2019年にサービスを開始したソーシャルレンディングサイト「COOL(クール)」。
その後、運営は休止状態にありましたが、2020年の再始動を目指し、この度新規基幹システムの導入を発表しました。
ここでは、その新規システムの概要や導入の意味を解説していきます。
目次
ソーシャルレンディングサイト「COOL(クール)」とは
出典:COOL(クール)
ソーシャルレンディング「COOL(クール)」とは、どのような特徴を持ったソーシャルレンディングサイトなのでしょうか?
まずは、その概要を確認していきましょう。
2019年に開設されたソーシャルレンディング
COOLは、2019年7月に運営を開始したソーシャルレンディングサイトです。
運営は株式会社COOLおよび子会社である株式会社COOL SERVICEです。
案件の特徴は、「在日外国人が運営する日本国内の企業への融資案件に特化」したものとなっていました。
一方で、2019年7月から8月にかけて数件案件を募集した後は、ほとんど案件の募集を行っていませんでした。
運営元が2019年10月にZUUに買収される
案件募集休止中の2019年10月に、金融・経済のメディアサイト「ZUU」を運営する株式会社ZUUが株式会社COOLの株式を取得し子会社化。
その後、株式会社ZUUがソーシャルレンディング事業に進出するとの表明を行っているものの、2020年6月まで目立った動きはありませんでした。
COOL(クール)の特徴
COOL(クール)は、発展著しいアジアビジネスに出資できるソーシャルレンディングサイトを標榜していました。
在日中国人が運営する企業への出資案件を専門に取り扱い、企業の成長に寄与しながら、高い収益性も期待できることがCOOLの特徴であったと言えます。
しかし、2019年9月以降は案件の募集は行われていません。
COOL(クール)のシステム刷新の内容
2020年6月30日(火)、ソーシャルレンディングサイト「COOL(クール)」を運営する株式会社COOLから、会社の基幹システムとして新規の「CrowdShip Funding」を導入したことが発表されました。
この「CrowdShip Funding」を導入した意味を確認してみましょう。
グローシップ・パートナーズ提供の「CrowdShip Funding」に刷新
COOLでは、グローシップ・パートナーズ株式会社が提供する投資型クラウドファンディングパッケージ「CrowdShip Funding」を基幹システムに導入しました。
CrowdShip Fundingは、「融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」「不動産特定共同事業法を利用したクラウドファンディング」また「事業ファンド型クラウドファンディング」といった各法律スキームを効率的に運用することを目的とした投資型クラウドファンディングのパッケージシステムです。
次のようなソーシャルレンディングサイトの運営に不可欠であるフロントエンド・バックエンド業務を幅広くカバーするシステムです。
すでに20社以上に導入されています。
システムの機能
- 投資家募集
- 入出金管理
- 法定帳票
- ファンド運営の分配金計算
- 出資金管理
「CrowdShip Funding」の導入により大幅な省力化を実現
「CrowdShip Funding」の導入で、ソーシャルレンディングサイト運営に関する業務のさまざまな省力化を図ることができます。
次のようなソーシャルレンディングサイト運営に不可欠なの業務プロセスを自動化できます。
業務プロセスが改善可能な部分
- 新規投資家登録
- ファンド募集
- 契約締結
- 分配
- 償還
- 入出金管理
- 税務処理
さらに、預り金方式にも対応したパッケージであるため、投資家の再投資プロセスも簡易的な作業での実行が可能になっています。
ソーシャルレンディングサイト再開に備えての導入
COOL(クール)がシステム刷新を行った理由は、ソーシャルレンディングサイトの活動再開に向けての準備だと考えられそうです。
ソーシャルレンディングサイトの運営においては、投資家を集める必要があります。
ただし、投資会員増加とともに会員の管理、利益の配当といった煩雑かつ精密な作業を求められる事務業務が必要となります。
限られた人員で事務業務を行いながら営業活動のリソースを確保するために、新規システムを導入することで、ソーシャルレンディングサイトの運営を効率化する狙いがあるのでしょう。
同時に、省コスト化を図り、営業コストの捻出を確保していくといった狙いも浮かび上がってきます。
COOLから、新規案件募集が再開される日もそう遠くはないかもしれません。
まとめ
株式会社ZUUは、ソーシャルレンディングサイト「COOL」そして株式投資型クラウドファンディングサイト「ユニコーン」と、各種クラウドファンディングサイト運営の準備を着々と進めています。
大手金融メディアを運営していた株式会社ZUUが、直接金融サービスの運営に乗り出すことで、クラウドファンディングの業界の勢力図が大きく塗り替えられるかもしれません。
2020年、株式会社ZUUの動向には注目が集まります。