2019年10月、クラウドアンサー編集部は、不動産投資型クラウドファンディングサービス「Jointo α」(ジョイントアルファ)を運営するあなぶき興産へ取材を実施しました。
投資家のみなさんが気になること、どんな想いを持って運営しているのかについて伺ってきました!
目次
ジョイントアルファを運営するあなぶき興産とは?
まずは、Jointo α(ジョイントアルファ)を運営するあなぶき興産の概要を紹介しておきましょう。
会社名 | 穴吹興産株式会社 |
登録番号 | 不動産特定共同事業 香川県知事許可 第1号 |
設立年月日 | 1964年5月25日 |
本 店 | 〒760-0028香川県高松市鍛冶屋町7-12 |
資本金 | 755,000,000円 |
代表者 | 代表取締役 穴吹 忠嗣 |
事業内容 | 宅地建物取引業免許 国土交通大臣免許(9)第3300号 特定建設業許可 香川県知事許可(特26)第5547号 一級建築士事務所登録 香川県知事登録第1847号 一般不動産投資顧問業登録 国土交通大臣登録 一般-第378号 第二種金融商品取引業登録 四国財務局長登録(金商)第12号 |
あなぶき興産は、分譲マンション事業を主力事業として展開している東証一部上場企業です。
「アルファ」ブランドのマンションは22,000戸以上の供給実績を誇ります。
分譲マンション事業以外にも、リノベーションや再開発、ホテル・テナントビルの運営といって事業も行っている会社です。
それでは、早速インタビューの内容をお伝えしていきましょう!
なお、取材にご協力いただいたのは、不動産ソリューション事業部の谷中覚様です。
ジョイントアルファについて
1964年から不動産事業を行っているあなぶき興産。
どうして「不動産投資型クラウドファンディング」へ参入しようと思ったのでしょうか?
まずは、ジョインントアルファが立ち上がるまで、そしてその後の状況について伺ってみました。
老舗不動産会社が不動産投資型クラウドファンディングを始めようと思ったきっかけや理由について教えてください。
元々、当社は不動産特定共同事業法による相続対策商品を販売していました。
法改正があり2019年4月からガイドラインが施行され、クラウドファンディングによる販売ができるようになりました。
そのため、新規事業を立ち上げようという話になったのです。
準備にはどれくらいの期間がかかりましたか?
システムの構築に一番時間がかかりました。
不動産特定共同事業法の電子取引業務にかかる許可の取得と、システム開発合わせて1年ほどでした。
—ローンチまでの期間が短いですね。
そうですね。
似たような事業を展開している他の企業から情報を集め、効率的に最短で始められるように進めてきました。
サイトを開設したばかりですが、現状の手応えはいかがでしょうか?
非常におもしろい事業だと感じています。
これまでの不動産販売においては、お客様と直接対面して商品の説明をして販売していました。
一方で、不動産投資型クラウドファンディングの場合、ウェブサイト上で販売が進んでいくというのはリアルの不動産販売とは異なると感じています。
現状、ジョイントアルファでは、投資家様に損失を出させないよう商品の保全性の高い商品を提供しています。
そのため、正直なところ当社の利益にはすぐには結びつかない状態です。
今後どのようにして収益化していくかというところが課題だと感じています。
マーケティングはどのように行っていらっしゃいますか?
ウェブ広告の一つであるリスティング広告を主に利用しています。
まずは、投資家様への認知度を高め、登録してくださる会員の数を増やしていくことを最初の目標としています。
—御社の場合、不動産の案件を見つけるよりも、投資家を集める方の優先度が高いですか?
そうですね、まずは投資家様を集めていくことがファーストステップだと考えています。
当社は地方不動産に軸を置いていますので、地方不動産の開発は今後たくさんできる見込みがあります。
それを新たな販売チャンネルとして、クラウドファンディングで小口化して販売していきたいと考えています。
他社に対する優位性はどこだと思っていらっしゃいますか?
他社様の場合、物件の中心が都心だと思いますが、当社は地方不動産も手掛けています。
地方不動産の場合あまり値上がりすることはないと思いますが、その代わり利回りがとても高いという点が魅力の一つです。
もちろん、地方の物件の中にも良い立地、悪い立地があります。
その立地の良し悪しを判断する目利きに関しては、当社が得意な部分です。
地方の中でも良い物件を仕入れ、利回りを高く設定し、なおかつ値下がりもしにくいような物件で投資商品が開発できたら良いかなと思っています。
穴吹興産について
1964年から不動産事業を展開しているあなぶき興産。
ジョイントアルファを運営する会社がどのような状態なのか気になる投資家の方は多いでしょう。
そこで、あなぶき興産について質問をぶつけてみました。
直近数年間の売上は好調に推移していますでしょうか?
そうですね、順調に伸びています。
マンションは毎年2,000戸ほどを目標に販売しています。
個人投資家が融資をひきにくい状況ですが、その影響は感じますか?
当社はアパート開発事業はやっておりません。
元々、個人のエンドユーザーさん、投資家の方がお客様という会社ではありません。
収益物件を開発したとしても、REITにおろしたりある程度大きな規模の法人に購入いただいたりしています。
そのため、投資家の方が銀行から融資を引きにくくなっていることはあまり影響を受けていません。
実際に物件を購入する不動産投資と不動産投資型クラウドファンディングは、今後どちらが伸びていくと思いますか?
どちらも伸びていくものだと考えています。
不動産投資型クラウドファンディングのような小口化した商品は、不動産特定共同事業法の法改正もあり、今後もどんどん伸びていく市場だと思っています。
現に、ジョイントアルファで案件を公開した際は数秒で完売してしまうような状況です。
そのため、不動産投資型クラウドファンディングに興味を持っている方は多いのかなと肌で感じています。
すでに運営されている小口不動産投資「アルファアセットクラブ」と「ジョイントアルファ」の差別化はどのように図っていきますでしょうか?
差別化を図るというよりも、ご購入いただく目的自体が異なります。
アルファアセットクラブは、任意組合型の相続対策商品という位置づけです。
そのため、資産家や富裕層の方に買っていただく相続対策用の商品です。
ですから、利回りを追い求めるというよりは、相続税評価額の圧縮が期待されています。
一方で、投資型クラウドファンディングは匿名組合型という位置付けです。
つまり、一般的な不動産投資商品です。
不動産投資型クラウドファンディングのジョイントアルファは、30代、40代といった初めて不動産投資されるような若い方お客様が多いことが特徴です。
不動産投資をしてみたいと思っているけれど、現物を購入するには大きな資金が必要になるため、抵抗のある方は少なくありません。
そういった意味で、ジョイントアルファは投資を始めるための入口としてはすごく入りやすいのです。
そういった投資家の方はどういったチャネルから獲得されていらっしゃるのですか?
先ほどお伝えしたように、ウェブのリスティング広告の運用を始めました。
当初は新聞に取り上げていただいたり、当社でニュースリリースを出したりしているだけで、ほぼ媒体を使っての広告はまったくしておりませんでした。
最近ようやく広告にも力を入れ始めたというステージです。
これから力を入れていきたいと思っています。
ジョイントアルファの案件について
投資家のみなさんが一番気になるのは、今後ジョイントアルファがどういった案件を提供していくのかではないでしょうか?
提供する案件数や物件のエリアなどについて聞いてみました!
30%の劣後出資はかなり大きいと感じますが、投資家保護のために大きなリスクを取っているのでしょうか?
そうですね。
—御社にとってリスクにならないのでしょうか?
投資家様に損をさせてしまう方がリスクだと思っています。
当社のメインの事業は分譲マンションの販売です。
メイン事業に比べ、ジョイントアルファの売上はまだまだ小さいです。
そのため、一般消費者の方の信頼を裏切るようなことは絶対できないという気持ちで事業を行っています。
投資家様に損をさせるリスクが低いであろう商品だけをおすすめしていこうというところです。
案件数は年間どの程度提供する・できる予定なのか目標などがあれば教えてください。
毎月1物件ずつぐらいのペースで出していければ良いなと思っています。
これくらい多くの案件を出していきたいとは思っているのですが、現在はできていない状況です。
投資家様、会員様を多く集めるためには案件数が大事だとは思っています。
ただ、保全性のある商品を出すことが重要だと考えているため、月1物件くらいのペースで出せれば良いかと現段階では思っています。
メインとして提供していく物件のエリアなどがあれば教えてください。
地方物件をメインにやっていきたいと思っています。
現在は、区分所有マンションを一部対象にしており、東京や大阪といった都市部の物件もあります。
今後は、区分所有というよりも一棟ものを中心として、地方の良い立地の物件で高利回り良い商品を多く提供していければ良いなと考えています。
現状案件はどのようにして探していらっしゃるのですか?
当社は利回りにこだわって地域物件を購入しています。
現状、高い利回りを実現できるのはホテルや簡易宿所といったインバウンドを対象とした宿泊施設系の施設が多いです。
特に、インバウンド需要の強い沖縄や北海道、九州において開発に力を入れています。
不動産物件情報を入手した後、「これは個人に売る、これはクラウドファンディングにする」と決める基準はあるのでしょうか?
特には決まっていないです。
商業施設やホテルに関しては、今後はすべてクラウドファンディングでやっていく可能性があります。
既存案件について、投資家から意見をもらったりはしていますでしょうか?
できる限り多くの案件を出して欲しいというご意見を多くいただいています。
—すぐ埋まってしまうので、投資がなかなかできないとかでしょうか?
そうですね。
現在は先着順で募集していますが、「抽選制が良いのではないか?」といったように、さまざまなご意見をいただいています。
—会社さんによっては抽選制を導入していらっしゃるところがありますね。
そうですね。
当社も抽選制の導入は検討してはいますが、抽選の公平性を確保する方法を模索中です。
不動産業界を取り巻くクラウドファンディングについてどう捉えている?
投資型クラウドファンディングに限らず、ソーシャルレンディングやクラウドファンディングサービスが登場しています。
ジョイントアルファも、第1号案件の募集を行ったのは2019年。
こういったのクラウドファンディングサービスが登場している環境についてはどう捉えているのでしょうか?
ソーシャルレンディングのことはどう捉えていますか?
仕組み的にはすごくおもしろいと思いますが、透明性に課題があるのではないかと感じています。
今年2019年に匿名化が解除されたため、今後は改善されていくとは思っています。
貸付先の信用力に関する情報をどこまで開示できるのかという点が一番のポイントかなと考えています。
反対に、不動産投資型クラウドファンディングに弱点はありますでしょうか?
なかなか許可が下りない点ではないでしょうか。
事業者さんが増えていかないという現状があります。
投資家様の視点からすれば、それぞれメリット・デメリットはあると思います。
ただ、運営会社の信用力という観点はいずれにも共通する重要なポイントだと思います。
しっかりと信用調査ができていることが重要でしょう。
ソーシャルレンディングも不動産投資型クラウドファンディングも、投資家様に大きな損失を出してしまうような事態は避けなければなりません。
いずれの業界も、そういったことを発生させないように覚悟を持って取り組んでいると思います。
投資家のみなさんに向けて一言お願いします!
最後に、投資家のみなさんに向けてメッセージをいただきました。
どんな方にジョイントアルファを利用して欲しいなどはありますでしょうか?
クラウドファンディングの魅力は、誰でも簡単に始められるという点だと思っています。
投資家の方が必要となる情報は公開しておりますし、不動産投資の入門編としてご活用をいただけたら嬉しいです。
また、今後はややリスクが高めの商品を提供していくことも考えています。
投資玄人向けの商品など、いろいろな方のニーズに合うような商品を開発していきたいと思っています。
他の投資と分散して投資する場合、どういった投資と相性が良いですか?
クラウドファンディングに興味がある方は、どちらかというとハイリスク・ハイリターンよりも、ある程度利回りが確定していて元本が毀損しにくいローリスク・ローリターンの商品を好まれるのではないでしょうか。
銀行預金よりもリスクは高いですが、もう少し高い利回りを求めてみたい方にはおすすめしたいです。
「ここを知ってもらいたい」というところはありますか?
保全性にこだわって案件を組成していますので、実際に投資していただき、「不動産投資はこういうものなんだ」ということを私たちと一緒に体感していただけたら嬉しいです。
ですから、いろいろな不動産を対象にしたいと思っています。
また、地方の不動産が中心ではありますが、ホテルやリノベーションの物件、もしくはまったく異なるような駐車場や店舗といったように、商品バリエーションを増やしていきたいなと思っています。
分譲マンションは当社の得意分野のため、今までどおり個人のお客様に販売していく形になりますが、その他の施設はクラウドファンディングの対象物件としてご提供できるかと考えています。
ホテルや商業施設に関する事業に関しては立地的に都心部ものが多く、投資家にとって魅力的な商品を提供できると思っています。
こういった大きな案件を提供できるのは、東証一部上場企業の当社ならではの強みだと思います。
そして、こういった金額の大きな案件に関しては、これまでは資産家の方や金融機関しか投資することができず、個人の方が投資するにはハードルが高すぎました。
そういった案件に対して個人の方が投資できるような機会を増やしていきたいですね。
最後に、投資家の方に向けてアピールしたいことがあれば教えてください。
繰り返しになりますが、ジョイントアルファを投資のはじめの入門として投資してご活用いただけたら幸いです。
また、ジョイントアルファを通して地方不動産や地方創生、町おこしなどに興味を持っていただければ嬉しいです。
一緒に地方を盛り上げていただける投資家様は、ぜひ投資していただきたいです。
まとめ
不動産投資型クラウドファンディング「Jointo α」(ジョイントアルファ)を運営するあなぶき興産にインタビューを実施させていただいた際の内容をお伝えしました。
クラウドアンサー編集部としては、東証一部上場企業が運営するという安心感が強く、今後他社がなかなか参入しにくいホテルや商業施設といった大きな案件が期待できることが、老舗の不動産会社だからこその強みになると感じました。
また、地方不動産に軸を置いていることもあり、地方創生や町おこしなど社会的意義の大きな案件の登場も期待できるのかなと感じました。
利回りを追い求めるだけでなく、社会貢献もできる案件に興味を持っている方にはおすすめの会社です。
今後は、利回りの高い案件の組成もお考えとのことで、投資家にとっては目の離せない会社であることは間違いありません。
今回の取材記事をお読みいただき、少しでもジョイントアルファに興味を持ったという方は、ぜひ口座開設をしてみてくださいね。
口座開設は無料で行うことができますよ。