maneoマーケットを利用していたソーシャルレンディング会社の一つ「キャッシュフローファイナンス」。
2019年に入ってからは返済遅延が相次いでおり。2019年6月5日(水)付で5件の案件で新たに返済遅延が発生しています。
投資家としては全く予断を許さない状況ですが、かといって何もできず手をこまねいて見ているだけと言う人も多いのではないでしょうか?
2019年6月5日(水)に発覚した返済遅延案件の中で、特に重大な意味を持つ案件が見つかりました。
その内容をここで取り上げてみます。
キャッシュフローファイナンスの子会社が土地の売却資金を他の案件の返済に流用
2019年6月5日(水)に明るみに出たキャッシュフローファイナンスの返済遅延案件の中で、特に問題なっているものは次の案件です。
金額の規模は700万円と小さなものですが、それでも決して看過できるものではありません。
延滞の概要
以下、引用。
本件では、事業者AHが所有する投資用不動産について、事業者AHが物件取得時に借り入れたローンの借り換え資金および、物件のリニューアル資金としてファンド資金を募集いたしました。
その物件の入居者と事業者AHとが締結する賃貸借契約に基づく家賃が、投資家の皆様に分配する利払いの原資となっておりました。
また、元金の返済について、当初は、上記投資用不動産の売却もしくは借り換えによる返済を想定しておりました。
しかしながら、今般当社は、事業者AHが、4月25日に上記投資用不動産を売却しておきながら、その売却代金を、別のファンドに係る借入金の返済原資に充当した事実を認識いたしました。
現在、本件ファンドに紐づく投資用不動産を事業者AHは所有しておらず、従いまして、5月31日の利払いの原資となる賃料収入も得られない以上は、最終返済日が7月1日のローンにつきましては、延滞として取り扱うことが適切な状況にあるとの判断に至りました。
CFF社からは、延滞に至る経緯及び事業者AHの関連会社による資金調達を根拠とした、本件延滞の解消の見込みについて報告を受けましたが、その詳細については証票の提示を求めるなど、より具体的な確認を要するものと判断しております。
引用終わり。
当該案件の概要ですが、キャッシュフローファイナンスが事業者AHに融資を行い、その資金で事業者AHが保有不動産のリニューアルを行っていました。
一度も運用期間内に返済ができず、リファイナンスを行っていることもわかります。
その上で、事業者AHがリニューアルを行った物件の家賃が、投資家に対する金利支払いの原資となっていました。
しかし、事業者AHは2019年4月にこの不動産を売却しており、さらにその資金を他の案件の返済に流用していました。
また、この案件の融資を受けている事業者AHは、こちらを見ればわかるように、キャッシュフローファイナンスの子会社とされています。
当該案件に対するmaneoマーケットの対応
2019年6月5日(水)に明るみに当該返済遅延案件は、maneoマーケットが運営する「キャッシュフローファイナンス」の公式ホームページに記載されています。
つまり、maneoマーケットからの発表になっています。
当該案件に対して、maneoマーケットは次のように記載しています。
以下、引用。
【当社からの対応要請】
当社としては、本件延滞に関し、投資用不動産の売却代金の使途、未だ不明確となっている事実経過の詳細、外部からの資金調達の進捗状況について、早期に報告するよう要請しております。
引用終わり。
要請は行うものの、具体的な行動の報告は行われていません。
2019年6月6日(木)に当サイトでも取り上げた、第二種金融商品取引業事業者会の財務局の要請を振り返ってみます。
その中では、ソーシャルレンディング会社のつとめとして、
- 案件の監視
- 返済遅延時における担保処分の方法の明記
など、投資家保護のために、ソーシャルレンディング会社は融資先にもっと強く対応を取るべきという要請がありました。
そのとおりの対応が望まれます。
まとめ
キャッシュフローファイナンスは現在案件の募集をしていないので、これ以上を投資をする人が増えることはありません。
しかし、maneoマーケットは2019年6月に実施された第二種金融商品取引業登録事業者に対する「貸付型ファンドに関する説明会」に参加していたように、たソーシャルレンディング事業を行っていく意志が見られます。
また、同時に他のキャッシュフローファイナンスの案件でこのようなことが起こり得るのか引き続き注視していきます。