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さくらソーシャルレンディングの概要
出典:さくらソーシャルレンディング
さくらソーシャルレンディングは、2016年9月に創立されサービスを開始した比較的新しいソーシャルレンディング会社です。
資本金は3,000万円、貸付件数644件、貸付金額15億0254万円と、3年弱の運営歴のソーシャルレンディング会社ということもあり、それほど規模が大きいわけではありません。
しかし、貸し倒れを発生させたことがなく、着実に実績を積み重ねています。
さくらソーシャルレンディングは、匿名組合営業者として第二種金融商品取引業者のmaneoマーケットと匿名組合出資取扱契約を締結しているため、第二種金融商品取引業と貸金業の登録は受けていません。
maneoのプラットフォームを活用して、サービスを提供しています。
ここでは、さくらソーシャルレンディングの評判や案件の特徴について見ていきましょう。
さくらソーシャルレンディングが取り扱う案件の特徴
まずは、さくらソーシャルレンディングの投資案件の特徴について見ていきましょう。
各社で取り扱う案件の特徴が異なるため、業者選びにも役立ちます。
案件の特徴①:保全・保証を重視した投資案件の提供
さくらソーシャルレンディングでは、不動産担保など保全や保証を重視した投資案件を提供しています。
クラウドファンディングのようなチャレンジ資金ではないため、安全に投資することができ、安定的な配当の実現が可能です。
たとえば、不動産担保を設定している案件であれば、仮に貸し倒れが起きた場合でも担保の不動産を売却できるため、損失が大きくなるリスクを抑制できます。
不動産評価額の6割程度を上限に融資金額を設定しており、保全・保証を重視した案件を選ぶことが可能です。
案件の特徴②:地方創生案件に特化
さくらソーシャルレンディングは、地方の活性化を目的とした地方×ソーシャルレンディングの案件に特化しています。
日本全国を8つの地域に分けて、地域に密着した土地勘のある事業者とパートナー契約を締結しています。
資金調達が難しいとされる地方企業の案件を取り揃えるため、社会的意義が大きい投資が可能です。
投資案件には、次の4つの種類があります。
- 売買不動産投資案件
- 不動産分譲開発投資案件
- 開業・設備資金の投資案件
- 自然エネルギー事業案件
売買不動産、不動産分譲開発投資案件は、不動産担保付きの案件を原則としています。
また、開業・設備資金の投資案件は、動産担保を原則に短期資金を提供しているものです。
最近では、診療報酬債権に関する案件も取り扱っています。
案件の特徴③:少額での投資が可能
さくらソーシャルレンディングの最低投資可能金額は2万円からです。
少額から投資ができるため、リスクを軽減することができます。
10万円から20万円といった多くの資金を投じる必要がないため、「ソーシャルレンディングをしたいけどお金がない」など、まとまった投資資金がない人でも安心して始めることができます。
案件の特徴④:高利回り案件が多い
さくらソーシャルレンディングの投資案件は少額資金で始めることができ、保全・保証を重視しているにもかかわらず、利回りが高いものが多いです。
2019年現在、運用されているローンファンドの状況は利回り6.5パーセント以上のものばかりです。
中には、11パーセントのファンドもあります。
リスクを抑えながらも高いリターンが期待できます。
案件の特徴⑤:貸し倒れ案件数が0件
貸し倒れ案件が発生する会社が増えていることが、ソーシャルレンディング業界の問題となっています。
しかし、さくらソーシャルレンディングのデフォルト件数は0件です。
2016年9月創立で始まって間もない会社・サービスということもありますが、ある程度安心して利用できます。
さくらソーシャルレンディングの良い口コミ・評判
さくらソーシャルレンディングの投資案件の特徴だけでなく、良い評判についても見ていきましょう。
基本的には特徴に関する評判が多く、魅力に感じているようです。
良い口コミ・評判①:投資家のリスクを抑制してくれる
良い評判としてよく見られるのが、投資家保護に力を入れているということです。
これは、不動産担保など、保全・保証を重視した投資案件が多いことが理由です。
不動産担保などがないソーシャルレンディングだと、万が一の際に大きな損失を負ってしまいます。
しかし、さくらソーシャルレンディングの場合は確実性の高い担保設定により、投資家のリスクを軽減することが可能です。
良い口コミ・評判②:最低投資金額が2万円なので気軽に投資できる
多くの投資資金が必要なソーシャルレンディング業者もありますが、さくらソーシャルレンディングは最低2万円から投資を始めることが可能です。
他のソーシャルレンディングや投資商品は多くのお金が必要となるケースも少なくないことから、少額資金で始められることに対して良い評判が多く見られます。
良い口コミ・評判③:地方再生に貢献できる
さくらソーシャルレンディングでは、都市部ではなく資金調達が難しい地方の事業者案件を取り揃えています。
いわゆる、地方創生につながる案件も多いです。
ただ単に運用益を得るだけでなく、自分の出身地や思い入れのある地域、人口減が顕著な場所などに役立つ事業を展開するための資金を提供できます。
投資×地方貢献により、意義のある資産運用が可能です。
さくらソーシャルレンディングの悪い口コミ・評判
さくらソーシャルレンディングの良い評判だけでなく、悪い評判についても見ていきましょう。
創立間もない点や地方に特化していることに対して、不安を感じる人もいるようです。
悪い口コミ・評判①:サービスを開始して間もない
さくらソーシャルレンディングは会社が創立されたのが2016年9月と、まだ3年も経っていない状況です。
そのため、現在は不動産担保など保全や保証のある案件が多く、今後の貸し倒れ案件数がどうなるかはわかりません。
サービスを開始して間もないからこそ貸し倒れがありませんが、長年サービスを続けることでいろいろな問題点が露呈する可能性があります。
悪い口コミ・評判②:会社や事業規模が大きくはない
さくらソーシャルレンディングの評判を見ていると、規模がそれほど大きくないことに対して不安や心配をしている人は多いようです。
創立から浅いこともあり、
- 成立ローン総額:15億0,254万円
- 登録会員数:3,500人超
- 分配金総額:12億6,748万円
- 募集ファンド数:300件超
といったところです。
投資案件1件あたりの募集金額もそれほど高くないため、総額が大きくなるスピードも早くはありません。
基本的に規模が大きくなるほど、事業者であるさくらソーシャルレンディングの財務・利益も安定するため、利用者も安心感があります。
まだまだ事業規模が大きいとは言えない状況ですので、先行きを心配する声が少なくありません。
悪い口コミ・評判③:他のソーシャルレンディングと比べて利回りが高くない
さくらソーシャルレンディングは、少額資金で保全・保証がある案件でありながら6.5パーセント以上の利回りで運用が可能です。
しかし、ソーシャルレンディング業界の平均利回りは7パーセントから8パーセントほどであることを考えると、それほど高い利回りでないことがわかります。
利回りだけを重視するのであれば、他のソーシャルレンディングの方がおすすめだという口コミも少なくありません。
悪い口コミ・評判④:都市部の案件がない
さくらソーシャルレンディングは地方案件に特化しているため、基本的に都市部の事業者案件がありません。
そのため、都市の事業者に投資することは難しいです。
また、事業者の規模が小さいことも多いため、情報量が少ないケースもあります。
地方に地縁がない人や規模が大きい事業者に投資したい人には、あまり良くない印象があるようです。
まとめ:さくらソーシャルレンディングの総評
さくらソーシャルレンディングの評価を5段階で表してみましょう
利回り:3
6パーセントから7パーセントと、ソーシャルレンディング業界内では平均的な数字です。
実績:4
累計募集金額約15億円、運営歴3年弱とまだ新しい会社です。
貸し倒れや遅延が起きていない点は評価できます。
安全性:4
不動産担保を設定している案件が多く、手堅い診療報酬債権の案件もあります。
ただし、会社としての規模が小さい点に不安が残ります。
情報開示:3
目立った情報開示は行っていません。
総合評価:4
さくらソーシャルレンディング事態には大きな問題がありません。
しかし、自社で第二種金融商品取引業登録を行っておらず、maneoマーケットにプラットフォームを依存している点はリスクになり得ます。
一方、案件は優秀なものが多く、特に非常に手堅い診療報酬債権の案件はぜひ投資を行っておきたいものです。
診療報酬債権案件を中心に少額から投資を始め、ある程度の規模に成長したら他の案件への投資を行うなど、積み重ねでリスク管理を行っていくと良いでしょう。