ソーシャルレンディング会社の中で、最も歴史が古くかつ累計募集金額が多いのはmaneoマーケット(maneo)です。
maneoはプラットフォーム提供ビジネスも行っており、「maneoファミリー」と呼ばれるソーシャルレンディング会社が、10社以上そのプラットフォームに参加しています。
しかし、現在このmaneo(マネオ)に投資するのは大変危険だと言えます。
その理由を4つピックアップしてみました。
目次
理由①:maneo(マネオ)では貸し倒れが頻発している
まず、maneo(マネオ)は昨年2018年後半から、デフォルト(貸し倒れ)が頻発しています。
16億円規模である川崎市の案件を筆頭に、その後も数億円単位の案件が複数貸し倒れているのです。
2019年3月に入ってからも、新たに貸し倒れが起きたことが投資家に通知されています。
2008年の創業から、2017年までは貸し倒れは一件しか発生していませんでしたが、2018年後半以降は、数ヶ月に一度の頻度で発生しています。
これには2つの理由が考えられます。
まずひとつは、貸し倒れを起こさないように、他の投資案件から資金の流用を行っていたこと。
ふたつ目は、金融庁の指導によりリファイナンスが難しくなったこと。
確実に言えるのはふたつ目の理由です。
少なくとも、16億円を集めたから川崎市の件についてはリファイナンスの問題ではなく、不動産担保を意図的に過大評価し、投資家から大きな資金を集めていた影響だと言うことができます。
今年2019年に入ってから明らかになった貸し倒れ案件は、リファイナンスが難しくなったことが直接の原因と考えられます。
しばらくは、貸し倒れ案件が想定通り投資家に元本の大半を返却できるかどうかを見極められるまで投資しない方が良いでしょう。
理由②:maneo(マネオ)はユーザーサポートの質が悪い
個人的にmaneo(マネオ)で最も質が悪いと感じるのが、投資家に対する情報開示方針です。
maneo(マネオ)もmaneoファミリーも両方同じ担当者が回答しています。
maneoに電話したことがある方は分かるでしょうが、投資家に対する質問は、基本的にプレスリリースやウェブサイト上の発表以外は何も話してくれません。
また、その発表の更新頻度は大変遅く、具体的に貸し倒れの経緯や回収状況などを投資家に満足いく形で公表したことはゼロだと言えます。
そして、2018年7月以降の返済自体がゼロです。
ソーシャルレンディングのトップ企業としてこれは許される事態ではありません。
情報公開の姿勢に関しては、金融庁から「ソーシャルレンディング会社の情報公開姿勢に問題がある」と指摘されています。
しかし、その指摘に対して、maneo(マネオ)は対応を一切していないのです。
投資家保護の精神だけ標榜しながら一切取り組みをしないという点は、maneoの信頼性を大きく損なうものです。
ユーザーサポートの開示方針が見えてこない限りは、絶対に投資しない方が良いです。
理由③:改善報告に具体的な基準が全く提示されていない
3月上旬に、maneo(マネオ)は金融庁の指導を受け、改善報告を行いました。
こちらのリンクからその報告内容は確認することができます。
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既存の金融機関等がカバーしきれない業界・地域への融資を通じて経済の活性化を促すことができること
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投資家の資金を利用する事業者として、法令等を遵守し、十分な社会性・公共性を有する融資を実行できること
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投資家保護の視点をもって、適切なリスク分析能力、内部のチェック・牽制態勢等を構築していること
この文章を読んで、果たして投資家はどう思ったでしょうか?
一体何の意味があるのか、具体的なことは一切書かれていない改善報告書です。
以前、maneoは第三者委員会を設置するとリリースを出しました。
しかし、どういった人が第三者委員会を担当しており、どういった業務を行っているのかについては明らかにされていません。
このような姿勢の状態では、投資家に対して情報隠蔽姿勢を貫く方針しか見えてきません。
理由④:セミナーを2019年2月以降開催していない
maneo(マネオ)は、自社そしてmaneoファミリーの投資家登録を増やすため、毎月2回ほどのペースで投資家向けのセミナーを実施していました。
最後にこの投資家向けセミナーが行われたのは、2019年1月です。
しかし、それ以降セミナー開催の目処がまったく立っていないのです。
このセミナーは、maneoファミリーの問題が発覚してからは、事実上投資家セミナーではなく、「投資家がmaneoに対してクレームを述べる場」になっていました。
そのため、maneoとしてはセミナーを開催することが投資家を増やすための施策ではなくなり、自分たちが苦痛を受けるだけの場になってしまったと感じているものだと考えられます。
maneoマーケットの瀧本社長も、行政処分発覚するまではこの投資家向けセミナーに登場していました。
しかし、行政処分発覚後は、maneo(マネオ)の社長である味形氏が登壇するようになり、そしてついにセミナー自体が開催されなくなってしまったのです。
こういったmaneo(マネオ)の姿勢を、我々投資家はどのように捉えるべきでしょうか?
投資家に対して説明責任があるにもかかわらず、上のポジションの人たちがどんどん公の場に出て来なくなり、ついにセミナー自体も開催しなくなってしまう。
これは、まさにmaneo(マネオ)の投資家に対する方針を如実に表している事例だと言えます。
筆者が先日2019年2月20日(水)に行われた「第二種金融商品取引業の研修」で聞いたように、2019年3月31日(日)までに金融庁は各履ソーシャルレンディング会社に情報公開の指針を提示するとしています。
それにより、ソーシャルレンディング会社がどの程度情報公開を行うのか注目されるところですが、少なくともmaneo(マネオ)に期待することはかなり厳しいでしょう。
その会社の真価は、何かあったときのクレーム対応で判断することができると筆者は思っています。
その点では、maneo(マネオ)の対応はソーシャルレンディング会社の中では最悪と言わざるを得ません。