2020年に入り、不動産投資型クラウドファンディングサイトが続々と登場しています。
少額から不動産投資ができる不動産投資型クラウドファンディングは、投資家側にも、そして不動産会社側にとっても「気軽に不動産投資に取り組める」「取り組んでもらうことができる」メリットがあることから、多くの不動産会社が運営に進出しています。
今回、インタビューを実施したダイムラー・コーポレーションが運営する「Daimlar Fund」も、そんな不動産投資型クラウドファンディングの一つです。
競合サイトが新しく現れている中、Daimlar Fundはどういった特徴を持ち、投資家にアピールしていくのか?
投資家の皆様にとって気になるその点を、株式会社ダイムラー・コーポレーションの大村社長にじっくりと伺いました。
株式会社ダイムラー・コーポレーションとは
出典:ダイムラー・コーポレーション
Daimlar Fundを運営するのは、横浜市に本社を構える不動産会社である株式会社ダイムラー・コーポレーション(以下、ダイムラー・コーポレーション)です。
ダイムラー・コーポレーションはインタビューを実施させて頂いた大村社長が2007年に創業した比較的新しい不動産会社で、14期目の2020年は沖縄支社を立ち上げています。
まずは、その会社概要を確認しましょう。
社名 | 株式会社ダイムラー・コーポレーション |
---|---|
住所 | 神奈川県横浜市中区尾上町6-87-1 ダイムラービル |
代表取締役 | 大村 昌慶 |
創立 | 2007年11月1日 |
資本金 | 1,000万円 |
免許 | 宅地建物取引業国土交通大臣(2)第8111号
不動産投資顧問業国土交通大臣一般第1261号 小規模不動産特定共同事業者神奈川県知事(1)第3号 |
主に取り扱っている不動産のエリア・種類を教えてください。
本社のある神奈川・東京エリアを中心に、日本全国の一棟物件を中心に取り扱っています。
また、コロナ終息後まで見据えた戦略の一環として、今年(2020年)は沖縄支社も立ち上げました。
大村社長が公認米国不動産投資顧問(CCIM)を取得されていることをアピールされていますが狙いを教えてください。
日本には、不動産業を行うに際に宅地建物取引士が資格要件としてあり、5人に一人資格者がいればよいとされております。
こと、不動産投資に関しての専門資格の該当するものがありません。
私はその点を疑問にも思っていたのですが、知人の紹介でアメリカには不動産投資の専門資格があることを知りました。
専門性のある知識を身につけ、投資家の皆様にきちんと論理性のあるアドバイスを行えるように取得しました。
その資格取得が「出口戦略の徹底」につながっているのでしょうか?
そうですね、CCIMを取得したことにより厳密な「不動産の収益シミュレーション」を行えるようになりました。
不動産投資の利益は、売却して初めて確定します。
利回りが良いからと地方のRC一棟物件を買っても、売却時に買い手が見つからず苦労する事例も見てきました。
その点まで含めたシミュレーションを投資家の方々に提示し、何パターンもの売却ケースを想定して運営・戦略を練ることで確かな利益を得られるようにすることが我々の努めだと思っています。
Daimlar Fundを立ち上げた目的は
出典:Daimlar Fund
綿密なシミュレーションのもと確かな出口戦略の確立に自信を持つダイムラー・コーポレーション。
そのダイムラー・コーポレーションがなぜ今不動産投資型クラウドファンディングサイト「Daimlar Fund」を立ち上げたのか気になる方も多いことでしょう。
そこで、大村社長に不動産投資型クラウドファンディングという形での新しい不動産投資手法Daimlar Fundを立ち上げた理由を聞いてみました。
不動産投資型クラウドファンディングに着目した理由は何ですか?
当社のスタンスとして、人生設計をより良くする方法の一環として、投資は大いに役立つという考えがあります。
一方で、地方銀行の融資抑制など、2019年時点では個人投資家の方が融資を受けづらい状況となっていました。
そこで、そういった方々に不動産投資の間口を開くことができないかと思い着目したのが不動産投資型クラウドファンディングです。
2019年末に事業を展開することを決め、神奈川県への事業登録申請を行い、コロナ禍などでサイト開設には時間がかかりましたが、2020年9月にようやくサイトをオープンし案件の募集を開始できるようになりました。
Daimlar Fundを立ち上げた目的をお聞かせください。
今まで不動産投資をしなかった方を取り込む、また興味はあったもののなかなか取り組むことができなかった方たちを取り込む狙いがあります。
不動産投資のおもしろさを体験していただき、その中で実物不動産投資に興味を持っていただいても良いですし、投資という物自体に関心を持っていただきたいとも思っています。
不動産投資型クラウドファンディングに取り組む不動産会社様が増えていますが、実物不動産投資への融資が抑制される環境下で、少しでも不動産投資を行い個人投資家様のニーズを取り込む狙いがあるのではないかと思っています。
他社との差別化を行い投資家にアピールするためにどういった点を強調していく方針ですか?
Daimlar Fundを立ち上げた目的の一つに「不動産の収益化・再生」というテーマがあります。
これは、私たちの得意とする分野でもあります。
不動産特定共同事業法は多人数が少しずつ出資できるため、従来は投資の対象となりにくかった不動産を活性化し、運用するという狙いがあります。
そのような物件の運営で投資家様には、できるだけ高利回りな物件を提供していきたいと考えていますし、その収益性の高さが差別化にもなると思います。
着実に投資で収入が増えるという醍醐味を、できるだけ体験していただきたいですね。
また、徐々に新たなテーマやコンセプトを持った物件の運営案件も提供していくつもりです。
Daimlar Fundが手掛けていく案件の展望
短期間・高利回りという投資家にとっては魅力のある案件を提供していく予定のDaimlar Fund。
2020年10月時点で公開されている第1号案件も、想定年利7%、6ヶ月の運用期間となっています。
このような案件が今後も提供されていくのかを聞いてみました。
今後取り扱う予定の案件の種類や立地、特徴を教えてください。
しばらくは関東の区分マンション、一棟アパート・マンション中心ですが、市況などを見ながら投資効果の見込めそうな物件はどんどん意欲的に提供していきたいと思っています。
それこそ、沖縄民泊物件やホテル再生などチャレンジングな投資案件も紹介していきたいです。
投資家の資産保全の取り組みについて教えてください。
リスク対策も入念に行っており、大きく分けて2点あります。
1点目は、運用期間は6ヶ月という短期です。
これは市況変化リスクを避けるとともに、できるだけ早く不動産投資による収入を実感していただきたいからです。
3ヶ月だと期間が短すぎるため収益があまり発生しませんし、1年だと収益が入るまで長過ぎる。
そこで、6ヶ月を基本の運用期間としています。
ただし、一律で6ヶ月ではなく物件やプロジェクトの特性に合わせて柔軟に変化させることも考えています。
もう1点が優先劣後出資を行っていることです。
基本的に、不動産物件は当社が30%、投資家の皆様から集めたお金が70%で購入し運用します。
劣後出資割合30%とし、プロジェクトの保全性を高めることで、多くの投資家様が参加しやすくなるようにしています。
案件の募集ペースはどれほどになる予定でしょうか?
まずは月間1本を目標に運営していきます。
ただ、当サイトの認知度が高まり多くの投資家様にご参加いただけるようになりましたら、多様な物件の扱いなどを行うことで多くの案件を提供したいと思っています。
Daimlar Fundの目指すものについて
さまざまな人に投資の機会を知って欲しいと考える大村社長。
高利回りかつ可能な限りリスクを抑えることで、投資家の方たちに着実に資産を増やすことの喜びを知って欲しいとしています。
そんなDaimlar Fundの今後の目標について聞いてみました。
中短期的な目標の数字を教えてください。
直近の目標は年間での運用額を1億円にすることです。
第1号案件が700万円でしたから、この規模の案件を12ヶ月提供していくイメージです。
その後は中短期運用案件を増やします。
また、現在当社は運用金額の上限が1億円、個人出資額が100万円という制限のある小規模不動産特定共同事業法で不動産投資型クラウドファンディングサイトを運営していますが、その制限が緩和されるから不動産特定共同事業法で登録もできるだけ早く行います。
そして、運用額を随時増やしていきたいと思っています。
ただし、急激な成長もリスクの増加につながる可能性もあるため、着実に、また投資家の皆様一人一人の満足度を上げることを念頭に置きながら数字を伸ばしたいと思います。
理想ですが、3年を目処に1年間の運用金額を20億円ほどにできたらなと思っています。
個人投資家の方々にメッセージをお願いします!
現在の日本の経済成長を見ると、運用しないと資産は増えていかないどころか、減る可能性があります。
自分の資産を守るために貯金する方が日本人には大変多いですが、海外では多くの方が何らかの投資を行っています。
近年のアメリカの経済成長を見ると、S&Pの成長率は7%であり、インフレ率が3%となっています。
株を買えば年利4%の資産増を見込めます。
しかし、日本は東証平均の伸びが10年間で1.3%でしかなく、インフレ率も低空飛行です。
ただし、同時に金利が低いというメリットもあり、低金利で資金調達を行い不動産を買うことができます。
そして、不動産投資は株式投資や為替と異なり、急落が起こりにくく価値がゼロになることはありません。
不動産投資であれば、シミュレーションでの収支予測もある程度精度の高いものを立てられます。
そういった意味では、不動産投資は堅実志向の日本人向けの投資手法ではないかと思っています。
そこで、まずは不動産投資型クラウドファンディングで不動産投資のメリットと醍醐味を知っていただき、資産運用に挑戦していただければと思っています。
そして、その後はいわゆるFIRE(※)を実現し、自分の人生を自分のために使っていくことができる生活を歩めるようになれば、多くの方の幸福につながるのではないでしょうか。
※FIRE: Financially Independence Retire Earlyの頭文字を取った言葉で「経済的に自立した早期退職」の意。
まとめ
投資や資産運用は日本人にとってまだまだ馴染みがなく、ついつい尻込みしてしまう人が多いもの。
その背景にはきちんと不動産投資について伝えるための資格が日本に定着していないということも挙げられそうです。
Daimlar Fundの大村社長はそんな風潮を憂い、アメリカの専門的な不動産投資の資格を取得、そこで学んだことを多くの日本の個人投資家に伝えようと励んでいます。
Daimlar Fundは、「不動産投資の入り口として多くの人にその魅力を知ってもらいたい」、そして「資産運用についての意識を高めて欲しい」という意図のもとで事業を始めたとのこと。
可能な限り間口を広く、そしてリスクを抑えることを念頭においてファンドの組成を行っています。
日本は少子高齢化社会を迎えています。
そんな時代で老後の生活資金は個人が用意しなくてはならないと言われる中、老後も安定した生活を送るためには個人での資産運用は不可欠になっていくでしょう。
大村社長は不動産投資に関する本の執筆やサイトの運営も行っています。
投資初心者の方にもわかりやすく不動産投資を伝えることも得意としているのです。
そんな大村社長が手掛けたDaimlar Fundは、資産運用を学ぶきっかけとして最適ではないでしょうか。
これから不動産投資型クラウドファンディング投資を始めてみたいという方は、Daimlar Fundへの投資を検討してみてはいかがでしょうか?