ソーシャルレンディングに限らず、投資を始める前には、その投資におけるメリットやデメリット、そしてリスクを十分に知っておく必要があります。
メリットやリスクを秤にかけ、自分にとってその投資手法が最適なものか、そして手間をかけずに利益が得られるものかを判断しなければいけません。
今回は、ソーシャルレンディング投資におけるメリットとデメリット、リスクをまとめてお伝えしていきます。
目次
ソーシャルレンディング投資のメリット
まず、ソーシャルレンディング投資の魅力であるメリットについて触れてみます。
3つに分けて解説します。
メリット①:利回りが高い
ソーシャルレンディング会社が提供している案件の利回りを見ると、その数字は5%から10%になっています。
平均を取ると、7%というところでしょう。
ソーシャルレンディング投資は、投資対象を売買して利益を得る「キャピタルゲイン」ではなく、資産を運用して収入を得る「インカムゲイン」投資です。
大きな金額が一気に入ってくるわけではありませんが、毎月安定した収入が見込める投資手法です。
同じようなインカムゲインを得られる投資手法と比較してみましょう。
不動産投資は、新築物件の場合利回りは3%から6%ほど。
手堅めの中古物件でも、4%から7%ほどになっています。
平均的な利回りを見れば、ソーシャルレンディング投資の方が高いです。
また、株式投資の配当金の利回りは、2%から3%でも高い方です。
他の投資と比較しても、ソーシャルレンディング投資の利回りの高さが分かってくるでしょう。
メリット②:投資後の作業が発生しない
ソーシャルレンディング投資は、案件に資金を投入した後は基本的に何もすることがありません。
作業が発生するとすれば、ソーシャルレンディング会社から送られてくるメールで収益や利回り、また現状の運用状況を確認する程度です。
投資後は、運用期間中ずっと毎月分配金が振り込まれるので、不労所得に近い選手の収入を得ることができます。
そのため、投資のための時間を取ることができない、忙しいサラリーマンにも向いています。
メリット③:少額からの投資が可能
多くのソーシャルレンディング会社では、最小投資可能金額を1万円や2万円という非常に小さな金額に設定しています。
投資を始めるためには、他の投資手法ではまとまった自己資金が必要な物が多いです。
例えば、不動産投資の場合、融資を受けなければ物件を買えない人が多いですが、数百万の自己資金が必要となってきます。
株式投資ややFX(為替取引)は数万円ではじめられますが、安定した収入が得られる投資手法ではありません。
また、作業時間も発生します。
毎月わずかな金額を積み立てるように投資することもできますし、作業も発生しないのでほぼ貯金感覚で投資できる点が、ソーシャルレンディングのメリットです。
ソーシャルレンディング投資におけるデメリットとリスク
ソーシャルレンディング投資にも、デメリットやリスクがないわけではありません。
投資を始める前に、こちらのネガティブの面こそしっかりと知っておく必要があります。
デメリットとリスクも、3つに分けて解説します。
デメリット①:融資先の詳細が明らかにされない
ソーシャルレンディング投資は、貸金業法に則って運用されているため、借りた側の利益を守ることが遵守されています。
ソーシャルレンディング会社は投資家から資金を集め、事業用資金を必要としている会社に融資を行います。
その融資の際の金利が、ソーシャルレンディング投資家への利益です。
しかし、どのような事業者に融資しているのか、投資家には明らかにされません。
そのため、ソーシャルレンディング会社が、融資先の健全性や安全性を判断する眼を持っていないと、倒産寸前の会社や成功する見込みの低い事業に融資をしてしまうこともあるのです。
そうなると、投資家が損失を被ります。
デメリット②:運用期間中の返金依頼が不可能
もうひとつ大きなリスクとして、運用期間中の返金依頼が不可という点があります。
ソーシャルレンディングは、それぞれの案件に応じて一定期間の運用期間が決められており、運用中に返金依頼をかけることはできません。
自分が急遽資金になった必要になったときでもキャンセルできず、急な出費に対応できないことがあるのです。
また、運用期間中に貸し倒れが起きそうなときにも返金依頼できないので、損失が発生する可能性が高くなります。
デメリット③:事業者リスクが高い
ソーシャルレンディング投資が日本で生まれたのは2008年です。
徐々に有名になり、投資家が増えてきたのは2014年ごろです。
日本では、まだまだ非常に歴史の浅い投資手法です。
それだけに、投資サービスを提供している会社も中小企業が多く、会社としての基盤がしっかりしている会社は少ないです。
ロードスターキャピタルのような上場企業もありますが、その一方で不祥事を発生させてしまったり、行政処分を受けた会社も複数あります。
一斉に返済遅延を発生してしまった会社もあるなど、事業者リスクは、投資家としてよくチェックしなければいけないポイントです。
まとめ
ソーシャルレンディングのメリット、デメリットとリスクについてまとめて解説しました。
ソーシャルレンディングは、手軽にインカムゲインを増やせる投資手法です。
しかし、運用期間の解約ができないなど、さまざまなリスクも存在しています。
行政処分を受けた会社、貸し倒れを発生させた会社など、ソーシャルレンディング会社ごとの問題を詳しくチェックしながら、リスク対策を行っていきましょう。
ソーシャルレンディングのリスクについては、こちらでさらに詳しく解説しています。