クラウドファンディングは、日本でもしっかりと浸透してきた投資のシステムです。
数々のクラウドファンディングの種類がありますが、その中でも「購入型クラウドファンディング」を利用する人の数が一番多いと言えます。
そこで、購入型クラウドファンディングとは一体どのように投資できるクラウドファンディングなのかについて説明していきます。
目次
購入型クラウドファンディングと投資型クラウドファンディングの違い
クラウドファンディングと言うと、一つの事業に対して複数の投資家からお金を集め、事業を展開したり運営したりするといった内容だと理解している方が多いのではないでしょうか?
しかし、実際にはクラウドファンディングにも色々な種類のものがあります。
購入型クラウドファンディング
その中でも、商品を開発したりコンテンツを作成したりするクラウドファンディングを「購入型クラウドファンディング」と呼びます。
購入型クラウドファンディングは、現金でのリターンはまずありません。
商品の開発やサービスの開発、そして映画といった「コンテンツの開発」に使われます。
購入できるクラウドファンディングの中でも、
- 1万円のコース
- 3万円のコース
- 5万円のコース
などの種類があり、それぞれで得られる対価であるコンテンツが変わってくることが多いです。
つまり、自分の投資した資金に応じて、より充実した商品やサービスを受け取ることができるようになっています。
中には、映画やライブのように、体験型コンテンツの購入型クラウドファンディングもあります。
ライブの開催資金であれば、投資した人に対して、良い席が提供されたり、アーティストから直接サインを貰ったりするなど、充実したサービスを受け取ることができます。
購入型クラウドファンディングのリターンは非常に多様であり、現金の価値よりもその体験などの価値が求められるケースが多いです。
ある意味では投資ではなく、ファン活動的な意味合いで投資できることが特徴だと言えます。
投資型クラウドファンディング
一方、多くの人からお金を集める点は変わりませんが、集めたお金を運用して収益を出し、その利益を投資会に分配していくクラウドファンディングを「投資型クラウドファンディング」と呼びます。
投資型クラウドファンディングは、純粋に現金としてのリターンを求めるものが多いです。
例えば、不動産を購入資金をクラウドファンディングで集め、運用益や売却益を投資家に対してリターンします。
また、不動産以外にも事業を運営するための資金を集め、その事業が成功すれば投資家に対してその利益を分配する投資型クラウドファンディングもあります。
投資する側のメリット
では、購入型クラウドファンディングのメリットについて考えてみましょう。
ファン的な活動の意味合いが強い投資であるため、自分の求めるコンテンツやサービスが提供されるという点が挙げられます。
例えば、好きなアーティストがライブを開いてくれる場合、よりお金を多く支払えばより良い席で観戦ができるリターンがであれば、多額を投資したくなる人も多いでしょう。
また、アマチュアだけれども優れた才能を持つ映画監督に対して、クラウドファンディングを通じて資金を提供することで、自分の好きな映画監督の作品が見られるということもあります。
その他にも、例えば化粧品や食品といった商品開発にも投資した資金は使われますし、新規ウェブサービスといった開発にも使われます。
購入型クラウドファンディングは、「自分の好きなものを手に入れることができる」ことがメリットの投資です。
投資する側のデメリット
購入型クラウドファンディングのデメリットは、必ずしも事業が成功するとは限らない点です。
例えば、お金は集めることはできたが、結果的に映画が撮影に必要な資金が足りなかったということがあります。
そのような場合は返金されることもありますし、映画の撮影が中途半端な状態で終わり、作品が完成しないこともあります。
コンテンツの場合、ある程度納得できる状態にまで持ってこれるケースは多いですが、商品や事業の開発の場合、失敗してしまえばまったくリターンを得ることはできません。
投資したという体験や寄付をしたという満足感が得られれば、それでも良いかもしれません。
しかし、自分の好きなものの開発が行われることを対価として考えていた場合、未完成でに終わってしまった際は、投資したお金が無駄になってしまうことがデメリットです。
運営する側のメリット
購入型クラウドファンディングを運営する側にとってのメリットには何があるのでしょうか?
それは、金融機関を通じないで資金を調達できる点です。
例えば、個人でコンテンツを開発したい場合、商品やサービスを開発した実績がなければ、個人の信用では金融機関からはなかなか大きなお金を集めることができません。
特に、フリーで活動している人は金融機関から融資を得ることはハードルが高いです。
しかし、購入型クラウドファンディングであれば、アーティストに対しファンがお金を投資してくれます。
コンテンツのファンがそのコンテンツを再開を願って漫画家や作家にお金を投資し、そのコンテンツが再開されたという例も非常に多くあります。
コンテンツ専門のクラウドファンディングサイトもあるほどです。
そういった意味で、購入型クラウドファンディングは資金調達のハードルを大きく下げることに貢献しているのです。
運営する側のデメリット
購入型クラウドファンディングを運営する側のデメリットとしては、運営サイトを利用する際に手数料がかかる点です。
一般的に、購入型クラウドファンディングの手数料は集めた資金の15パーセントから20パーセントほどです。
そのため、必要な資金が5,000万円場合、サイトを利用すると実際には6,000万円以上のお金を集めなければならないことになります。
なかなか資金が集まらず、手数料のことを疎ましく思う人もいることでしょう。
そして、お金は集めた以上、投資してくれた人たちに対して責任を持って随時報告をしていく必要があります。
きちんと報告し、プロジェクトの最後まで伝えないと信用を失ってしまい、二度とお金を集めることができなくなるでしょう。
また、募集もある程度知名度がある人やファンが多い人でないと、資金調達がうまくいかないケースが多いです。
誰しもが簡単に数百万円から数千万円といった多額の資金を集められるわけではないのです。
代表的な購入型クラウドファンディングサイト
日本には、どういった購入型クラウドファンディングのサイトがあるでしょうか?
有名な購入型クラウドファンディングサイトを2つ紹介しましょう。
①CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
出典:CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)は、2011年から運営されている日本でも最大規模のクラウドファンディングサイトです。
起業家の家入一真氏が設立したクラウドファンディングサイトであり、非常に多岐に渡る分野のクラウドファンディング案件を扱っています。
②Readyfor(レディーフォー)
出典:Readyfor(レディーフォー)
Readyfor(レディーフォー)も、日本最大のクラウドファンディングと謳っているクラウドファンディングサイトです。
起業した人が多く利用している購入型クラウドファンディングサイトであり、起業する人はぜひとも利用したいサイトだと言えるでしょう。
まとめ
購入型クラウドファンディングは、投資としてのリターンを求めるのではなく、「支援したい」「ファン活動を通して何らかの対価を得たい」という人向けのクラウドファンディングです。
比較的多くの人から資金を集めやすいので、ある程度の商品開発の実績やアーティスト活動の実績がある人は、金融機関からの融資を受けるよりお金を集めやすいでしょう。