ソーシャルレンディングに投資するときのリスク対策の一つに、分散投資があります。
複数のソーシャルレンディングサイトに資金を分散することで、サイトに問題が起こったときのリスクをある程度限定することができます。
そのためには、投資先となるさまざまなソーシャルレンディングサイトの特徴を知っておく必要があるでしょう。
ここでは、株式会社ジャルコが運営するソーシャルレンディングサイト「J.LENDING(ジェイレンディング)」について解説します。
目次
J.LENDINGの運営会社「株式会社ジャルコ」とは
出典:株式会社ジャルコホームページ
J.LENDING(ジェイレンディング)は、株式会社ジャルコが運営するソーシャルレンディングサイトです。
まずは、運営元の株式会社ジャルコがどのような会社なのかについて確認しましょう。
会社概要
会社名 | 株式会社ジャルコ |
---|---|
設立 | 1956年(昭和31年)3月9日 |
所在地 | 東京都中央区日本橋2丁目16番11号 日本橋セントラルスクエア8階 |
代表取締役 | 田辺 順一 |
資本金 | 350,000,000円 |
主な事業内容 |
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許認可/加入団体 |
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株式会社ジャルコの主な事業は次のとおりです。
- 不動産物件の販売や賃貸管理
- アミューズメント施設の建設や機器販売
- ソーシャルレンディング事業
また、資産管理会社としてJALCOホールディングス株式会社があり、JALCOホールディングス株式会社はJASDAQに上場しています。
JALCOホールディングスの年間売上は約200億円で、毎年好調な業績を上げていることがIR公告から確認できます。
そのため、ソーシャルレンディング会社の中でも、J.LENDING(ジェイレンディング)運営元の倒産リスクは比較的低いと言えるでしょう。
J.LENDING(ジェイ・レンディング)の案件の特徴
出典:J.LENDING(ジェイレンディング)
投資家のみなさんが気になるのは、J.LENDING(ジェイレンディング)ではどのような案件に投資できるのか、そして案件の保全性でしょう。
そこで、ここではJ.LENDINGの案件の特徴について解説します。
案件の特徴
- 運用期間は6ヶ月以内
- 利回りは3%~8%
- 案件募集に際し厳正な審査を実施している
- ファンド乗り換えサービスで再投資が容易
案件の特徴①:運用期間は6ヶ月以内
J.LENDING(ジェイレンディング)の運用案件は、運用期間がほぼ6ヶ月以内です。
案件の詳細では運用期間について記載されており、3ヶ月から6ヶ月の案件が中心です。
リスクを避けて短期運用の案件を中心に投資したい人にとって、J.LENDING(ジェイレンディング)は利用価値が高いサイトだと言えるでしょう。
案件の特徴②:利回りは3%~8%
J.LENDING(ジェイレンディング)の案件の想定利回りは、サイト上に3パーセントから8パーセントと記載されています。
実際に、想定利回りは5パーセント前後のものが多いです。
利回りは高すぎず低すぎず、ソーシャルレンディング業界の中では平均的な水準だと言えます。
ハイリターンを求める人にはやや物足りないかもしれませんが、リターンが高い案件はリスクも高いものです。
J.LENDING(ジェイレンディング)では、「ミドルリスク・ミドルリターン」案件を選んで投資できます。
案件の特徴③:案件募集に際し厳正な審査を実施している
J.LENDING(ジェイレンディング)の融資先の社名は投資家に公開されています。
そして、J.LENDING(ジェイレンディング)は融資先に対して厳正な審査を実施しているとサイト上に記載しています。
株式会社ジャルコの厳正な審査を突破した会社にのみ融資を行い、融資先に問題があれば融資を行いません。
ただし、厳正な審査において具体的にどのような項目をチェックするかについてまでは記載されていません。
案件の特徴④:ファンド乗り換えサービスで再投資が容易
J.LENDING(ジェイレンディング)は、2020年3月から「ファンド乗り換えサービス」を開始しました。
ファンド乗り換えサービスとは、すでにJ.LENDING(ジェイレンディング)に投資している案件がある場合、次回に募集される案件で一般に向けて募集を開始する前に投資の予約ができるサービスです。
そのため、ファンドの内容を吟味したうえで募集が開始される時間よりも前に投資できますし、入金手数料などもかかりません。
焦って投資する必要がないのです。
前の案件に100万円を投資している場合、一部を返してもらうこともできますし、追加の投資も可能です。
J.LENDING(ジェイ・レンディング)の2020年9~11月の募集実績
出典:J.LENDING(ジェイレンディング)
J.LENDING(ジェイレンディング)の直近3ヶ月の募集実績をチェックしていきましょう。
2020年11月の募集実績
J.LENDINGで2020年11月に募集が行われた案件は以下のとおりです。
- 募集案件数:1件
- 募集金額:1億円
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
1 | J.LENDING – LF22号 | 124日 | 100,000,000円 | 5.0% |
前月と同じペースでの募集となっています。
2020年10月の募集実績
J.LENDINGで2020年10月に募集が行われた案件は以下のとおりです。
- 募集案件数:1件
- 募集金額:1億円
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
1 | J.LENDING – LF21号 | 68日 | 100,000,000円 | 5.1% |
運用期間が2ヶ月強という短期案件です。
少しの既刊だけ余剰資金を運用したいという人にとって、大変投資しやすい案件でしょう。
利回りはJ.LENDINGでは平均的です。
2020年9月の募集実績
J.LENDINGで2020年9月に募集が行われた案件は以下のとおりです。
- 募集案件数:2件
- 募集金額:1億円
No. | 案件名 | 運用期間 | 募集金額 | 利回り |
1 | J.LENDING – LF19号 | 99日 | 50,000,000円 | 5.0% |
2 | J.LENDING – LF20号 | 95日 | 50,000,000円 | 5.0% |
8月は1件も募集がありませんでしたが、9月は再び募集再開で活気を呈しています。
融資先などの内容は、これまでの案件と大きく変わることはありません。
J.LENDING(ジェイ・レンディング)の良い口コミ・評判
J.LENDING(ジェイレンディング)対して、ソーシャルレンディング投資家はどのような評価をしているのでしょうか?
口コミや評判を探ってみました。
良い口コミ・評判
- 最高利回りが8%と高い
- JASDAQ上場企業が運営企業の親会社
- 不動産担保付き案件が中心
- ファンド乗り換えサービスで優先的に投資できる
良い口コミ・評判①:最高利回りが8%と高い
J.LENDING(ジェイレンディング)は最高で8パーセントの利回りを提供しています。
投資家から「利回りの高さ」を評価する声が上がっています。
ソーシャルレンディングの利回りは、リスク回避の傾向もあり徐々に低下しています。
その中で、8パーセントという高い利回りが得られるソーシャルレンディング会社は減少傾向にあります。
ソーシャルレンディング投資で高い利回りを求める投資家にとって、J.LENDING(ジェイレンディング)は利用価値の高いソーシャルレンディングサイトだとの評判です。
良い口コミ・評判②:JASDAQ上場企業が運営企業の親会社
J.LENDING(ジェイレンディング)の運営元であるジャルコ株式会社は、JASDAQ上場企業のJALCOホールディングスに属する企業です。
上場に際して、株式会社は次のような項目が審査されます。
- 反社会勢力との交際の有無
- 外部と内部での監査の実施の有無
- コンプライアンスの遵守方針
それだけに、投資家に対して不利益を発生させる行為に及ぶ可能性は低く、運営元の信頼性が高いソーシャルレンディングサイトだと言えるでしょう。
また、倒産のリスクも低いと考えられます。
良い口コミ・評判③:不動産担保付き案件が中心
J.LENDING(ジェイレンディング)の融資の案件は、アミューズメント事業を運営する会社が中心です。
通常の融資の際には担保が設定されますが、ジャルコ株式会社では大半の案件で不動産担保を設定しています。
そのため、融資先が倒産しても不動産担保を売却すれば、融資資金の大半を回収する可能性は高いです。
したがって、投資家にとって資産の保全性が高い案件となります。
返済のリスクは比較的低めだと言って良いでしょう。
良い口コミ・評判④:ファンド乗り換えサービスで優先的に投資できる
J.LENDING(ジェイレンディング)は、2020年3月からファンド乗り換えサービスの提供を始めました。
このサービスを利用すれば、それまでに投資していた資金を優先的に次の案件に回すことが可能になります。
ソーシャルレンディングにおいては、一つの案件の運用が終了すると次の案件の運用の開始までにタイムロスが発生しがちです。
タイムロスが嫌だという人からは、常時案件に投資できるファンド乗り換えサービスは大変便利だとの評判が伺えます。
ソーシャルレンディングへの人気が上昇し、なかなか投資機会に恵まれないという人からは、「ずっとJ.LENDING(ジェイレンディング)で資金を回しても良い」という感想もあります。
J.LENDING(ジェイ・レンディング)の悪い口コミ・評判
もちろん、J.LENDING(ジェイレンディング)に関する口コミや評判は良いものばかりではありません。
ソーシャルレンディング投資家にとってネガティブな声も聞かれます。
では、どういった点に不満を感じる投資家が多いのでしょうか?
悪い口コミ
- 最低投資募集金額が50万円と高い
- 案件の募集が年数回しかない
- コロナショックの影響が大きい
悪い口コミ・評判①:最低投資募集金額が50万円と高い
J.LENDING(ジェイレンディング)の最低投資可能額は50万円です。
他のソーシャルレンディングサイトでは1万円や2万円といった少額からの投資が可能です。
しかし、J.LENDING(ジェイレンディング)では50万円とまとまった金額を投資しなければ始められません。
一つの案件に50万円投資することに対して「リスクが高い」と感じる人もいるようですし、それだけのまとまった資金をなかなか用意できないと感じる人もいるようです。
ある程度の資金を持った投資家でないと、J.LENDING(ジェイレンディング)では投資を始められないのです。
悪い口コミ・評判②:案件の募集が年数回しかない
J.LENDING(ジェイレンディング)の案件募集数は、非常に少なめです。
2016年から運営されていますが、2020年3月末までに募集された案件の数はたったの13件です。
そのため、投資に参加できる機会が少なく、不便さを感じる投資家が多いようです。
ただし、2020年に入ってからは1月から3月までの間に連続して案件の募集が行われています。
ファンド乗り換えサービスも実装されたことから、比較的案件に投資しやすくなっているようです。
悪い口コミ・評判③:コロナショックの影響が大きい
J.LENDING(ジェイレンディング)の案件は、アミューズメント関連施設が多いです。
また、自社でもアミューズメント関連事業を展開しています。
2020年4月8日(水)から東京都で緊急事態宣言が発令された結果、傾向としてパチンコ店やゲームセンター、カラオケなどのアミューズメント店の営業の自粛が予想されます。
そのため、これらの事業の収益性が大幅に低下するおそれがあります。
コロナウイルスの感染の拡大が収束して不況が回復するまでは、株式会社ジャルコの売上が下がったり、倒産したりするリスクについて知っておくべきでしょう。
ただし2020年の募集が行われている案件は、アミューズメント施設とは関係のない案件であり、コロナショックの影響はそこまで大きくないといえます。
J.LENDING(ジェイ・レンディング)の総評
利回り:4
2019年から2020年にかけて募集が行われた案件の利回りは、5%と平均的な数字です。高すぎず低すぎず、今のソーシャルレンディング市場では適正な数字です。
実績:3
J.LENDINGを4年間運営している実績は評価できますが、その中で案件の募集回数がわずか13では投資家にとって不満に感じるところでしょう。
安全性:4
不動産担保は設定されていますが、担保評価額などは明らかにされていません。
ただし運営元が上場企業であること、また貸し倒れを起こしたことがない点は評価できます。
情報開示:4
融資先の企業名は投資家のみの限定公開です。
融資先の審査基準は不明瞭な部分があります。
情報の開示面は標準的な水準でしょう。
総合評価:4
運営元がJASDAQ上場企業であるため、倒産リスクは低いでしょう。
また、投資家が損失を被るような不正行為を働く可能性は非常に低く、ソーシャルレンディングサイト運営元としては信用できる会社です。
ただし、融資先の情報開示面に関してはまだ不十分と言える点もあり、案件数の少なさも相まって主力の投資先にすることは難しいかもしれません。
それでもファンド乗り換え機能の搭載や案件数の増加など、2020年に入りソーシャルレンディング事業に注力している様子も伺えます。
まずは、分散投資先の一つとして投資を検討してみてはいかがでしょうか?
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