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どんな投資にもデメリットはある
ソーシャルレンディングは高い利回りが魅力ですが、デメリットが気になる方も多いと思います。
ただ、どんな投資でもデメリットはあります。
デメリットを理解すれば、ソーシャルレンディングは怖いものではありません。
ソーシャルレンディングのデメリットとその対策について解説しましょう。
デメリット①:元本割れ(貸し倒れ)の可能性がある
ソーシャルレンディングでもっとも大きなデメリットは、どんな投資にも付き物な「元本割れリスク」です。
ソーシャルレンディングは「融資」という性質上、資金の借り手が返済不能状態になってしまえば、貸し倒れになるリスクが生じます。
貸し倒れが生じれば、貸し手(投資家)の投じた資金は返ってきません。
投資である以上、このデメリットをなくすことはできません。
ただ、ソーシャルレンディング運営事業者は貸し倒れ対策として、担保や保証付き案件を用意しています。
これら2つが貸し倒れを防ぐための対策としては、次の2つがあります。
- 担保や保証付きの手堅い案件を選ぶ
- 複数の案件に分散投資してリスクを減らす
デメリット②:途中で引き出しができない
ソーシャルレンディングのデメリット2つ目は、貸し付けた資金を途中で引き出したり、解約したりすることができないということです。
これは、ソーシャルレンディングの基本ルールなので、変えることができません。
投資する際には、次の2点に気をつけましょう。
- 案件を選ぶ際は投資期間が短め(6ヶ月以内)のものにする
- しばらく使わなくても問題ない余裕資金のみを投資に充てる
デメリット③:投資期間が変動することがある
ソーシャルレンディングのデメリットとして、貸し付けた資金の返済期間(投資期間)は、あらかじめ決まっていることがあります。
この返済期間(投資期間)、予定より早くなることもあれば、遅くなることもあるのでやっかいなのです。
予定をうのみにして資金計画を立てていても、それが崩れることはよくあります。
次の2つを理解しておきましょう。
- 投資期間は変動することを前提にしておく
- 数ヶ月遅れたり早まったりしても問題ない資金計画を立てておく
デメリット④:事業者の倒産の可能性がある
ソーシャルレンディングのデメリットには、まだまだ新しい投資分野であるため、運営事業者自体もまだ新しい成長企業ばかりということがあります。
ソーシャルレンディング事業者には銀行や証券会社のような巨大な経営基盤はなく、投資家保護のセーフティネットもありません。
万が一事業者が倒産した場合は、投資資金を大きく失うことになります。
次の2つに気をつけると良いでしょう。
- 1社だけに集中投資するのではなく、複数の運営事業者を組み合わせて分散投資する
- SBIソーシャルレンディングなど、倒産リスクが低い運営事業者(上場企業の傘下にある企業や財務状況を公開しており経営状態が目に見える安定企業など)を選ぶ
デメリット⑤:投資先が不明(匿名性)
ソーシャルレンディングのデメリットとして、基本的に投資先(借り手)の名前がわからないことがあります。
そのため、資金面の流れや投資先企業の健全性などは、借り手や案件の選定をしている運営事業者を信じるほかないのです。
そもそも何故匿名なのかというと、ソーシャルレンディングに関係する2つの法律による規制問題があるためです。
- 金融商品取引法
- 貸金業法
それぞれの法律が、借り手と貸し手の保護を目的としているため、匿名性にせざるを得ないという事情があるのです。
匿名性については政府も問題視しており、今後なくなる可能性も出てきています。
現状では、すべての案件が匿名になっています。
現段階では、このデメリットの対策としては、元本割れの対策と同様に次の2点に気をつけることが大切です。
- 運営事業者選びと案件選びに気をつける
- 分散投資する
【2019年3月19日更新】:匿名性の解除が発表されました。
デメリット⑥:他の投資より税金面が不利
ソーシャルレンディングのデメリットとして、ほかの投資と比べた際に税金面が不利であることが挙げられます。
株式投資や投資信託の場合、特定口座利用で確定申告は不要です。
しかも、NISAなどの税優遇制度があります。
一方で、ソーシャルレンディングにはそのような魅力的な仕組みはありません。
課税方式は雑所得で総合課税のため(仮想通貨と同じ)、税率は所得により変動します。
つまり、給与や事業など、他の所得額が多い人は税金面で不利になります。
このデメリットについては対策は難しく、今後の税制に期待するほかありません。
確定申告は慣れればそれほど難しいものではないので、これを機にマスターしておくと良いでしょう。
なお、「年間20万円以下の雑所得であれば、確定申告は不要」と思っている人が多いのです。
しかし、これは所得税のお話です。
住民税は、年間20万円以下でも確定申告が必要です。
また、所得額によっては還付申告をしないと税金の払い損(ソーシャルレンディングは前払い方式のため)になるので気をつけましょう。
まとめ
ソーシャルレンディングには複数のデメリットがあります。
ただ、ほとんどのデメリットはあらかじめ対処できることがおわかりいただけたことでしょう。
匿名性については今後廃止の可能性もありますし、ソーシャルレンディング市場自体が成長していけば、運営事業者の倒産リスクや税制などのデメリットも変わる可能性があります。
デメリットがあっても、ひとつひとつ理解しておけば投資のリスクは抑えることができ、決して怖いものではありません。
今後の成長に期待しつつ、デメリットを理解してソーシャルレンディングを始めましょう!