありませんでした。
maneo(マネオ)の千代田区案件以外の返済状況
2019年5月22日(水)に資金返済を行った千代田区案件以外は、maneo(マネオ)の返済はどのような状況なのでしょうか?
出典:マネオ
こちらにある通り、当該案件では千葉、埼玉の案件では一部しか回収できていません。
- 1,000億円突破記念ローンファンド【第2弾】1号~78号、80号、82号、84号~106号
- 1,100億円突破記念ローンファンド【第1弾】1号~15号
- 1,100億円突破記念ローンファンド【第2弾】1号~9号
- 1,100億円突破記念ローンファンド【第3弾】1号~9号
- 1,100億円突破記念ローンファンド【第4弾】1号~25号
以下、引用です。
5月中旬に、以下の(1)のローンにかかる未収利息、未回収元金の全額及び遅延損害金の一部、並びに(2)~(3)のローンにかかる未収利息全額及び未回収元金の一部を回収いたしました。
(1)東京都西東京市内の収益アパート1棟(物件:K)を担保とするローン
■URL
https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4823 他
(2)埼玉県和光市内の収益アパート1棟(物件:G)を担保とするローン
■URL
https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4882
(3)千葉県松戸市内の収益アパート1棟(物件:I)を担保とするローン
■URL
https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=4737 他
2019年5月22日(木)に資金返済が行われた案件は、「東京都千代田区」という担保がしっかりと作用したということができるでしょう。
しかし、他の場所にある場所の担保の信頼性は、少なくともmaneo(マネオ)の中では信頼性が低いと言えます。
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