2020年9月中旬、ソーシャルレンディングサイト「COOL(クール)」が第3号案件の募集発表を行いました。
この案件は、これまでのCOOLにはない融資スキームを構築するという大きな特徴を持っています。
そこで、当該案件の概要を見ながら、その特徴について説明していきます。
目次
ソーシャルレンディングのCOOL(クール)とは
出典:COOL(クール)
ソーシャルレンディング「COOL(クール)」は、株式会社COOLが運営するサイトであり、2019年7月に運営が開始されました。
その後、株式会社COOLが2019年10月に大手金融メディアを運営する株式会社ZUUの傘下となり、案件の募集が停止となりました。
そして、2020年8月から案件の募集を再開しています。
COOL(クール)の第3号案件の概要
まずは、COOL(クール)の第3号案件の概要を確認しましょう。
募集内容
名称 | LEGALAND不動産事業ファンド#1 |
---|---|
募集開始 | 2020年10月1日(木)10時 |
募集金額 | 30,000,000円 |
運用期間 | 3ヶ月 |
予定分配率(年換算) | 4.0% |
分配時期 | 一括 |
担保 | 無し |
保証 | 無し |
最低投資金額 | 10,000円 |
運用期間は3ヶ月と短く、利回りは想定で4パーセントと、不動産案件としては平均的な水準です。
なお、担保や保証は設定されていません。
融資先:東証マザーズ上場の不動産会社
当該案件では、融資先の企業名が公開されています。
融資先の企業は、東証マザーズ上場の不動産会社である株式会社リーガル不動産です。
資金の募集目的は、株式会社リーガル不動産が都内のマンションを取得するためと公表されています。
運用対象:目黒区内マンション
当該案件では、取得及び運用対象のマンション情報も公開されています。
住所は、東京都目黒区中目黒一丁目のマンションです。
物件名称は、株式会社リーガル不動産の富裕層向け低層階グランドマンション「LEGALAND中目黒1丁目物件」です。
詳細な情報については、COOLの会員限定情報として公開されています。
COOL(クール)の第3号案件投資リスクを独自に分析
では、COOL(クール)の第3号案件の投資リスクをクラウドアンサー独自に分析してみましょう。
この第3号案件のリスクには、どんなものが考えられるでしょうか?
物件の立地リスク
まずは、物件の立地リスクについて考えてみます。
物件の立地が良ければ売却時の損失が起きにくくなり、投資家に満額返済が行われる可能性が高くなります。
当該物件の所在地は東京都目黒区中目黒一丁目と、人気の高いエリアに建つマンションだと言えます。
この付近の公示地価は、ここ5年次のように推移しています。
年 | 坪単価 | 変動率 | 上昇・下落 |
---|---|---|---|
2016年(平成28年) | 430万0275円/坪 | 8.20% | 上昇 |
2017年(平成29年) | 457万6859円/坪 | 5.64% | 上昇 |
2018年(平成30年) | 479万5592円/坪 | 4.26% | 上昇 |
2019年(平成31年) | 510万6887円/坪 | 5.77% | 上昇 |
2020年(令和2年) | 546万8319円/坪 | 6.00% | 上昇 |
年々公示地価が大きく上昇しているエリアであり、コロナ禍でも急激な資産価値の下落は考えにくいと言えるでしょう。
返済リスク
COOL(クール)の第3号案件は、リコースローンとして融資が行われます。
リコースローンとは、返済責任の範囲が限定されていない融資のことです。
ノンリコースローンでは、債務者は担保を処分すればそれ以上の返済責任を負わないため、返済責任は限定されています。
しかし、リコースローンでは債務者は融資を受けた金額の全額を返済する責任を負います。
担保の有無に限らず、大きな責任を負うのです。
そのため、「担保が設定されていないから、この案件の返済リスクは高い」と判断するのは早計です。
基本的に全額返済の義務があるため、返済リスクは小さいと言えるでしょう。
運用期間リスク
運用期間は3ヶ月と短期間です。
運用中に大きな市況の変化が起こる可能性は低いと言えます。
また、不動産は株価などの下落の発生から半年~1年後に相場の変動が起こると言われます。
そのため、運用期間に不動産価格の下落が起こるリスクは低いと言って良いでしょう。
融資スキームにおけるリスク
融資スキームですが、次のようなスキームが構築されています。
出典:COOL(クール)
出典:COOL(クール)
担保や保証が設定されていない代わりに、融資元である株式会社COOL SERVICEおよび融資先が倒産しない限り、全額返済が行われる仕組みとなっています。
資金回収の可能性は、高いものが期待できるでしょう。
融資先の会社リスク
融資先の会社リスクを確認するときには、融資先の会社の規模をチェックしましょう。
資本力があれば投資リスクが低く、上場していれば法令遵守が行われないリスクは低いと言えます。
当該案件の融資先は東証マザーズ上場企業の不動産会社であり、資本規模や業務遂行能力、コンプライアンス遵守を期待できる会社です。
特に、上場企業の場合は資金の融資を受けたのに返済を行わないと、会社の信用性を大きく損ない株価が低迷するリスクを負っています。
そのため、悪評を立てないためにもきちんと期限通りに満額返済が行おうとするのです。
したがって、融資先の会社リスクも低いと言って良いでしょう。
まとめ:総評
COOL(クール)の第3号案件は、従来と異なる融資スキームを構築しました。
- 融資先は上場企業である
- リコースローンを採用し、債務者は無限の返済責任を負う
このスキームは、他社を例に出すと「Funds(ファンズ)」と似たようなスキームになっています。
Funds(ファンズ)でも、約1年半のソーシャルレンディングサイトの運営を行っている中で、貸し倒れや返済遅延を発生させたことは一度もありません。
このような融資スキームは、ソーシャルレンディング案件のリスク対策として高い効果を持っていると言えそうです。
運用期間は3ヶ月と短く、期間中に大きな不動産価格の下落が起こるリスクも低いでしょう。
利回りはそれほど高くないものの、ローリスクの投資先にお金を投入したい、そして少しでもお金を増やしたいという人にとっては、投資する価値の高い案件だと言えるでしょう。
COOL(クール)が今後のこのようなスキームの案件を積極的に提供してくれるのであれば、資産の保全性を重視する投資家にとって、ぜひとも利用したいソーシャルレンディングサイトになっていきそうです。
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