目次
ソーシャルレンディングの分配金とは
ソーシャルレンディングによる投資で欠かせないのが、分配金の存在です。
ソーシャルレンディングの分配金とは、投資した貸付金に対して支払われる配当金のようなものです。
わかりやすく言えば、分配金は利益ということですね。
分配金
投資した貸付金に対して発生する利息であり、配当金のこと。
つまり、利益です。
償還金
投資した貸付金の返還金です。
つまり、投資元本です。
ソーシャルレンディングの分配金はいつもらえる?
では、ソーシャルレンディングの分配金はいつ受け取れるものなのでしょうか?
投資を始めた当初は、特に分配金はまだかまだかと待ちきれない気持ちになりますよね。
分配金のもらい方やもらえるタイミングは、投資する案件(ファンド)や事業者によって異なります。
それぞれ説明していきましょう。
分配金のもらい方
分配金のもらい方は、大きく分けて次の3つがあります。
- 毎月分配型:毎月分配金を受け取れる。もっとも多い方法。
- 分割型:半年ごと、四半期ごとなど案件ごとに決まったタイミングで受け取れる。
- 一括返済型:貸付期間終了後にまとめて分配金が受け取れる。
投資元本である償還金をもらう方法も上記の3つに分かれますが、償還金に関してはまとめて返済される「一括返済型」がほとんどです。
つまり、「元本は一括返済、利益は毎月支払い」というスタイルの事業者が多いということです。
分配金の振込日
では、投資してからどれくらいで分配金が振り込まれるのでしょうか?
ここが一番知りたいところでしょう!
振込日は、事業者や投資する案件(ファンド)ごとに異なるので注意が必要です。
たとえば、大手ソーシャルレンディング事業者のmaneo(マネオ)とSBIソーシャルレンディングは、どちらも毎月分配型ですが、前者は案件ごとの分配日を「分配日カレンダー」で表示するサービスにしており、後者は原則毎月15日の分配と決まっています。
ただ、共通しているのは貸付金の借り手(お金を借りている企業)がソーシャルレンディング事業者に貸付金を借りた月の翌月か翌々月に分配金が発生するということです。
つまり、毎月分配型は「早い場合は投資した月の翌月、遅くとも翌々月には分配金が振り込まれる」というスケジュールになりますね。
ソーシャルレンディング事業者を選ぶ場合は、実際の振込日などのスケジュールも含めて検討するようにしましょう。
分配金の振込口座
分配金の受取り方法は、基本的に振込となっていますが、振り込まれる口座はソーシャルレンディングの事業者によって異なります。
次の2つのいずれかになります。
- 事業者が用意した預かり金専用の口座に振り込まれる
- 投資家自身の預金口座に振り込まれる
分配金の振込口座はどちらが良い悪いということはなく、自分の投資スタイルに合わせて使いやすい方を選ぶことが大切です。
ただ、預かり金専用口座の事業者は出金や振込手数料がどうなっているのか必ず確認しておきましょう!
1.事業者が用意した預かり金専用の口座に振り込まれるケース
事業者が用意した預かり金専用の口座に振り込まれる場合は、振り込まれた分配金を、またすぐ別の案件に出資することで、再投資がしやすくなるというメリットがあります。
デメリットは、投資家が自分の預金口座に出金する際に手数料がかかる場合があるということです。
できるだけ出金手数料が無料、または安い事業者を選びたいですね。
2.投資家自身の預金口座に振り込まれるケース
投資家の預金口座に振り込まれる場合は、ダイレクトに利益を受け取ることができるため、出金の手間がかからず管理しやすいというメリットがあります。
ただ、受け取った分配金を使わずに再投資したい場合は、預金口座から再度出資しなければいけないので、若干面倒なところがデメリットです。
分配金はいくらもらえる?
ソーシャルレンディングの分配金がいくらもらえるのかも気になるポイントですよね。
分配金の計算方法と大切な税金について解説していきましょう。
分配金の計算方法
ソーシャルレンディングで投資するときは、案件(ファンド)の募集欄に「想定利回り」が記載されています。
利回りとは、投資した元本に対する利益の割合を示す指標です。
たとえば、100万円という投資元本に対して年間の利回りが7%だった場合、受け取れる利益は、
100万円×7%=7万円
と計算されます。
ただ、ソーシャルレンディングの想定利回りはあくまで「想定」で、確実に利益が保証されているわけではありません。
募集欄の想定利回りを元に分配金をシミュレーションをしていても、早期償還(貸付金の返還予定が早まること)や、償還遅延(貸付金の返還予定が遅れること)が発生すれば、実際の利回りは変動します。
ソーシャルレンディングの利回りは変動するということを前提にして、実際に運用して得られる分配金の実質利回りと想定利回りの差がどれほどになるのかも確認しておくことが大切です。
分配金は税金が引かれている
ソーシャルレンディングで初めて分配金を受け取るとき、「あれ?少ないな」と思う人は多いと思います。
なぜなら、ソーシャルレンディングの分配金はあらかじめ一定の税金が差し引かれた状態で投資家の口座に振り込まれるからです。
つまり、ソーシャルレンディングの税金は、分配金から源泉徴収されているということです。
引かれている税金
所得税+復興特別所得税※=合計20.42%
※復興特別所得税は、平成25年から平成49年までの課税所得に対し発生します。
ここで、注意すべきポイントは2つあります。
- 住民税は源泉徴収されていないので、別途納税が必要
- 分配金から源泉徴収されている所得税は一律20.42%だが、本来の所得税率は投資家の所得額によって5%~45%と変動する
ソーシャルレンディングで利益が出たら、所得税と住民税の納税が必要です。
しかし、源泉徴収されているのは所得税だけなので、住民税の申告と納税は別途しなければいけません※。
また、所得税の税率も一律20.42%となっていますが、所得額によっては所得税率が5%や10%という人もいるでしょう。
その場合、確定申告(還付申告)すれば、払いすぎた税金を返してもらうことができます。
※所得税の確定申告をした人は、税務署から税申告データが各自治体に連携されるため、住民税の申告は必要ありません。
分配金の受取にはこうした注意点があるため、本来の税金を差し引いて純粋な利益を確認するようにしましょう。
まとめ
ソーシャルレンディングの利益となる分配金について、受取の方法から計算方法、注意点までお伝えしてきました。
大切なポイントをおさらいしておきましょう。
つぎの4点が特に重要です。
- 分配金のもらい方やスケジュールは事業者や案件によって違う
- 分配金が預り金口座へ振り込まれる場合、出金手数料は要注意
- 分配金の想定利回りは変動する可能性もある
- 分配金はあらかじめ一定の所得税が源泉徴収されているが、住民税は源泉徴収されていない
ソーシャルレンディングで投資を始める際は、この4点を踏まえた上で自分の投資スタイルに合う事業者や案件を見つけて投資をしましょう!
また、税金の支払いはくれぐれも忘れず、税金の申告漏れや払いすぎた税金の返還は必ずしてくださいね。
ソーシャルレンディング投資において、分配金は投資の成果をダイレクトに実感できる大切な利益です。
せっかくの利益を税金の払いすぎや手数料でもっていかれないためにも、大切なポイントに気をつけて投資してくださいね。
これからソーシャルレンディングで投資を考えている方は、デメリットもしっかり押さえておきましょう。