NISAは、毎年一定額投資対象として定められた投資商品の利益が非課税となります。
2019年2月現在、NISAではソーシャルレンディング投資をすることはできません。
しかし、今後の制度変更で対象となる可能性も秘めています。
3つに分かれるNISAごとの特徴も踏まえて紹介します。
目次
NISAの仕組み
NISA(ニーサ)とは少額投資非課税制度の愛称です。
2014年に、通常NISAの形態でスタートしました。
NISAでは、投資対象として定められた株式投資や投資信託の利益が非課税となります。
2019年2月現在、NISAには次の3つの取引形態があります。
- 通常NISA
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
NISAにおけるソーシャルレンディング投資
ソーシャルレンディング投資は、NISAにおいて投資対象となっておりません
NISA口座の開設は、銀行や証券会社などを窓口とする形になっております。
しかし、NISAは制度変更は多く行われています。
ソーシャルレンディング会社が窓口となるか、銀行や証券会社の商品ラインナップに加わるか、どちらになるかはわかりません。
今後の見直しタイミングで、組み入れの可能性もあるかもしれません。
NISAのモデル:英国ISAの動向
日本で導入されているNISAは、イギリスのISAを参考にして導入された経緯があります。
この英国ISAにおいて、2016年にP2Pレンディングが投資対象商品とされました。
P2Pレンディングは、日本のソーシャルレンディング投資と近い形態です。
日本においても、イギリスでのP2Pレンディングの投資状況を参考にするでしょう。
英国ISAで問題がなければ、NISA内にソーシャルレンディング投資導入される可能性は高いでしょう。
NISAでソーシャルレンディング活用はどうなるか
ソーシャルレンディング投資が導入される場合、日本で現行展開している3つのNISA(通常、つみたて、ジュニア)に対してどのように導入されるでしょうか?
各NISAごとに特徴をまとめながら、ソーシャルレンディング投資が適する所、適さない所を説明しましょう。
①2014年開始の「通常NISA」
通常NISAは、3種類のNISAのうち最大の年間非課税枠(年120万)を所持しています。
そのため、収益案件へ多めの投資ができます。
利益部分が非課税となるNISAでは、収益の見込める案件に投資することが合理的です。
この年間非課税枠の多さを活かし、全体のリスク量を抑えながら収益を狙う形でNISA内で分散投資を行うという考えもあります。
通常NISAの運用期間(5年)を超えた長期案件にもロールオーバーの選択ができます。
ロールオーバーを選択すれば、対象商品の運用6年目をスタートとして非課税期間をさらに5年延ばすことができます。
通常NISAの終了懸念
2014年に通常NISAが開始した後、2016年からジュニアNISA、そして2018年からつみたてNISAと後発で開始が相次ぎました。
また、通常NISAは2023年開始分までの設定となっており、その後は未定です。
もちろん、2024年開始以降も延長される可能性はあります。
しかし、通常NISAはつみたてNISAに一本化されて終了してしまう懸念もあります。
または、通常NISAをベースとした新制度となり、そちらにソーシャルレンディングも合わせて導入となるケースも想定されます。
②つみたてNISA
つみたてNISAは、投資後の非課税期間が最長20年と長く、長期案件にもじっくり投資を行うことができます。
また、つみたてNISAの特性は、時間分散を図れることです。
取扱会社によっては、積立スパンも毎月投資から毎週、毎日まで細かく選ぶことができます。
さらに、ソーシャルレンディング投資を組み込んだ場合には「時間分散」と「投資先分散」を合わせることが有効です。
収益を狙う動きと、守りを固める機能を同時に組み込む形です。
つみたてNISAは注目案件に投資額を傾けにくい
つみたてNISAでは、積立投資が主となるため、一度の投資額は少なめとなります。
ソーシャルレンディングにて良い案件が出てきた際に、多めに投資という形は取りにくくなります。
また、つみたてNISAの商品ラインナップは、通常NISAやジュニアNISAと比べて制限された形となっています。
傾向として、高リスク案件をあまり対象としない商品ラインナップです。
ソーシャルレンディング投資においては、低リスク案件が組成された場合にニーズがありそうです。
③ジュニアNISA
ジュニアNISAは未成年を対象としたNISAです。
18歳になるまで払い出し制限があります。
教育資金など、目的を持ったお金の貯め方に最適です。
ソーシャルレンディング投資の案件があれば、個別事例を子供と共に学ぶ良い機会になります。
投資教育とよく言われますが、実際の投資商品について学ぶことは将来にわたりとても大切です。
ジュニアNISAに取り組む際の投資主体の問題
ジュニアNISAの取引主体として、親権者の関与が必要となります。
しかし、口座所持者は未成年の子供であるため、手続き上の手間が発生します。
例えば、NISA口座に子供名義で入金手続きが必要です。
また、ジュニアNISA口座の開設を行った後に、他の金融機関へ口座自体を途中で変更することができません。
ソーシャルレンディング投資が始まった場合、ジュニアNISAでは他の金融機関で良い案件があるからといって移動しようということはできず、商品選択に影響が出る可能性があります。
まとめ
ソーシャルレンディング投資は、現在はNISA口座で投資することはできません。
しかし、英国ISAの導入実績などを踏まえると、次の制度改定で導入される可能性はあります。
また、3つのNISAごとにそれぞれ特色があります。
どの形態と合わせてソーシャルレンディング投資を含めた投資姿勢が自分に適しているか考えることが大切です。